安保がブアカーオに勝てなかった理由を魔裟斗が分析した
2023年5月6日(土)東京・有明アリーナ『RIZIN.42』の第10試合RIZINキックボクシングルール3分3R(70.0kg)で行われた、ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)vs.安保瑠輝也(MFL team CLUB es)のゲスト解説を務めた魔裟斗が、自身のYouTubeチャンネルにて同試合を振り返った。
【写真】RIZINの会場から帰る車中で安保vs.ブアカーオを振り返った魔裟斗(C)魔裟斗チャンネル
かつて2度対戦したことがあるブアカーオと、K-1の解説者として見てきた安保の対決を見た魔裟斗は「1R始まった時点で安保のパンチがガードの上からでもけっこういいのが入っていて。ブアカーオは距離感が悪かったね。距離感悪いし、パンチも大振りだし、ちょっとブランクを感じたと言うか。1R見た時点で解説していて、これは安保倒すかなって思ったんだよね。パンチに反応してないし、蹴りの空振りもしていたのかな。昔のブアカーオが蹴りを空振りするなんてなかった。蹴りで空振りするってことは距離感が完全に合ってないってこと」と、安保がKOするんじゃないかと思ったという。
しかし「始まった時点で(安保が)2R行ったら倒すかなと思ったんだけど、そこはブアカーオだったね。2R目は微調整したね。1Rとは違って距離感がちょっと合ってきたなって。パンチはもらっていたけれど、ブアカーオが前に出て安保が下がりながら打っているパンチだからそんなに腰の入った強いパンチを打ててない。あと(安保は)初めての70kgじゃない。67kgとか65kgなら効いていたパンチが…俺がよく言うじゃない。階級が上がると攻撃が効かなくなるって。それもあったんじゃない」と、安保が攻めきれなかった理由を分析。
スピードが武器の選手は1Rに勝負をかけなければいけない、その理由は「相手がスピードに慣れるプラス、(自分の)スピードが落ちるから」とブアカーオは2R以降スピードに慣れてきたと指摘し、安保が1Rで行けなかったのは「そこはハートの問題じゃない。ブアカーオをちょっとデカく見ているところあるんじゃない。あまりデカくみすぎちゃいけないんだよね」と、ブアカーオを大きく見すぎていたのではないかとした。
「あれ延長4Rいったらブアカーオがいった気がしたね。3R押してたじゃない。安保はだいぶ削られていたから。延長だったら…という感じはしたけれど」と、もし延長戦があったらブアカーオが勝っていたろう、とも。
「この試合で何が分かるって、今の立ち技の選手のレベルが分かると思ったわけ。安保がブアカーオを1Rで秒殺したら、今の選手たちの方がレベルが高いんだな、技術が高いんだなと思うわけ。でも今回の試合の内容を見せられると過去の方がレベルが高いんじゃないかなと思わない? って見えちゃうよね。だから安保としては相当悔しいんじゃない。引き分けだったとはいえ、気分的には負けたような感じじゃない」と、安保は相当悔しい思いをしているだろうと読んだ。
また、試合前の安保のビッグマウスについても「あれだけ言ったらしっかりブアカーオを仕留めないとね」と苦言を呈した。
ブアカーオの次の試合については「木村ミノルとかね。木村ミノルだったら、今だと厳しいんじゃないって思う。(ブアカーオが)吹っ飛ばされるんじゃない? 分からないけれど」と、木村“フィリップ”ミノルなら今のブアカーオに勝てるんじゃないかと話した。