前に出る猛攻を見せた三浦だったが、ジョーカーも最後まで粘った(C)RWS
ラジャダムナン・ワールド・シリーズ
2023年7月1日(土)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼キックボクシング・エキシビションマッチ 3分3R
―三浦孝太(BRAVE)
勝敗なし
―ジョーカー・ファイトクラブタイランド(タイ)
三浦はタイで女性を中心として大人気、2022年8月19日に同大会に出場し、ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)とエキシビションマッチを行ったが、今回は異色の相手とキックボクシング・エキシビションマッチで対戦する。
その相手とはジョーカー。1999年の映画『ファイトクラブ』の人気を受けて、2016年に発足したファイトクラブ・タイランドのスター選手なのだという。
ファイトクラブ・タイランドは3分1R、ムエタイルールかボクシングルールで行われ、基本的にはグローブを着用するが時にはバンデージのみを着用してのほぼ素手の戦いも行われる。タイの不良たちが集まって、会場ではなく路上(リングではなくジョイントマットを敷く)で戦うという文字通りのストリートファイト集団で、ボクシングやムエタイの元王者が参加することもあるという。BreakingDownとイメージ的には近い。
1R、サウスポーのジョーカーが左ロー2発で先制。さらに左インローを蹴るが、体格で優る三浦はそのまま突進して右ストレートから組み付きブレイク。場内は早くも『コウタ』の大合唱、さらに三浦が攻めるたびに大歓声が沸き起こる。その大声援をバックに右ストレート、左フックで前に出る三浦。しかし、ムエタイでは反則となるサバ折りでジョーカーを転倒させると一転してブーイングに包まれた。
ジョーカーはそれまでの左インローから右ローに切り替え、その右ローが当たるたびに歓声。ジョーカーの右ローからの右フックをもらった三浦だがすぐにワンツーで反撃、左右の連打でジョーカーにロープを背負わせる。右ストレートをヒットさせる三浦だが、なぜか胴タックルに行ってしまいそのたびにブレイク。ガードが低い三浦はジョーカーのパンチをもらい、ダブルレッグでレフェリーごとテイクダウン。またも場内はブーイングに包まれた。三浦は右ストレートから左ボディを繰り出すが、やや疲れを感じさせる動きの鈍さ。
【写真】三浦のテイクダウンにジョーカーと一緒にレフェリーも倒れた
2Rが始まると同時に『コウタ』の大合唱。ジョーカーの左右フックにも歓声があがる。前に出る三浦は左右の連打も今度はジョーカーが組み付く。組み際にジョーカーが放ったヒザ蹴りで三浦が崩れ落ち、騒然となるが三浦は立ち上がってタックルに行く。ジョーカーの右フックに三浦は右ストレートからまたも胴タックルでテイクダウン。そしてブーイング。
ジョーカーの左右フック、左インローに三浦はダブルレッグに行くがジョーカーはヒザを2発入れて薄笑いを浮かべる。立ち上がった三浦はワンツーからダブルレッグ、これはジョーカーがバックステップで切る。もちろんこれはキックボクシングルールだ。レフェリーから注意を受ける三浦にブーイング。ジョーカーのワンツーに三浦は左右フックで応戦し、今度はジョーカーが組み付く。両者ともかなり疲労している様子だが、三浦のワンツーがクリーンヒット。ジョーカーもすぐに右ローを返すが、三浦はシングルレッグでテイクダウン。ブーイング。ジョーカーの右フックに右ストレートを返す三浦。
3R、ジョーカーの左インローに左右フックを返す三浦。薄笑いを浮かべるジョーカーに三浦の右ストレートがヒットし、大きく後退。ジョーカーは組み付いてのヒザ蹴りを見舞う。三浦がパンチで押し始めるもジョーカーは首相撲で崩す。かなり疲労している様子のジョーカーに三浦は右ストレートで攻めるが、なぜか胴タックルをしてしまう。
ジョーカーは場内の時計を見たり、腰に両手をあてたりと疲労困憊の様子。そこへ三浦がパンチを繰り出して前へ出る。残り時間が僅かになると、ジョーカーは小走り。三浦は「え?」という表情でレフェリーの方を見るが、これはジョーカーの時間稼ぎ。間もなく終了のゴングが鳴った。
エキシビションのため判定は無し。インタビューを受けた三浦は「自分にはまだこのステージは早いかなと思いました。体重も違いますし、今日はジョーカー選手の事実上の勝ちかなと思います。皆さん、今日は自分の試合を見に来てくれてありがとうございます。また、もっともっと練習して強くなって帰って来るのでまた応援お願いします。また、TikTokも始めたのでフォローお願いします」と答えた。