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インタビュー

【RIZIN】RENAが「右膝外側側副靱帯の部分断裂」で「道のりは険しいなぁ」。足で極めるヒザ十字で一本勝ちしたロペスはスーパーアトム級で継続参戦を希望「赤穂浪士のお墓参りがしたい」

2023/05/01 20:05
 2023年4月29日『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』(国立代々木競技場第一体育館)の第4試合、51.0kg契約(5分3R)でクレア・ロペス(フランス)のヒザ十字固めに一本負けしたRENA(SHOOTBOXING/シーザージム)が1日、怪我の精密検査の結果を自身のSNSで発表した。 「今日改めて精密検査をした結果。『右膝外側側副靱帯の部分断裂 右足の親指、人差し指、中指の基節骨骨折』でした。たくさんの応援ありがとうございました。道のりは険しいなぁ、、、」(RENA)  試合は、1Rはロペスのテイクダウンに苦しめられたRENAが中盤から得意のボディ打ちなどスタンドで反撃。テイクダウントライ等で疲弊したロペスを3Rにとらえると右カーフ、左ジャブ、左三日月蹴りと上下に散らしてヒザ蹴りに。  そこにダブルレッグテイクダウンを合わせたロペスがRENAを寝かせて上を取ると、ハーフガードのRENAの左足を股下からすくって、RENAの右足を両足で組んで挟むと、腹固めのように腹を張り、右足をヒザ十字で極めてタップを奪った。  マットサイドにも極まる音が響いた、この両足で極めるオーバーアンダーのニーバーは、ロペスにとって近年習得した技だという。 「私が柔術クラスやグラップリングクラスで好んでいる動きなんですが、1、2年前に初めて習ったときにピン! と来たんです。実は自分はそんなにレッグロックはやらないのですけど、これは自分の好きな形で、ハーフガードのポジションで使おうと試しました。結果として彼女のヒザを壊しました」(ロペス)  グラップリング界ではゴードン・ライアンやクレイグ・ジョーンズ、元UFCのマルチン・ヘルドらも使っており、ハーフガードから相手の腰を抱き、両足で相手の片足を挟んで、腹固めの要領で足をロックしてヒザを伸ばして極めている。 “初見殺し”の技で、ゴードン・ライアンはこの技を極めるコツを、両足で相手の足をトライアングルで固めたときに、尻を外側にして相手のヒザを固定し、腹を張って捻ること、としている。  脱出方法は、ヒザを固定される前に、ヒザを内側に回せば足が外れてエスケープが可能。しかし、横を向くことで上の相手は同時にレッグドラッグでパスガードが可能になる。  また、このときクレアは右手をRENAの股下に入れて担いで極めており、結果的にRIZINルールの蹴り上げにも対応する形になっていた。 「右膝外側側副靱帯の部分断裂」の負傷となったRENAは、2022年7月にアナスタシア・スヴェッキスカに判定勝ちでスーパーアトム級(49kg)トーナメント準決勝に進出したが、左眼窩内側壁を骨折し、以降のGPを欠場。期待されていた伊澤星花との試合は実現しなかったが、今回、約10カ月ぶりの復帰戦をストロー級(52.2kg)転向も見据えて51kgで戦っていた。今秋予定されるRIZINハワイ大会参戦はどうなるか。  今回の51kg戦について、現Combate Globalアトム級(47.6kg)2位のロペスは、「今回51キロのキャッチウェイトで、これは限りなくストロー級に近い体重です。私はストロー級の選手ではありません。ですから、日本で、スーパーアトム級(49kg)で戦いたい。そして、もしみなさんだったり団体が、私のスタイルを気に入ってくれたなら、戻って来れたらいいと思っています」と語っている。  元UFCファイターのブラッド・ピケット門下生のクレアは、もともと器械体操出身で、体幹の強さを活かしたムエタイ、さらに力強いテイクダウンからの絞めでもフィニッシュしており、グラップリングも侮れないことが分かっていた。  試合後の会見で、日本で行きたい場所を問われ、「『47 RONIN』の場所かな?(赤穂浪士の)お墓参りがしたいんです。本で読んで、生涯で一番感動した本なんです。ただ、今回は滞在期間が短くて、次回行けたら嬉しいです」と語っている。 「私はケージを使わずともマットの真ん中でもテイクダウンできるのでリングでも構いません」というロペスの再来日、そして泉岳寺訪問はなるか。ロペスとの一問一答全文は以下の通りだ。 [nextpage] ロペス「決して我々は戦うことを止めない、という状況でした」 ━━試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「まず自分の頭に浮かんだことは、自分のMMAキャリアのなかで一番最高の経験だった、ということ。この試合を見ていた全ての人、ケージサイドなど会場の熱を感じてアメイジングで、本当に幸せ。私はこの経験のために生きているんだと思いました」 ━━初めてのRIZINはいかがでしたか。 「先ほども言いましたが、アメイジング、素晴らしい経験になりました。この試合は新しいチャレンジになると思っていました。RENAは良い選手でスーパースター、そんな相手と日本で試合することというのは、やはり何か違うものはあって、それはプレッシャーというよりも自分にとってエキサイティングなことでした。この大会に関わる期間の全てが幸せだったし、RIZINという団体も素晴らしく、試合にはサブミッションで勝利できた。全てを最高だと思いました。また戻ってきたいです」 ━━対戦相手のRENA選手は対戦前のイメージと、戦ってから違ったことはありましたか? 「彼女がストライカーだとは知っていたから、私の作戦としてはレスリングで攻めてグラウンドでフィニッシュするというものでした。ただ、実際のところ彼女の全ての戦績を見られたわけではないからRENAの柔術のレベルを知らなかったけど、私のコーチが『大丈夫、とにかくやろう』というので。実際のところ私にはゲームプランというものがあったわけではなくて、自分がケージの中で、その瞬間瞬間に自分がやるべきことを感じ取って遂行するという感じでした」 ━━フィニッシュの両足で固めてのヒザ十字はよく使うのですか? 「ええ、まあそう。これは私が柔術クラスやグラップリングクラスで好んでいる動きなんですが、1、2年前に初めて習ったときにピン! と来たんです。実は自分はそんなにレッグロックはやらないのですけど、これは自分の好きな形で、ハーフガードのポジションで使おうと試しました。結果として彼女のヒザを壊しました」 ━━RENA選手がハーフガードを取っていた際の脛が、殴るのに邪魔だったと思うのですが、あのハーフガードのときに、オーバーアンダーニーバーを極めようというアイディアを途中で思いついていたのですか? 「いつのことですか?」 ━━1Rや2Rで彼女がトップポジションにいるときにガードしていた時です。 「私を押していた時ですか? いいえ、とくにその時にニーバーを考えていませんでした。彼女は私より重いと感じたし、彼女がプッシュしてくるところでヒザをよけてハーフガードに入っていくのはアームバーを狙われてしまうので非常に危険なシチュエーションでした。自分に言い聞かせたんです、ハーフガードでサイドコントロールをする必要がある、インサイドではダメだと。最後テイクダウンをした時に、ハーフガードにとどまっていると、ヒザがいい位置にある、と気づきニーバーを極めようとトライしました」 ━━打撃も当ててテイクダウンから攻められていて、1Rが攻勢で2Rもそうできていたけれど、2R後半から動きが落ち、打撃で押される場面が増えました。何か、腹を効かされるなどのことがありましたか? 「もちろん、疲れてはいました。自分にとって12試合目なのですけど、すべて1、2Rで決着していました。それは負けた場合も含めてです。今回が初めて3Rまで突入するという状況にあって、なんというか、この試合は激闘で彼女は常に前へ前へ出て、私もそうで、常に我々は動いていて、パンチを出し合い、決して我々は戦うことを止めない、という状況でした。そして、見て明らかなように彼女はボディに何度かいい感じのパンチを当てていました、それが効いたとは言えますね。お互いにとって非常に熱い試合だったと思います」 ━━試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「明確な目標として、またRIZINで戦いたいです。ただ、その時は自分の適正階級で戦いたいと思います。今回51キロのキャッチウェイトで、これは限りなくストロー級に近い体重です。私はストロー級の選手ではありません。ですから、日本で、スーパーアトム級で戦いたい。そして、もしみなさんだったり団体が、私のスタイルを気に入ってくれたなら、戻って来れたらいいと思っています」 ━━「今後も継続参戦したい」とのことですが、RIZINは本戦だとリングも多い。リングでの戦いにも自信を持っていますか? 「リングは全然問題じゃないです。それはそれで自分がうまく使いこなせることがあるから。もちろん自分はレスリングが使えるケージのほうが望ましいとはいえますが、自分はケージの真ん中でもテイクダウンできる選手ですので、特に金網を利用してテイクダウンするのではないですから、リングにはリングの、異なる戦い方があるというだけで全然問題はないです。両方で戦えます」 ━━日本のファンの人に触れてどう感じましたか? 「本当に、試合前も言ったのですが、この国の方々は格闘技であったりMMAファイターに対してリスペクトがあって、同じ日本人じゃなくてもリスペクトしてくれる。リングやケージで戦うということに対して。非常にありがたいと感じました、帰りの花道でファンの方が駆け寄ってくださりハイタッチをしたことなどは。他の国で試合する時も自分としてはいい経験をしてはいるのですけど、日本の人たちが受けいれてくれているというのは気分がいいです」 ━━日本で行きたいところや食べたいところなどはありますか? 「フランス語のタイトルしか浮かばなくて英語でどう言うのか分からないけれど、『47 RONIN』の場所かな?(赤穂浪士の)お墓参りがしたいんです。本で読んで、生涯で一番感動した本なんです。ただ、今回は滞在期間が短くて、次回かなと。日本にいるのに行けないのはストレスを溜めていました。次回行けばいいかなと、2週間ぐらいあったら色々できますので」
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