MMA
インタビュー

【RIZIN】“タケダノフ”武田光司「海外で試合をするために、グスタボに勝たないと発言権はない」× 竿本樹生「ドッドソンとは今までで一番噛み合う試合になる」

2023/04/11 10:04
 2023年4月29日(土)にケージで行われる『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』(国立代々木競技場 第一体育館)にて、ライト級でルイス・グスタボ(ブラジル/EVOLUCAO THAI)と対戦する武田光司(BRAVE)。5月6日(土)にリングで行われる『RIZIN.42』(有明アリーナ)のフライ級で、ジョン・ドッドソン(米国)と対戦する竿本樹生(BRAVE)。  BRAVEの2人が10日、所属ジムにて公開練習を行った。  竿本はサウスポー構えからボクシンググローブでのミット打ち、武田もサウスポー構えからオープンフィンガーグローブをつけてワンツーや前蹴りからテイクダウンに入る動きなどを見せた。  タイ合宿から帰国した武田は、髭をたくわえた“タケダノフ”バージョンで試合に臨み、グスタボ戦の勝利を手土産に海外進出を目標とした。  また、日本フライ級のトップ戦線にいる竿本は、3月に生まれた第一子の親として「子供にかっこいいところを見せたい」と意気込み、フライ級タイトルへの思いも語っている。  両者との一問一答の全文は以下の通りだ。 子供が生まれ、今はサラリーマンしながら練習しています(竿本) ──現在のコンディンションは? 竿本 コンディションは、バッチリです、はい。 武田 コンディション……そうですね、1週間前までプーケットの方に練習に行ってて。でまあ、山あり谷ありのすごいハードな1カ月を過ごしてきて、身体はもう出来上がってきてるんで。なんか、そうっすね、あとやるだけですね、体重落として。とくにそれ以外はないです。 ──右目の上の絆創膏は?。 武田 触れないでください(笑)。 ──今回のテーマを教えてください 竿本 今までで一番強い相手なんでもう開き直って楽しもうと思ってます、はい、以上です。 武田 僕はテーマというか、去年からずっと対外国人選手で試合をしてきて、次で5戦目か……連戦で。次、グスタボ選手になるんですけど、まぁそうですね、やっぱ外国人選手ってフィジカルだったりとかっていうのが、やっぱ日本人とはまた違ったバネ、身体能力を持ってるんで、だからそこを──まあそこに関してはもう試合をしてきて慣れてる部分もあるんで問題ないんですけど──最後は気持ちじゃないですかね。いつもみたいな泥臭い試合になると思ってるんで、気持ちですね。 ──対戦相手を研究したかと思いますが、その上で改めての印象を教えてください。まずはドッドソン選手について竿本選手から。 竿本 ボクシングが得意。左のストレート、フック……左のパンチが危ないなっていう感じで。で、レスリングもできるんで。噛み合うかなとは思ってるんで。今までで一番噛み合う試合になると思うんで、自分自身で楽しみにしてます。 武田 僕は(グスタボの)印象としては朝倉未来選手とか、あとは矢地選手か、一番最初の時やってたと思うんですけど、あの時に比べたら何だろう……あん時はこう、どっちかと言うと喧嘩に近いスタイルだったイメージがあるんですけど、今はちゃんとこうMMAもできてる。ちゃんと考えながら頭を使って試合運びしてるイメージ、印象がすごいあります。  でも苦手な部分だったりとかそういうところはまあ僕なりにというか、プーケットのコーチの方といろいろお話もしたりとか、あとは宮田(和幸)先生とも、どういうところがどういう風にすればこうなるんじゃないか、とかっていう話とかはして作戦は固まってきてるので、それをしっかりやりきれば勝てるとは思ってます。 ──竿本選手は約1年2カ月ぶりの試合(※前戦は2022年3月に宇田悠斗にスプリット判定勝ち)に対するモチベーションの変化などはあったりしますか。 竿本 去年結婚してこの間の3月に子供が生まれて、父親になったんで、子供にかっこいいところを見せたいなっていうのはあります。8月に就職して普通の会社に入って、もう今はサラリーマンしながら練習しています。 ──やっぱりお子さんは可愛いですか。 竿本 めっちゃ可愛いですね 武田 え、俺とどっちが可愛い? 竿本 ははは、いやあ、張ってますけど、やっぱり子供っすね。どっこどっこい。 武田 (膝を叩き)どっこい。いや子供に失礼だよ、ハハハハッ。 竿本 ハハハ。 ──そんなに可愛くないかもしれないですね……。 竿本 ハハハ(苦笑)。 ──堀口恭司選手のフライ級転向や、前回RIZIN.41で神龍誠選手がいい勝ち方をして、国内フライ級が盛り上がってると思いますが、意識したりしますか? 竿本 いや、特に何もしてないですね。まあトーナメントとか色々言われてますけど、そのトーナメントも2、3年ぐらい前から言われてたんで。特に、そのトーナメントやるんだったら嬉しいですけど、やらないってなっても別に「あ、そっか」って感じで特に。なんで変わりないですね。決まったらやるって感じです。 ──フライ級タイトルへの思いは? 竿本 昔から僕はHERO'Sとか──PRIDEは見てないんですけど──DREAMとかK-1とか、そういうのを見て育ってきたんで、それに近いRIZINのベルトは取りたいっていうのはずっとありますね。 ──今後の最終目標を教えてください 竿本 最終目標……、うーん最終目標っていうのはまだ決めてないですね。やれるところまでやって、辞めようと思ったら辞めるって感じですね。 [nextpage] 練習したカーライルや、チームで戦ったサトシ選手とも組まれたら「試合は試合」なんで(武田) ──武田選手はケージでは、2019年12月の大原樹理戦以来、RIZINでは初めてのケージで、リングとケージでどちらの方が自分は向いてるなとかありますか。 武田 やっぱケージのほうが向いてるじゃないかなと思うんですけど。だけど久しぶりっちゃ久しぶりなんで、しかもRIZINで初めてケージで試合をするし。だからまあ最終的にはどっちでもいいんじゃないのかなっていうのが……今の自分は思ってんですけど。だけど試合してみたらやっぱりケージのがやりやすいんじゃないのかなと思うし、実際に三郷BRAVEに(背後のケージを叩き)ケージがあって練習はしてるんで、だからもう慣れてきたなっていうところです。 ──プーケットでは主にどういう練習をしていましたか。 武田 身体づくりを1日に必ず1個入れるようにもしていて、あとはもうテクニックをひたすらやって、打ち込みして。週2回、ちょっと強めのスパーリングをして。で、ただこうやるだけじゃなくて、何だろうちゃんと目的意識を持って、こうなったらこうするとか、この展開からの展開、ドリルスパーリングをやるとか、主にそういう練習をしてましたね。 ──なるほど。大晦日では対抗戦でチームとして一緒に戦ったホベルト・サトシ・ソウザ選手が、武田選手も以前対戦して、一緒に練習もしたスパイク・カーライル選手と対戦をしますが、そのあたりで意識したりもしますか。 武田 いや特にないっすね。別にそこら辺はないです。まあ、プーケットでスパイク・カーライル選手と練習していて。で、クレベル選手とも会って、クレベル選手と僕が話していたら、カーライルが『お前はスパイか』みたいに言われて(苦笑)、すげー気まずくなって『俺、どこの立ち位置にいればいいんだろう』っていう、ちょっと気まずい関係になりましたね。  ただ別にサトシ選手とカーライル選手がどうこうっていうのは特にないですね。カーライル選手は、俺が(グスタボに)勝って、今回タイトルじゃないですけど、じきにチャンピオンになるって言ってたですけど、『君とは試合はしたくない、君は仲間だ』みたいに言われたんです。僕ももちろんすごく良くしてくれてるし、選手だからいろいろお世話になってる部分もあるし、感謝の部分もありますけど、試合は試合なんで。  だからもし仮に組まれたら僕はカーライル選手ともやるし、サトシ選手に対しても──対抗戦ではやっぱり一緒のチームになって『一致団結して頑張りましょう』という話になって、チームだったんですけど──今じゃあ別に敵なので、だから別にそういった感情は“それはそれ、これはこれ”って感じで割り切れると思ってるんで。だからそういう思い入れは特にないですね。 ──ベルトの話が出ましたが、今回勝てばライト級のベルトが見えてくると思います。いまベルトに対しての意識は? 武田 ないですね、僕は1ミリも。“強い人と試合をしたい”っていうテーマを去年も僕は持ってやっていて、今年もそれは変わらなくて、それがたまたま僕がやる対戦相手の強い人がベルトを持ってたっていう感じだったら別にいいですけど、ただそのベルトを取りたいから、ベルトに向かって頑張ります、とかそういうのは特には無いですね。  でも今年、僕はちょっと海外でも試合をしたいなって考えていて。海外で試合をするために、次の対戦相手のグスタボ選手だったり、海外で活躍されてる選手とかに勝たないとそういうところに出たいという発言権はないと思ってるんで、だから今回しっかり勝って、RIZINを代表してBellatorとかに乗り込みたいです。僕はそう考えてますね。 ──大晦日に対戦したガジ・ラバダノフ選手からも練習に誘われた武田選手は、ロシアに練習に行くことはありそうですか。 武田 ありそうです。今年ですね。(竿本に)なんで笑ったの? 竿本 いや、帰ってこれなくなるかと思って(笑)。 武田 そしたらあっちの人になって帰ってくるから。……真面目に、ありそうです。ある方向性で、今、もちろん国の情勢もあるし戦争の関係もあるんで、絶対行くとは言えないんですけど、まあでも行きたいですね。揉まれて。“行きたい”っていう人いないと思うんですよ、僕も心の奥底の、何だろう自分の意見をちゃんとパンと出したら“行きたくねえよ”って言うかもしれないですけど、やっぱ行きたくない場所とかそういう場所に行くからこそやっぱりこう、進化するところはあると思ってるんで。人それぞれ考え方も違うし価値観も違うから僕の考えが全て正しいワケじゃないですけど、まあ行きたいですね。 ──竿本選手はロシアに修行となったら行きたいですか? 竿本 いや絶対行かないですね、速攻断りますね(笑)。 [nextpage] 宮田先生から「おいタケダノフ、もう髭剃んない方がいいよ、そのまま行け」って ──ロシアの選手は髭をたくわえた選手も多いですが、武田選手は今回、髭は剃りますか? 武田 どうしようかなあと考えてたんですよ。でも、海外に行った時に、4、5日にいっぺんで剃ってたんですよ。それで練習がキツくて、髭を剃るのも面倒くせーし、洗顔するのも面倒だし、以前ちょっと美容に力入れてた時期もあったんですけど、全部面倒くさくなっちゃって放置してたらこうなって。日本に帰ってきたら絶対剃るかと思ったんですけど、ちょっと気持ちよくて。いま、触ってて(笑)。それでどうしようかなと考えてたら、宮田先生から昨日、『おいタケダノフ』って言われて。『もうそれ、髭剃んない方がいいよ、そのまま行け』って言われたんで、多分このまま行くんじゃないですか。 ──「コウジ・タケダノフに名前を変えてください」と動画にコメントが……。 武田 ないですね。絶対そういう、タケダノフみたいなコメント絶対来るだろうなと思ってたんですけど、ないっす。 ──今回の試合後、対戦したい選手は? 武田 うーん……まあ、サトシ選手やりたいっていう気持ちはもちろんありますけど、まだ勝てるビジョンが見えてないんで、ぶっちゃけると。サトシ選手ももちろん強いし、やりたいなって気持ちはもちろんありますけど、やっぱり勝たなきゃ意味ないんで、そういう意味合いでちゃんと勝率を高めていくっていうところでは、まだビジョンが見えてない。誰とやりたいかっていうのは……まあサトシ選手とやりたいですけど、(いまは)それではないんで。だからちょっと、RIZIN運営さんにお願いして、『海外の選手を呼んでください』っていうのが一番かなと思ってますね。 ──気持ちの強さはどこから来てますか。 武田 気持ちの強さ……まあ僕は何だろうな、こう……仲間がすごい好きで。友達だったり支えてくれてる人達の応援っていうものが、僕は力になってると思うんで。そういうことを子供に聞かれたら、『友達を大切にしなきゃね』っていう風に言ってあげればいいかなと思ってます。 ──これまで恐怖を感じた選手はいますか。 武田 いや、全員ですね。感じない選手はいないです。殴り合いもしたくねえしぶっちゃけると。だって痛いじゃないですか。だけどやっぱりやらなきゃ始まらないんで、だから常にやっぱ恐怖と戦ってるっていうところはありますね。怖くなかった試合は一つもないです。
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