空道
レポート

【空道】岩﨑大河、“ザ・空道”頭突きで世界王座獲得! 次は「大道塾の忘れものを取り返しに行く」=第6回世界選手権

2023/05/16 16:05
 2023年5月13日(土)・14日(日)東京・国立代々木競技場第2体育館にて国際空道連盟・大道塾主管『空道第6回世界選手権大会』が開催された。  4年に1度開催されてきた空道世界選手権。毎回50~60カ国もの選手が一会場に集まり、道衣着用・頭突きやヒジ打ちありのルールのもとトーナメントを争ってきたこの大会は、総合格闘技系競技において無二の特異性を持った競技大会である。 しかし、コロナ問題の影響が続き、今回の出場国は30弱。しかも、最強豪国ロシアと、歴代世界3位の入賞者数を誇るウクライナ(2位が日本)の選手が、戦争問題により出場できず。競技創始者であり連盟を指揮してきた東孝塾長が2年前に亡くなったこともあり、果たして新体制の船出となるイベントが成功するか、懸念する声も多かったが……。   蓋を開けてみれば、決勝が日本vs.海外で日本が勝った階級もあれば、決勝が日本vs.海外で日本が衝撃の秒殺負けをした階級もあり、日本が決勝に進出することすら出来なかった階級もあれば、決勝進出者が両名とも日本人だった階級もあり。どのクラスも場内が沸く結末となった。※空道ルール:道衣・拳サポーター・頭部防具を着用し、頭突き・ヒジ・ヒザを含む打撃と、投げ技・寝技によって争う。階級別大会では、身長と体重を足した数値(体力指数)によって、男子階級6階級、女子2階級にクラス分けを行う。一本(打撃によるKO、絞め・関節技によるタップアウト)のほか、効果=1ポイント、有効=2ポイント、技あり=4ポイントによるポイントの多寡により、勝敗を決し、両者ポイントのない場合は、旗判定で決着をつける。1試合の試合時間は本戦3分+延長3分(+決勝のみ再延長3分)。 [nextpage] ▼【270+クラス】決勝戦〇岩﨑大河(日本)[延長戦 頭突きによる一本勝ち] ×アドリアーノ・リビオ・メネゲッティ (イタリア)  近年は無着衣のMMAにも戦いの場を求め、8戦8勝ののち、この春に元ベラトール王者のラファエル・ロバトJRに初の敗戦を喫した岩﨑大河は、本戦ではメネゲッティの蹴り技に押され気味でテイクダウンも奪われる。しかし、延長で起死回生の右ストレートのヒットから、空道ならではの技術である、相手の道衣を引きつけながらの頭突きで完全なノックダウンを奪取し、2005年(第2回)大会以来の日本人による最重量級制覇を達成した。  表彰式後、今後の目標を訊かれ「大道塾の忘れものを取り返しにいくこと」と静かに語った岩﨑(大道塾総本部所属)。UFCに初めて出場した日本人選手は大道塾の市原海樹(1994年、UFC2でホイス・グレイシーに敗戦)であり、その後、大道塾からUFCに参戦した選手はいないので、UFCでの勝利を目指すことを示唆したかたちだ。 [nextpage] ▼【-260クラス】決勝戦〇リディエ ジョロン・ゴンザレス (キューバ)〔本戦 腕ひしぎ十字固めによる一本勝ち〕×近藤瑞起(日本)  3回戦で極真空手(WKF)世界選手権準優勝の宮原穣を腕十字で下すと、決勝でも空道におけるこの階級のディフェンディングチャンピオン、近藤瑞樹をレスリングスタイルの肩車から腕十字で撃破(写真)。  クラウドファンディングで日本の有志からも援助を受け、遠征費用を得て来日した白帯の選手が日本代表2名それぞれから一本を奪い世界選手権優勝。大会MVPに授与される深紅の旗=空道・大道塾の象徴ともいえる“北斗旗”がカリブ海に浮かぶ島の選手に渡った。  キューバでボクシング、グレコローマンレスングにおいてナショナルチームメンバーと練習し、ヨーロピアン柔術のアメリカ大会で優勝歴があるというゴンザレスが衝撃的な快挙を成し遂げた。 【各階級入賞者】 ▼男子 270+クラス優勝 岩﨑大河(日本)準優勝 アドリアーノ・リビオ・メネゲッティ (イタリア)3位 タミル・テムサマニ ▼男子 -270クラス優勝 ヴサル・アリエフ (アゼルバイジャン) 準優勝 ゲディミナス・マカウスカ (リトアニア)3位 西尾勇輝(日本)4位 ウー・ラム・キム (韓国) ▼男子 -260クラス優勝 リディエ ジョロン・ゴンザレス (キューバ)準優勝 近藤瑞起(日本)3位 ナラ・フランサ・モウラン・ゴンティージョ (ブラジル)4位 麦谷亮介(日本) ▼男子 -250クラス優勝 小野寺稜太(日本)準優勝 ヴィリウス・タラセビシウス(リトアニア) 3位 レムス・モガ(ルーマニア) 4位 寺阪翼(日本) ▼男子 -240クラス優勝 寺口法秀(日本)準優勝 曽山遼太(日本)3位 キョン・ヒョン・キム(韓国)4位 アドリアン・バレ(フランス) ▼男子 -230クラス優勝 目黒雄太(日本)準優勝 佐々木龍希(日本)3位 谷井翔太(日本)4位 カルロス・フェリペ・メンドンサ・ガルシア (ブラジル) ▼女子 +220クラス優勝 内藤雅子(日本)準優勝 プリシラ・レモンディーニ(イタリア)3位 ザイネブ・ジマー(フランス) ▼女子 -220クラス優勝 小野寺玲奈(日本)準優勝 大倉萌(日本)3位 イラリア・アグレスタ (イタリア)
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