RIZINに参戦をアピールし続けたシュメトフがついに初参戦。ファンからの知名度も高い
2019年7月28日(日)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.17』の前日公開計量が、27日(土)16:30より都内にて行われた。
ファンの歓声に迎えられたのは、第4試合93.0kg契約5分3Rで、ジェイク・ヒューン(米国/Unit 27)と対戦するビタリー・シュメトフ(ロシア/USSR FIGHTERS)だ。
シュメトフはロシア帽を被り毛皮のコートを羽織ってステージに登場すると、「出てこいやー!」と叫びながら、ボブ・サップばりの両手を広げながらコートを脱ぎ捨てるパフォーマンス。場内からはさらに大きな歓声が沸き起こった。
シュメトフは7歳から兄セルゲイと共にムエタイ、サンボに取り組み、総合格闘技とキックボクシングのローカル大会でキャリアを重ねてロシアのムエタイ王者にも2度輝いている。2006年の8月と10月には『MARS』(2008年に活動停止)に参戦し、日本で2試合を行った。元極真空手でK-1ファイターのニコラス・ペタスと1年間トレーニングを積んだ経験もある。
2017年からSNSで再三に渡ってRIZINにラブコールを送ったことがマニアックな人気を博し、アポなしのRIZIN事務所への突撃訪問、RIZIN.15の前日公開計量や大会当日の乱入などの活動が実って、遂にRIZIN初参戦の切符を手に入れたのだ。
対するヒューンはレスリングをバックボーンに持ち、2011年4月にMMAでプロデビュー。UFCの登竜門リアリティショー『TUF』に出場するがUFC参戦はかなわず、WSOFで活躍。2017年にはROAD FCにも参戦した。2018年9月からはRIZINに参戦し、イリー・プロハースカには敗れたものの6月のロッキー・マルティネス戦では勝利。ド派手な殴り合いを信条としている。
計量前日に行われた個別インタビューでも「ずっといいトレーニングをやってきたのでとてもいいコンディションです。RIZINに参加できるのはとても嬉しいし、RIZINに参加することを長い間、夢見てきた。それを目標に頑張ってきたんだ。PRIDEを見ていた時から、私にとって日本で試合をすることが夢だった。日本で必ず試合をする、と父にも約束した。日本にやっと来れてやっとRIZINで試合ができる。自分のパフォーマンスを最大限に見せます。美しく見応えのある試合をする」と、ハイテンションで参戦を喜んでいたシュメトフ。
「日本の時差にも慣れて、昨日は寿司も食べてエネルギー満タンです。マグロとエビが好きです。身体にもいいですし、大好きです」と、日本ラブをアピールする。
シュメトフにはRIZINに出場したかった理由がもうひとつあり、「10年前に初めて日本に来て、ある女性と知り合ったんです。名前がアキコと言います。今回試合も中継されるということでアキコが私を見てくれるのではないかと思っています。再び会っていろいろな話をしたいと思います。まだ連絡はついていません。彼女をずいぶん探したけど見つからなかったんです」と、日本人の元彼女を探しているのだという。そのエピソードから名付けられたニックネームは“愛の戦士”。
対戦するヒューンについて聞かれると「彼はとてもいいダンサーだ」と入場パフォーマンスを誉め、「試合の結果は神様のみぞ知る。もちろん勝利するために最大限の努力はします。ただ、私にはサポートしてくれる仲間、そして親しい友人たちもたくさんいます。だからどういう形であれ必ず勝てると思っています。『RIZIN.17』でそれはご覧いただけます。試合で全て見せます」と、必勝を宣言する。
兄のセルゲイも「私は弟にこう言いたい。神様が見守ってくれて怪我がないように試合を終えられるように願っています。私たちは家族ですし、私の心の半分は弟にある。日本に来ることができて大変光栄です。何とか弟とともにこの地に来てRIZINで戦えることは大変に名誉なことです。やっと来れたという気持ちです。我々を信じてくれているサポーターの皆さん、ファンの皆さん、ここへ来るまでに随分と助けていただきました。関係者の皆さんに心から感謝しています」と、弟に負けず劣らずのハイテンションぶりで日本へ来たことを喜んでいた。
一方、これがRIZINでの3戦目となり余裕も出てきたヒューンは「最高のコンディションだ。前回から10kg落としたのでパンチも蹴りも凄く速い」と、スピードを重視したトレーニングを積んできたようだ。
シュメトフについては「彼がずっと俺とやりたいと試合を望んできたので、凄くやる気があると思う。俺は喜んで戦いを受けたい。皆さんが期待しているようなファイトができればいいと思っている。キックやパンチはもちろんサッカーボールキックも出せる機会があればと思っている。皆さんは私に対してグラップリングが見たいとは思っていないだろうから、皆さんの期待に応えられる試合をしたいと思う。彼はスタンドアップファイターで私に合っている」と、シュメトフとの殴り合いを予告。
そして「同じ階級で戦う選手には注目しています。初参戦のイヴァン・シュトルコフとも戦ってみたい」と、RIZINライトヘビー級を盛り上げていきたいと意気込んだ。