榊原CEO「ピットブル兄弟と揉めたクレベルに、我々からペナルティをかすことはない」
榊原 今回の試合の前に、先般、磐田までいって『さわやか』でさわやかにハンバーグを食べて、クレベルといろんな話をしました。『超RIZIN.2』で起きたことは起きたこと。ピットブル兄弟とクレベルが揉めました。リングサイドで揉めてから、バックヤードでも。クレベルから謝罪があり、ピットブルも謝罪した。『喧嘩両成敗』ではないですが、傷害事件や怪我が起きたのではなく、感情が昂るなかで、日々の、戦う者同士の意地やプライド、同じブラジルの血をひく者同士の思いもあったのかもしれない。少しなのか、激しくなのか、揉めました。
この先、勝負事でお互いファイター同士、公の舞台で、リングかケージか、戦う舞台で正々堂々、戦って決着を着けてほしいと思います。あえて我々からペナルティをかすことでもない。思うところもあると思いますが、それも含めて9月24日、金ちゃん(金原正徳)との試合で表現してもらえたらいいと思っています。
金原 まず初めにクレベル選手、対戦受けてくれてありがとうございます。昔から知ってる選手だし、RIZINに出るようになってから全部試合も見てるし、『すごい強い選手』という自分の中でも理解です。あらためて『挑戦者』という立場でクレベルに向かっていきたい。この歳で言うのもなんですが、ゼロから気持ちを作り直したいと思います。
クレベル 金原さん、試合ありがとうございます。長い知り合いで、一緒にハードに練習しました。この試合は特別。試合やって自分、“チャンピオン”を守りたいです。タイトルマッチをもう1回やりたい。次の試合、頑張ります。ベルトは無いけど、まだ私フェザー級チャンプ。みんなよろしくお願いします。
榊原CEO 前回、クレベルは体重が作れずにタイトル剥奪という状況のなかで、朝倉未来vs.ヴガール・ケラモフでフェザー級のタイトル戦が決まり、ケラモフが王者になりました。(前王者の)クレベルが、その挑戦権をもつ最右翼であることは変わらない。ファンも含めて、次に挑戦するべきだと太鼓判を強く押してもらうために、金原戦はとても大きな意味を持つ。“金ちゃん”──金原選手にとってもここでクレベルを獲れば、タイトル挑戦権に一番近い選手を倒すわけで、鈴木千裕が勝って、さらにフェザー級戦線が混沌としているなかで、金原選手が勝つことでさらに風雲急を告げる。これぞRIZINという、実力者同士の試合が見せられること、このカードが組めたことを嬉しく思います。
クレベル「いまは自分のタイミング」、金原「グラップリングで対抗できるのは自分しかいない」
──互いの印象を。
金原 本当にクレベルの試合はRIZINに出てからも、ずっと見てきたので強み弱みも分かっている。ここ最近、完成度が高くなってきて、まだどこで勝負しようかなと決まってない部分もあります。フィニッシュ率も高い。RIZINでは全部フィニッシュしているし、本当にグラップリングの強い、完成度の高いイメージです。
クレベル 二人で一緒に練習したこともあり、金原は前に戦極のチャンピオンで、すごい全部が、MMAが上手い。ちょっと歳が上だけど、まだ上手で身体が強い。グラップリング、キックボクシング、レスリング……全部が上手い。でも、いまは“自分のタイミング”かな。頑張りましょう。大リスペクトしています。でもこれは自分のタイミング。私が勝ちます。
──山本空良戦後に「クレベル渋滞」には並ばないと言っていたなか、試合が決まっていかがですか。
金原 ほんとうにこれ決まった時に、カードは“巡り合わせ”だと思いました。クレベルとそこまでやりたいというよりは、ケラモフとやりたい気持ちがあり、マイクでそう言いましたが、一番人気のクレベルの列に、一番手で並べると思ってなかった。僕の後輩の徳留(一樹)とサトシが戦って、こういうカードもあるのかなと。自分とクレベルに運命を感じます。
ーー「よく知っている」という相手と戦うことは?
金原 リングに上がっちゃえば、親兄弟であろうと関係ない。昔から知っているし、尊敬できるファイターですが、関係なく、いちファイターとして拳を交えるだけです。
ーー前回大会の時にクレベルを「最強」と。どんな展開を予想していますか。
金原 クレベルとは誰もが避けるグラップリング勝負をしない選択肢もありますが、自分はグラップリング、柔術に自信があるので、そこで唯一対抗できるのは自分しかいないとずっと思っていたし、そのなかでクレベルがどう選択するか分からないけど、組んだなかで勝てるもので勝負していけばいいと思っています。
ーー弱点は?
金原 弱点はないでしょうね。強みしか正直見えてこないし、自分がどこで勝負しようかなというところです。
ーー対戦を望んでいたケラモフ選手と朝倉未来選手との試合をどう見ましたか。
金原 ケラモフ、やっぱ強いなって思いました、シンプルに。未来の強さも知っているし、組んだことがないから強さを感じたことはないけど堀江(圭功)くんとの試合も見ていて、ただ、強いなと感じていました。
ーークレベル選手、前回、400gの計量オーバーで、今回はどんな準備で計量に臨みますか。
クレベル 間違いないです。ご飯とかいろいろ、もっと厳しいダイエットをするので、それはみんな心配しないで。ちゃんと自分の階級で出来るように。前はすみませんでした。多分、もうアップしない。ちょうど今、75kgくらいで、いつもそれくらいです。
ーーこの試合に勝ったらベルトに挑戦できる可能性が高いと。ベルトに対する思いは?
金原 フェザー級に参戦した頃からそれは目指していたところ。でも今回は、マジででそんなことを考えている余裕のない相手なので、進退を賭けてやるつもりです。終わってからどうなるかは、あらためて考えます。
クレベル 一個ずつ考えています。まず、金原戦が最初で勝つ。(ケラモフが)誰とでも勝ったら、ベルトを日本に戻すべき。1回、金原と戦って、次がタイトルマッチだったらケラモフとやりたいです。