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2023年7月30日、さいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN.2』でのBellatorパートにて、元ライト級王者のパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)に3R、右カーフキックからのパウンドでTKO負けしたホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)が、1R目に右第五中手骨を骨折していたことを明かし、全治2~3カ月と診断されたことが1日、分かった。
AJ・マッキーの黄色ブドウ球菌感染症による欠場で、試合1週間前のバーベキュー中にオファーの電話を受け、82kgの体重を契約体重の73kgに落としたサトシ。対するパトリッキー・ピットブルは20日前から日本入りし、調整を重ねて万全の状態で臨む、GP1回戦だった。
サトシは、「試合ギリギリで決めて体重落としたし、ほんとうにキツかった。100パーセントではなかったけど、言い訳は出来ない。自信があったから出ました」という。
試合の序盤でサトシの右手に異変があった。
「1Rの中盤のパンチで折れて、凄く手が痛んで“折れた”と思ったけど試合は続けた。1R終盤に投げに行って、相手の足を抱えたけど、全然、手の引っ張る力が無いからヤバいな……と思っていた。2Rにも引き込んでクラッチして相手が逃げようとしたときに、手が痛くてクラッチできなかった。右のパンチを思い切り打てないし、投げが出来ない、ガードも出来なくて、少しずつ自信が下がっていった。3Rが始まって、私はどうしよう……と思った」
フィニッシュは右カーフキックでのダウンからのパウンドアウト。
「キックは当たったけど、ほんとうに当たったのは私の気持ち。手を負傷して勝つ道が見えなくなったから。それで今回、負けました。足抱えて出来るかなと思ったけど、私の動きが止まったから(ストップは)しょうがない」と、敗戦を振り返る。
緊急参戦で“ピットブル”と戦った代償は「右第五中手骨骨折」。ドクターからは全治2~3カ月と診断された。
「ここまでじゃない。これからRIZINのベルトを守る。次のチャンスもあれば、またBellatorの選手と戦いたいです」と、前を向いたサトシ。年内に復帰が可能かどうか。陣営は、次戦こそベストコンディションで臨みたいとする。
今回のAJの欠場による、代替試合では、鈴木千裕とパトリシオ・“ピットブル”・フレイレが「ともに緊急参戦」で70kg契約で試合をし、鈴木が1R KO勝ちの金星を挙げた。そして、朝倉海の欠場には、フライ級に落としていた扇久保博正が2週間前参戦、バンタム級に戻してフアン・アーチュレッタに判定負けした。サトシの場合は、相手が万全な中、自身は追い込み練習も出来ないリスクを承知の上でスクランブル参戦し、骨折と黒星を負った。
「博打」のような試合は、ときに存在し、互いに条件をのんだうえで戦う以上イーブンで、その勝負に勝ったのがパトリッキーと鈴木だった。鈴木と対戦したパトリシオは、セコンドとしての来日で、試合決定の前日まで東京の日々をリラックスして過ごし、試合に向かう練習はしていなかったことも伝えられており、それでも勝てると踏んで、リングに上がった。鈴木はそんな二階級制覇王者を相手に打ち合いに持ち込み、見事フィニッシュした。
今日、磐田へ出向きサトシとクレベルと打ち合わせをして来ました。
— 榊󠄀原信行 Nobuyuki Sakakibara (@nobu_sakakibara) August 7, 2023
お昼の時間だったので“炭焼きレストランさわやか”へ連れて行ってもらいました。
初めて行きましたが、評判通りのデラうまでした!最高!
この打ち合わせで話した件は、近々皆さんにきちんとご報告します。
もう少しお待ち下さいね。 pic.twitter.com/I1K8UAR23t
メインカード消滅のピンチを救った2試合で、そのカードの実現には大変な交渉があったことも確かだ。通常の試合でも両者が万全の状態というのが多くはないのが格闘技。しかし、本来の階級で相手を想定してコンディションや戦略・戦力を積み上げて戦う試合とは、異なる種類の試合であることもまた事実だった。