2023年8月18日(金)東京・後楽園ホール『RISE 171』にて、イマッド・サヒ(スペイン/Voodoo Fight-gym)と対戦するRISEバンタム級王者・鈴木真彦(山口道場)が7月31日(月)大阪の所属ジムにて公開練習を行った。
鈴木は得意とする近距離でのミット打ちを行い、スピードのあるパンチ&蹴りを叩き込み、「こんなに試合間隔が開いたのは久しぶりですが、いろいろな刺激を蓄えて来たので早く爆発させたいと今は試合が楽しみです」と、試合が待ち遠しいと話し始める。
「前回、前々回と連敗中なんですけれど、今は気持ちを入れ替えてまた強い鈴木真彦を見せたいと思います」と、5連勝がストップした2022年12月の志朗との再戦、2023年3月にK-1のリングに乗り込んでの玖村将史戦と喫してしまった敗北を払しょくするような試合を見せたいと意気込む。
その玖村戦後は「負けた試合はどの試合もそうですが、対抗戦というのもあったし、一番落ちましたね。今までで一番どうしようかなという感じになりました」とかなり落ち込んだというが、「今もその悔しさを忘れているかと言ったら絶対にそんなことはなくて、やられっぱなしで終わるのはカッコ悪い。いずれ(再戦が)出来るように、そんな簡単じゃないですけれどやられっぱなしでは終われない」と屈辱は胸に刻んであるとした。
そこからは「練習をやるしかないって感じで。結果で見せていくしかないなと」気持ちを切り替えた。
今回対戦するサヒはスペイン・マドリード生まれの21歳。10戦10勝と無敗でWBC Mediterraneanフライ級王座、Extreme fightersバンタム級(-55kg)王座の2つのタイトルを獲得している。
「映像はちょっとしか見てないですけれど、ムエタイベースで身長が高いのかなくらいな感じで。対策はまだしてないけれど自分は自分の戦い方が出来るように調整しています。強い選手は、相手に合わせるのも大事ですが、最終的には自分の得意なところにもっていくと言うか。自然とそういう形になると思うのでそういう練習をしています」と、相手がどう出てこようが自分の得意な形に持っていくとした。
警戒する部分はあるかとの問いには「外国人選手特有の身体の強さとか、勢いもあって僕より若いですよね。だから自分が向こうのペースに持っていかれないように鈴木真彦の試合をしようという感じですね」と若さや勢いをあげたが、それに飲み込まれないことがテーマのようだ。
7月の地元・大阪でのビッグマッチには出場せず、「今までビッグマッチに参戦させてもらっていて、自分がそこにいないことにモヤモヤと言うか。早くリングに上がりたい気持ちが強かったです」という鈴木。今回は2022年1月以来となる後楽園ホールでの試合となるが「場所はどこでもやることは一緒なので、僕の試合を見せられたら」と会場の大小は気にならないとする。
「練習は出稽古に行かせてもらったり、ボクシングにも行っているし、充実した練習が出来ています」と言い、「強化している部分はやはり気持ちの問題。気持ちはリフレッシュ出来て練習も出来ているので、どこを重点的に強化すると言うかキックボクシングを楽しんでやっている感じです」と、楽しむことを重視しているのだという。
「どこかでキックボクシングを楽しめていない、思い切り楽しめていない自分がいて。そういうのも敗因につながったと思っています。一旦リフレッシュして今は一から。心の持ちようじゃないけれど、それは大事だと思っているので。何も変わってないけれど、強い鈴木真彦を見せたいというのが一番です」
プレッシャーを感じすぎていたということかと聞かれると、「そういうメンタル面もあると思いますし、次の試合からまた強い姿を見せていくので見てください」と、今はもう吹っ切れている様子。
玖村戦ではジャブがキーポイントになっていたが、ボクシングの練習でその部分の改善は行っているのかと問われると「僕のスタイルではジャブは当たるものだと思っています。ディフェンス面、ジャブに対する対応はやっていますが、変わらず僕のスタイルでこれからも行きたいと思っています。ジャブが来たらこうする、とか何パターンかは用意しています。全体的にレベルアップしていると思いますね」と、大きなスタイルチェンジをする気はないという。「僕は問答無用の爆撃ボーイなので、僕はそこを変えると強さがなくなる。逆にそこをもっと磨いていこうと思いましたね」と、自分の強い部分を伸ばして行きたいとした。
8月26日(土)東京・大田区総合体育館では大﨑孔稀(OISHI GYM/同級1位)と加藤有吾(RIKIX/同級4位)が、RISEバンタム級王座への挑戦権を懸けて対戦することが決まっている。
「正直、どっちが勝つか分からないけれど、大﨑選手の方が僕の名前を出してやりたいと言ってくれているのは嬉しい半面、ムカつくところもあるのでぜひ勝ってもらって思い知らせたい。まあ、どっちでもいいですけれど、勝ち上がってきた方と。特にそこを重点に置いているわけではないけれど、守るのも王者の仕事なのでしっかり頑張りたい」と、どちらが挑戦者になってもいいが大﨑に思い知らせてやりたいとの言葉も。
自分の再起への道のりについては「目指すところは変わっていなくて一番になりたいのがあるので、そこに向けて最短で行きたいですが、まずは結果を残して勝って行こうと思います。これから全部倒していけるような試合を見せていきたいですね」と、KOで勝ち進んで行くことをあげる。
国際戦に関しては「世界の選手と戦っているカードもあるし、54kgのトーナメントも行われているのを見て、そこに自分が出ていないのを何も思わないわけじゃない。そこも含めて見せていきたいですね」と、ここから巻き返していきたいと語った。
「どんな形であってもこれからも僕は結果を求めていくし、勝ち方…KOですよね。お客さんを沸かせて勝つっていうのが僕の中にあるので、全試合KOを目指していければと思っています」と意気込む鈴木は、「お待たせしました。後楽園ホールで凄い勝ち方をしてMVPとベストバウト、ベストKO全部かっさらうつもりで戦うので期待してください」と三賞を総なめにするような試合をすると宣言した。