2023年6月16日(金)東京・後楽園ホール『Krush,150』の対戦カード第一弾発表記者会見が、5月9日(火)都内にて行われた。
新美貴士(名古屋JKファクトリー)vs.寺田匠(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)、MOMOTARO(OGUNI-GYM)vs.稲垣澪(K-1ジム大宮チームレオン)のフェザー級3分3R延長1Rの2試合が決定。
新美は2018年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。同王座は2022年5月の4度目の防衛戦で玖村修平に敗れて失っている。8月にはK-1フェザー級世界最強決定トーナメントに出場も1回戦で敗退。12月に國枝悠太から判定勝ちするも、2023年3月のRISEでRISEフェザー級王者・門口佳佑に判定で敗れた。戦績は15勝(6KO)8敗のサウスポー。
寺田は幼少期から様々な格闘技を学び、地元・九州のアマチュア大会でキャリアを積んでABEMAの番組企画『格闘代理戦争』に出演。2020年4月にプロデビューすると、現在まで6勝(2KO)無敗。前回はK-1に出場し、銀次から勝利を奪っている。
MOMOTAROは2010年10月にNJKFでプロデビューし、2014年11月にNJKFフェザー級王者、2015年9月には10連勝でWBCムエタイ日本統一同王者に。タイ、中国でも試合を重ね、2017年6月にはWBCムエタイ・インターナショナル王座を獲得。2019年に『ONE Championship』と契約し、3勝2敗の戦績を残して2021年3月からK-1参戦。西元也史、朝久裕貴にKOで連敗を喫したが、2022年8月に提髪和希から勝利をもぎ取った。スーパー・フェザー級からフェザー級に階級を下げた2023年3月の竹内将生戦も勝利して連勝。戦績は34勝(8KO)13敗1分。
稲垣は極真館空手出身でジュニア時代から数々の入賞歴を持ち、15歳で全日本ウェイト制大会-60kg優勝。キックボクシングではABEMAの『格闘代理戦争』に出場して名を上げ、2020年4月にプロデビュー。KHAOS、K-1、Krushで3連勝するとBigbangに出場して2連勝で2021年11月にBigbangフェザー級王座を奪取した。しかし、2022年5月の寺田戦で初黒星を付けられ、8月の岡嶋形徒戦ではKO勝ちも、12月には現王者の森坂陸に判定で敗れた。戦績は6勝(4KO)2敗。
中村拓己K-1プロデューサーは「赤コーナーはタイトル歴もキャリアもある選手、青コーナーの若い選手がぶつかっていく図式のカードとなった。誰が一番のインパクトと結果を残すのか」とこの2試合のテーマを話した。
稲垣は「弟(稲垣柊=Krushスーパー・ライト級王者)が王者になって負けられないなって思っていて。今回気合い入っています」と、弟に負けていられないとの意気込み。
MOMOTAROは「フェザー級に落としての2戦目。落としたからにはフェザー級のベルトを巻きたいので注目しておいてください」と、今後ベルトを狙っていくとした。
寺田は「10カ月ぶりの試合になります。その間、大きな怪我もなくオランダ修行に行ったりして濃い10カ月でした。この10カ月でどれくらい成長したか楽しみに見ていてください」と、オランダ修行の成果を見せるとする。
新美は「Krushには1年ぶりの参戦なのでKrushらしいKO勝ちをして、もう一度しっかり勝つことでトップ戦線に行けるようにこの試合は絶対に勝ちたいと思います」と、勝利して再浮上したいと話した。
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以下、記者会見での一問一答。
――対戦相手の印象は?
稲垣「長身で蹴りが上手いイメージ。間合いは遠いと思っているので、そこをどうするかを考えながら練習しています」
MOMOTARO「試合の映像を見ました。綺麗なオーソドックスの選手という印象があります。戦績は若いのでベテランの意地を見せたい」
寺田「印象は打たれ強いなっていうので、K-1王者とも戦って倒せていないので自分とやったらどうなのかなって楽しみです」
新美「若くてパワーのある選手で。これからもっと強くなっていく選手だと思っています」
――中村Pが言った対決の構図をどう思う?
稲垣「リングの上での試合経験は凄く大きいものだと自分もやっていて思うので、そこでMOMOTARO選手にどう食いついていくかを見て欲しいと思う」
MOMOTARO「稲垣選手は戦績も倍以上やっているので、その若さに負けない試合、試合でもまだまだ若い選手に負けない姿勢をこの試合で見せていきたい」
寺田「キャリアはあまり気にしてないです」
新美「まだ6戦くらいの選手なので、一戦一戦強くなっていくスピードが速いと思うので次の試合も強いのかなって。元々強いと思っていた選手なので試合が楽しみです」
――寺田選手はオランダ修行をしたということだが?
寺田「去年の11月に行きました。兄がオランダに住んでいるのと、試合期間が3カ月くらい空くと言われたので新しい空気を入れようと思って2カ月ほど行っていました。ニキー・ホルツケンのジムに行きましたね。技術は正直KRESTの方があると思ったんですよ。でも凄くコーチが厳しくて、昔の自分を思い出したというか。初心に帰れたって感じです」
――新美選手はそれを脅威に感じる?
新美「やることは変わらないので、しっかり勝つことだけを考えています」
――赤コーナーの2人は、若い選手を迎え撃つことはこれまでもあったと思うが、どういう心境?
MOMOTARO「まだまだ若い選手には負けない姿を見てもらって、同年代の選手や違う仕事をしている人たちにも勇気や感動を与えられるようないい刺激を与えられる試合をしていきたいと思います」
新美「僕も29歳でどんどん若い選手が出てくる中で、一戦一戦負けたら次はないような危機感があるので、死ぬ気で勝ちをつかみ取ってトップ戦線に行かないと先はないと思って試合をしています。その気持ちだったりを練習や試合で出したいと思います」
――MOMOTARO選手はテクニシャン、稲垣選手もテクニシャンということで自分とテクニックを比較してどう思うか?
稲垣「自分はオーソドックスで、MOMOTARO選手は両方使えるけれどサウスポーがメイン。遠いところからのミドル、中までのもらわずの攻防なんかは凄く上手いと思います。自分は空手からやっているので、蹴りとパンチにも注目してもらいたいと思います」
――寺田選手、ホルツケンのジムはスパーリングをバチバチやるイメージがあるが?
「正直、レベルで言うと同じ階級の選手は相手がいなくて65kgの王者クラスとスパーリングしたんですが、ボコられたというより自信になりました。日本の技術が海外よりあるかなと思って。フィジカルは海外の方があるけれど、技術で言ったら日本の方が進んでいるのかなと思いました」
――MOMOTARO選手は2連勝して、K-1ルールにもアジャストしている?
MOMOTARO「K-1とKrushで4戦してみて、ルールに適応できていると自分でも感じています。練習もパンチだけのミットやマスをやっていて、いろいろな選手もジムに来ていただいて練習させてもらっているので、そのおかげで少しずつですが慣れてきているのかなと思います」
――多彩な蹴りで対策しづらい展開にする?
MOMOTARO「トリッキーと言いますか、回転技はこのルールでも使っていこうと思っていますし、自分の色を出していきたいと思っています」
――最後にファンへのメッセージを。
稲垣「残り1カ月半、死ぬ気で練習して6月に勝つ姿を見せたいと思っています」
MOMOTARO「フェザー級に来たからにはKrushのベルトを獲りに行きます。強い選手が他にもいると思いますが、しっかり勝ってつなげていくので注目よろしくお願いします」
寺田「残り1カ月半、この一戦で自分の力量が分かると思うのでしっかり勝って。Krushに出るとなったら、もったいないって思われる選手になります」
新美「6月、Krushらしい試合をして必ず勝ちます」