2023年6月24日(日本時間25日)米国フロリダ州ジャクソンビルのVyStarベテランズ・メモリアル・アリーナにて、『UFC on ABC 5: Emmett vs. Topuria』が有観客で開催された。
メインイベントのフェザー級戦は、暫定王座決定戦でヤイール・ロドリゲスと戦ったジョシュ・エメット(米国)をイリア・トプリア(ジョージア)が判定で撃破。UFC6連勝を決めた。
コメインの女子フライ級では、メイシー・バーバー(米国)がアマンダ・ヒバス(ブラジル)に左ハイを効かせてパウンドアウト、UFC5連勝に。
プレリミナリーの女子ストロー級では、元SEI☆ZAのタバサ・リッチ(ブラジル)がジリアン・ロバートソン(カナダ)に判定勝ちでUFC4連勝。
また、ミドル級では、ブレンダン・アレン(米国)がブルーノ・シウバ(ブラジル)と熱闘。1R 4分39秒 リアネイキドチョークを極めてUFC6連勝をマークした。
なお、第2試合で予定されていた平良達郎(日本)は、対戦相手のクレジソン・ホドリゲス(ブラジル)が3ポンド(1.3kg)体重超過により、試合中止となっている。
▼フェザー級 5分5R〇イリア・トプリア(ジョージア)14勝0敗(UFC6勝0敗)146lbs/66.22kg ※UFC6連勝[判定3-0] ※50-44, 50-42, 49-45×ジョシュ・エメット(米国)18勝4敗(UFC9勝4敗)145.5lbs/66.00kg
フェザー級5分5R。5位のエメットと、9位のトプリアが対戦。
26歳のトプリアは、13戦無敗・4KO・8一本勝ちのフィニッシャー。うち9試合で1ラウンド決着している。7歳でジョージアでグレコローマン・レスリングを始め、15歳でスペインでMMAを始めた。柔術黒帯でギロチンやリアネイキドチョーク、ブラボーチョークなど、絞め技を得意とする。2022年12月の前戦ではブライス・ミッチェルにパンチでダウンを奪ってからの肩固めで一本勝ち。
対する38歳のエメットは、キャリア18勝3敗。2019年3月のマイケル・ジョンソン戦のKO勝ちから、ミルサド・ベキッチにTKO勝ち、シェーン・バーゴス、ダン・イゲ、カルビン・ケーターにいずれも判定勝ちと5連勝。しかし、2023年2月の『UFC284』のUFCフェザー級暫定王座決定戦でヤイール・ロドリゲスに三角絞めで一本負けしている。
1R、ともにオーソドックス構え。左右を突いて前に出るエメット。左ジャブを刺し合うトプリア。エメットは右フックを振ってみせる。そこにトプリアは左右を内側から突く。
レベルチェンジの動きから金網に詰めて左ボディを打ち込むトプリア。エメットは左ボディから右オーバーハンドも、バックステップでかわすトプリア。右カーフを当てる。ワンツーの飛び込みの打ち終わりに右を突くトプリアは右カーフを当てる。そこに右を合わせるエメット。トプリアの入りの打ち終わりに左前手で狙う。
2R、先に詰めるトプリア。踏み込んで上下に散らす。さらにワンツー。右回りのエメットはダッキングでかわすと、エメットは右ロー。そこを詰めたトプリアは右ロー。ワンツースリーと詰めて右ストレート! 片ヒザを着いて崩れたエメットだが左を返して押し戻し。
トプリアの右オーバーハンドに右を返すエメット。その突っ込みをさばいたエメットがサイドバックからパウンドする。
3R、前に出るエメットに右カーフはトプリア。エメットも右カーフを返す。しかしパンチの精度はトプリア。顔を腫らすエメットに詰めるトプリアは右を当てて左ボディから右オーバーハンド。エメットの打ち返しはもらわない。トプリアの左ジャブで頭が上がるエメット。打ち返すが、トプリアはかわしてワンツーの右。エメットも右を返して左右の大振り。
4R、ラウンドを取り返すべく先に前に出るエメットだが、そこに左ジャブを当てるトプリア。さらに右カーフでエメットはバランスを崩す。
エメットがパンチの動きで踏み込んだところに右カーフを当てるトプリア。エメットは左ボディから右フックで前に出るが、さばくトプリアは右カーフ、打ち下ろしの右! 詰めるトプリアはエメットの左をかわして左フックでダウンを奪う!
トプリアはパウンド連打でトプリアを詰めると、立ち上がったエメットに右カーフ。さらに右でダウンを奪うと、マウント&パウンド。エメットはゴングに救われる。
5R、ドクターチェック後、最終Rがスタート。サイドステップで回り、両手を開いて殴りに行くエメット。その入りに左ジャブを突くトプリアは若干、手数が減る。
左ボディから右フックで前に出るエメットに、トプリアはダブルレッグテイクダウン! 背中を着かせながらパウンド。片ヒザ片手を着いて半身のエメットにサイドバックからパウンドするトプリアは、前転しようとするエメットについていくとニアマウントでパウンド。スタンドバックまでつくとエメットが立ち上がるもゴング。
判定3-0(50-44, 50-42, 49-45)で勝利し、UFC6連勝をマークしたトプリアは、「1R目からKOを狙っていた。次はアレックス(ヴォルカノフスキー)と戦いたい」と王座挑戦をアピールした。
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バーバーがヒバスに左ハイ効かせてパウンドアウト、UFC5連勝
女子フライ級9位のヒバスと11位のバーバーによるランキング戦。
バーバーは、ロクサン・モダフェリとアレクサ・グラッソに判定負けも、2021年7月にミランダ・マーベリックにスプリット判定勝ちすると、モンタナ・デ・ラ・ロサ、ジェシカ・アイにユナニマス判定勝利、2023年3月の前戦ではアンドレア・リーにスプリット判定勝ちで4連勝中。
対するヒバスは、柔道ベースでUFCフライ級で2勝1敗、ストロー級で4勝1敗。今回の試合でフライ級4戦目となる。2019年6月のUFCデビューから4連勝後に マリナ・ロドリゲスに2R TKO負け。ビルナ・ジャンジロバに判定勝ちで再起も、2022年5月にケイトリン・チュケイギアンにスプリット判定負け。2023年3月の前戦ではヴィヴィアニ・アラウージョに判定勝ちしている。
▼女子フライ級 5分3R〇メイシー・バーバー(米国)13勝2敗(UFC8勝2敗)126lbs/57.15kg ※UFC5連勝[2R 3分42秒 TKO]×アマンダ・ヒバス(ブラジル)11勝4敗(UFC6勝3敗)125lbs/56.70kg
1R、サウスポー構えのバーバーにオーソのヒバスは後ろ蹴り。さらに右ストレートをヒットさせたヒバス。ケージまで詰めてワンツーの右を打ち込む。金網際でバーバーはヒジ。ヒバスは四つから首投げに移行し、テイクダウンからうつ伏せになり上を取ろうとするが、スクランブルで立ち上がるバーバー。スタンドバックのバーバーにヒバスは前転からヒザ十字狙い。しかしヒザを伸ばされないバーバーは潰してパウンド。
2R、左を振って組むバーバーを突き放すヒバス。バーバーはワンツー。さらに組みに行くがヒバスが首投げからすぐに脇差し上になるも、バーバーは金網まで這って上体を立てて立ちあがると、左ハイ! 右に頭を傾けていてもらったヒバスが一瞬動きが止まるが、左右で前進。バーバーは再び左ミドル。足を掴むヒバスから足を抜いてワンツーの右! さらに連打に組んできたヒバスを剥がして右のパウンド連打! シングルレッグから右手が残っているヒバスは抜けられず。
パウンドを受け続け、動いたと同時にレフェリーが間に入った。
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▼ヘビー級 5分3R─オースティン・レーン(米国)12勝3敗1NC(UFC0勝0敗1NC)245.5lbs/111.36kg[1R 0分29秒 ノーコンテスト]─ジャスティン・タファ(豪州)6勝3敗1NC(UFC3勝3敗1NC)266lbs/120.66kg
RIZINでスダリオ剛に勝ったジュニア・タファの兄のジャスティン・タファは2連勝中。地元のオースティン・レーンは元NFLでMMA6勝3敗。今回がUFCデビュー戦。
1R、サウスポー構えのタファは右前手のフックで前に詰めるが、さばいたレーンは長い前手を前に出しながら右ミドルを2発ヒット。詰めるタファに右に移動して、同じく左前手を顔に伸ばして右ストレートで出入り。
しかし、その際にレーンの指がタファの目に入り中断。右目から出血したタファは続行不能。わずか29秒でノーコンテストとなった。
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▼フェザー級 5分3R〇デビッド・オナマ(ウガンダ)11勝2敗(UFC3勝2敗)146lbs/66.22kg[2R 4分13秒 TKO]×ガブリエル・サントス(ブラジル)10勝2敗(UFC0勝2敗)145lbs/65.77kg
ウガンダ初のUFCファイター、29歳のオナマはFACで連勝後、2021年10月にUFCデビュー。メイソン・ジョンズに判定負け後、ガブリエル・ベニテスを1R TKO、ガレット・アームフィールドを2R 肩固めに極めて2試合連続フィニッシュ勝利。2022年8月の前戦では、緊急出場でネイト・ランドワーに判定負け。
ブラジルのサントスは26歳。LFAで2連勝後、2023年3月にUFC緊急参戦。リローン・マーフィーに判定負けし、MMA10勝1敗とキャリア初黒星を喫した。
フェザー級の3R。
1R、ともにオーソドックス構え。右カーフから入るサントス。オナマはスイッチしながら左を伸ばす。ワンツーの右はサントス。後退するオナマにサントスはいいタイミングでダブルレッグに入るが、それを腰の強さで潰すオナマが上に。蹴り上げから立つサントスは右ミドル。左ロー。そこに右ストレートを狙うオナマ。
オーソドックス構えのオナマの左ジャブをかわしてサウスポー構えから左ストレートを突くサントス! 後ろ蹴りは不発。さらに左を当ててボディストレート。オナマはダブルレッグに入るが、そこにサントスはまたいでうつ伏せになり腕十字!
ヒジが伸びかけるが、外すオナマになおもサントスは腕十字、三角狙い。肩を入れて外すオナマは首相撲からヒザ。離れてスイッチするサントスはダブルレッグテイクダウンで上に。オナマはニーシールドから立ち上がる。
2R、オーソから左ハイを突くサントスは回転速くワンツーで詰めるとダブルレッグから上で組み、脇を潜りスタンドバックから背中に乗り、ケージを蹴って中央に引き込み、4の字ロックに。2度目のトライで正対に成功するオナマ! 左オーバーフックのサントスに左ヒジを落とすオナマ!
足を効かせるサントスにいったん離れてからその立ち際に腰にしがみつくオナマ。切るサントス。スタンドでともにオーソドックス構えに。サウスポー構えから後ろ蹴りのサントス。回るオナマは右は大振り。かわすサントスは、右ストレートをヒット。
左に回るオナマは、サントスの左フックを右にダッキングで潜ると、左縦ヒジ。さらに右フックをヒット。組んできたサントスにヒザ蹴り右アッパー、右ヒジと近距離で当てて、右アッパー! 後方に倒れたサントスにオナマは右の鉄槌1発ですぐにレフェリーが間に入った。
大の字のサントスに、上からオナマはアデサニヤのように弓を引くポーズで3本の矢を放ち、勝利の咆哮をした。
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▼ミドル級 5分3R〇ブレンダン・アレン(米国)22勝5敗(UFC10勝2敗)※UFC6連勝[1R 4分39秒 リアネイキドチョーク]×ブルーノ・シウバ(ブラジル)23勝9敗(UFC4勝3敗)
ミドル級13位のアレンは27歳。2021年12月のグラップリング大会UFCインヴィテーショナルでも判定勝ち後、UFC4連勝中。地元フロリダのキルクリフFC所属で、2023年2月の前戦でランカーのアンドレ・ムニスに3R リアネイキドチョークで一本勝ちしている。
ノーランカーのシウバは33歳。UFCデビューから3連勝したが、2022年3月にGlory王者のアレックス・ペレイラに判定負け。ジェラルド・マーシャートにもギロチンチョークで敗れ2連敗。2023年4月の前戦では、ブラッド・タバレスからダウンを奪ってのパウンドで初回TKO勝ちしている。
1R、ともにオーソドックス構えから。シウバはサウスポー構えに。アレンは右ミドル。右インロー。喧嘩四つで互いにシャープはジャブの刺し合い。アレンは右ハイをかすめる。さらにダブルレッグも差し上げるシウバ。アレンは右ミドルから組んで押し込み右ヒジ。左で差して押し込み、四つからヒザ蹴り。シウバの頭が下がると左ヒザを突く。
首相撲ヒザから回して体を入れ替えるシウバが左右連打から左をヒット! 金網に詰まるアレンはいったん押し戻すが、シウバは左を伸ばして前進。金網背にアレンは左フックをヒットさせると、シングルレッグへ。
がぶるシウバが切って左で前に詰めるが、そこに右アッパーはアレン。さらに右ミドルを当てる。シウバは軸が乱れながらも右アッパーを突いて前に。ガード固めるアレンに左右を打ち込むが、アレンは右フックをテンプルに当てるとシウバが崩れ、さらにアレンは右フック!
シウバは後方にダウン。アレンは中腰から右のパウンドを連打し、パスガード。シウバの左足を左手で抱えたまま、右腕をアゴ下に。後方に引き込み、片足だけを軽くかけて一気にリアネイキドチョークを極めた。
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【プレリミナリー】
▼ウェルター級 5分3R〇ニール・マグニー(米国)28勝10敗(UFC21勝9敗)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×フィリップ・ロウ(米国)10勝4敗(UFC3勝2敗)
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▼ウェルター級 5分3R〇ランディ・ブラウン(ジャマイカ)17勝5敗(UFC11勝5敗)[判定3-0] ※29-28×3×ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)18勝7敗(UFC3勝5敗)
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▼ライト級 5分3R〇マテウシュ・レベツキ(ポーランド)18勝1敗(UFC2勝0敗)[2R 2分36秒 TKO]×ルイク・ラジャボフ(タジキスタン)17勝5敗(UFC1勝1敗)
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▼女子ストロー級 5分3R〇タバサ・リッチ(ブラジル)9勝1敗(UFC4勝1敗)UFC4連勝[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ジリアン・ロバートソン(カナダ)12勝8敗(UFC9勝6敗)
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▼フライ級 5分3R〇ジョシュア・ヴァン(米国)8勝1敗(UFC1勝0敗)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ジャルガス・ジュマグロフ(カザフスタン)14勝9敗(UFC1勝6敗)
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▼ライト級 5分3R〇チェペ・マリスカル(米国)14勝6敗(UFC1勝0敗)[判定3-0] ※30-27×3×トレバー・ピーク(米国)8勝1敗(UFC1勝1敗)
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▼フェザー級 5分3R〇ジャック・ジェンキンス(豪州)12勝2敗(UFC2勝0敗)[判定2-1] ※29-28×2, 27-30×ジャマル・エマース(米国)19勝7敗(UFC2勝3敗)
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▼ミドル級 5分3R〇セドリケス・ドゥマス(米国)8勝1敗(UFC1勝1敗)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×コーディ・ブランデージ(米国)8勝5敗(UFC2勝4敗)