世界トーナメント決勝戦で対戦する志朗(左)と那須川(C)RISEクリエーション
2019年7月21日(日)エディオンアリーナ大阪・第1競技場で開催された『RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』の一夜明け会見が、22日(月)大阪府内で行われた。
「RISE WORLD SERIES 2019 -58kg Tournament」で決勝に勝ち上がった、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)とISKAムエタイ世界バンタム級王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が会見に出席。
那須川は「昨日の自分の試合もそうですが、全体を見てRISEが凄い盛り上がっていたな、と思いましたね。オープニングから最後までお客さんがずっと満員でしたし、格闘技がまだまだこれから盛り上がれるんじゃないかなって改めて実感した一日でした」と、増席に増席を重ねて超満員に膨れ上がったRISE初の大阪大会に満足そう。
「自分の試合は胴廻しで切ってKOという形になったんですが、いろいろ賛否両論あると思います。何回か打ってあれで切れていたら逃げているとか言われると思うんですが、自分は一発で仕留めようと思っていたので。なかなか本番で出来る事ではないなというのは、選手だったら分かると思います。そこで一撃で極められたのは、自分が精度を高める練習をずっとやってきたので、そこが生きたのかなと思います」と、胴廻し回転蹴りでスアキムの額を切り裂いてTKO勝ちしたことを“練習の成果”と説明した。
RISEからは「ドクターに確認したところ傷口から骨が見えている状態でした。続けさせられないレベルだったので止めたとのことです」との説明も。
「スタイル的にもちょっと強引になってしまって。フィジカルが最近強くなってきたなと実感しているので、そこに変な自信を持ちすぎてしまって、前に前に出すぎてしまった。意識して戦うことが今回多かったんですが、ずっと意識していれば無意識に変わるので、その無意識になった時にどれくらいのパワーが出せるかを今後の試合で証明したいと思います。これからもどんどん進化するので、そこに注目してほしいと思います」と、反省点も語った。
ルンキットに殊勲の勝利を収めた志朗は、「昨日はたくさんの応援ありがとうございました。昨日の試合は本当に応援がなければ終始攻められなかったと思いますし、延長で勝てなかったと思うので応援が力になりました。内容は本当に微妙な内容で、そこは自分の実力不足だと思うし、ルンキット選手は本当に上手かったというのもあります。9月は自分が世界一になれるように努力して練習します」と昨夜を振り返った。
9月16日(月・祝)千葉・幕張メッセ・イベントホールでの開催が決定した決勝戦で戦うことを聞かれると、志朗は「昨日初めてリングサイドで見て。思ったのはあれだけ正確に打てるのは練習しないとできないですし、天才って言われていますけれど自分的には相当努力していると聞きますし、努力の天才だと思います。その代わり同じ人間なので、ミスもありますし、弱点もありますし、RISEに参戦した一番の目的は階級が違いますけれど那須川天心君と戦うため。今の彼だと来年・再来年はキックボクシング界にいるかもわからないので、今が戦えるチャンスですし、戦うからには勝たないといけない。9月までに作戦を考えて、秘策もあるので、頑張りたいです」と、すでに攻略の糸口は見つけているかのようなコメント。
那須川は「志朗君はジュニア時代からずっと知っている選手でして、戦うかもしれないってタイミングが何回かあったんですけれど、流れたりして。ずっとタイでやっているので日本での知名度はそこまでなかったんですが、日本人の中で一番強い選手だなっていうのは自分が見ても思っていたので、その選手とまさかこの舞台で戦うと思っていなかったです。
お互いに適正体重よりも上でこうやって試合が出来るのもまた奇跡だと思うので、自分がここで日本人最後の最強の選手を迎え撃って、KO決着で終わらせたいと思っています。あと2カ月、しっかり対策を練ってすぐに練習を再開して倒す準備をしていきたいと思います。あとはフィジカルトレーナーが一緒なんですよ。どうなんですかね(苦笑)。そこま気まずいんですが、うまくやっていこうと思っています」と、志朗を以前から高く評価しており“最強最後の日本人ライバル”と考えていると語った。