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【RIZIN】参戦直訴のヒロヤと、伊藤裕樹が58kg契約で対戦、伊藤「朝倉未来の名前があるから組まれた」×ヒロヤ「BreakingDownに恩もあるけど、DEEPで培ってきた強さを証明するのが、7月30日」

2023/07/05 22:07
 2023年7月5日、朝倉未来チャンネルで公開された記者会見動画内で『超RIZIN.2』(7月30日・さいたまスーパーアリーナ)の追加カードが発表された。  3日の動画で、朝倉とともにRIZINの事務所を訪れたヒロヤは、榊原信行CEOにRIZIN参戦を直談判。榊原CEOは、「覚悟を持って挑めるんであれば、未来もそれで背中を押したいということならば、それで出場枠を確定でいい」と、ヒロヤの『超RIZIN.2』出場を承認する考えを示していた。  この日、公開された会見では、そのヒロヤの相手が、初代THE OUTSIDER50-55kg級王者で、2023年2月のDEEPフライ級GPで準決勝に進出した伊藤裕樹(ネックス)となることが発表され、伊藤とヒロヤ、榊原CEOが会見に臨んだ。  伊藤は、RIZINで中村優作、宮城友一にいずれもTKO勝ちするなど、2022年5月から4連勝。DEEPフライ級GPでは準決勝で本田良介に判定負けで決勝進出ならず。2023年5月の前戦では復帰した山本アーセンに判定負けで2連敗となっている。  ヒロヤは、バンタム級からフライ級に転向し、プロMMA戦績は8勝10敗1分。BreakingDownではMMAルールで2勝、キックルールで1敗。DEEPフライ級近辺では、2022年2月に伊澤星花の弟の風我に判定負けも、その後、ひろとと新垣健司に一本勝ちで2連勝。2023年5月の前戦では58kg契約で安谷屋智弘に判定負けしている。  会見で伊藤は、「DEEPのトップとやってきた自分と比べたら全然違う。なんで、この試合が『超RIZIN』で組まれるかというと、やっぱり朝倉未来の名前があるから」と、ヒロヤの実力で得た出場ではないと斬り捨てた。 対するヒロヤは、伊藤について「寝技とかも全然あんまりできないんだなと。全然そこは勝てるんじゃないか」と、組み技で上回っているとし、「負けられない試合になってくる。ここを本当に最後だと思って、このチャンスを逃したらもうない」と背水の陣で臨む考えを示した。  会見での3者との一問一答は、以下の通りだ。 [nextpage] 伊藤「DEEPでもBreakingDownでも中堅以下のザコ」 榊原CEO 先般、「朝倉未来チャレンジ」のヒロヤ選手がRIZIN出場への強い意志を朝倉未来選手に伝え、僕のところへ突撃されて、チャレンジしたい思いを聞きました。正直、未来の背中を押す力、そしてこの7月30日の『超RIZIN.2』で、いろんな話題を振りまいていくために、若干“ちょっと早いかな”“大丈夫かな”という思いがありつつ、今回のチャレンジを受け入れることを決めたんですけど、本人にも伝えましたが、『RIZINに出てくる以上、甘い選手はいないよ』とゴッツイのが行くよと。  ちょっとゴッツ過ぎるかな、伊藤裕樹。ヒロヤはもう分かりました、ということで受けたんで、伊藤裕樹もアーセンにフルラウンドで判定負けしていますけど、RIZINのなかでも日本格闘技のなかでも実績を積んでいる選手なんで、ちょっと、だいぶ格上かもしれんけど、まあ、西谷選手の敵が討てるのか、返り討ちに遭うのか、RIZINという舞台の洗礼を受けるのか、楽しみなカードにご期待ください。 ヒロヤ トライフォース赤坂、『朝倉未来1年チャレンジ』1期生のヒロヤです。今回、榊原社長、RIZIN関係者の皆さんのおかげでチャンスをいただいたので、必ずものにします。それをできる男だと自分は思っているので、皆さんよろしくお願いします。 伊藤 ネックスの伊藤裕樹です。前回のRIZINで負けちゃって(※5月6日『RIZIN.42』で山本アーセンに判定負け)、今回急なオファーだったんですけど、こんなDEEPでも勝てていない中堅選手が僕とやるということなので、しっかりRIZINの舞台でボコボコにしてやりたいと思います。 ──互いの印象をお聞かせください。 ヒロヤ DEEPでも活躍していて、RIZINでも3勝1敗で、強い選手だなとは思うんですけど、打撃がメインで、この前の試合を見た感想でいうと、そんなに寝技とかも全然あんまりできないんだなという。自分でも全然そこは勝てるんじゃないかなと正直思います。そういう選手だと思います。 伊藤 まあ、DEEPでもBreakingDownでも中堅以下のザコだと思います。 ヒロヤ ナメとん? 伊藤 うっせー、黙れ。 ヒロヤ そんなこと言うとったら、お前、また前回の試合みたいに…… 伊藤 頑張れよ、1分。なんや、かかってこいや。 (互いに掴み合い、関係者が分ける) ヒロヤ BreakingDown、BreakingDownって、それしか言えねえのか。 司会 今はまだ記者会見中です。まず一旦落ち着いていただいて。今マスコミの皆さんからの質問がございますので、今まだ戦いの場はここではありませんので……。それでは続きまして質問はございますか? [nextpage] ヒロヤ「僕から一本は取れない」 ――伊藤選手に伺いたいんですけども、前回の(ヒロヤの練習仲間の)西谷大成選手の試合(vs.鈴木博昭)をご覧になったと思うのですが、感想をお願いします。 伊藤 感想? あの試合にっスか? まあまだ練習が足りないんじゃないですかね。そんくらいしか思ってないです。 ――「紙一重」という声もありましたが、伊藤選手はそう思わないでしょうか。 伊藤 実力差があったんじゃないですか。 ――ヒロヤ選手は西谷選手のRIZINでの試合をどう思ったのか、聞かせてもらえますか。 ヒロヤ まだ西谷くんの強さが全然出てなかったです。「紙一重」っていうのは、まあそういう見てた人の感想だと思うので、やっぱりあそこで実力を出せなかったのも西谷くんの弱さでもあるのかなとも思いますけど、それを馬鹿にしちゃうような、軽いような言葉で終わらすのはちょっと違うんじゃないかなとは思ってます。 ――ご自身でのRIZINでの試合は、どんな試合に今回なりそうだと思っていますか。 ヒロヤ まあ、3ラウンド、彼のこの前みたいな試合になるんじゃないですかね(※5月に山本アーセンに判定負け)。 ――伊藤選手は? 伊藤 15分間しっかり僕が逆に漬け切ってやろうかなと思ってます。 ――KO・一本は狙いにいかない? 伊藤 まあKO狙いつつ、すぐ終わらすのはあれなので、15分間。 ヒロヤ 一本は取れないと思いますよ、彼は。 伊藤 そうかな?(笑) ――ヒロヤ選手に質問です。今回榊原CEOに直訴で『超RIZIN.2』という舞台の出場が決定したということなんですけど、まず率直に、RIZIN出場が決まった心境というところを教えていただけますか。 ヒロヤ 普通にRIZINが決まったわけではない、未来さんのおかげで決まってるというのもあるし、ここは求められてるものや試されてるものがすごくあるなとは思ってるんですけど、自分、ここで負けれないです、正直。勝ちたいとかより、もう負けれない試合になってくると思います。ここをもう本当に最後だと思って、このチャンスを逃したらもう(先は)ないと思います。 ――練習仲間の西谷選手が『RIZIN.43』でKO負けして、「やはり(RIZIN出場は)早かったんじゃないか」というような声もあり、批判的な逆風の中での参戦決定かと思います。その点でどう考えていますか。 ヒロヤ ここで自分がその実力を出せれば西谷くんの評価も上がるんじゃないかなと思っています。もう西谷くんが強いというのは、自分しか正直分からないというか、見ている人からしたら“弱いじゃん、1分じゃん”と思われていると思うので、ここは自分の正念場だなと思ってこの試合に挑みます。 ――西谷選手同様に、ヒロヤ選手も「BreakingDownの選手」という部分がフィーチャーされる可能性もありますが、その点に関していかがですか。 ヒロヤ BreakingDownのおかげで自分は有名になったと思っていますし、本当に恩もあります。でも、DEEPで培ってきた強さを証明するのが、7月30日だと思っています。 ――伊藤選手にも質問なんですけれどもお2人ともDEEPでも試合をされているということで、ただ実績的に、DEEPではお2人の試合が組まれないようなキャリアかと。それが『超RIZIN.2』で組まれるということについては、いかがお考えですか。 伊藤 DEEPだとこんだけ実績の差があると思うので、「積み上げてきた」と(ヒロヤは)言ってるんですけど、こんだけ僕もDEEPのトップとやってきて、それと比べたら全然違うのはあるんじゃないかなと思っています。なんで、この2人の試合が『超RIZIN』で組まれるかとなったときに、やっぱ朝倉未来の名前があるからここで組まれているんじゃないかと思います。 ――西谷選手と対戦した“怪物くん”は、対戦相手になったことで「ナメられた」というようなことで、不快感もあらわにしてたんですけど、伊藤選手にそういう気持ちはありますか。 伊藤 さっきのこと(乱闘)もあって、まあナメられてるっスよね。普通に考えて。腹立ってます。試合でしっかりボコボコにしたるからな。覚えとけよ。 ヒロヤ その言葉、忘れんなよ。 伊藤(笑)。 [nextpage] 榊原「未来に行動を起こさせるくらい、ヒロヤは西谷TKO負けに期するものがあった。それに1回賭けてみたい」 ――榊原CEOに伺います。西谷選手の敗戦で、やはりちょっと朝倉未来選手の名前を借りて出るということに対して、批判的な声もRIZINファンからはあったかと思うのですが、それでも今回ヒロヤ選手の参戦を決めたという決め手の部分は? 榊原 まあでも僕は出るためにあらゆる手段というか、手を使うのはいいと思うんだよね。それは未来の力も、それは別に未来に言われて出てきてるわけじゃなくて、本人が出たい中で、使えるものは親でも何でも使ってでも、チャンスを自分の手でつかみ取っていく、そういう選手であってほしいし、男だったらそういうチャレンジする、そういうのが必要だと思うので、僕、その心意気は買ってます。  ただ、出てきた以上は本当に実力測定の場なので、結局DEEPの中でのキャリアとか、ここまでの格闘家としてのキャリアでいうと、RIZINに出てくるとなると、やっぱり伊藤選手という(実績のある)選手に対戦をオファーするということになるわけで。ただ、本当にこの男が持ってて、志があって、西谷選手の思いも全部背負ってリングに入って、7月30日、とんでもないことをするかもしれないし。それはやっぱり彼の覚悟を僕は買っている。実力が云々とか、それは置いといて。RIZINに出てくるという、その強い意思をみんな感じて周りが動いて、今がある。  僕はそういうことでいうと、この試合、未来に押されたからというだけじゃない。その未来選手に行動を起こさせるところまで、この西谷選手の結果を受けて、本人は期するものがあったんだと思うので、それに1回賭けてみたいかなと。それを受けてくれた伊藤選手にも、この場でお礼も言いたいと思いますけど、かといって、どっちも負けられない試合だと思うので、7月30日楽しみです。 ――今回の試合が「58kg契約」になったことについてお伺いします。RIZINでもDEEPでも、58kgはフライ級ではないです。バンタム級から落としたヒロヤ選手は57.1kgで一度試合をして、58kg契約試合に戻している。この「58」という体重については? ヒロヤ 今回の試合はオファーも急だったという話で、僕は聞いた数字を全然「はい、よろしくお願いします」という感じです。 ――フライ級の57kgでも良かった? ヒロヤ はい。 ──フライ級GPを戦った伊藤選手は、58kgで戦ってきたヒロヤ選手が、なかなか体重が定まっていなかったことについては、どう思っていましたか。 伊藤 (ヒロヤが)フライ級で戦うってことないんじゃないですか。ありますかね? ――風我戦が57.1kgでした(※ヒロヤが判定負け)。 伊藤 僕は体重とか関係ないので、当日ぶっ倒せればいいかなと。 [nextpage] 朝倉ファミリーに頼りきり?「これからも頼りきりでいきます(笑)」(榊原CEO) ――DEEPフライ級GPにはヒロヤ選手は出られなかった。その選手をベスト4の選手である伊藤選手が当てられたことについては、実際のところどう感じていますか。 伊藤 普通に考えて、このマッチメイクはそんな……DEEPで考えられないので。でも別に話が来たら、僕はやっぱりオファー受けるだけなので、用意された相手をしっかりブッ倒したいと思ってます。 ――お互いに安谷屋選手と戦っていますが、それぞれの試合をどのように見たかを教えてください。 伊藤 相変わらずいつもみたいな負け方してるなと思いました。 ――「いつもみたいな」というのは? 伊藤 相手に削られて、結局ポイント取られて判定負けという、いつもそんな感じで負けてると思うので、印象は変わらないです。 ――ヒロヤ選手は伊藤選手の安谷屋戦をどう見ましたか。 ヒロヤ たまたまバックチョークが入ったんだなと思います。 伊藤 じゃあたまたまバックチョークで勝ちます。 ヒロヤ それとこれは別。安谷屋選手に勝ったからっていって俺に勝てるわけじゃないじゃないですか。逆もしかりです。それが格闘技なんで。 ――榊原代表にお伺いします。直談判すれば『超RIZIN.2』に出られるのか、というこのマッチアップを、朝倉ファミリーに頼りっきりじゃないかという声もあるかと思います。そういう中でこのカードをあえて組んだ意図を教えてください。 榊原 「頼りきり」と言われれば頼りきりですよ(笑)。本当に未来と海がRIZINを共にに作ってきたし。トップアスリートで、今、現役で、今回本人もトップの相手と本当に人生をかけた試合を未来もするわけじゃないですか。そういう中でもやっぱりこの後進を育てたり、後進に思いを持って関わっている姿には、僕は敬意も表しているし。やっぱり一緒にやってきたもの、創り出してきた世界の中で、強い意思を持って、未来の心も動かして、彼に行動させようと思ったのであれば、僕はそういう選手には、直接本人も会って、チャンスをあげたいなと。別に順位決定戦を(やりたいわけじゃない)。僕らはもちろんタイトルマッチとか、いろいろなものに関してしてきますけど、やっぱりそれぞれ、このRIZINという舞台では、人生を賭けて生き様を見せていく舞台なので、別にファンから何と言われようと、そこはどうぞという感じです。 ――この大会全体を、朝倉兄弟の一つの世界観として見せようと? 榊原 そうですね。本当にBellatorパートもありますからね。BellatorパートはBellatorの世界として見ていただいて、その後、RIZINの中でいうと、未来と海が揃い踏みしてくる。本当にそういうことも含めていえば、やっぱり彼らが今回、メインとセミを飾ることになると思いますし、そこに伊澤星花のタイトルマッチをどう絡めるかなという、当日の試合順を決めますけど、彼らのそれぞれ、海にとっても、未来にとっても、彼らのキャリアの中では大きな試合になる。その中にやっぱり未来に見初められてチャレンジをして、いろいろな思いを持って親分と同じ舞台に立てることって、やっぱりあっていいことだと思うので、これからもいろいろなチャレンジをどんどん他の選手たちもしてほしいし。これからも“頼りきり”でいきます(微笑)。 ――伊藤選手、前回アーセン戦があって、戦績的には、今回も事前にはアンダードッグ相手の試合になるかと思います。負けたら後がないのは伊藤選手の方も同じかと思いますが、その点はいかがですか。 伊藤 僕も今キャリアで初めて連敗してるので、これ負けたらもう格闘技やってる意味ないなと思うくらいの相手なので、全力で倒しにいきます。 ――ヒロヤ選手はどんな試合展開を考えていますか? ヒロヤ 試合展開は言えないと思います、格闘家なんで。 ――どんな試合を見せたいですか? ヒロヤ 「朝倉未来チャレンジ、弱いじゃん」って言われてるので、それを名誉挽回できるような、そういう試合にしたいです。 ――ヒロヤ選手にお伺いしたいんですけど、RIZIN参戦が決まったということは西谷選手にはお伝えになられたんでしょうか? ヒロヤ まだです。 ――試合後に西谷選手とはどんな会話をかわしましたか。 ヒロヤ 試合後は、やっぱり“頑張ろうぜ”とは声かけれなかったです。3年間ずっと2人で頑張ったりしてきて、そういう勝ったり負けたりの、全然まだまだな選手かもしれないですけど、その中でもお互いにお互いの努力を認めてきて、そこでやっぱり勝つのと負けるの、もう本当大違いだと思うんですよね。ああいう舞台で、ああいうチャンスで。そこをやっぱものにできなかった西谷くんの言動や行動を見ると、本当に僕はずっと一緒にいたからこそ何も言えなかったです。 ――今回RIZIN参戦が決まって、師匠の朝倉未来選手からはどんなアドバイスをもらっているのでしょうか。 ヒロヤ 「ここで負けたら終わりだよ」と言われました。 ――それは格闘家として? ヒロヤ そうですね。 ――ご自身の気持ちとしては? ヒロヤ 自分もそう思ってます。やっぱ自分が出れる立場でもないし、第一線相手と対戦できるほどの実力でもないと思うんですけど……“実績”でもないとは思うんですけど、このチャンスをもらっているということはそういうことだと思います。 ――背水の陣で今回臨む? ヒロヤ はい。
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