前日計量は般若(左)が62.5kg、山浦が62.0kgでそれぞれパスした(C)KNOCK OUT
2023年7月8日(土)東京・新宿FACE『MAROOMS presents KNOCK OUT-EX 2023 vol.1』のメインイベント、KNOCK OUT-BLACKライト級3分3R延長1Rで対戦する、般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)と山浦迅也(北斗会館)のインタビューが主催者を通じて届いた。
般若は、かつてGLADIATOR武士道キックフェザー級王座の獲得歴を持ち、『RIZIN』にはキックルールで参戦、『巌流島』やラウェイルールにも挑戦したこともある異能派ファイター。2018年11月の『Krush.95』では伊藤健人から得意の左ストレートでダウンを奪い、判定勝利を飾っている。2021年9月のKNOCK OUTではApollo中山と大会ベストバウト級の激闘を演じた。今回は初めてのメイン登場。戦績は8勝(4KO)8敗5分。
対する山浦は、2018年6月のK-1アマチュア全日本大会で優勝を飾り、同年8月の『Krush.91』でプロデビュー。続く11月の『K-1 WORLD GP』さいたま大会では高下由暉からKOで初勝利を飾っている。その後、弟・山浦力也とともにキャリアを積み、新人育成大会『Krush-EX』ではメインに2度抜擢され、いずれも快勝している。今回は約1年ぶりの再起戦、「KNOCK OUT」のリングから新たな飛躍を目指す。戦績は4勝(2KO)8敗。
般若「僕が火付け役になって盛り上げてやろうと思ってます」
(C)KNOCK OUT
──10カ月ぶりの試合がKrushとの対抗戦という形になりました。
「去年の庄司啓馬戦の後、いろいろあって選手としての練習から少し離れた状況だったんですよ。で、今年の4月頃に戻ってきたら山口元気会長から『般若、そろそろ試合やんないの?』って言われて、それで決まったという感じです」
──なるほど。
「自分って、チャンピオン級の相手とバンバン当てられるじゃないですか(笑)。試合するのはいいけど、同じような感じで負けてもしょうがないなと思って、『ちょっと時間をください』と。それで7月になった感じです」
──4月から試合に向けての練習に復帰したと。コンディションは戻りましたか?
「はい、もう戻りました。まあ、離れていた時期も練習自体はやってたんですけど、試合をするレベルまではいっていなかったので。今はしっかり練習できているので、問題ないです」
──今回の相手はK-1 GROUPからやってきた山浦迅也選手になりました。印象は?
「戦績の数字はそこまでよくないですけど、攻撃力がある選手ですよね。K-1 GROUPはレベルが高いので、全然油断できないなと思ってます。庄司戦の時も、戦績がそんなによくないなと思って……別に、そこまでナメてたわけじゃないんですけど、キッチリ対策してこられて、リングに上がる時点で五分五分の勝負になってたというか。余裕で勝てるほど甘くないなと思ったんですよね。なので今回は、ミッチリ仕上げてます。今回も、相手は自分を食ってやろうという気持ちでくると思うので、油断できないですよね」
──山浦選手について、特に警戒する部分は?
「ちょっとトリッキーですよね。空手ベースですけど、バックスピンキックとかバックハンドブローとか使ってて。あと右にスイッチしてのパンチもうまくて、ちょっとやりにくいタイプかなと。だから時間をかけてでも、崩していけたらなと思ってます。俺もう、分かったんですよ。Apollo中山選手、庄司啓馬選手と、戦績はそこまででもなかったけど、強かったじゃないですか。2度あることは3度あるなと思って、もう騙されないぞと(笑)。絶対強いだろ! と思って、気を引き締めて仕上げてます」
──対抗戦という部分についてはいかがですか?
「自分は正直、先のことを全然見てなくて、1試合1試合に全部懸ける感じでやってるんですよね。だから試合が面白いと言われるんだと思うんですけど。そんな感じなので、いい火付け役になれればいいかなと思ってますね。僕にとっては対抗戦の初戦になるので、絶対勝ちたいです」
──この対抗戦に関して、宮田充プロデューサーは「戦(いくさ)なんだから、相手の首を獲りにいけ」と選手たちにゲキを飛ばしてますよね。そこに関しては?
「確かに戦ですよ。負けたら死ぬぐらいの気持ちでやってます。相手はみんな敵なので、個人的には対抗戦だからって特にどうというのはないですけど、お客さんから見たら『KNOCK OUT』vs『K-1』の対抗戦って図式は燃えると思うし、いきなりチャンピオン同士をぶつけたりしないのもいいと思うんですよね。いきなり頂上決戦をやってしまったら、あとに何も残らないじゃないですか。それこそ栗秋祥梧とかも出たいって言ってたんで、まずは僕が火付け役になって盛り上げてやろうと思ってます」
──今回はどういう試合にしたいですか?
「いつも思ってることなんですけど、盛り上げるだけ盛り上げて、最後は勝ちたいです。昇侍戦もそうでしたけど、自分は噛み合わないタイプとは噛み合わないんですよ。首相撲でガンガンくるタイプとか。こっちがどう面白くしようとしてても、面白くない戦い方でこられたら、噛み合わない。でも今回の山浦選手は打ち合ってくるんじゃないかなと思います。また、KNOCK OUT-BLACKルールがワンキャッチ・ワンアタックに変わったのも大きいと思うんです。庄司戦では首相撲がすごく長く感じて、俺の良さも潰されてたんで。名古屋のHEATという大会でもワンキャッチ・ワンアタックで10戦ぐらいやってたので、僕には向いてると思います」
──また、この大会では同じジムの先輩である炎出丸選手が引退エキシビションとセレモニーを行います。
「ヒデ先輩、長かったですよね。自分も年を感じます(笑)。自分は23歳の時に、祥梧の前にクロスポイントに入ったんですけど、来年の3月で30歳になりますから。ヒデ先輩もかなり長くやっていたので、時の流れを感じます」
──練習もけっこう一緒にされたんですよね?
「そうですね。首相撲では絶対勝てなかったです(笑)。サウスポー対策のスパーリングで使ってもらったりとかもあって、よくやってましたよ。だから寂しいですし、自分も年を感じるなあと(笑)」
──では最後に、今回の試合で自分のここに一番注目してほしいというポイントは?
「気持ちですね。自分に才能がないことは、自分が一番自覚してるんですよ。その分気持ちで向かっていくという感じで、泥臭くてもいいから、気持ちを見せて盛り上げるだけ盛り上げて、最後は絶対勝つと。それだけですね。今回は赤コーナーがみんなクロスポイント&スクランブル勢で、吉祥寺からは僕とYUYAさん、松藤麻衣さんが出るので、全勝でいきたいと思います!」