Krush.1472023年3月25日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)【アンサー株式会社/株式会社クレール不動産 Presents】Krushフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R×玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/王者)判定0-3 ※28-30×2、28-29〇森坂 陸(エスジム/挑戦者)※森坂が第7代王座に就く。玖村は初防衛に失敗。
玖村は2017年6月にNJKFバンタム級王座を獲得。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2020年11月の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で新美貴士に敗れて涙をのんだ。2022年2月に第2代Krushフェザー級王者・小澤海斗に勝利、そして5月には新美貴士を破りKrushフェザー級王座を奪取。8月の「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦でジャオスアヤイをKOしたが、準決勝で軍司にKO負け12月のK-1でも斗麗に敗れている。戦績は19勝(9KO)11敗1無効試合。
森坂は2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、ムエタイ仕込みの蹴り技とバックハンドブローなどの回転技を駆使するトリッキーなファイトスタイルで戦績は16勝(3KO)12敗2分。江川優生、椿原龍矢、軍司泰斗ら後にK-1王者となる選手たちとしのぎを削り、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準優勝。2022年は4戦全勝で今回のタイトル挑戦へ漕ぎつけた。
1R、左ミドルを連打する森坂はジャブ、さらに左右フックで宣言通りに打ち合いに行く。玖村もワンツー、左ボディで迎え撃つ。森坂の前蹴りで吹っ飛ぶ玖村。森坂は右ローを蹴り、玖村はワンツー、そしてジャブ連打からの右ストレート。森坂もすかさず左ボディを打ち返す。森坂のバックハンドブローに玖村がバックハンドブローを返すも、バランスを崩したところに森坂が襲い掛かり、左フックでダウンを奪う。
ここで森坂のヒジが当たったのではないかとの審議が行われ、ビデオ判定でヒジは当たっていないことが確認されてダウンは有効に。再開後、玖村は一気に攻め込んでいくが森坂も堂々と打ち合い、互角の展開。
2R、森坂の突き刺すようなジャブに玖村は左ボディで応戦。至近距離での打ち合いになったところで偶発的なバッティングがあり、玖村にインターバルが与えられる。再開後、玖村のパンチに左ミドルで対抗する森坂だが、バックハンドブローは空振り。森坂が左ボディを打つと玖村が右フック。ジャブを突いて圧をかける玖村が右の強打。玖村の右を空振りさせた森坂の左フックがヒット、すぐに前へ出て打ちに行く玖村。
3R、右カーフを蹴る森坂に玖村は右ヒザ。右を当てに行く玖村だが、森坂は蹴りで突き放す。森坂の顔面前蹴り、さらに左ミドルの連打。玖村はワンツーで逆転を狙うが森坂は一歩も退かず蹴り返す。玖村の連打にコーナーを背負った森坂は、すぐに打ち返して左ミドルで前へ出る。玖村も逆転を狙うワンツーの連打も森坂がかわす。玖村のバックハンドブローをかわした森坂がすぐにバックハンドブローをヒットさせた。
判定は3-0でダウンを奪った森坂が勝利。悲願の王座奪取に成功した森坂は涙を流した。「ずっとこの2年ちょっとの間このベルトを求めていて、お礼を言いたい人はたくさんいるんですけれど、皆さんが応援してくれたからですね」と涙ながらに話すと、両親とリングの上で写真を撮らせて欲しいと涙の訴えも、規定によりNGに。
念願は叶わなかったが「これ獲れなかったら終わりにしようと思っていたので、これから突っ走ってK-1のベルトも獲りたい」と、次はK-1のタイトルを目指すと宣言した。
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▼セミファイナル(第9試合)Krushウェルター級 3分3R延長1R〇松岡 力(K-1ジム五反田チームキングス)判定3-0 ※30-29×2、30-28×海斗(LEGEND)
松岡は空手からキックボクシングに転向し、新日本キックボクシング協会でプロデビュー。2017年に現在のK-1ジム五反田に移籍し、2018年1月からKrushに参戦した。2019年8月のK-1で近藤魁成にKO負けを喫して引退を口にしたが、2020年7月に復帰宣言。2021年4月には加藤虎於奈を判定で破り、第9代Krushウェルター級王座に就いた。しかし、その後は9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」準決勝で安保瑠輝也にKO負け、2022年2月の初防衛戦では寧仁太・アリに延長戦の末に判定2-1で敗れて王座を失った。戦績は10勝(4KO)9敗2分。
海斗は『THE OUTSIDER』を経て2017年10月にKrushデビュー。強靭なフィジカルの強さを活かした攻撃力を誇り、戦績は8勝(6KO)5敗。2020年3月の「第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメント」に出場したが木村“フィリップ”ミノルの剛腕の前にマットに沈み、同年8月の「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」では近藤魁成にKO負け。2021年3月に寧仁太・アリにKO負け、12月には安保瑠輝也にKO負けと泥沼の4連続KO負けを経験したが、2022年8月の幸輝戦でKO勝ちして再起。戦績は9勝(7KO)6敗。
1R、サウスポーの海斗に松岡は左ミドル、右インロー。海斗は左インローを返す。その左インローに右ストレートを合わせる松岡。右の三日月を蹴る松岡は右ミドルも海斗の左腕に叩きつける。
2R、海斗は強いローを蹴ってのフックを狙うが、松岡の右ストレートに大きく仰け反る。松岡は右をフェイントに左を当て、さらに右カーフ。右ミドル 4連打も。さらに松岡は左右の前蹴りをボディへ突き刺す。完全に距離を支配して右ハイもヒットさせる松岡。
3Rも左ミドルで支配しようとする松岡に海斗は強烈な左右フックで対抗。松岡も右ストレートでヒットを奪うが、海斗が左フックを打ち返す。さらに海斗が逆転を狙ってバックハンドブロー。最後はヒヤリとさせられる場面もあった松岡だが、判定3-0で復活勝利を収めた。
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▼第8試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R〇近藤魁成(TEAM3K)判定3-0 ※30-29、30-27、30-28×ヴィトー・トファネリ(ブラジリアンタイ/闘英館)
近藤は幼少期より空手を学び、難病を克服して2017年に高校1年生でK-1甲子園を制覇。2018年3月にプロデビューを飾り、2018年K-1甲子園を連覇。2019年5月、木村“フィリップ”ミノルのKrushウェルター級王座に挑戦し、KO負けで初黒星を付けられたが、ヒザ蹴りでダウンを先制してあわやの場面を作り出した。2020年8月には「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」に出場するも決勝でアクシデントによりTKO負けを喫し、またも王座に手が届かなかった。2022年8月、スーパー・ライト級に転向するが鈴木勇人にKO負け。戦績は7勝(5KO)4敗1分。
トファネリは世界闘英館空手道選手権大会70kg未満級優勝。MMAとキックボクシングの二刀流で、キックボクシングでは2018年5月の『RISE』で直樹に判定負け、2020年7月のRISEで原口健飛に敗れたが、中野椋太や麻原将平を鮮やかなバックスピンキックでKOしている。2020年11月のK-1に初参戦し、ウェルター級で野杁正明に判定負け。スーパー・ライト級に階級を落とした2戦目では元Krush王者・鈴木勇人からTKO勝利を収めた。しかし、その後は4連敗中。戦績は15勝(11KO)13敗1分。
1R、近藤はジャブと右ロー、トファネリもジャブと右ローを返すが近藤の距離だ。近藤は右ローを狙い撃ち、さらにジャブを伸ばす。トファネリは左ミドルを蹴るも届かず、逆に右ローの蹴り返しをもらう。近藤が徹底したジャブ&右ローで支配したラウンドに。
2Rも徹底したジャブ&右ロー、そして前蹴りの近藤。トファネリはパンチや蹴りを繰り出すも近藤の距離でなかなかヒットを奪えない。完全に近藤の距離で試合が進み、完封ペース。
3R、右ローを強める近藤にトファネリも勝負をかけて踏み込んでくる。そこへ近藤が強い右ロー、左ボディからの左フック、ジャブ連打からの右ストレート。トファネリも右ローを蹴り返すが近藤のジャブに入り込めない。右ローを何度も命中させる近藤はジャブから右膝。トファネリの右フックはしっかりブロックする。近藤が右ロー2発からヒザ、そしてジャブと右ストレート。トファネリの後ろ廻し蹴りは空を切り、そこへ近藤がワンツー。最後は左ボディから左右フックを振り回してトファネリが倒しに行ったが、近藤が最後まで自分のペースで戦った。
近藤が判定3-0の完封勝ち。
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▼第7試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND)KO 1R 1分49秒 ※3ノックダウン×林 勇汰(FLYSKY GYM)
篠塚はボクシングでアマチュア時代にインターハイベスト8の戦績を残し、プロ転向後はA級ボクサーとして3勝(2KO)1敗の戦績。2018年2月にキックボクシングに転向し、TEAM TEPPEN所属として2018年2月にRISEでプロデビュー。2019年5月の森本”狂犬”義久戦は因縁の対決として話題となったが、延長戦の末に敗れた。2021年3月にK-1初参戦を果たし、延長戦で小澤海斗に判定2-1で勝利。2021年12月にはKrushフェザー級王座に挑戦したが、新美貴士にKOで敗れた。2022年9月、佑典との再起戦が決まるも怪我で欠場となり、今回が約1年3カ月ぶりの復帰戦となる。戦績は8勝(6KO) 3敗。
林はパンチを主体とするアグレッシブなファイトスタイルで常に会場を沸かせる。2019年11月にはKrushスーパー・バンタム級王者の玖村将史に挑戦したが判定負け。フェザー級に階級を上げ、2020年9月の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」に出場が決まっていたが、左目の網膜剥離の再発で欠場。2021年10月に再起を果たした。前戦は2022年12月、銀次に延長戦の末に勝利。戦績は7勝(2KO) 8敗1分1無効試合。
篠塚のセコンドには平本蓮と剛毅會の岩﨑達也宗師が就く。
1R、右カーフを蹴ってショートの左右フックを連打する篠塚に林は豪快な左右フックを振って対抗。篠塚は林がローを蹴るタイミングで右ストレートを合わせ、ダウンを奪う。
続いて突き刺すような前蹴りから右、左フックでダウンを追加。最後は左ボディから右フック、もう一度左ボディからの右フックで3度目のダウンを奪い、圧倒KO勝ちを飾った。
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▼第6試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代Krushバンタム級王者)KO 1R 2分13秒 ※右フック×一航(新興ムエタイジム/第7代Bigbangスーパー・バンタム級王者)
晃貴は2017年1月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2019年1月に第4代Krushバンタム級王座決定戦で同級王座を獲得。同年6月のK-1両国大会のK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントにも出場を果たした。2020年からは本格的にスーパー・バンタム級に転向し、2021年はKrushで2連勝も9月のK-1では金子晃大にKO負け。今回は2022年3月に小倉尚也に判定勝ちして以来約1年ぶりの試合となる。戦績は11勝(3KO)8敗1無効試合。
一航は2019年4月の『BOM』でWMC日本バンタム級王座、11月の『NJKF』でNJKF同級王座を獲得して高校生二冠王者を達成すると、2020年9月にはWBCムエタイ日本統一王座も獲得して三冠王となった。2022年2月にはK-1に初参戦し、「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場も1回戦で璃明武に敗れた。9月には鬼山桃太朗とBigbangスーパーバンタム級王座決定戦を争い、判定勝ちで四冠王に。2023年1月、愛瑠斗に判定勝ちで同王座の初防衛に成功した。戦績は16勝(3KO)4敗2分。
1R、晃貴は右カーフを蹴っていき、ジャブで前へ出る。一航はそれを前蹴りで押し返すが右カーフに反応したところ、右フックでダウンを奪われる。さらに右カーフを蹴る晃貴は右ストレート、左右ボディ。一航は右ストレートを合わせようとするが、右フックをもらって再びダウン。ここでストップとなり、晃貴のKO勝ち。
晃貴は兄貴分・武尊との記念撮影に収まると、「今年はたくさん試合しようと思っているので皆さんよろしくお願いします」とマイクで語った。
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▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇MOMOTARO(OGUNI-GYM/元WBCムエタイ インターナショナル フェザー級王者)延長R 判定3-0 ※9-10、10-9×2×竹内将生(エイワスポーツジム/BOMフェザー級王者)※本戦の判定は30-30×3。
MOMOTAROは2010年10月にNJKFでプロデビューし、2014年11月にNJKFフェザー級王者、2015年9月には10連勝でWBCムエタイ日本統一同王者に。タイ、中国でも試合を重ね、2017年6月にはWBCムエタイ・インターナショナル王座を獲得。2019年に『ONE Championship』と契約し、3勝2敗の戦績を残して2021年3月からK-1参戦。西元也史、朝久裕貴にKOで連敗を喫したが、2022年8月に提髪和希から勝利をもぎ取った。これまでスーパー・フェザー級で戦ってきたが、今回から一階級下げたフェザー級になる。戦績は33勝(8KO)13敗1分。
竹内は2011年K-1甲子園東日本準優勝で、プロではBOMフェザー級王座、第3代Bigbang同級王座、第4代MA日本キックボクシング連盟スーパー・バンタム級王座、J-NETWORKバンタム級王座、WPMF日本同級王座と5本のベルトを獲得してきたムエタイスタイルのファイター。2022年4月にKrush初参戦も森坂陸に判定2-0で惜敗、7月に久保一馬から勝利を収めた。戦績は25勝(6KO)16敗2分。
1R、サウスポーのMOMOTAROは左ミドル中心の組み立てで、ミドルを空振りするとそのままバックハンドブロー。竹内は左ローからの右フックでヒットを奪う。MOMOTAROが入ってくるところをよく見てかわし、右のパンチを狙っていく竹内。
2Rも左ミドルを蹴っていくMOMOTAROに大石は左ロングフック。MOMOTAROが入ってくるところにはフックを合わせに来て、ワンツーを繰り出すMOMOTAROだがヒットはせず、
3R、MOMOTAROはワンツーからの左ミドルを繰り返し、竹内は左右に構えを変えて左右フックで飛び込む。オーソドックスに構えるMOMOTAROは右ストレート、サウスポーになっての左ハイ。竹内は右ミドル、MOMOTAROの右ストレートに右を合わせにいった。
判定はドローで差がつかず、延長戦へ。歩くように前へ出ながらのワンツーを打つ※30-30×3に、竹内は右ミドル&左ロー。左ストレート&右フックのMOMOTARO。最後は手数を出していったMOMOTAROが判定2-1で辛勝した。
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▼第4試合 Krushスーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×山崎陽一(KIKUCHI GYM/第3代Bigbangスーパー・ウェルター級王者)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇森田奈男樹(エイワスポーツジム/第4回JFKO全日本空手道選手権軽重量級優勝)
山崎は大学で時代にJリーグのセレクションを受けたこともあるサッカーエリートだったが、格闘技の道へ転向。K-1 JAPAN GROUPには2010年10月から参戦し、佐藤嘉洋、中島弘貴、松倉信太郎らと対戦。強靭なフィジカルとパワーが持ち味。2015年7月のK-1初代スーパー・ウェルター級トーナメントでは1回戦でマラット・グレゴリアンに敗れた。2017年9月にはBigbangスーパー・ウェルター級王座を獲得。2018年9月の試合を最後にリングから離れたが、2022年3月に復帰。夜叉猿に敗れるも、10月にはアラン・ソアレスにKO勝ちして復活した。戦績は25勝(14KO)17敗4分。
森田はフルコンタクト空手出身で第4回JFKO全日本選手権軽重量級優勝など数々の実績を持つ。2021年6月のKrushでプロデビューし夜叉猿に判定勝ちすると、11月の2戦目では藤岡裕平に空手仕込みの蹴りを連発し、左ハイキックでKO勝ち。3戦目も藤村大輔を2R46秒、後ろ蹴りでKOして大きなインパクトを残した。4戦目ではイゴール・シウバから内廻し蹴りや後ろ廻し蹴りでダウンを奪って4連続KO勝ちをマークしたが、K-1初出場でジョムトーンにKO負けで初黒星。今回が再起戦となる。戦績は4勝(3KO)1敗。
1R、森田は左ハイ&右ローで攻めていき、山﨑が崩れると右ストレート。さらにロープを背負うと後ろ蹴り。山﨑は一発を狙っているのか、ローを蹴ってロープ際へ下がる。森田は強い左インローから後ろ蹴り。前に出てくる森田へ山﨑が左右連打もブロックされ、逆に左右連打をもらってコーナーへ詰まる。
2R、豪快な後ろ廻し蹴り、内廻し蹴り、カカト落としを繰り出す森田。左ボディには山﨑が右フックを合わせるが、すぐに森田が左右ボディで攻め返す。森田は右で打つフェイントから左ボディ、左ロー連打から右ロー。山﨑はフック&アッパーを繰り出すが森田のブロックは堅い。
3R、左ロングフックを当てに行く山﨑に森田はカカト落としと後ろ蹴り。森田のガードの隙間からねじ込むような右フックを打つ山﨑がヒットを奪うが、森田も左フックで逆襲。
判定3-0で森田がベテランの山﨑越えを果たした。
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▼第3試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R〇近藤拳成(TEAM3K)KO 1R 1分05秒 ※右フック×斉藤雄太(K-1ジム五反田チームキングス)
近藤は2016年4月にプロデビューし、同年のK-1甲子園2016 -65kgで優勝。篠原悠人、大和哲也らトップ選手と拳を交え、2020年7月には佐々木大蔵のKrushスーパー・ライト級王座にも挑戦した(判定負け)。前戦は2021年2月で(大野祐志郎にKO負け)今回が約2年ぶりの復帰戦となる。戦績は4勝(3KO)5敗1分。
斉藤は2014年9月からKrushに参戦し、一時は泥沼の5連敗を喫するが、2020年6月大会では元プロボクサーの大泉翔から延長Rで勝利、12月大会ではスーパー・ライト級のホープと目されていた寺島輝から初回TKO勝ちをもぎ取った。しかしその後は3連敗。今回が約1年1カ月ぶりの復帰戦となる。普段はエステサロンを経営する“戦うエステ社長”戦績は5勝(4KO)10敗。
近藤は前日計量で1.3kgオーバー。そのため減点1からのスタート、近藤10オンス・斉藤8オンスのグローブハンデ、ファイトマネー30%減額での試合となった。
1R、近藤の左フック、右ストレートでグラつく斉藤は左フックでダウンを奪われる。打ち合う斉藤へ近藤が右ストレート、右フックでダウンを追加。立ち上がった斉藤だが足元がおぼつかず、近藤の秒殺KO勝ちとなった。
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▼第2試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×齋藤祐斗(JK TRIBE)KO 3R 1分24秒 ※右フック〇髙橋直輝(若獅子会館/ACCELバンタム級初代王者)
齋藤は鋭い蹴り技を武器に10勝のうち8勝がKOという攻撃力が魅力のファイター。戦績は10勝(8KO)6敗。髙橋は昨年からスーパー・フェザー級に階級を上げ、2連勝と勢いに乗っている。戦績は15勝(4KO)7敗2分。
1R、軽快なステップを踏んで回り込む高橋に斎藤はガードを固めて詰めていく。左右フックを思い切り振り回す高橋に斎藤は左フックを返すが高橋の回転は止まらない。斎藤が左フックを打つとすぐに高橋は右フックを返す。
2R、左右フックを繰り出して前へ出る齋藤に高橋も右フックで応戦して回り込む。高橋は左右フックをフル回転させての連打で巻き込むようにしてダウンを奪う。さらにワンツーから胴廻し回転蹴り。斎藤は左ミドルでペースを取り戻そうとするが、高橋が思い切り左右フックを振り回して前へ出る。
3R、高橋の左右フックの回転力に苦しめられる斎藤は左ミドル、左フックで対抗するが、フックを一発打って無防備になったところに高橋のフックを浴びて頭が大きく揺れる。左フックからの右フックで高橋が2度目のダウンを奪い、斎藤は立ち上がるもレフェリーが様子を見てストップした。
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▼第1試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇岩﨑悠斗(ARROWS GYM/元J-NETWORKスーパー・ライト級王者、元S-BATTLE KICKライト級王者)判定3-0 ※29-28×3×三宅祐弥(Hacker GYM)
岩﨑は高校時代にK-1甲子園に出場し、プロデビュー後はJ-NETWORKスーパー・ライト級王座とS-BATTLE KICKライト級タイトルを獲得。2013年7月からKrushに参戦すると、東本央貴、佐々木大蔵、安保瑠輝也から勝利を収めた。しばらく試合から離れていたが、2022年4月にKPKB(九州プロキックボクシング)に参戦し、ダルビッシュ黒木から復活のKO勝利。同年8月のK-1ではいきなりゴンナパーに挑んだが、TKO負けを喫した。今回が再起戦。戦績は20勝(9KO)5敗2分。
三宅は6勝(3KO)1敗の好戦績をマークしている27歳。K-1 JAPAN GROUPには2021年12月のK-1から参戦し、2連勝後に昇也にKOで敗れるも、その後は2連続KO勝ちと再び勢いに乗っている。
1R、共に強い左フックを放ち、三宅はジャブ、岩﨑は前蹴り。ジャブからコンビネーションを組み立てていく三宅に、岩﨑は強い左フック。三宅は右アッパーを突き上げ、岩﨑のアゴが跳ね上がる。ブロックを固める岩﨑に飛びヒザ蹴りを放つ三宅。
2R、三宅のスナップの利いた左ハイをもらった岩﨑は左右フックで前へ出る。左ボディから左フックのダブルも。岩﨑は左ボディを狙い撃ちにし、ヒザを突き刺す。三宅は右目上をカットしてドクターチェック。再開後、左三日月でもボディを攻める岩﨑。血でふさがった三宅の右目を狙うように、ジャブを連続で突く。
3Rもジャブをどんどん突いていく岩﨑。三宅は右アッパーから左フック、そして左ボディ。闘志溢れる攻撃を繰り出す三宅だが、岩﨑の三日月、ジャブ、右インローをもらう。岩﨑のヒザ蹴りでダウンした三宅だが、これは岩﨑がつかんでのヒザだったため無効に。三宅にはインターバルが与えられ、岩﨑は減点1。
再開すると三宅は一気にラッシュ。左フックをヒットさせるもその直後に岩﨑の左フックがクリーンヒット。そして足を止めての打ち合いながらも両者頭を振って相手のパンチをかわしながら打つ。
最後まで闘志溢れる戦いを見せた三宅だったが、判定3-0で岩﨑が勝利した。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R×河北光生(K-1ジム五反田チームキングス/第33回K-1アマチュア チャレンジAクラス -65kg優勝)KO 1R 1分56秒 ※左フック〇大利賢佑(team ALL-WIN) Ori Kensuke/第35回・第46回K-1アマチュア チャレンジAクラス -70kg優勝、第41回K-1アマチュア チャレンジAクラス -65kg優勝)
1R、右フックからの右アッパー、そしてもう一度の右フックで大利がダウンを奪う。フラつきながらも立ち上がる河北だが足元がおぼつかず、大利の右フックからの左フックで前のめりにダウンし、大利のKO勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushミドル級 3分3R〇大石昌輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第7回・第8回・第9回JFKO全日本空手道選手権重量級優勝、KWF国際オープントーナメント世界カラテグランプリ2020 男子85kg未満優勝)KO 1R 0分52秒 ※右ストレート×長谷川翔平(team ALL-WIN/第28回・第31回K-1アマチュア チャレンジAクラス +75kg優勝)
プレリミナリーファイトでは、注目の新人がデビュー戦を迎える。フルコンタクト空手界で活躍した大石昌輝だ。大石は4歳で空手を始めジュニア時代から頭角を表し、中学・高校と数々の大会で優勝。2015年から2017年までJKJO全日本一般重量級では3連覇を達成。フルコンタクト空手の統一大会であるJFKO全日本選手権大会でも上位に進出している(同大会には森田も出場していた)。空手時代は内廻し蹴りを得意としており、Krushの試合でも炸裂させることが出来るか。またもフルコンタクト空手界から今後期待される選手の登場となった。対する長谷川もこれがプロデビュー戦。
1R、長谷川はいきなりドロップキックの奇襲も、大石は軽くかわす。大石は左ミドルを蹴り、蹴り足が着地するとすぐに左ハイキックでダウンを奪い、内廻し蹴りからの右ストレートでダウンを追加。フラフラの長谷川をレフェリーがストップした。鮮烈なデビューを飾った大石は嬉し涙を流した。