朝倉海は、ハートの弱さを露呈した
――さて、日本では7月17日に朝倉海選手が「左膝内側側副靱帯損傷」による欠場会見がありました。その知らせを聞いて、まず率直にどう感じましたか。
「まず、非常に残念に思ったよ。7月初めに怪我をして全治6週間だと。そこから30日後に試合だった。戦うことというのは──僕も前戦で怪我をした通り、ファイトキャンプも含めて、パーフェクトな状態ということはありえないわけであって、やっぱりそこはウォリアー(戦士)、選手としては、それであっても戦うという意気込みであるべきだと思う。
なぜ欠場する羽目になった? 彼にとっても一世一代の試合だった。黄金を手に掴めるかもしれなかった機会を、みすみす指の間からこぼしてしまったんだ。彼にはとても失望した。俺たち双方にとって最大の機会をダメにしたばかりか、日本のファンも失望させたんだ。
今回、朝倉海が出られなくなったことに関しては、正直言うと、彼のウィークネスというか、弱さをやっぱり露呈したことになって、もし次、彼と戦うことがあるのであれば、やっぱりそこが自分としては勝負ポイントになってくると思う。彼のどこを攻撃すれば良いか分かった。それは海のハートだ。海は戦士のハートを持ちあわせていない。もし俺たちが戦うときが来たら、それを晒してやるよ」
――怪我はコントロールできる部分とそうでない部分もあるかと思います。ただ、アーチュレッタ選手も朝倉海選手を対戦相手に想定した練習をしてきたと思います。ストライカーからグラップラーの扇久保博正選手に相手が変わってしまって戸惑いや、アジャストメントはいかがでしたか。
「宮本武蔵の考えや教えにあるように、『己との戦い』だ。いかに自分に勝つかということを重要に考えているので、相手がどうであれ、相手が変わろうとも、自分がやるべきことは一緒だと。僕のゴールは、日本でベルトを獲ることで、クイントン・ランペイジ・ジャクソンだったり、ダン・ヘンダーソンであったり、PRIDEで自分が影響を受けた、そういう人たちのように、日本でのベルトを獲るということが自分のゴールであり目的なので、相手が誰であろうが変わらないよ」
――とはいえ、扇久保博正選手はRIZINバンタム級ジャパンGP 2021優勝者です。彼にどんな印象を持っていますか。
「まずは、ヒロ(扇久保)、急なオファーを受けてくれてありがとう。彼は真のチャンピオンだ。俺は知っているよ。彼が朝倉海を倒し、井上直樹も倒したことを。だが1点、俺と彼には違う点がある。俺は彼を倒したキム・スーチョルに勝っている」