キックボクシング
インタビュー

【岡山ジム】山田航暉「逆に強いから穴はある」vs.花岡竜「自分がどう動いて優勝するか」

2023/05/17 17:05
 岡山県のキックボクシングジム・岡山ジムが創設50周年記念大会を、5月21日(日)東京・豊洲PITにて開催。NO KICK NO LIFE バンタム級賞金トーナメント準決勝戦で対戦する山田航暉(キング・ムエ)と花岡⻯(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)の試合直前インタビューが、主催者を通して届いた。  優勝賞金は100万円。ルールはヒジ打ちあり、首相撲無制限の純キックボクシングルールで行われるこのトーナメントは2月11日の『NO KICK NO LIFE』で開幕。山田は日本ムエタイ界の名門キング・ムエで幼少期から活躍し、20歳で引退するも24歳で復帰。1回戦では平松弥をヒジ打ちでKOした。  対する花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月の『INNOVATION』でフライ級王座認定戦を行い、勝利して無敗のまま王座に就いた。2021年9月にはトーナメントで空龍と濱田巧を破り初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座を獲得。2022年3月には岡山で開催されたオープンフィンガーグローブ着用トーナメントで優勝。6月からはRISEに参戦して2連勝も10月の翼戦で負傷判定ながらもプロ2つ目の黒星を付けられた。1回戦ではサンチャイ・TEPPENGYMに判定勝ち。 今大会では準決勝、決勝戦の1日2試合を行うワンデートーナメントとなり、山田と花岡の勝者は、反対ブロックの麗也(治政館)vs.HIROYUKI(RIKIX)の勝者と決勝戦で戦うことになる。 山田「花岡選手は強いから穴がある。そこを狙う」 ──調子の方はどうですか? 「メチャメチャいい感じです。一回戦と比べても、いい感じです」 ──先日ムエタイスーパーファイトが所属するキング・ムエの本拠地名古屋で開催されました。いい刺激になりました? 「(福田)海斗は負けてしまったけど、伊藤(勇真)の方は強いタイ人に対してしっかり勝つことができました。自分もセコンドに就いていたので、間近でいい刺激を受けました」 ──この間は開幕戦ということでワンマッチでしたが、今回は優勝するために1日に2回勝ち抜かないといけません。 「正直、準決勝しか考えていません。勝てば決勝戦だけど何とかその勢いでやってやろうという感じですね」 ──プロになって1日にトーナメントによる連戦経験はありますか? 「ないですね。初めてです。ウチでやっている人の中にワンデートーナメント経験者はいないと思います」 ──準決勝で当たる花岡選手の印象は? 「何回も映像を見ているけど、早くてうまいしメチャクチャ手数もあるなと。いい選手ですね。でも逆に強いから穴はあるという感じです。逆に今回はそこを狙っています」 ──穴狙いの対策を練っている、と。 「そうですね。ハマッたら、バッチリいくと思います。パラメーター(パワー、スピード、技術などの戦力分析)で見れば向こうの方が上だと思うけど、逆に強いところがあるからこそ、そこが弱点かなという感じですね」 ──ルールは違うけど、昨年花岡選手はRISEで一度負けています。そこからもヒントを得られましたか? 「そうですね。翼選手に負けているというのもあるけど、花岡君が勝っている試合、あと以前NO KICK NO LIFEで吉成士門君に負けているじゃないですか。その試合も結構参考になったので、そういうところで弱点を見つけ出した感じですね」 ──SNSに「自分が勝つことを予想している人は少ないですけど」と書き込んでいましたが、そのへんの予想を覆すことを狙っていますね。 「正直、ほかの3選手のことを知っている人は多いと思います。でも僕のことを知っている人は少ないと思うので、逆においしいと思いますね」 ──先程「決勝のことは考えていない」という発言もありましたが、もう一方のブロックはどちらが勝ち上がってくると予想します? 「難しいですね。う~っ、どっちもどっちという感じですけど、僕的には麗也君に勝ち上がってきてほしいです。一度負けているので」 ──麗也選手との一戦は微妙な判定でした。「山田が勝っていた」という声も聞きます。それでも公式記録には負けがついているので、リベンジを果たしたいと? 「そうですね」 ──優勝賞金の使い道は? 「いま格闘技をやっているけど、それを支えてもらっている人たちに還元したいですね。そして、余ったお金で自己投資をしたいです。具体的にですか? 半年ほど前に車をぶつけてしまったので、修理費に回したいと思います(微笑)」 [nextpage] 花岡「1日2試合、僕の試合が見られるから今回はお得だよ」 ――2月の一回戦、サンチャイ・TEPPENGYM戦では判定2‐1の僅差で勝利しました。「あまりいい内容ではない勝ち方だったので色々と反省する箇所が出てきました。実はヒジの距離感を忘れていて、3Rにヒジで斬られて鼻も折られてしまったので、今は距離感を修正しています。一回戦が終わってから何となくヒジの距離感は戻っているのを感じます」 ――次の試合に向けての調整具合はどうですか? 「いい感じで調整はできています」 ――今回勝てば1日2試合になりますが、練習ではどういうところを強化していますか? 「ワンデートーナメント出場は3度目ですが、準決勝が3R制、決勝戦が5R制とめちゃくちゃハードなトーナメントなので特にスタミナ面を一番強化しています」 ――スタミナ強化はどのような練習で付けているんですか? 「今は低酸素室で走り込みしたり、ミット打ちのラウンドを増やしたりと練習量が結構増えています」 ――初戦はサクッと終わらせることも考えてますか? 「ダメージ、スタミナを気にしながらなるべくKOを狙いたいのですが、僕はKOするタイプの選手ではないので初戦をサクッと終わらせることができないんですよね……(苦笑)。あくまでも勝つことを第一にしつつ怪我にも気を付けたいと思います。でも、初戦が終わって開放感がないのは凄くストレスですね……」 ――準決勝の相手、山田航暉選手に関してはどのような印象がありますか? 「特にこれといった印象はなく、首相撲が強いぐらいでしょうか?」 ――一度引退している選手ですが、一回戦の動きなどを見て山田選手の調子は戻っていると感じますか? 「どうなんでしょう。僕がアマチュア時代から見ていた選手で長く現役を続けているのは凄いことだと思います」 ――以前から対戦を意識したことはあったのでしょうか? 「引退されていたので対戦することはないと思ってました」 ――引退した選手に負けたくないという意地はあります? 「誰が相手でも負けたくないというのはあるので、そこは特に意識してなく、相手どうこうよりも自分がどう動いて優勝するかということしか考えていません」 ――決勝戦はどちらが上がってくると予想してます? 「その予想は難しいですね。5R制なら麗也選手で、3R制なのでHIROYUKI選手が勝ち上がってくるのかなと。地味に相手を崩していくスタイルの麗也選手は3R制があまり得意ではないと思います」 ――どちらとやりたいという希望はあります? 「どっちも強いのであまり希望はないですね。初戦で自分がどう動けるかによって決勝戦の動きも変わってくるので、いかに初戦をどううまく戦うかを意識してその後に結果は付いてくると思います」 ――賞金トーナメントですが、優勝してゲットする賞金の使い道は考えていますか? 「パーソナルトレーニングなどの料金がかかっているので自己投資に使ったり、自分へのご褒美として服とかに使ったり、車を買うための貯金にしたいです」 ――トーナメント優勝後に考えている目標はありますか? 「今回優勝すればヒジ打ちありルールで日本一と言ってもいいので、次はヒジなしの舞台でもっと活躍したいと思います」 ――二刀流でいきますか!? 「二刀流だと距離感が違って大変なので、次からは一本に絞っていきたいと思います」 ――ヒジ打ちあり・なしのルールの違う試合を交互にやっていくことなど、同門の安本晴翔選手はあまり気にしていないようです。 「そうですね(笑)。でも僕の目標はRISEのベルトなのでそこに絞ってやっていきます」 ――最後にファンにメッセージをお願いします。 「今回は1日2試合の過酷なトーナメントですが、僕が優勝して花岡竜は強いところを見せたいと思います。ちなみに『1日2試合、僕の試合が見られるから今回はお得だよ』と言ってチケットを売っています。1回戦で終わったらシャレにならないのでプレッシャーを感じてます(苦笑)」
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