K-1の初期に日本人エースとして活躍した佐竹雅昭のセコンドに就く湊谷師範(左)
1993年4月30日に国立代々木競技場第一体育館にて第1回の『K-1 GRAND PRIX '93 ~10万ドル争奪格闘技世界最強トーナメント~』が初開催され、今年で生誕30周年を迎えたK-1。
30周年を記念して格闘技専門誌『ゴング格闘技』では「K-1 30th ANNIVERSARY」の特集が組まれ、“湊谷コーチ”の呼び名で知られ、正道会館から佐竹雅昭や武蔵など多数のヘビー級ファイターを輩出した湊谷秀文・正道会館総本部師範がインタビューに答えている。
「K-1が始まった時代に何かありました? 何もなかったんですよ」と本人が言う通り、前例がない『K-1』でのヘビー級日本人選手育成を手探り状態で行っていき、屈強なヘビー級外国人選手や海外トップ選手を相手に試合を成立させるまでに育て上げた。
【写真】指導者として、セコンドとして日本人選手と世界のヘビー級選手の戦いを試合として成立させてみせた
湊谷師範は当時の状況を「無茶でしょ! でも、その無茶を何とか形にしなければいけなかったので、大変でした」と振り返る。前例がないためどうすればいいかも分からず、「とりあえずボクシングやムエタイのビデオは毎日3時間観ていました」という。
そこで気付いたことを取り入れ、指導や作戦に活かした。その結果、何とか日本人選手たちを戦わせることが出来た。
「選手はセンスがあればあるほどいいですけど、そうでもない人もいっぱいいたので。センスがある選手なんて、実はめっちゃ少ない」という湊谷師範。インタビューではどんな選手を参考にし、何を取り入れたかを具体的に語り、黎明期のゼロからスタートした選手作りについて話している。
(ゴング格闘技 2023年5月号 No.325より抜粋/取材・布施鋼治)