2023年7月9日(日)17時15分から東京・ニューピアホールにて昼大会の『PANCRASE 335』に続き、『PANCRASE 336』夜大会が開催された。8日の前日計量では、全選手が計量をパス(※選手名から試合解説)。
夜大会の配信はPANCRASE YouTubeチャンネル メンバーシップおよび、TIGET PPV、ABAMAプレミアム、U-NEXTにて配信された。
▼メインイベント 第8試合 バンタム級 5分3R〇田中路教(TEAM ALPHA MALE)14勝4敗 #3位 61.55kg[判定3-0] ※30-27×3×シンディレ・マネンゲラ(PESFA)8勝8敗 前EFCバンタム級王者 61.3kg
修斗からPXCを経て、UFC2勝3敗でリリース後、LFAに参戦。一時帰国中の田中路教の相手は日本では見つからず、南アフリカから前EFCバンタム級王者が招聘された。田中は、4月大会では笹晋久に完封勝ちしたものの納得していない表情を浮かべており、PANCRASE連戦でどんな動きを見せるか。
対するマネンゲラは、PRIDEに影響を受け、チームメイトのルサンド・ビコとともに柔道からMMAに転向。184cmの長身を生かした長い打撃と、ADCCにも出場するグラップリング力を武器とする。
同日の『UFC 290』に出場する8勝無敗のキャメロン・サーイマンとEFC王座を争い、UFCに駆け上がる前のプロスペクトに、唯一の判定決着まで持ち込ませており、田中との戦いを「PANCRASEの王者になるために勝つべき試合」と語っている。
田中「海外からわざわざ強い選手を呼んでもらったので、メインイベンターとしてレベルの高い試合、世界に届くような試合をしたいと思っています。押忍」
マネンゲラ「PANCRASEで試合をできる機会をいただけて感謝しております。明日は良い試合をしますので、よろしくお願いします。押忍」
1R、マネンゲラは右カーフ。長い蹴りをかわしてカポエイラのように奥足にシングルレッグテイクダウンは田中。
そこにリアネイキドチョーク、正対した田中にギロチンチョークを狙うマネンゲラだが、首を金網に詰まらせて背中を伸ばさせない田中はわき腹にパンチ。首を抜き、スクランブルするマネンゲラのサイドバックからパウンド。ジャッジ3者10-9田中のラウンド。
2R、最初のマネンゲラの右の蹴りにニータップでテイクダウンを奪う田中。右足を抜いた田中にフルガードに戻すマネンゲラ。声を上げてのパウンドから左に足を抜く田中に、再び足を戻すマネンゲラ。しかし田中はまたも左足を抜き、ディープハーフのマネンゲラを剥がして「ヵモン!」と声を挙げてパウンドを入れる。3者10-9田中を支持。
3R、右フックを当ててそのまま右ヒザも引き寄せ、中央でテイクダウンを奪う田中。フルガードのマネンゲラに「カモン」と動きを促しながら左脇差しパスを狙うが、足を戻すマネンゲラにインサイドガードから声をあげながらパウンド。
判定は3-0(30-27×3)で田中が完勝。ケージのなかで「極めきれなかったですけど、ちょっと喋らせてください。前回ひどい試合で、この二カ月、必死こいてやってきて、コーチや仲間が戦う気持ちを呼び起こさせてくれました……(嗚咽しながら)長い間コンディションの悪さに苦しんでいて、周囲のサポートで戦えるコンディションに持ってくることができました。跳ね返されたけど、また世界の舞台で戦えるようしたいので応援してくれたら嬉しいです」と涙を流しながら語り、最後はセコンドの中村優作、グランドスラムの伊藤盛一郎とともに写真におさまった。
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▼コメイン 第7試合 ウェルター級 5分3R〇住村竜市朗(TEAM ONE)第9代DEEPウェルター級王者・21勝8敗1分 77.5kg[判定3-0] ※30-27×3×草・MAX(TEAM CLIMB/グラバカ赤羽)HEAT MMA初代ライト級王者・9勝13敗4分 77.45kg
PANCRASEウェルター級に元DEEP王者の住村竜市朗が参戦する。皇治・青木真也の盟友で、TEAM ONE所属の住村は、2009年11月の修斗でプロデビューを果たすと、12年からは主戦場をDEEPに移し、17年のDEEPウェルター級GP優勝。その間、2015年7月のPANCRASE大阪では、今回対戦する草・MAXに2R、リアネイキドチョークで一本勝ちしている。
RIZINでは、ストラッサー起一、ジョン・タックに敗れるもレッツ豪太に判定勝ち。その後、DEEPで米田奈央に連勝し、「RIZIN Trigger 1st」で現UFCの木下憂朔に攻め込まれるも反則勝ち。2022年8月のDEEPで鈴木槙吾に1R TKO負けを喫するも、2023年2月の前戦で嶋田伊吹と対戦し、嶋田のリアネイキドチョークを凌ぎ、テイクダウン&グラウンドコントロールでスプリット判定勝ち。再起を遂げていた。
対する草・MAXは、2020年9月の「HEAT 47」ライト級王座決定戦で阿部右京に2R TKO勝ちで戴冠。2022年5月に岡野裕城に敗れ王座陥落すると、同年9月にPFL入りする前の西川大和に判定負けで2連敗中だ。
住村のPANCRASE進出に草・MAXは、GENでの練習仲間・林源平の為に住村を止めに来たという。住村が目論見通り最短で王座挑戦するか? 草・MAXが“草魂”見せるか。
住村「DEEPからPANCRASEのベルトを獲りに来ました住村です。なんかね、草は塩に弱いみたいなので、明日はしっかり枯らしてやろうと思います。よろしくお願いします」
草「久しぶりのPANCRASEなので、自分は楽しんで試合をやります。枯れないように雑草魂を見せたいと思います」
1R、サウスポー構えの草の左外足を取る住村。草の左をかわしてボディロックテイクダウン。送り手を掴んでバック狙いも、ケージ蹴ってスクランブルする草に、住村はダブルレッグテイクダウン。片ヒザ立ちになる草にヒザを突く、その際で立つ草。3者10-9住村。
2R、草の左ヒザに合わせてテイクダウンは住村。二重がらみのハーフの草に右で差して寝かせて細かいパウンド。抱きつく草に左ヒジを内側から落としてサイドに。背中見せて立つ草のバックから左足をかけて背後から細かいパウンド。3者10-9住村。
3R、草の左の蹴りの組んで左で差してボディロック。後方にテイクダウンした住村。サイドからヒザを突き、右で差して押さえ込むと、背中を見せて立とうとする草のバックにつき、片足をかけてコントロール。寝かせて細かいパウンド。フィニッシュには行けず。
判定は3-0(30-27×3)で予告通りに漬けた住村が勝利。試合後、マイクを渡され戸惑う住村に、セコンドの青木真也は「止めた方がいいだろう」とバッテンマーク。住村は苦笑してそのままケージを降りた。
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▼第6試合 ストロー級 5分3R〇野田遼介(ALLIANCE)6勝3敗・#5位/2018年NBT同級優勝 52.55kg[1R 3分18秒 TKO] ※パウンド×植松洋貴(NEVER QUIT)2勝2敗1分・#6位/2022年NBT同級優勝 52.6kg
父になる野田遼介が1年ぶりに出場! 相手の植松は3.26大会でリトルと殴り殴られの大激闘戦(ドロー)を展開した。野田が仕掛けてフィニッシュか? 植松が根性の一本を極めるか?
野田「植松選手は同世代ということで、同じ歳同士、熱い試合で盛り上げましょう。よろしくお願いします」
植松「NEVER QUIT所属の植松洋貴です。今回も前回と変わらない、全力を出し切るような試合をしたいと思いますので、野田選手、よろしくお願いします」
1R、野田のシングルレッグを切る植松。野田が右ハイから右スーパーマンパンチを当てると、一気に打撃ラッシュ。左ミドルを効かせてパウンドアウトした。
試合後、野田は「グラップラーなのに打撃で気持ちよくなっちゃいました。この勝利を娘に捧げたいと思います」と語った。
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▼第5試合 フェザー級 5分3R×糸川義人(TURNING POINT MMA)#10位/2022年NBT同級優勝・2勝2敗 65.8kg[2R 1分50秒 TKO] ※パウンド〇平田直樹(フリー)5勝2敗 66.15kg
DEEPで活躍した平田は4月30日『PANCRASE333』での渡辺謙明戦の1R 肩固めでの一本勝ちに続く参戦。2022年11月の米国CFFCバンタム級での敗戦からフェザー級に戻して再起を飾っており、PANCRSEフェザー級上位戦線に名乗りを挙げるか。6月11日にはグラップリングで「Level-G」のライト級8人トーナメントを戦うことも決まっており、7月9日までフルスロットルで向かう。
同級10位の糸川は、2022年ネオブラッドトーナメント同級優勝。FUMA、石田陸也に勝利も、2023年3月大会では同級6位の名田英平に判定負けしている。
前半に名田の右ストレートでダウンを喫するも、後半に打撃で猛反撃を見せており、20歳最後の試合を勝利で飾れるか? それとも平田がランカーを下して、ランキング入りを果たすか。
平田「今回の試合もしっかりフィニッシュしたいと思います。応援よろしくお願いします」
糸川「TURNIBG POINTの糸川と申します。前回負けてからメッチャ強くなってきたんで、それを明日しっかり見せます」
1R、糸川のオーソからの左の蹴りをかわした平田は低いシングルレッグから、送り手で背中をつかせてパスガード。マウントからヒジを打ち込み、背中を向いたところにリアネイキドチョーク狙い。
2R、糸川の蹴りをかわして右を振って詰めてダブルレッグテイクダウンは平田。そのまま足を払って落としてヒザを越えてマウント。腕を縛ってパウンド連打。レフェリーが間に入った。
試合後、平田は家族や支援者、練習仲間、先輩に感謝の言葉を述べると、「今回も怪我が無いので9月の30周年大会に出させてください」と希望した。
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▼第4試合 フライ級 5分3R×大塚智貴(CAVE)5勝3敗・#8位 /2021年NBTストロー級優勝 56.7kg[判定0-3] ※27-30×2,28-29〇松井斗輝(パラエストラ柏)6勝0敗 57.1kg
5戦無敗の若手有望株、パラエストラ柏の松井斗輝が早くもランカー戦。松井はGRACHANで松本大輔にTKO勝ち、二之宮徳昭に判定勝ちなど4連勝後、2023年3月にPANCRASEに初参戦し、佐々木亮太に3R TKO勝ち。
CAVEの大塚智貴は5勝2敗で、現フライ級8位。プロデュー戦で後の王者・山北渓人(ONE参戦中)に判定負けも、第27回ネオブラで石井涼馬、朝日向大貴、孫悟空DATEを下して優勝。
2022年5月に谷村泰嘉に一本負けも、7月に前田浩平に判定勝ち。2023年3月に赤崎清志朗に2R 一本勝ちと2連勝中。公式では「大塚がテイクダウンを取れるかが運命の分かれ道」と見どころを記している。
大塚「こんにちは、CAVEの大塚です。明日は相手がすごく強いんで、もしかしたらボコボコにされるかも知れないですが、最後勝つのは自分なんで。よろしくお願いします」
松井「明日勝って、次、ランキング1位とやりたいです。お願いします」
1R、オーソから左の蹴りを見せる松井。大塚のシングルレッグを切る。右カーフの大塚に右ローを返す松井はジャブ。金網に詰めて左ボディを当てる。3者10-9松井。
2R、右オーバーハンドから組む大塚を体を入れかえる松井。左ボディ、組んでは肩パンチも。しかし離れて右を当てた大塚に松井が後退。そこにシングルレッグテイクダウンは大塚。すぐに立つ松井。大塚の組みを切って上になりブザー。1者大塚支持も、2者は10-9松井。
3R、松井の左ジャブを被弾する大塚は出血。左フックを返す大塚だが、的確な打撃は松井。大塚の打ち返しをかわして打撃を入れ、最後は前がかりになった大塚をテイクダウンしてブザー。判定3-0(30-27×2,29-28)で松井が勝利した。
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▼第3試合 バンタム級 5分3R〇高城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)#7位・8勝2敗 61.65kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×川北晏生(TRIBE TOKYO MMA)7勝4敗3分 61.1kg
3連勝中でバンタム級7位の高城光弘が、ノーランカーながら6戦負け無しの川北晏生に胸を貸す一戦。
2017年3月のプロデビュー戦で三村亘に判定勝ちしている高橋は、2019年のワン・リザマ戦でスプリット判定負けも、2021年12月に復帰。
水永将太にスプリット判定勝ち、鬼神光司に2R ヒジ打ちカットによるTKO勝ち、2023年3月の前戦でサイバー遼に判定勝ち。横浜グランドスラム所属。
TRIBEの川北は、PANCRASEからプロ修斗に参戦し、1勝3分と負け無し。大悟、南風原吉良斗、伊集龍皇にドロー後、2022年10月に中野剛貴に判定勝ち。PANCRASEでは2021年のネオブラで内山拓真に判定勝ち後、小川隼也に一本勝ち。決勝で現UFCの風間敏臣に判定負けも、2023年3月のデカゴン復帰戦で鬼神光司に判定勝ちしている。
勝てばバンタム級ランク入りも見えてくる川北を、ランカーの高橋が止めるか。
川北「TRIBE TOKYO MMAの川北です。明日、覚悟を持って戦いに行きます。お願いします」
髙城「明日は強さを見せて勝ちます。よろしくお願いします」
1R、川北の右ミドルを掴んで右を当ててスタンドバックから足をかけてツイスター狙いの高城。解除してトップを取りリストコントロール。正対した川北はヒザを突く。スタンドバック狙いの高城に川北はアームロック狙いで離れてヒジを狙いブザー。3者10-9高城。
2R、川北の組みにヒザを狙う高城、川北の組みを切ってヒザを入れる高城だが、川北は右足をかけてスタンドバックから背中に乗り引き込み。リアネイキドチョーク狙いからパウンドで3者10-9川北が取り返した。
3R、高城の左の蹴りを詰めて押し込む川北。差させない高城はヒザ・ヒジ。川北はシングルレッグから着地させた際で背中を向かせてスタンドバックから右足をかけるが正対してダブルレッグテイクダウンは高城! スクランブルする川北の足関節を潰して、立ち際にハンマーロック狙いからグラウンドで上になりブザー。
判定は2-1(29-28×2, 28-29)で最終ラウンドの最後の攻防を制した高城が勝利した。
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▼第2試合 女子フライ級 5分3R〇ライカ(RIGHT THING ACADEMY)#3位・12勝9敗2分 57.1kg[1R 0分25秒 TKO] ※右ストレート ×ナギ(Hプロダクション/千葉市ねわざワールド)1勝3敗/初参戦 55.45kg
ライカは、2022年9月に修斗に参戦し、階級下の杉本恵とドロー。11月にキム ソ ユルに一本負けしたライカは、2023年3月大会にPANCRASEに戻り、渡邉史佳にスプリット判定勝ち。対するナギは京都府出身、163cmの「謎の覆面レスラー」だという。試合ではマスクは外すことが分かっている。
ライカ「明日は必ず連勝して絶対に勝ちます。応援よろしくお願いします」
ナギ「Hプロダクション・千葉市ねわざワールドのナギです。プロレスラーのド根性を見せたいと思います。よろしくお願いします」
1R、サウスポー構えのナギに、ライカは右ストレートを当てると、ナギが後退。さらに左に左をかぶせて連打にナギが糸が切れたようにダウン。パウンド前にすぐにレフェリーが入った。
ライカは「勝つことしか考えずに練習してきました。パンチでしっかり最後まで仕留めたので、まだ闘争心が残っていた、終わった感じがなくて。次も応援よろしくお願いします」と語った。
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【プレリミナリー】
▼第1試合 ウェルター級 5分3R〇佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO)※デビュー戦 76.75kg[1R 1分01秒 TKO] ※左ストレート→パウンド×伊藤丈皓(新潟イエローマンズ)1敗 77.45kg
佐藤「頑張って勝ちます」
伊藤「前回の反省点も踏まえて練習してきました。頑張って勝ちます」