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【RISE】なぜ志朗は残り23秒でハイキックKO勝ちが出来たのか「相手が5R目に来るのが分かっていたのでそこは上手く合わせられた」

2023/03/27 01:03
 2023年3月26日(日)東京・有明アリーナで開催された『Cygames presents RISE ELDORADO 2023』のメインイベントで、ディーゼルレック・ウォーワンチャイ(タイ/ペッティンディームエタイアカデミー)を5R2分37秒、右ハイキックによるKOで破り初代RISE世界バンタム級王座に就いた志朗(BeWELLキックボクシングジム)が、試合後インタビューに答えた。 「KOを狙っていたので、最終Rの残り30秒くらいでKOが自分らしいと言えば自分らしいなと(笑)。KO出来たのは凄い良かったと思います」と、KOで大会を締めくくれたことを喜ぶ。  ディーゼルレックについては「計量で向かい合った時に首が凄く太くて、タイの試合を見ても顏で倒れてないので。パンチが当たっても頭が揺れないから打たれ強いなって思いました。途中で切り替えてローとか三日月でボディに行ったんですけれど、お腹は隠すけれど顏は隠さなかったので本当に打たれ強いんだなと思いました。気持ちは凄く強かったです。最初はカーフを蹴ってきたり、相手のセコンドの指示も『前へ行け』とか、けっこうRISEルールにアジャストしてくる練習をしてきたんだなって改めて思いましたね」と、強敵だったと振り返る。  ローキックが効果的だったのではと聞かれると「ローキックの感触はあったけれど蹴ってもすぐに蹴り返してくるし、3Rで効かせられたんですが倒れるまで行かないと思ったので。そこはロー・ミドル・ハイで散らそうと思ったのでそれが上手いことつながったんだと思いますね」と、途中でローでは倒れないことに気付いたという。  最後にハイキックで倒した瞬間は「これでやっと倒れるんだと、倒れる人間なんだなと安心しました(笑)」とタフな相手が倒れたことに安堵感を覚えた。 「右ハイは狙ってました。当てるまでの過程を大事にしようと思ってローキックで下側、ヒザ蹴りで真ん中、それで散らしつつガードの位置は下がるのが多かったので、意識すればガードが下がるので下がった時に当てようと思っていました。パンチには合わせようと思っていましたし、ガードの癖とかも研究していたので。そこは何パターンかハイキックもそうですしパンチも用意していたので狙っていたといえば狙っていました」と、狙っていたものだという。  そこには、タイで生活していた志朗ならではの利点が大きく関係していた。 「最終R、相手は流そうとしていて、セコンドの指示が『前へ行け』だったんですよ。残り時間が少ないんだからこのラウンド振り回せって。相手のタイ語の指示も全部聞こえていたので、流すというよりも休憩していたんだと思います。スタミナ的に。休んで振り回すみたいな感じだったと思うので、来るなってタイミングで合わせれば。人間って、来るって分かっていないことには弱くてKOにつながるというか。自分はパンチ力とか蹴りの威力よりも全部タイミングだと思っているので、相手が5R目に来るのが分かっていたのでそこは上手く合わせられたなと思います」と、相手のタイ語での指示を聞いていたため、5Rに相手がパンチで勝負に来ることは分かっていたのだという。そこでハイキックを合わせようと狙っていたのだ。  他にも「けっこうありました。相手もハイキックを狙っていたのが分かりましたし、あと4R目だから前へ行けとかローキックを蹴れとか聞こえたので。そういった意味では自分はタイ人が相手というのはいいアドバンテージが働いたんじゃないかなって思います」と、相手のやってくることがセコンドの指示で分かったのだとした。  それでも、オープンスコアで自分がリードしていたのは分かっていたため判定で勝とうとは思わなかったのかと聞かれると「判定まで行きたくないなというのがありました。効かせていたのに、それだと今までの自分と変わらないと思ったので進化した姿を見せたいというのがあったので、どうしてもKOしたかったというのがありましたね」と、倒し切れる自分を見せたかったからと答えた。  今後も目標には「RISE WOELD SERIESの54kg。RISE WOELD SERIESは自分がRISEに出て最初に負けたのがWOELD SERIESなので、思い入れもあるし悔しさもあるので54kgで獲りたい。あとRISEとK-1の対抗戦も始まっているので、その枠に入れるのなら入りたい想いもあります」と、試合後のマイクでも語った2つの目標を掲げ、K-1との対抗戦を観た感想は「ホームとアウェイとは差があるなって言うか。今回は試験的な感じで、K-1側の選手はRISEルールに対応できる選手、RISE側の選手はK-1ルールに対応できる選手(を出す)ってどんどん面白くなると思いますね」と、今後さらに面白い展開になるのではとした。  WORLD SERIESには志朗と共に、風音を降した田丸辰にも当確マークが点滅した。田丸の試合は観ていたと言い、上手さが光りましたね。上手さ以外にも攻撃的な部分も見えたので。彼はやはりセンスがあるなと思いました」と評価するが、「自分は世界王者なので、上には上がいると思わせないといけないなと思っています」と直接対決となれば格の違いを見せるとする。  玖村戦に関しては、K-1のリングに乗り込む形になってもいいのかと聞かれると「K-1に乗り込んでTHE MATCHルールで(笑)。THE MATCHルールがいいんじゃないかなと思います」と、THE MATCHで負けているのだから再戦もTHE MATCHルールがふさわしいとした。  志朗と言えば、試合後に我慢していた大好きなパンを大量に買い込んで食べることが知られているが、「パン屋にはRISEの小川さんが世界王者になったら一夜明け会見に遅れてもいいと言われたので、明日はもしかしたら参加しないかもしれないです(笑)。パン屋は決まっています。7時か8時にオープンの店があるので早めに行こうかなと思います」と、一夜明けをサボってでもお目当てのパンをゲットすると笑った。  そして最後には「これからは世界王者として恥じないようにベルトの価値、自分の価値、RISEの価値を上げられるような選手になりたいと思います」と、さらなる活躍を誓っていた。
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