Krush.1492023年5月20日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)第2代Krushフライ級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R×大夢(WIZARDキックボクシングジム)判定0-3 ※29-30×3〇大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1甲子園2022 -55kg王者)※大鹿がトーナメント優勝、第2代王座に就く。
「第2代Krushフライ級王座決定トーナメント」の決勝戦は、準決勝で山脇飛翼を1RでKOした大鹿と、長野翔に判定勝ちした大夢で争われることに。
1R、長いジャブを伸ばしていく大夢に大鹿は左ミドルで対抗。大鹿はスピードのあるコンビネーションパンチを繰り出すが、大夢はその終わりを狙って右ストレートを突き刺す。大きな構えでグイグイと前へ出て圧をかける大夢は大鹿をロープに詰めると左右フック。
2R、長い距離からの攻撃と踏み込んでのワンツーを使い分ける大夢に、大鹿は左ミドルを中心とした蹴りで対抗。蹴ってから左右連打に行く大鹿を大夢はフックで迎え撃ち、両者近くなりすぎてホールディングが増える。
3R、勝負に出た大夢が前へ出る。大鹿はジャブ、左ミドルと左インロー。大夢の左フックがヒットするが、大鹿も左を打ち返す。前へ出て攻める大夢だが空振りを誘われ、大鹿のジャブ、左ミドルが的確にヒットしている印象。
判定は3-0でテクニカルヒットを奪った大鹿が勝利。優勝候補の大夢を破り、第2代王座に就いた。
大鹿は号泣し、「たくさんの応援ありがとうございました。辛かった時にいつも支えてくれたお父さん、お母さん、そして兄弟の支えがあってここまでこれました。これからもっと強くなっていきます」とマイクで語った。
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▼セミファイナル(第9試合)Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 1R 1分56秒 ※左ハイキック〇松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/K-1甲子園2020 -60kg王者)
岡嶋は『格闘代理戦争』の卒業生で2019年9月にプロデビュー後は5連勝を飾ったホープ。しかし、6戦目の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」準決勝で森坂陸にKO負けして初黒星。2021年6月にはフェザー級王座への挑戦者に抜擢されたが、王者・新美貴士に1R16秒でTKO負けを喫した。2022年4月に國枝悠太に負傷判定3-0で勝利して再起するも、その後は稲垣澪と龍斗に連敗。戦績は6勝(1KO)4敗。
松山はK-1甲子園2020 -60kg王者で、2020年12月のプロデビューからK-1で2連続KO勝利したが、2021年12月の寺田匠とのホープ対決ではダウン応酬の末にKO負け。初黒星を喫したが、その後は目黒翔大に判定勝ち、SOULにKO勝ちと連勝中。戦績は4勝(3KO)1敗のサウスポー。
1R、両者ともスピードのある攻撃を繰り出し、目まぐるしい展開。岡嶋は蹴りからパンチのつなぎが速く、松山はコンビネーションの回転が速い。岡嶋が前へ出てくるところに左ハイをかすめた松山は、そこから左ハイを狙っていく。
右カーフも蹴り、右ボディと右を意識させつつ、左ハイを蹴る松山。岡嶋も手を出しながら前へ出て行く。松山は左ヒザ、さらにボディを打って右フックからの左ハイキック。これがノーガードだった岡嶋へ見事に決まり、松山の鮮やかな初回KO勝ちとなった。
松山はマイクを持つと「今日6戦目だったんですけれど、岡嶋選手も強いし、同じKRESTの寺田選手に勢いに乗ったところで負けて、始まってすぐに倒しに行きすぎたところがあって負けた試合が蘇って来ちゃったんですけれど、そこで絶対に勝つという気持ちで1RKO出来てよかったです。岡嶋選手いろいろな選手とやっていますが、多分、僕が一番いいKO出来たと思うので、僕は絶対に倒して勝てると思うのでそろそろタイトルマッチが出来る相手を用意してください」とアピールした。
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▼第8試合 -61kg契約 3分3R延長1R×増井侑輝(真樹ジムAICHI/第5代Bigbangスーパー・ライト級王者)KO 1R 3分05秒 ※左フック〇提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2018 -60kg優勝)
提髪はK-1カレッジ2018 -60kg優勝の実績を持ち、プロデビューは2019年6月。2021年6月に安川侑己に敗れて拳を負傷し、約1年2カ月ぶりの復帰戦となった2022年8月にはMOMOTAROに判定で敗れた。戦績は6勝(3KO)4敗。
1R、提髪はサウスポーの増井へ右インローを多用、増井はヒザ蹴りと左ローで対抗する。左の蹴りを多用する増井に対して提髪も右インローを蹴っていき、ヒザとパンチでボディも攻める。圧力をかけて前に出る提髪が、増井がロープを背負ったところへ豪快な左フック。この一発で増井はダウンし、大きくよろけてダウン。立ち上がることは出来ず、提髪のKO勝ちとなった。
提髪はマイクを持つと「2週間前に急遽試合受けてくれた増井選手ありがとうございました。試合前に煽ってくれたので、こいつぶっ殺してやろうと思って気合い入りました」と、“どうだ!”と言わんばかりの笑顔を浮かべた。
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▼第7試合 Krushライト級 3分3R延長1R×堀井 翼(K-1ジム五反田チームキングス)KO 2R 2分50秒 ※右ストレート〇SEIYA(POWER OF DREAM)
堀井は2019年3月にK-1 JAPAN GROUPに初参戦、1Rにダウンを奪われながらも3度のダウンを奪い返して1R2分46秒でKO勝ち。その試合のインパクトもさることながら、もっと話題を集めたのは試合前の個性的すぎる“メンチ切り”だった。堀井が「フラッシュバック」と命名したこのメンチ切りは、相手に背中を向けてエビ反りになって相手を睨みつけるというもの。3連敗の後に2020年6月の南雲大輝戦では相手のローブローにより反則勝ち。その後は再び3連敗を喫したが、2022年10月のSATORU成合戦ではTKO勝ちを飾った。前戦は2023年2月、伊藤健人に判定負け。戦績は8勝(6KO)7敗3分。
SEIYAは幼少期から空手で様々な実績を残し、14歳でキックボクシングを始める。2015年8月にKrushデビューを果たし、2016年8月からはK-1 JAPAN GROUPで5連勝を飾った。しかし、2020年6月に弘輝、9月に瓦田脩二、2021年3月に竜樹、9月に鈴木孝司に敗れて4連敗。今回は1年8カ月ぶりの復帰戦となる。戦績は9勝(3KO)6敗。
1R、ジャブ&ローのSEIYAに右ストレートを打った堀井は、SEIYAが右ストレートを打ち返してくるとカウンターで右ヒザを顔面に突き上げて見事なカウンターでダウンを奪う。SEIYAは右カーフを徹底的に蹴っての反撃。堀井はSEIYAをロープに背負わせて右ボディを打つが、カーフを蹴られまくった。
3R、SEIYAは左インロー、右ロー、左右ミドルと蹴りを中心とした攻撃を見せるSEIYAに堀井は右ボディを左右フックで対抗。SEIYAの蹴りが決まる場面が増え、ここで右顔面ヒザのお返し。堀井がグラついて下がるところへSEIYAが左右連打で追い打ちし、右ストレートでダウンを奪った。
立ち上がろうとした堀井だが、腰から崩れ落ち、レフェリーはストップを宣言。堀井はまだ戦えると抗議するが、SEIYAの逆転KO勝ちとなった。
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▼第6試合 Krushスーパー・ヘビー級 3分3R延長1R×丸山公豊(宮田ジム/初代KPKB(九州プロキックボクシング)ヘビー級王者、初代激突ヘビー級王者) 判定0-3 ※27-29×2、27-30〇木村太地(TEAM RHAPSODY)
Krushでは珍しいスーパー・ヘビー級のカードが組まれた。
丸山は熊本県出身の重量級ファイターで九州の大会を中心にキャリアを積み、プロデビューから無敗街道を突き進んで九州で活動している「激突」「KPKB(九州プロキックボクシング)」の2団体でヘビー級王座を獲得。2021年7月のK-1初参戦では実方宏介にKO負け。2022年8月、2度目のK-1に参戦では坂本英則を右ストレートでKOした。“動けるデブ”を自認する。
木村は第12回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス+75kg優勝、第40回K-1アマチュアチャレンジAクラス+75kg優勝。プロ戦績は2勝(2KO)1敗で、Krushでは2022年7月に佐野勇海にKO勝ち、9月に山口翔大に判定負けとなっている。
1R、木村は丸山の膝関節を踏みつぶすような関節蹴りを連発。さらに飛びヒザ蹴りやフック&アッパーを繰り出すなど多彩な技を出す。丸山は右インローから左右フックを繰り出すが、ローに左フックを合わされてダウンを喫する。
2R、木村の多彩な技に押される丸山だが、右フックをフルスイングしてヒットを奪うと右フック連打で木村を追い込む。しかし、木村も右フックで逆襲。左右フックとボディで丸山をコーナーやロープへ追い詰める。すると今度は丸山がバックハンドブロー。場内は大いに沸いた。
3R、丸山の左インロー&右フックに木村は右アッパーを突き上げる。丸山は右フックを叩きつけ続け、木村も右アッパーを突き上げる。お互いが密着した状態で木村はカカト蹴りを丸山の太ももへ連発し、丸山をコーナーへ詰めると左右フック&ボディの連打で釘付けに。
最後にラッシュを見せた木村が判定勝ちした。
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▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇佑典(月心会チーム侍)延長R 判定3-0 ※10-9×3×宮崎勇樹(FLYSKY GYM/MA日本キックボクシング連盟フェザー級王者)※本戦の判定は28-30、30-27、30-30。
佑典は学生時代サッカーで活躍。卒業後は喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていたが、20歳の時にスカウトされて地下格闘技の試合に出場。20戦以上行ったが本格的に立ち技格闘技の道を志し、2020年から月心会に入門した。2021年2月のKrush初参戦では桝本翔也を鋭いパンチでマットに沈めて、強烈なインパクトを残した。横山朋哉、斗麗と強豪にKO負けするも2022年2月には林勇汰にKO勝ち。しかし、その後は5月に大田拓真、9月に健介に敗れて連敗中。戦績は16勝(7KO)8敗。
宮﨑は2018年5月に大野貴志を破ってMA日本キックボクシング連盟フェザー級王座に就いた。Krushには2021年9月に初参戦して立基に判定勝ちも、2022年3月には石田龍大にKOで敗れている。戦績は12勝12敗3分。
1R、サウスポーの佑典はリングを大きく使って回り込み、左ミドルを蹴る。時折前へ出ての左ストレート、右フック。宮﨑はなかなか佑典を捕まえることが出来ず追う展開だったが、終盤は右ミドルで快音を響かせた。
2Rはそれほど大きく回り込まなくなった佑典に宮﨑の右ミドルが快音を発して決まる。佑典が蹴ってくると右ストレート。佑典は左インローで対抗し、飛び込みの左ストレートも繰り出すが、宮﨑の右ミドルが目立ったラウンドに。
3R、佑典は左ストレートで飛び込み、宮﨑が入ってくるところには右フックを合わせにいく。右のオーバーハンド、三日月蹴りも繰り出す佑典。宮﨑は右フックを引っ掛けて佑典のバランスを崩すが、判定は三者三様のドローに。
延長R、宮﨑が右ロー、右ミドルから右ストレートを狙っていき、佑典は宮﨑の蹴りに対して左ストレートを伸ばしていく。宮﨑の蹴りがローブローとなって試合中断。再開後、右ミドルを蹴る宮﨑にパンチを連打で当てていく佑典。左右のフックが宮﨑を捉え、宮﨑は“効いてない”とばかりに踊るようにして前へ出ていくが、細かくパンチを当てていった佑典が宮﨑を振り切った。
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▼第4試合 -58.5kg契約 3分3R延長1R〇立基(K-1ジム目黒TEAM TIGER)KO 3R 0分30秒 ※右インローキック×林 眞平(SOLARE KICKBOXING GYM)
立基は第30回K-1アマチュアチャレンジAクラス-60kg優勝で、2020年3月にKrushでプロデビュー。初陣では判定負けもその後は3連勝。2021年9月に宮崎勇樹に連勝をストップされるも、2022年3月に秀樹に判定勝ちして再起。2022年8月には勝輝に延長戦の末に惜敗した。戦績は4勝3敗。
林は2022年8月のK-1福岡大会でK-1 GROUPに初参戦も健介にKO負け。戦績は6勝(1KO)5敗。
1R、前に出てくる林に立基は右カーフを狙い撃ち。
2R、立基は右カーフ、左右ボディ&ヒザ、ワンツーと攻撃を散らし、その全てをヒットさせていく。林はサウスポーに構えて展開を変えようとするが、クリンチに近い状態で立基が意表を突く右カーフでダウンを奪う。その後もボディ、顔面、足と攻める立基。
3Rも攻撃を散らす立基は林のパンチをブロックしながらの右インローでダウンを奪う。さらに右インローで畳み込んだ立基が2度目のダウンを奪ったところでレフェリーが試合をストップ。立基の圧倒KO勝ちとなった。
マイクを持った立基は「格闘技を続けられたのも応援してくれる方々、サポートしてくれる方々、そして家族のおかげです。ここからトップに行けるようにやっていくので応援よろしくお願いします」とアピールした。
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▼第3試合 第2代Krushフライ級王座決定トーナメント準決勝(2)3分3R延長1R〇大夢(WIZARDキックボクシングジム)判定3-0 ※30-29×2、30-28×長野 翔(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)※大夢が決勝戦へ進出。
大夢は8勝(4KO)2敗の戦績を持ち、2021年6月からKrushに参戦。山脇、萩原秀斗らを破って4連勝(3KO)を飾ったが、2022年の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」の決勝戦で大久保に延長戦の末に惜敗。12月には石郷慶人を破り再起を飾っている。
長野は第40回・第42回・第44回K-1アマチュアチャレンジAクラス-55kg優勝の成績を持ち、2022年8月にプロデビュー。現在まで3戦全勝で今回のトーナメントに抜擢された。
1R、互いにジャブを突きながら右カーフを狙っていくが、先に当てるのは長野。大夢のカーフには右を合わせに行く。大夢は長いジャブから右フックを繰り出すが、長野はジャブ&カーフで距離をとって戦う。
2Rもジャブとカーフの応酬。右フックは相打ち。大夢は左右フックも繰り出していき、クリンチになるとヒザを突き上げる。長野はよく動いて右カーフを蹴っていく。
3R、大夢は左ボディと左フック、圧力がきいてきたか長野はホールディングが多くなる。長野が打ち合いに行くが左右フックをヒットさせるのは大夢。パンチが当たる場面が如実に多くなってきた大夢に対し、長野はペースダウン。大夢が攻めて判定3-0で決勝進出を決めた。
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▼第2試合 第2代Krushフライ級王座決定トーナメント準決勝(1)3分3R延長1R×山脇飛翼(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1甲子園2019 -55kg王者)KO 1R 1分23秒 ※2ノックダウン〇大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1甲子園2022 -55kg王者)※大鹿が決勝戦へ進出。
山脇はK-1甲子園2019 -55kg王者。2020年4月4日のKHAOSでプロデビューし、3勝(2KO)2敗の戦績。初代王座決定トーナメントにもエントリーされ、準決勝で大久保と対戦することが決まっていたが、怪我による欠場で今回は仕切り直しのトーナメント出場となった。
大鹿はK-1甲子園2022 -55kg王者で、山脇とはK-1甲子園王者対決となる。デビュー当初は他団体でプロ活動を行っていたが、2022年12月にKrush初参戦で勝利を収めて今回のトーナメント出場となった。戦績は6勝無敗。
1R、両者速いジャブを突き合うが、その後のローの蹴り合いでは当てる大鹿に対して山脇は空振り。スピードのあるジャブを打ち合う中、大鹿が飛び込んでの高速ワンツーをヒットさせてダウンを奪う。
一気にラッシュする大鹿。山脇はミドルキックで応戦も、大鹿はしっかりボディにもパンチを散らせる。粘る山内に大鹿は左ミドルを決め、山脇が下がったところへ左ボディを連打して2度目のダウンを奪い、トーナメントルールにより2ノックダウンで速攻の決勝進出を決めた。
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▼第1試合 第2代Krushフライ級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R〇橋本裕也(K-1ジム五反田チームキングス)不戦勝×石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning)※石郷が計量後に体調不良になったため欠場。
▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R〇松本和樹(T-GYM)KO 2R 2分54秒×下村泰平(K-1ジム総本部チームペガサス)
▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushウェルター級 3分3R〇水上陽生(ポゴナ・クラブジム)KO 2R 0分38秒×オカハン バラ(アイルランド/リーブルロア)