BreakingDown7.52023年3月31日(金)都内某所
▼第8試合 ウェルター級 1分3R〇ジョリー延長戦 判定2-1×啓之輔
メインイベントでは『BreakingDown 7』の再戦となるジョリーvs.啓之輔が組まれた『BreakingDown 7』ではジョリーが判定勝ちを収めたが、啓之輔は判定に不服。朝倉未来CEOに再戦を申し出て、それが認められた形だ。 ジョリーが右カーフを狙い撃ちにし、啓之輔は得意のヒザを狙っていく。しかし、飛びヒザ蹴りから着地したところにジョリーが左フックでダウンを奪うが、倒れた相手に攻撃したためダウンは取り消しに。再開後、ジョリーが左フックからの右フック、啓之輔は飛びヒザで対抗した。
2Rもジョリーは横へ動きながらの右カーフ。そのカーフ連発で啓之輔は尻もちをつく。左右に構えをスイッチしながら、前蹴りで前へ出る啓之輔はヒザを突き刺した。
3R、ジョリーは左を当てに行き、啓之輔の左フックをかわしながらの左フック。啓之輔もワンツーを強打。両手を広げて“来い”とアピールする啓之輔へジョリーが左フック。
ピーター・アーツ、神取忍、大沢ケンジの3人のジャッジがドローをつけ、延長戦へ。
ジョリーが右カーフから左右連打で前へ出る。啓之輔はヒザのカウンターを見舞い、ジョリーはサイドキックで突き放す。ジョリーの左フックには啓之輔が右フックをリターン。インファイトを仕掛けてくるジョリーへまたもヒザを突き刺す啓之輔。ジョリーは後ろ蹴りを繰り出すが、啓之輔がヒザ。しかし、つかんでいたため警告が与えられる。
手数ではジョリー、有効打では啓之輔。判定はアーツと神取がジョリー、大沢が啓之輔でジョリーが辛勝。啓之輔は笑みを浮かべて足早に去っていき、ジョリーはケージの中から「啓之輔さん、ありがとうございました」と礼を述べた。
返り討ちにするかたちとなったジョリーだが、「とりあえず何とか勝利できてよかったです。メインなのにKO出来ずすいませんでした。啓之輔さんがスロースターターだと聞いていたんですが、ラウンド毎に俺の攻撃が当たらなくなっていって強かったです。プロの世界で活躍するのはこんなんじゃダメだと思って。だからもっと強くなります。もっと盛り上げます」と反省しきり。
解説を務めた朝倉未来CEOは「全体を通して面白い試合が多かったのでけっこう満足です。なんかBreakingDownの競技レベルと言うか、だんだん強くなってイキった不良たちが出なくなってしまうのは危ないので、ちゃんと素人は素人の輝ける場所を用意するので皆さんどんどん応募してください」と今大会を総括した。
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▼第7試合 フェザー級〇冨澤大智判定3-0×ダンチメン・あつき
冨澤は2019年にABEMAで放映された『格闘代理戦争 4th Season』にTEAM武尊のメンバーとして出演。番組終了後はK-1ジム総本部チームペガサスに入門し、2021年10月に『Krush-EX』でプロデビュー。渚に判定勝ちし、2022年1月の『Krush.133』でも内田竜斗に判定勝ち。プロ戦績はこの2戦のみで、元K-1と紹介されるがK-1には出場していない。初出場となった11月の『BreakingDown6』ではDEEPファイターのヒロヤと初のMMAルールで対戦して敗れたが、12月の『BreakingDown6.5』では本来のキックルールでとしぞうを圧倒して初勝利をあげた。
あつきは空手歴19年で2020年KWF国際大会や2020・2021年JKJO全日本選手権を2連覇している。初出場となった『BreakingDown 7』ではゲンキにKO勝ちし、朝倉未来CEOが全33試合の中からベストバウトに選び、今後楽しみな選手にもあつきの名をあげた。
サウスポーの冨澤が左ミドルからの左ストレート。そのまま一気に攻め込んでいく冨澤の左ストレートとヒザが突き刺さる。離れるとあつきが左ハイ。左ストレート、右フックを入れて距離をとり、再び前へ出ての左ストレートを叩き込む冨澤。あつきもパンチで前へ出るが、終了間際に冨澤が左フックからの右フックでダウンを奪った。
両者1分間フルに打ち合った一戦はダウンを奪った冨澤が勝利。プロの意地を見せた。冨澤はマイクを持つと「あつき選手、慣れないルールの中、僕の試合を引き受けてくれて世界王者の肩書きを持ってやってくることは勇気がいることだったと思います。本当に強い選手でした。運営の皆さん、朝倉選手、僕、大晦日にテレビで見られるような選手になりたいと思っているのでこれからも使って欲しいです。最後に、今日僕をこの場に立たせてくれたBreakingDownファンの皆さん、冨澤大智さん、ありがとうございます。愛してます」とアピールした。
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▼第6試合 ウェルター級×近藤優太判定0-3〇信原空
近藤は朝倉未来の愛弟子ヒロヤの兄で、地元兵庫では有名な喧嘩屋なのだという。トライフォース赤坂で練習した際、朝倉未来が「センスが凄い。逸材」とそのポテンシャルを絶賛している。初登場となった『BreakingDown 7』ではプロ格闘家の樋口武大と対戦し、リアネイキドチョークで絞め落とされた。
対する信原は“勾配ニキ”の名称で知られ、『BreakingDown 5』に初登場。初戦は敗れたが『BreakingDown 5.5』の2on2では勝利し、『BreakingDown 6』では樋口から勝利を収めている。しかし、『BreakingDown 7』では元アウトサイダーの萩原にKO負けを喫した。
信原は朝倉海の弟子であり、朝倉と共に渡米して米国修行を経ての参戦。「UFCに出たい」「世界で戦っていきたい」との夢を持ったという。
開始と同時に近藤が左右フックを振るって前へ出る。信原も右ストレートと左フックで迎え撃ち、頭を下げて入って来る近藤を前蹴りで突き放す。信原はしっかり見て打ち込んでいき、近藤は頭を下げての連打。その中で信原が終了間際に左フックを合わせてダウンを奪った。
判定は3-0で信原が勝利。技術の成長を見せた。
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▼第5試合 ウェルター級 延長あり〇外枦保尋斗延長戦 判定3-0×醤油ニキ
プロキックボクサーで谷山ジム所属の外枦と、BreakingDownで3戦3勝と負けなしの日本拳法&ボクシング経験者の醤油ニキが対戦。
右ミドルから右ストレートを放つ外枦保に醤油が左ストレートをヒットさせる。左右に構えをスイッチしてミドルを蹴る外枦保は、醤油が左を放ってくるところへカウンターを放つ。序盤は醤油がパワーで押し、後半は外枦保が攻撃の的確さで巻き返し本戦はドローに。
延長戦、いきなり両者が打ち合い。外枦保の右ストレートが2発クリーンヒットする。醤油の左フックに右を合わせる外枦保。そのカウンターがヒットし、ダウンを奪う。立ち上がった醤油は左右ストレートで逆転を狙うが、外枦保も連打で押し返した。
判定は3-0で外枦保が勝利。醤油に初黒星をつけた。外枦保は「母ちゃん、勝ったよ。毎日醤油ニキさんのことを思いながら練習していて、とても実績のある選手だったので僕も練習を一生懸命に頑張れました。僕は自分を信じてこれからも一生懸命頑張っていくだけなので、よろしくお願いします」と語った。
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▼第4試合 ウェルター級×八須拳太郎KO〇秀虎
八須はパワーリフティング選手権で入賞経験があるプロレスラー。『BreakingDown 6』に初参戦するとKO勝ちを収めたが、『BreakingDown 6.5』ではKO負け。『BreakingDown 7』では斎藤健太に判定勝ちした。
秀虎はTHE OUTSIDERで4勝1敗の戦績を残し、2009年3月の“アウトサイダー頂上決戦”と謳われた一戦で啓之輔をKOしてMVPを獲得。2011年にはKrushに参戦して健太や廣野祐らと対戦した。またMMAでは『TRIBELATE』で長岡弘樹と引き分け、『DEEP』では佐藤天や中尾受太郎とも対戦したことがある。試合から離れていたが『BreakingDown 6』の「THE OUTSIDER vs.BreakingDown 6vs.6対抗戦」で復帰するも川島悠汰に判定負け。『BreakingDown 7』ではにっけん君に延長戦の末に敗れてBreakingDownではまだ勝利をあげることが出来ていない。
開始と同時に左右のパンチで前へ出る八須に秀虎は首相撲からのヒザも、これは注意を受ける。再開後打ち合う両者だったが、秀虎が左右フックと右ストレートで八須にケージを背負わせる。秀虎の攻撃は止まることなく、秀虎の右フックで八須が崩れ落ち、さらに追撃の右でKO.秀虎が嬉しい初勝利をつかんだ。
秀虎はマイクを持つと「2連敗もしているのにこのリングに彼のおかげで上がれました。初勝利、みんなに応援してもらってつかむことが出来ました。最後に、妻と子供に“やった!”と伝えたいです」と語った。
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▼第3試合 ライト級〇初見 涼TKO×行虎
黒石高大の幼なじみで現在はボディガードを務めているという初見が初出場。対するは“こめおの舎弟”で69ニキこと3連敗中の行虎。
開始と同時にラッシュを仕掛けた初見だが、行虎の右フックでダウンを奪われる。再開後、右の強打で前に出る初見に行虎も打ち合うが、右フックを2発打った行虎の右肩が外れてダウン。初見の逆転TKO勝ちとなった。
初見はマイクを持つと「僕はオーディションもしてなくて知名度もないのにこの大会に出させていただきありがとうございます。そしてなにより僕を勝たしてくれた、マンツーマンでずっとついてくれた黒石高大にありがとう、本当にありがとう」と、セコンドに就いた盟友・黒石にメッセージを送った。
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▼第2試合 スーパーアトム級×木村美玲判定0-3〇いわち
「BreakingDown7」で対戦し、いわちがダウンを奪って勝利するも、そのダウンは木村がヒザを着いた時にいわちがパンチを見舞ったものだったということで因縁の再戦が実現。
いわちは前へ出て左右ミドルと左右ストレートの連打。木村はヒザで迎え撃ち、左ローを蹴るがいわちの連打が止まらない。サイドキックも多用するいわちが気合いの声を発しながら左右の連打で前へ出る。ローとヒザを蹴る木村だが、いわちが攻撃の手を休めず1分間パンチを中心に攻め続けた。
判定は3-0でいわちが因縁の決着を付け、2人は健闘を称えて抱き合った。
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▼第1試合 ウェルター級 1分1R×ぬりぼう判定0-3〇松葉大輝
BreakingDownでブレイク中の元芸人ぬりぼうがオープニングを飾る。対するは朝倉未来とヒカルの起業ショー『Nontitle』出演者の松葉。
開始と同時に飛び蹴りを繰り出すぬりぼうだが、これは不発。松葉がすかさずパンチでラッシュを仕掛けるとぬりぼうも思い切り右フックを振り回す。前に出る松葉だがぬりぼうの思い切り振る左右フックにガード。しかし、ぬりぼうが右ローで攻め込んでいるところへ松葉が逆転の右ストレートでダウンを奪う。
立ち上がったぬりぼうは「効いてないよ」と両手を広げてアピールしたが、もちろん裁定は覆らない。判定3-0で松葉が勝利し、松葉は嬉し涙を流した。