2023年7月9日(日)東京・渋谷Spotify O-EAST『Shimizu presents BOM 42』のメインイベントにて、ラジャダムナンスタジアム認定フライ級(50.80kg)タイトルマッチ3分5Rで王者ウェウワー・ウォークリンパトゥム(タイ)に挑戦する名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
名高は2018年12月にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座(47.63kg)を獲得し、2019年4月にはルンピニーの同級タイトルも獲得。日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者となった。その後も快進撃を続け、今年2月にはRWSシリーズに参戦し、左ハイキックで見事なKO勝ち。4月にはムエタイ強豪ソンチャイノーイもKO、前哨戦となった5月のペットナコン戦では左ヒザ蹴りでKOと、現在破竹の21連勝を誇る。これまでも快挙を達成し続けている名高だが、今回はタイ人以外では誰も成し遂げたことがないラジャダムナン二階級制覇の偉業達成に挑む。 なお、今大会の模様はU-NEXTで無料独占ライブ配信されることも決定。世紀の一戦がU-NEXTの月額会員なら追加料金なく楽しめることになった。
どの展開になってもどの技になっても倒し切る
――ラジャダムナン王座2階級制覇に向けて調整はいかがですか?
「相手をイメージした練習はだいぶまとまっています。最初に相手が決まった時はどう崩そうかなとか不安があったんですけれど、こういう風にしていけばいいと、だいぶ確信に変わり、その通りに戦えれば上手く試合を進められるんじゃないかなと思っているので自信は凄くあります」
――今までにタイトルマッチは何度も経験されていますが、違う緊張感もありますか?
「そうですね。どの試合でも自分が一生懸命練習することは同じなんですけれど、ラジャダムナンスタジアムの2階級目のタイトルマッチということで、日本人の選手も含め海外の選手もまだ誰も2階級制覇した選手はいません。僕がしっかり成し遂げるべきだと思っているので、そこで気合いはより一層入っています。ここで勝って3階級制覇という自分の夢につなげていくためにも、絶対負けられません」
――チャンピオンのウェウワー・ウォークリンパトゥム選手に関してはどのような印象がありますか。
「相手の試合動画はたくさんYouTubeにアップされているので5~6試合見たんですけれど、どの試合も判定勝ちしていました。いかにスタミナを使わずに勝つかというのが凄く上手い選手で、自分からガツガツ行くこともなく、相手の攻撃を見て脱力した攻撃を返してそこでポイントを稼いでいくスタイルの選手なので、今までに僕が戦ってきた選手のスタイルとは違うという感じがするので、そこは警戒しています」
――ずっとトップ選手でやっていた選手なんですか?
「ここ最近で有名になってきた選手です。1年ぐらい前に、現ラジャダムナンのスーパーフライ級のチャンピオンに判定で勝ってから名前が上がりました。2月のRWSで戦ったパタックシン選手(前オムノーイスタジアム・スーパーフライ級王者)や、4月のソンチャイノーイ選手と比べるとウェウワー選手は攻撃力はそんなにないかなと思うのですが、試合巧者のイメージがあるので攻めづらくて、いざ対峙してみないとわからない強さがある選手なのかなと思っています。
でも実際に戦うのは凄く楽しみです。面白い試合にならないかもしれないですけれど、最後に僕が倒せばお客さんは盛り上がってくれると思います。もちろん勝つことは大前提で試合するのはもちろんですけれど、フィニッシュにつなげられるシーンがあったら、そこは見逃さずに行こうかなと思っています。逆に、そういう駆け引きする試合で勝って倒し切ることができれば、自信にもつながると思います。今はいろんな選手とスパーもやらせてもらって良い経験になってるので、かなり良いイメージが湧いてます」
――SNSでアップされていましたが、RISEフライ級王者・田丸辰選手ともスパーをやってましたよね。
「そうですね。田丸選手も7月2日のRISEでペッシラーというサウスポーの技巧派の選手で(田丸が初回KO勝ち)、自分の次の相手もサウスポーの技巧派の選手なのでお互いにサウスポーが相手ということで、ちょうどいいパートナーになるので2、3回スパーリングをやり、良い経験になりました」
――今回見せたい技はありますか?
「今回の試合は蹴り合いになると思います。その蹴り合いの中から自分がどう意表を突く攻撃を出そうかと思っているので、そこにちょっと注目してもらいたいですね」
――以前に『RIZINのリングだと倒すことを意識して早く倒しにいくけれど、BOMのリングだとムエタイのリングなのでフルラウンド戦う意識になる』と言われてたじゃないですか。今でもその感覚はありますか?
「そうですね。でも、今は前よりも身体もできて、当てる攻撃でダメージを与えることができていると思うので、フィニッシュにつなげられることができています。今回もムエタイのリズムでやるのはもちろんですが、自分の今までの練習の成果を出せば倒せるんじゃないかなと思ってます」
【写真】2019年4月、日本人初となる2大殿堂統一王者となった名高(右)――ここ数戦は全てフィニッシュブローが違いますが、今、いくつぐらい倒す技はあるんですか?
「もう無限大です(笑)。どの展開になってもどの技になっても倒し切るという練習をしてるので今度の試合もどの技で倒すのかを楽しみにしていてください」
――ここまで結果を残してきて『俺って天才だな』と思うことはないですか?
「いや、ないですね(笑)。でも、練習が好きなんだなとは自分自身でも凄く思います。きつい練習ももちろんあって、疲れもたまったりして今日は嫌だなとか思う日もあるんですけど、いざやってしまうと練習は楽しいので、それが毎日練習を続けられる秘訣かな、と思います」
――3階級制覇はいつぐらいにチャレンジしたいですか?
「今回勝ったらスーパーフライ級にすぐ階級を上げたいと思います。年内でできれば今度はタイでやりたいですね。タイでタイトルを獲れば、誰も文句のつけようのない記録だと思います。期待していてください」