自分から強さをとったら何も残らない。強さという部分にはこだわっていきたい
山本はMMAのセオリーから外れたリズムだったり、今どき珍しく下になることをいとわないスタイルであるが、「自分の周りにいないタイプではあるので。でもそれも頭にいれながらというか…うちには所英男がいるので大丈夫です(笑)。所英男選手にもたくさん練習してもらっているし、なんちゃって仮想もやってもらっているのでね。本人が一番僕のことを心配していますけれど、彼なりにいろいろ考えてやってくれていると思うので。当日はセコンドに就いてくれるので、クレープ屋さんだけ予約しといてって指示だけしておきました(笑)。と、所と練習を積んできたから大丈夫だとする。
所は山本のセコンドである父・山本喧一のかつての弟子。セコンドとしての師弟対決という図式にもなる。金原は「U系なので」とし、これも試合の見どころのひとつとなった。
金原は以前から、ベテランとして意味のある試合をしたいと言っていたが、今回は意味のある相手だから受けたのかと聞かれると「それはちょっと違うかな。いろいろな事情もあるし、自分が望んだ相手ではないし。その中でもテンションを上げていく、気持ちを作るのは難しい部分でもあって。自分が望んだ相手というのとは少し違う」と否定。
その望む対戦相手として、ダブルメインの4人の中に入りたいのかと聞かれると「それは違うんですね。やりたい相手はもちろんチャンピオンだったりとかいろいろいますけれど、勝ってからじゃないと発言権はないですね。こんなこと言って俺、堀口くんとやりたいと思ってバンタム級で復活して負けちゃったから、こういうのも重なるなっていう部分があって。でも勝ってからじゃないと発言権はないと思うので、そこはまた楽しみにしててください。自分の中で言いたいことは言いたいって感じです」と、勝ってから言いたいと答えた。
若手の勢いvs.ベテランの老獪さとの見方については「そうなるでしょうね。逆だったら、自分がなんでこんなおじさんとやらなきゃいけないんだとなるし。でもそんなのは自分も超えていった壁も先輩方を超えていったこともあるし、逆にそういう壁にならなければいけないこともあるし。でもMMAは不思議なもので、他の競技よりも長く出来ちゃう。一個負けても一個で補えることが出来るので。自分の中ではまだ出来ると思ってリングに戻って来ているので、そこは超えさせないよってところはありますね。自分から強さをとったら何も残らないから、強さという部分にはこだわっていきたい」と、まだまだ超えさせないとキッパリ。
同じフェザー級の2試合がダブルメインの中、第2試合に組まれたことには「そこは俺が決めることじゃない。それは周りのいろいろな事情があってのカードの順番だと思うし。自分のことを言うなら早い方が好きなんですよ。なぜかって言うと試合開始時間って必ず決まっているので、そこから逆算して準備をしていけばいいから。自分の準備段階としては凄くいい。1試合目だろうが、メインだろうが、自分がやるのは自分の中ではメインイベントなので。だから試合順についてどうこう思うことはないですね」と不満はないという。
そして最後に「しっかりとMMAをみんなに見せたい、届けたい。自分の中の最後の作品じゃないけれど、それは見てもらいたいと思ってますけれどね」とのメッセージを残した。