7月28日(日)『RIZIN.17』さいたまスーパーアリーナ大会にて、61.0kg契約で、石渡伸太郎(CAVE))vs佐々木憂流迦(Serra Longo Fight Team)、扇久保博正(パラエストラ松戸)vs元谷友貴(フリー)の2試合が行われた。
バンタム級“四天王”の戦いは、石渡と扇久保が勝ち残り、勝者同士が、RIZIN&Bellator王者の堀口恭司への挑戦権を賭けて戦うことになる。
元UFCファイターの佐々木のリーチに手を焼きながらも最後は右ストレートでダウンを奪ってのノースサウスチョークで一本勝ちした石渡は「堀口選手は『四天王』の“ちょっと上”ではなく“随分上”にいる」とその差を語り、元DEEP2階級王者の元谷をスプリット判定で下した扇久保は「どちらが勝ってもおかしくない試合だった」と胸を撫で下ろした。
接戦を落としトップ戦線から一歩後退した元谷は「負けた選手(佐々木)と試合させてもらえれば」と語り、試合後病院へ直行した佐々木はSNSで「石渡選手強かった! 技磨いてまた出直します」と、復活を期している。
堀口恭司という世界の頂きにみたび手をかけるのは、石渡か扇久保か。
石渡伸太郎「堀口選手は『四天王』の“ちょっと上”ではなく“随分上”にいる」
──まずは試合を終えての感想からお願いします。
「はい、石渡“フルスイング”です」
──滑り気味ですけど(笑)。
「すみません、こんなに滑ると思わなかったんですけど(苦笑)。ちょっと、やってきたことのイメージに対して、30点くらいしか出せなかったんですけど。仕上がりというか調子が良かったので、なんとか辻褄あわせられました」
──久しぶりの試合(1年7カ月ぶり)で、試合勘はいかがでしたか?
「メチャクチャ大振りになっちゃって、倒してやろうって気持ちにばっかりなってしまって……やっぱり、ブランク出ていましたね」
──プラン的にはうまくいった?
「もう少しパンチを細かく当てていく予定だったんですけど、でも最終的には右を当てるということはできたので、まあプラン通りといえばプラン通りなんですけど、随分イメージとは離れてしまった部分があります」
──フィニッシュは一本勝ちでした。どう極めたのでしょうか?
「フィニッシュ、ノースサウスチョークですよね。あまりMMAの試合で(自分は)一本取りにいかないのですけど、練習ではよく使う技です」
──戦ってみて佐々木憂流迦選手をどう思いましたか?
「思ったよりパワーもあったし、組んだ時とか細かい、僕にとって嫌なことをしてきて、もう少しテイクダウンしようかなと思ったんですけど細かくズラされたりとかしていたので、やっぱり、当たり前ですけど、強い選手だと思いました」
──試合後、「『四天王』と一括りにするな」という意味合いのマイクもありましたが?
「自分も堀口選手には勝てなかったですけど、それ以外のやつと並べないでほしいと思っているので、言いました。勝ってから言わないと。負けたら恥ずかしいので、勝ってから言いました」
──扇久保選手から挑戦宣言がありましたが、受けますか?
「それ以外、流れないですよね(微笑)」
──ダウンを奪った瞬間ですけど、詰めて一回左を出そうとして、出さずに右でダウン奪っていましたが、あれはフェイントでしたか?
「そこまで考えていないです。とにかく右を当てるために、作戦の中にはそれはありましたけど、自然にやったんですかね。とにかく出すとデカくなっちゃうから『どうしよう』と思っていました」
──現時点で堀口恭司選手とどのくらい距離があると考えていますか?
「その『四天王』と堀口選手は“ちょっと上”ではなく“随分上”にいると思っているので。ここで頭ひとつ出て、もうひとつ階段を昇らないと、全然、名前も出しちゃいけないと思っています」
扇久保博正「どちらが勝ってもおかしくない試合だった」
──5年越しの試合が実現しましたが、対峙してみて元谷選手の力量はいかがでしたか?
「強かったすね。最後自分も疲れて雑になってしまったので……まあ、どちらが勝ってもおかしくない試合でしたね、すごい強かったです」
──勝敗を分けたポイントはご自身ではどこだったと思いますか?
「テイクダウンを自分が取っていたので、そこかなと思います」
──元谷選手の打撃をどのように感じましたか。
「もらっていてKO──意識飛ばされる感じはなかったので、でも自分もやっぱり結構もらっちゃっていたので、そこはあんまり良くなかったかなと思いますね」
──試合としてはプラン通りには進んだ?
「1ラウンド、2ラウンドはプラン通りでしたが、ちょっと疲れちゃって、3ラウンド目はあのまま逃げのタックルにいきなり行っちゃうとやられると思ったので、打撃で退かないようにしようと最後は行きました」
──「次の試合の勝者とやりたい」と言っていて、石渡選手が勝ちましたが、試合はご覧になられましたか。
「見ていました、はい。強いですね。あと顔も似ているので(笑)。ずっとなんか、言われていたので。すごく素晴らしい選手なので、戦ってみたいです」
──石渡選手をファイターとしてどんな印象を受けましたか?
「やっぱり仕留める能力が強くて気持ちも強い選手で、すごい強い選手だなあと思います」
──ご自身のテイクダウンは通用すると思いますか?
「はい、行けると思います」
──石渡選手は「“四天王”と一括りにするな」という風に言っていましたが、扇久保選手としては?
「一括りにするな」……でもまあ、盛り上がるからいいんじゃないですか、“四天王”って言われていれば」
元谷友貴「(扇久保は)漬けきる力が想像より上だった」
──試合を終えての感想からお願いします
「まあ、負けたんで、悔しいです」
──戦ってみて、扇久保選手にどのような印象が残っていますか?
「そうですね……やっぱりテイクダウンがうまかったですね、思った通りテイクダウンから寝かせることが強かったなあと思います」
──「思った通り」でもテイクダウンを取られてしまうのは扇久保選手の上手さでしょうか。
「思っていた通りなんですけど、やっぱり上手かったですね。タックルのタイミングというか、そこからしっかり漬けきる力が想像より、自分が思っていたより上だったっていう」
──打撃に関しては?
「自分は特に効いた技は無いんですが、途中、打撃で相手が嫌がった顔はしていたので、いいペースで自分が打撃で取れたかなとは思っていました」
──試合が終わったばかりですが、勝敗を分けたポイントは?
「単純にテイクダウンディフェンスが全然だったというのと、寝かされてからのエスケープが良くなかったですね」
──これで一歩後退してしまった形になりますが、ご自身としてはこれからどうしていきたいですか。
「一歩後退してしまったので、またチャンスがあれば、自分と……そうですね、まあ今回負けた選手(佐々木憂流迦)でも、“四天王”の(笑)。いい選手と試合させてもらえたらな、と思っています」