最後までパンチで逆転を狙った福田だったが、一歩及ばなかった(C)MuayThaiSuperFight
ムエタイの本場タイで活躍を続ける福田海斗(=カイト・ウォーワンチャイ/キング・ムエ)が、2023年7月18日(火)のペッティンディー系興行『スックムエマンサナンムアン』のメインイベントに出場。今年3月7日(火)に一度対戦し、勝利を挙げているチェップカート・ポーポンサワン(タイ)と4カ月の期間をおいて再戦、第3R終盤からリードを許しリベンジされ、痛い敗戦を喫した。
チェップカートは6月23日(金)ラジャダムナンスタジアムでのペットニラン戦後、『ONE』への出場希望を表明し物議をかもしていた。そんなチェップカートの前に立ちはだかり存在感を示したいところであったが、チェップカートの徹底的に打ち合いを避ける戦法に手を焼き判定負けとなってしまった。
試合前賭け率は10-9で福田がややリード。元々激闘派で名の通っているチェップカート、序盤から積極的に仕掛ける。細かいローから左ボディーアッパーや右ボディストレートを狙い撃ち。バチン! と音を立ててヒットするが、福田は効いたそぶりもなくもローを返す。
第2Rに入ると今度は福田がプレッシャーをかけワンツーからヒジ、ローにつなぐ。またしてもボディーへのパンチ狙いのチェップカートに対しヒジのカウンター。このラウンド中盤以降、激しいヒジの打ち合い。徐々に後退するチェップカートは下がりながら左ヒザのカウンター。このラウンド終了時では5-4と依然として福田がリードを保った。
第3Rに入るとお互い一気に前に出てパンチとヒジが飛び交う。そして組んでのヒザの攻防が繰り広げられるが、レフェリーのブレイクがかかるタイミングではチェップカートがヒザを決める場面が目立つ。ここからチェップカートはヒザの狙い撃ちで福田のボディーにヒザを突き立てる。組んでも体勢をキープするのはチェップカート、このラウンド終了時で賭け率が逆転、福田が追いかける展開となった。
勝負の第4R、すぐに距離を詰める福田に対しチェップカートは徹底的に左ヒザのカウンター、そして距離をとってすでに外す展開。福田も距離を詰めてもすぐにチェップカートに組み止められ、良い体勢を作れず賭け率はどんどんチェップカートへ。第4R終了時で40-1とすでに勝負あり。
最後まで必死にパンチで追いかけるも勝負しないチェップカートを捕えきれず試合終了。判定でチェップカートのリベンジを許す内容となってしまった。
うつむき加減でリングを降りる福田に対し、チェップカート陣営は大喜びでリング上の記念撮影。チェップカートのトレーナーを務める、往年の名選手ドークマイパー・ポーポンサワン(メジャースタジアム元ランカー)は「カイトはパンチが重いし、ヒジも鋭いからできるだけ打ち合わないように、カウンターの練習ばかりしてきたよ。うまく決まったって感じだね。多分、また再戦があると思うよ。ギャンブラーはカイトのこと好きだからね、また次も盛り上がるさ」とさらなる再戦に含みを持たせた。
チェップカート陣営の作戦にしてやられた福田であるが、プロモーターから8月にもすでにビッグマッチ出場要請があるという。タイを主戦場として活躍する福田は“ウォンカン・ムエ”(ムエタイ社会)に認められた日本人としてまだまだ期待値は高い。次戦のビックマッチ出場の発表も気になるとことだ。
2023年7月18日(火)タイ・ランシットスタジアム
「スックムエマンサナンムアン」
▼メインイベント(第4試合)127ポンド契約 3分5R
〇チェップカート・ポーポンサワン
判定3-0
×カイト・ウォーワンチャイ(福田海斗/キング・ムエ)