タイから来襲するソンチャイノーイを迎え撃つ名高
2023年4月9日(日)東京・大田区総合体育館『ROAD TO ONE & Shimizu presents BOM OUROBOROS 2023』にて、S-1スーパーフライ級王者ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)を迎え撃つ名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)の試合直前インタビューが主催者を通じて届いた。
“ハマの神童”名高はジュニアキック出身で、日本とタイで試合経験を重ねてきた。2017年4月にWMC世界ピン級王座を獲得すると、2018~2019年にはムエタイの二大殿堂タイトル 「ラジャダムナンスタジアム」と「ルンピニースタジアム」のミニフライ級(47.63kg)でタイトル統一し、外国人で2人目、日本人初の快挙を成し遂げた。2022年7月にはペットニポンをヒジでKOし、タイ国プロムエタイ協会フライ級&WPMF世界フライ級の二冠を奪取して“10冠王”を達成。今年2月には『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』に参戦し、見事なKO勝ちを収めた。戦績は44勝(27KO)5敗1分。現在16連勝中。
対するソンチャイノーイはS-1スーパーフライ級王者の肩書を持つパンチャー。日本では昨年9月にNJKFのリングで塚本望夢から1Rに2回ダウンを取ってKO勝ちしており、今年1月の『ONE Friday Fights 2』ではヨットーイ・カウサムリットから左フックでダウンを奪って勝利している。その試合ではしつこい首相撲も使って相手の攻撃を許さず、崩し技で相手を何度もぶん投げたことから“ビースト(野獣)”とのキャッチフレーズが付けられた。
今の実力はタイのトップ選手にも通じることが分かった
――2月25日の『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)』ではパタックシンを相手に3R左ハイキックによる見事なKO勝ちでした。
「3年半ぶりのタイでの試合でした。対戦相手は強いタイ人選手ということで、それまで日本での試合も多かったことで不安な部分もたくさんあったのですが、コロナの時期もエイワスポーツジムでムエタイの練習を変わらずやってきて今回勝てたことで今の実力はタイのトップ選手にも通じることが分かったので嬉しかったです。あと、KO勝ちしたシーンがSNSで広がっていて、日本でも『ハイキックが凄かった!』と言ってくださる方は多かったのはもちろん、タイでも凄く反響があり、タイ人トレーナーから『タイでナダカは凄く有名になっているよ』と教えてくれてKO勝ちしたかいがありました」
――それは凄いですね。ちなみに対戦したパタックシンはどれぐらい評価された選手だったのでしょう。
「僕とやるまではタイのトップクラスと10戦して8勝ぐらいしている選手でした。巧い選手で待たれると結構厄介な相手だと思っていたので、自分から仕掛ける練習もしていました。試合中の指示もそうですし、試合前もハイキックの練習をしていたので練習通りのことができたのかなと思います」
――SNSでは「中川会長の『ボディブローからハイキック!』という指示通りに動けている名高選手は凄い」と騒がれてました。あの指示は聞こえて出したのでしょうか。
「はい、聞こえてました。その前の『三日月蹴りを出せ』という指示も聞こえていました。相手が普段5R制で試合慣れしているなか、RWSは3R制なので、試合配分が分からずに疲れていた部分があったと思います。息が上がってガードが下がっているところに三日月蹴りはいいなと思っていて、蹴りを出したところ綺麗に当たって効かせることができました。5R制だったらまた展開は変わっていたものになっていたと思います。相手は1Rから圧力もかけて威力のある攻撃を仕掛けてきて、いつものペース配分ではないんだなと感じました。僕も5R制だとゆっりしたペースで戦いたいのですが、3R制では様子見で攻撃で出すのではなく最初から威力のある攻撃を出して、攻撃を受けてもプレスをかけていくようにはしました」
――普段の練習から3R制を意識した練習をしているのですか?
「根本的に変えるわけではないのですが、自分の中で行けるところは詰めるということを意識して練習するようにしていました。正直なところ、5R制の方が好きですが、これからRWSやONEルンピニーに出るとなると、3R制の試合が中心になってくると思うので、そっちでも慣れないといけないなと思っています」
――タイで驚異の35連勝中のクンスックレック・ブームデックシーンとの対戦も期待されているそうですね。
「試合の翌日に、僕とクンスックレック選手との写真が並べられて試合が決定しているかのようにSNSで広まっていて、僕は何もお聞いてないんだけどなと思ってました(笑)。帰国してからも関係者から『クンスックレックとやるの?』とよく聞かれました。今、若くて勢いのある選手なので実現すればタイでもビッグマッチになると思います。もしやるなら今年中になると思いますが、僕はいつ対戦が決まってもいいように練習しています」