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2023年7月30日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された『超RIZIN.2』のメインイベントで、1R 2分41秒、リアネイキドチョークで朝倉未来(トライフォース赤坂)に一本勝ちし、フェザー級のベルトを巻いたヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/ORION FIGHT CLUB)が、試合後インタビューに答えた。
鈴木選手であろうとクレベル選手であろうと斎藤選手であろうと、言われた人といつでも戦う用意があります
━━ベルトを巻いた今の気持ちを。
「ありがとうございます。とても幸せな気持ちです。この瞬間をずっと長いこと待っていました。やっとベルトが私のものになり本当に嬉しいです」
━━朝倉選手のイメージで、対戦前と違ったところはありますか。
「まず、朝倉選手と対戦することが決まったときから決して楽な試合にならないと分かっていたので、自分としても丹念に準備してきました。自分がひとつでもミスすれば決してそのミスを逃すことなく攻めてくる相手ですから、これまでの選手と比べても2倍も3倍も用意周到に練習してきました。本当に素晴らしい対戦相手だったと思います」
━━勝利して登ったコーナーから見たファンや、光景はいかがでしたか。
「特別に周りを見て、たとえば『朝倉ファンが多いな』とかそういう特別な感情はもたなかったです。自分は外国で対戦することも多いですし、そういう時に、対戦相手のファンがほとんどで自分を誰も応援していくれていない状況は何度も経験しました。そのなかで、いつもチームが後ろに控えて応援してくれていますし、国では仲間や家族が支えてサポートしてくれていると分かっているので、どんな場所で戦うときもそれを感じていました。日本のファンが朝倉ファンが多いということを意識するようなことはありませんでした」
━━日本にもケラモフ選手を応援していたファンはたくさんいます。そういう方にメッセージをいただけますか。
「日本のファンの皆さんに、心から感謝したいと思います。自分の国にいる時も応援してくれてSNSを通して、さまざまな形で応援してくれています。それが日本語だろうと英語だろうと翻訳機にかけて全部読んでいて、私に対する応援の気持ちを受け止めて感謝しています。この機会にあたたかいご支援、応援に感謝申し上げたいと思います」
━━フィニッシュのリアネイキドチョークについて、ロープ際でしたが、あの状況でも極めきる自信がありましたか?
「特に今回リングでしたが、たとえばケージならもっとやりやすかったと思います。今回リングでしたが、自分自身はあの場所であのチャンスを逃してはダメだと思っていたので、必ず極め切る自信がありました」
━━今日、Bellator王者のパトリシオ・ピットブル選手と鈴木千裕選手の試合がありました。同じフェザー級ですが、鈴木選手とも対戦したいと思いますか?
「もちろんです。鈴木選手であろうとクレベル選手であろうと斎藤選手であろうと、言われた人といつでも戦う用意があります。このベルトは長く自分のもとにあると信じています。RIZINの中でも自分の66キロは非常に優秀な選手が多い。たとえベルトをとっても1日も休まず練習しないとこれは保てないと思うので、肝に銘じたいと思います」
━━朝倉選手とは何度戦っても同じ結果になると思いますか?
「その自信はもちろんあります。朝倉選手は打撃に強い選手なので、チームの作戦としては打撃戦より、なるべくグラウンドでやれたほうがいいというアドバイスを受けて、それに従い、私自身は打撃でもひけをとらない、勝っていける技術があると思うので、打撃戦でも恐れることはなく、将来的に打撃勝負でも絶対に勝てる自信があります」
━━マウントからの肘打ちに固執せず、相手選手の体を反転させ背後に回りチョークにいくためにわざと相手の身体を動かしたのでしょうか。
「実際に私はマウントをとって、ヒジを落とし最終的にはチョーク。それぞれの動きのなかでこの瞬間を活かしたいと思いながら焦らず、最初は打撃でやりあい、チームが絶対にグラウンドに持っていたほうが有利ということでチャンスがあればテイクダウンしようと考えていました。ある程度の計画通りに実行してうまく行ったと思っています」
━━あなたは朝倉選手の立ち際に右足を外からかけて、左足はまだ相手にかかっていませんでした。ケージではなかったけれど極め切れないという心配はなかったですか。
「左足は自由でしたが、相手をコントロールしていました。万が一立ち上がっても、彼をコントロールして勝てる自信はありましたし、ブリッジしたりしていましたが、自分はコントロールできていた自信があったので、勝てる自信がありました」
━━あらためて朝倉選手に勝利したことについて。
「名前だけでなく実力のある選手だと思います。その選手に勝てたことは名誉ですし、これからの励みにもなると思います」
━━11月4日にRIZINがアゼルバイジャン大会を開催することを発表しましたが、モチベーションにつながりましたか?
「もちろんです、とても大きなモチベーションになります。たとえば外国でRIZINの競技をやるのは初めてで、バクーでやることは私やトフィック(ムサエフ)、メイマン(マメドフ)が日本で何度も試合をして実力をみせて功績を築いてきた、その一部であると思いますし、日本やRIZINに対する愛が実った結果だと思うので大変嬉しいです」
━━アゼルバイジャン大会で、誰と戦うことになると思いますか?
「組織委員会のほうで、何人か候補者をあげてもらい選べと言われれば選ぶし、ただ自分としては誰であろうと構わない。クレベル(コイケ)選手でも斎藤裕選手でも、言われた人と対戦します」
━━今日の勝利と、アゼルバイジャン大会の発表があったことで、日本のファンがよりアゼルバイジャンに注目することに。国の魅力や、自分の強さに生まれた環境がどう影響したか教えてください。
「私自信は田舎のほうで育って、私のうちも金持ちでもなく遊びと言ったら外で喧嘩というか、格闘技の真似っこをする以外、遊ぶ方法がなかったので、毎日のように外に出て友達と遊びのような喧嘩をしていました。それを見た両親がもうちょっとちゃんとした格闘技をやったほうがいいのでは、とクラブにいれてくれたんです。そういう環境だったので自然と格闘技を学ぶようになりました。アゼルバイジャン人は友好的な民族で、一般的な人は日本にとても興味をもっていて仲良くなりたいと思っています。歴史的建造物もたくさんあり、ツーリストとして来ても飽きることがないし、おいしいアゼルバイジャン料理を味わってほしいと思います」