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2023年5月6日(土)東京・有明アリーナ『RIZIN.42』に出場する全選手の個別インタビューが、4日(木)都内にて行われた。
第12試合のバンタム級(5分3R)でフアン・アーチュレッタ(米国)と対戦する井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)が試合前の意気込みを語った。
2022年の大晦日の前戦で瀧澤謙太に2R ストレートアームバーで完勝している井上は、今回のアーチュレッタ戦に向け、米国フロリダのキルクリフFCで1カ月半のファイトキャンプを行い、元Bellatorバンタム級世界王者のダリオン・コールドウェルらと練習。名伯楽のヘンリー・フーフトの指導を受け、作戦も授けられたという。
アーチュレッタについて「本当にしつこい試合をする。そこが一番の強み」という井上は、「相手のしたいことをさせないようにするだけ」と、完封を宣言。
RIZINバンタム級王座決定戦への進出を懸けたアーチュレッタ戦を「ここで勝つと次はベルト(を賭けたタイトルマッチ)と言わてるので、しっかり取っていけたらいいかなと思っています」と語った。
フーフトコーチは、一緒に動画を見てくれた
──髪色がブルーで爽やかですが、イメージは?
「特にはイメージしてなかったですけど、本当はシルバーにしたくて、これがだんだん薄くなるとシルバーになるので……ただやっただけです(笑)。試合の時はこのままで、試合が終わったあとにシルバーになってくる感じです。楽しみにしていてください」
──試合を2日後に控えた心境は?
「いま調子はバッチリです! すごい楽しみにしています」
──対戦相手がアーチュレッタ選手に決まり「久しぶりに鳥肌が立った」ということですが、どういう感情でしたか。
「そうですね。ただ単に、『この選手とできるんだ』という、気持ちの上がる、テンションが上がる感じでした」
──怖さは?
「怖さというより楽しみな感じが強いですね」
──ファンの期待も大きいなか、国際戦のプレッシャーは?
「特には考えていないですね。期待は高いんですかね? 本当ですか? 特に自分はそう思っていなくて。全然みんなアーチュレッタが勝つと思ってると思うので、そこをひっくり返せたらと思います」
──ここまでの取り組みは?
「一番は、アメリカで練習してきたことですね。フロリダのキルクリフFCで1カ月半ほど練習してきました。アメリカに行って色々、経験することが出来て、技術の面ではすごい良い経験になったと思っています。そこが試合でしっかり出せたらと思っています」
──海外で練習したきっかけは?
「マネージャー(シュウ・ヒラタ氏)との繋がりで、佐藤天選手や木下憂朔選手もいて、たくさんの選手がいて経験したいなと思いました」
──大晦日は瀧澤謙太選手に圧倒的勝利(2R 一本勝ち)でした。米国修行ではどんな練習内容でしたか。
「特にそんなにやってることは……レスリングだったりキックだったり試合で使える技ですね」
──キルクリフFCの練習でどんな選手と?
「ダリオン・コールドウェル選手とか、UFCの選手もいましたね」
──ヘンリー・フーフトコーチとのミット打ち動画も拝見しましたが、フーフトコーチは、対アーチュレッタ用の作戦を授かることもできたのでしょうか。
「時間があるときに一緒に動画見てくれて“こうした方がいい”とは言ってくれましたね」
──新しく得たものとこれまでの日本での動きを、ご自身でミックスさせた?
「自分のなかで使えるものは使い、使えなさそうだったり、確率的に試合で使うことが少なそうなものを省いたりして自分のなかで考えました」
──新しく学べた技も?
「新しく、というよりは自分の武器をより活かす、引き立たせる動きが出来るようになったのかなと思います」
──井上選手の良さを引き出す動きのなかで、アーチュレッタ選手のように「打撃から組みたい」選手を上回れる目算はつきましたか。
「向こうのレスリングの人からも指導してもらったりして、その技術を使えたりしていけたらと思います」
──ところで、米国でも自炊して身体を作られていたようで、得意料理は?
「一人なんで、そんな凝った料理を作らないので。焼くだけとか、味噌汁だけみたいな感じのしか作らないので、特にはないです。自慢できるようなものは。最近? だって、減量中じゃないですか。減量中はブロッコリー茹でたり、鶏焼いたりとかですね」
ーー減量食でブロッコリーとか鶏肉を自炊するときのこだわりは?
「低音調理器で焼いたり、焼く時は焼きすぎず。やっぱり減量中でも美味しく食べたいので。味付けは最近はコショウですね。試合が近くなってきちゃったのでシンプルに(※塩分は体内に水分を溜めてしまう)」
相手のしたいことをさせないようにするだけ
──あらためてですが、アーチュレッタ選手の印象は?
「すごいタフで、本当にしつこい感じのしつこい試合になると思います。そこが一番の強みかと思います」
──アーチュレッタは「しつこい」という話でしたが、どうしても勝ちを取りたい相手にはどんな戦い方をすれば?
「相手のしたいことをさせないようにするだけですかね」
──どんな試合展開を予想していますか。
「もちろん向こうは組みつきたいと思っているので、そこはどう自分が対処するかが鍵になってくるんじゃないかと思います」
──静かな、見合う展開も想定していますか。
「そういう展開になることももちろんあると思いますし、本当に動き続けるということもあると思います。対策は色々やってきていますが、その場その場になってみないと。相手と立ち向かって初めて分かることがある。そこで自分のなかで練習したことを出していけたらと思います」
──アーチュレッタ選手に2連勝させられない、RIZINの看板守りたいという思いは?
「まあ、そうですね……RIZINでしばらく戦ってきているので、そう簡単に勝たせるわけにはいかないとは思っています」
──バンタム級でもう1試合・朝倉海vs.元谷友貴選手の予想は?
「まあ、やってみないと分からないと思いますけど……元谷選手が組みに行くのかと思いますし、海選手はカウンターを合わせたり打撃で削っていくのかと思いますけど、元谷選手のほうがトータル的に技術もあると思うので、元谷選手が勝つのかなという風には思っています」
ーーアーチュレッタ選手が「『イノウエは自分と同じ寡黙な侍だ』と言っていました。いまも寡黙なのは侍だからですか?
「……まあ人の見方はそれぞれだから、そういうことにしておきましょう」
ーー予想が不利だと言われていることは、逆に燃料になりませんか。
「そうですね、やっぱり見返してやろうっていうか、そこはひっくり返したい気持ちはあります」
ーーベルトへの想いは?
「会見でも言ったのですが、ここで勝つと次はベルトと言われちゃうと、しっかり取っていけたらいいかなと思っています」
ーーお姉さんの魅津希選手からアドバイスは?
「そのことについては特に何も言ってないので。とりあえず『フリップは止めたほうがいい』と言うと思います」