2019年7月28日(日)さいたまスーパーアリーナに16,930人(主催者発表・満員)の観衆を集め『RIZIN.17』が開催された。
メインの第12試合では、70.0kg契約で朝倉未来(トライフォース赤坂)と矢地祐介(KRAZY BEE)が対戦。矢地のカーフキックに、朝倉もカーフキックで対抗し、矢地のダブルレッグなどのテイクダウンにも背中を着けることがなかった朝倉がスタンド勝負。3R終了間際にはダウンも奪い判定3-0で勝利し、年末のBellatorとの対抗戦で矢地に共闘を呼びかけた。
2018年8月の初参戦からRIZIN5連勝となった朝倉は、試合後の会見で矢地戦の勝因を語るなかで、「向こうが俺の弱点を見つけたと言ったから、自分の分析をしたんですよ」と、対戦相手のみならず、自分自身を分析し、相手の攻撃の予測をしていたことを明かした。一問一答は以下の通り。
朝倉未来「(矢地を)もともと認めている。性格的にはちよっと仲良くなれないかもしれないけど(笑)」
──試合を終えた率直な感想を。
「楽しかったです。矢地君が一気に来るか待ちになるかのどっちかだと思っていて、(待ちになったのは)予想どおりでした。分析した通りの前足のロー、こっちがうまく先手を取りました」
──矢地選手をどう分析していた?
「前足の構えが内側を向いていたので、相手はカーフキック(ふくらはぎへのキック)が弱点だと思っていました。あと圧をかけられたときのリアクションが大きいので、フェイントを多く出して向こうに出させた攻撃にカウンターを合わせる。あとはボディ──全部うまくいきました」
──階級差もあり、何度かテイクダウンを仕掛けられました。
「うーん、力は強かったけど、俺の腰も相当強いと思うので、なかなか倒せないだろうなと思ってました」
──試合中に笑ったのは?
「楽しくなっちゃって。2人ともすごく同じようにリスク背負ったので本気で殴り合ったときな楽しいなって」
──試合を終えて、因縁の矢地選手のことも認めることができる?
「もともと認めているんですよ(笑)。あれは編集がうまいことやってくれてたので。でも……性格的にはちよっと仲良くなれないかもしれないですね(笑)」
──フィニッシュはカウンターの左でした。
「打ち合いになったら入れる練習をずっとしていました。右フックが開くので、そこに左ストレートを合わせる練習を。思ったよりもガツガツ来てくれなかったけれど、最後は殴り合いができたのでそこで入りました」
──矢地選手もローキックを蹴ってきたのは想定内でしたか?
「そうです。それも絶対やってくると思っていました。向こうが俺の弱点を何個か見つけたと言ったから、自分の分析をしたんですよ、何試合か。そしたら『俺もちょっと(前足が)内側向いてるわ』と思って、ローのカットがあまりできていないから、ローを打ってくるだろうなと思っていましたね」
──それはカットせずに距離で外していこうと?
「そうですね。流行りのカーフ(キック)で来るだろうなと思っていました。でもほとんど普通のローキックでしたね」
──Bellatorとの対抗戦に出場したい?
「まあ、ファイトマネー次第でお願いします」
──ライト級GPについては?
「ぶっちゃけそこまで興味はないですね。俺の基準としてフェザー級ならUFCのやつでも通用すると思っているんですよ。だけど、ライト級でやったときにUFCのトップどころに勝てる気がしない。そういう気持ちを持ったままトーナメントに出るのは良くないなと思って。そこは自分の階級でやりたいと思います」
──もしフェザー級でGPをやるなら考える?
「まあ、やるなら」
──一気に知名度が上がりました。
「うーん、あまり有名になりたくないんでそこは嬉しいような……。でも応援されるのは嬉しいし、複雑な気持ちですね」
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