ONE Friday Fights 262023年7月21日(金)タイ・ルンピニースタジアム※第1試合から第6試合がABEMA格闘チャンネル第7試合以降はONE公式YouTubeにてLIVE配信
▼第11試合 バンタム級ムエタイ 3分3R―クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)[無効試合]―ラフィ・ボーヒック(フランス)
クラップダムはサウスポーのファイタータイプで、左ストレートを決め技とする元ルンピニー2階級制覇王者。2018年にはプロムエタイ協会ライト級王者の肩書を引っ提げて初来日。REBELSのリングで梅野源治とルンピニースタジアム認定ライト級王座決定戦を争い、4Rに強打で梅野を2度ダウンさせてのTKO勝利を収め、日本のムエタイファンにも強烈なインパクトを残した。
ONEには2019年9月から参戦し、2020年のONEバンタム級ムエタイトーナメントでは決勝へ進出したが、ロードレックに敗れた。2021年は1勝2敗、2022年は2勝3敗、2023年は1月にセンマニーに判定勝ち、3月はムアンタイにKO負け、6月はイリヤス・ムサエフに判定勝ちと近年は黒星が増えているが、KO狙いのアグレッシブなスタイルはタイで人気を博している。
対するラフィはサバットからムエタイに転向し、2012年からタイのシンパトーンジムに所属してムエタイを学んだ。2014年2月にMAXムエタイ -67kg世界トーナメント優勝、2016年5月にWBCムエタイ世界スーパーライト級王座奪取、そして2017年6月にはポンシリ・PKセンチャイムエタイジムを判定で破り、ルンピニースタジアム認定ウェルター級王座を奪取した。タイ人以外でルンピニーの王座に就いたのは、ムラッド・サリ、ダミアン・アラモスに次いで史上3人目の快挙。
同王座はノンタイトル戦でKO負けしたため剥奪されたが、2017年12月の王座決定戦で勝利して取り戻す。その後は4度の防衛に成功。ONEには2023年4月の『ONE Friday Fights 12』で初参戦し、タパオカオ・シンマウィンに判定勝ち。タイ人と同じペースを試合数をこなし、戦績は82勝(37KO)25敗1分。
1R、ラフィの右ローから戦闘開始。サウスポーのクラップダムの奥足、右内股を蹴っていく。クラップダムはラフィの前蹴りをキャッチするとボディショット。左手を伸ばして間合いをとろうとしたラフィの指がアイポークとなり、試合は中断。
長いインターバルがとられ、ドクターが治療にあたって様子が見られたものの、クラップダムは回復せず。ドクターストップとなり、ノーコンテスト裁定が下された。
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▼第10試合 キャッチウェイト (128 ポンド) ムエタイ 3分3R〇アピワット・ソー・ソンヌック(タイ)[判定3-0]×デンクリアンクライ・シンハ・マウィン(タイ)
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▼第9試合 バンタム級ムエタイ 3分3R×スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)[KO 2R 0分58秒]※左フック〇キリル・ホムトフ(ロシア)
スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。
その後、RISEでニキータ・セブンを一蹴、ルンキットとの再戦でリベンジし、スーパーレックには判定負け。2019年12月に日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になった。しかし、2020年4月に突然の引退宣言。詳細は分からないが「長年、大物ギャンブラーとのいざこざからの不信感が強く、引退の決め手となったらしい」という。まだ24歳だった。今回がリー戦以来の復帰戦。戦績は103勝23敗3分。
1R、まずはスアキムが左インロー、ホムトフはワンツーを繰り出して前へ出る。フェイントを交えて、クラウチングの完全なボクシングスタイルで前へ出るホムトフ。速いステップからワンツーを繰り出し、時折ローも蹴る。スアキムも左フックを打ち返すが、完全にホムトフの圧に押され気味。左フックにバランスを崩すスアキムへホムトフが襲い掛かり、スアキムはヒジを出すが空振り。
左右のスピードのあるストレートを繰り出しながら前へ出るホムトフ。かなり本格的なボクシング技術にスアキムは後退するばかり。スアキムは左インローとワンツー、ホムトフのワンツーをスウェーでかわすが、そこからホムトフはさらに踏み込んでストレートを伸ばしてくる。ホムトフの右ストレートを2発被弾し、さらにヒザももらうスアキム。スアキムが右ローからワンツー、左右フック、ヒジで反撃すると場内からは大歓声があがる。
2R、ステップを踏みながらワンツーを放つスアキムだが、ホムトフの精度とは明らかに劣る。ジャブを差すホムトフにスアキムは右を打ち返すが、さらにホムトフに右を打ち返されて大きく後退。スアキムは首相撲からのヒザに持ち込み、これは優勢になるも、離れて左ミドルを放ったところにカウンターの左フックをもらって大の字にダウン。立ち上がろうとしたスアキムだが、座った状態から立てずレフェリーがストップ。
スアキムは復帰戦を勝利で飾ることが出来なかった。
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▼第9試合 キャッチウェイト (137 ポンド) ムエタイ 3分3R〇プンルアン・バーンレンバー(タイ)[KO 1R 1分59秒]×クンポンノーイ・ソー・ソンマイ(タイ)
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▼第8試合 キャッチウェイト (134 ポンド) ムエタイ 3分3R〇ペッダム・ペットギャットペット(タイ)[KO 2R 2分04秒]×サクチャイノーイ・M・U・デン(タイ)
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▼第7試合 女子アトム級ムエタイ 3分3R〇ジュニア・フェアテックス(タイ)[判定3-0]×ワン・ユエ(中国)
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▼第6試合 フライ級ムエタイ 3分3R×内藤大樹(BELLWOOD GYM)[判定0-3]〇デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
内藤は第13代シュートボクシング日本スーパーバンタム級王者で、現在ONEムエタイでフライ級4位、ONEキックボクシングで3位。2011年7月にプロデビューし、2015年8月と2018年11月には那須川天心と2度対戦している。2019年10月にONEデビューし、5勝1敗の好成績で2022年5月にはONEフライ級ムエタイWGPに出場。初戦で優勝候補の一角スーパーレック・ギャットムー9を相手に善戦するも判定負け。2022年10月にアミール・ナセリと対戦し、精度の高い攻撃とコントールでナセリを完封。判定勝ちで再起を遂げている。
対するデッドゥアンレックは、2月大会でONE初戦をキャッチウェイト (138ポンド・62.5kg)で判定勝ちすると、4月21日の前戦では、ウズベキスタンのシャフリエル・ジョラエフに判定勝ちを収めONE Friday Fightsで2連勝中。
1R、思い切り右フックを振るってくるデッドゥアンレックに内藤は右カーフを蹴っていく。内藤の右ミドルにデッドゥアンレックは左ミドル、内藤はジャブから右カーフを蹴る。デッドゥアンレックも右ミドルを蹴っていく。デッドゥアンレックの左ミドルに右カーフを2発返す内藤。ここからデッドゥアンレックは右カーフを足を引いてかわし、カットも見せる。右カーフを空振りさせ、右ミドルを蹴るデッドゥアンレック。
2R、内藤のジャブに左ミドルを合わせるデッドゥアンレック。右ミドルをキャッチして右フックを打ち込む内藤。右インローも蹴るが、デッドゥアンレックは右ストレートで前に出る。内藤は右ミドルのキャッチからの攻撃を多用するが、デッドゥアンレックはしっかりとカット。構わず右ミドルを蹴っていくデッドゥアンレック。内藤の左インローにバランスを崩すデッドゥアンレックに内藤は右の足払いで転倒させる。内藤は右ミドルをキャッチしての右カーフを多用。
3Rは左ミドルを蹴るデッドゥアンレックに内藤は左インローと右カーフ。何度も右ストレートが交錯する。デッドゥアンレックの右ミドルはキャッチされる。キャッチされて攻撃を返されてもなぜか右ミドルを蹴り続けるデッドゥアンレック。内藤の返しの右ボディストレート、右カーフが何度も決まった。右ミドルにワンツーを打つ内藤。最後はデッドゥアンレックの右ミドルで内藤が転倒して試合終了。デッドゥアンレックはコーナーに登って勝利をアピールする。
判定は3-0でデッドゥアンレックの勝利。唖然とする内藤。キャッチしての返しの攻撃よりも、強い右ミドルを蹴って当てていたという方が評価されたか。内藤としては惜しい結果となった。
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▼第5試合 フェザー級ムエタイ 3分3R〇モハマド・シアサラニ(イラン)[KO 1R]×サタンファ-・シッソンピーノン(タイ)
シアサラニはタイを主戦場とするイラン人ファイターで、戦績はよくないがペットモラコット、ポンシリ、タナンチャイなどのトップファイターと対戦。ポンシリからは1度勝利を収めている。2022年は『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』に出場し、ONEには2023年1月の『ONE Friday Fights 2』から参戦。白星デビューすると『ONE Friday Fights 19』ではモロッコ人ファイターにも勝利して連勝中。
サタンファーは2018年3月にいすゞカップ -67kgトーナメント優勝、2018年12月にTHAI FIGHT 70kgトーナメント優勝、2019年9月にはチャド・コリンズを判定で破り、WBCムエタイ世界スーパーウェルター級王座に就いた。近年はオープンフィンガーグローブマッチの『ムエハードコア』や『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』に参戦しているが黒星が増え始めている。ONEには2023年5月の『ONE Friday Fights 15』で初参戦もジョシュ・ヒルに判定負け。戦績は75勝19敗3分。
1R、サウスポーのシアサラニにサタンファーは右ミドル、右ロー、シアサラニの蹴りをキャッチしての右ヒザを突き刺す。サタンファーはパンチから左ヒザを出すとそのまま右ヒジ。サタンファーの右ストレートが強烈に決まり、シアサラニはダウン。もう立てないかと思われたダウンだったが、シアサラニは立ち上がる。すかさず仕留めに行くサタンファーだったが、右ストレートで突っ込んだところにシアサラニの右フックをカウンターでもらって今度はサタンファーがダウン。
身体が言うことを利かないサタンファーだが、何とかカウント内に立ち上がる。先にダウンしたとは思えないほどのラッシュを繰り出すシアサラニ。ショートのフックとヒジで襲い掛かり、組み付くサタンファーを押し倒すようにしたところでレフェリーが試合をストップ。アドレナリン出まくりのシアサラニはロンダードからのバック宙を決めようとしたが、回転が足らず頭から着地。思わず苦笑いのシアサラニであった。
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▼第4試合 バンタム級ムエタイ 3分3R×ランボー・モー・ラッタナバンディット(タイ)[判定0-3]〇マブルド・ツピエフ(ウズベキスタン)
ランボーは元ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者、元ルンピニースタジアム認定スーパーライト級王者、元プロムエタイ認定スーパーライト級王者。ムエタイ戦績100勝51敗4分の戦績を誇り、2023年3月31日にルンピニーで開催された『ONE Friday Fights 11』にポンシリの欠場を受けて急遽出場し、タイソン・ハリソンに3R KOで敗れた。4月に初来日し、シュートボクシングのオープンフィンガーグローブマッチで笠原弘希に判定3-0で敗れている。
ツピエフも『ONE Friday Fights』に3度出場。
1R、前に出るツピエフはランボーのミドルをキャッチしつつ、右ストレートを伸ばして右ヒジも顔面を捉える。ツピエフのジャブに尻餅をつくランボー、ツピエフは左右の連打でランボーをロープへ釘付けにし、右フックで大きくグラつかせる。組み付いて耐えるランボーだが、動きが緩慢だ。ツピエフのジャブ、右フックが何度も決まり、ランボーは組み付いて凌ぐのが精一杯。
2Rはランボーが前に出て左ミドルを蹴りつつ左のヒジを狙う。さらに前に出ての右フックがクリーンヒット。ランボーの右ミドルにはツピエフが右フックを合わせる。ツピエフの左右フックもらっても前へ出て右フックを打つランボー。ジャブをもらっても前に出続ける。しかし、足を上げて前へ出ようとしたところで左フックからの右フックをもらってランボーがダウン。スピードのないランボーだが前へ出続ける。
3Rも前に出るのはランボーで右ヒジを繰り出す。ツピエフは下がりながらもワンツー、右フック。ランボーの左ハイが浅く決まり、ツピエフのパンチをもらいながらも前へ出続ける。ツピエフの右フックに右の連打を返すランボー。飛びヒザを繰り出すランボーだが空振り。ツピエフはジャブを突きながら回り込み、逃げ切り体勢に。ランボーは飛びヒザで逆転を狙うが、守りに入ったツピエフを捉えることが出来ない。
ダウンを奪ったツピエフがランボーの追撃をかわし、判定勝ちした。
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▼第3試合 キャッチウェイト (128 ポンド) ムエタイ 3分3R〇ゴンチャイ・チャナイドンムラン(タイ)[判定3-0]×ジェルテ・ブロマート(ベルギー)
ゴンチャイは、あのセーンティアンノーイ・ソールンロートからムエタイを学んだサウスポー。ラジャダムナンスタジアムを主戦場とし、2020年1月には同スタジアム認定スーパーフライ級王座に就いた。2020年9月にはタナコーンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年9月にはジットムアンノンスタジアム認定フェザー級王座を獲得。ONEには2023年2月の『ONE Friday Fights 3』から参戦し、『7』と『14』でも勝利して3連勝中。
1R、サウスポーのゴンチャイは左ロー、左ミドルを蹴り、右ローで前に出てくるブロマートをサイドにかわして左ストレートを打ち込む。ブロマートは左フックを中心にコンビネーションを繰り出すが、ゴンチャイが左ミドルを蹴り返す。その左ミドルに左フックを合わせるブロマート。
2R、ゴンチャイの左ミドルに右インローを蹴り返すブロマート。ゴンチャイはブロマートのパンチに左縦ヒジを合わせに行く。左ボディストレートを打つゴンチャイ。両者首相撲が多くなり、ブロマートも組み負けてはいないがヒザを入れるのはゴンチャイの方だ。左ミドルをどんどん蹴り、左ストレートを打って前に出るゴンチャイ。ブロマートの左フックをしっかりブロックし、組んではヒザを突き刺すゴンチャイ。ラウンドが終了するとゴンチャイは笑顔で手を挙げて歓声に応える。
3Rも前に出るのはゴンチャイで左ミドルを蹴り続ける。さらに左ヒジ、左縦ヒジでブロマートの左フックに対抗する。左ボディストレートと左ストレートがコーナーを背負うブロマートに何度も決まり、動きが止まるブロマート。左ボディストレート、左ミドル、左フックと猛攻を加えるゴンチャイ。左フックも強烈にヒット。ブロマートも右フックと左フックを返すが、ゴンチャイはもらっても前に出て攻撃を繰り出す。ブロマートのワンツーに組み付くゴンチャイ。左フックをもらってもヒジとヒザで前へ出る。
判定は3Rに猛攻を見せたゴンチャイの判定勝ちとなった。
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▼第2試合 女子ストロー級MMA 5分3R×ナット・“ワンダーガール”・ジャルーンサック(タイ)[判定0-3]〇リサ・キリアコウ(オーストラリア)
ワンダーガールはONEムエタイで2連勝後、2021年2月にジャッキー・ブンタンに判定負け。2022年5月にMMA転向を果たし、プロ1勝・アマチュア3連勝のゼバ・バーノ(インド)に腕十字で勝利した。2戦目となる今回は、6勝1敗(アマチュアで9戦)のキャリアを持つHEXフライ級王者キリアクーと対戦。だいぶキャリアの差があり、ワンダーガールには厳しい戦いとなりそうだ。
1R、両者前へ出て打撃で打ち合い、ワンダーガールの右ボディからの左フック、右ストレートがビッグヒット。すかさずキリアコウが組みに行って投げを打つがワンダーガールは堪えてヒザ蹴り連打で逆襲。一度離れたキリアコウは再び両脇を差しに行き、右足をかけてテイクダウンに成功。ワンダーガールは下から腕十字、三角絞めを仕掛けながら頭部にヒジを打つ。キリアコウはパウンドで対抗するもワンダーガールが三角絞めをセット。腕十字に切り替えるワンダーガールにキリアコウは両足をコントロールしようとするが、顔面に蹴り上げをもらってしまう。
2R、キリアコウが軽々とダブルレッグでテイクダウン。キリアコウはサイドを奪うがすぐにワンダーガールがガードに入れる。鉄槌とパウンドを細かく打ち続けるキリアコウにワンダーガールはしがみついてこの場を凌ごうとする。長い時間その展開が続き、残り30秒でブレイクがかかりスタンドに。キリアコウがパワフルなワンツー、右ローを繰り出すのに対し、ワンダーガールのパンチもローもスピードがない。
3R、組み付いていたキリアコウをワンダーガールは首相撲に捕まえるが、右足をかけられてテイクダウン。キリアコウの鉄槌とパウンドでワンダーガールの顔は真っ赤だ。ワンダーガールは再び三角を狙い、これが外されると腕十字の体勢に。クラッチを組んで必死に耐えるキリアコウにワンダーガールは最後の力をふり絞って極めにいったが、キリアコウが腕を抜くことに成功。キリアコウが最後まで抑えつけながら上体を上げずに鉄槌を打ち続け、判定3-0でキリアコウが勝利した。
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▼第1試合 バンタム級MMA 5分3R〇ブレット・パストーレ(アメリカ)[判定3-0]×エムラン・ハフィゾグル(トルコ)