僕は世界最高のウェルター級選手だと思う。UFCチャンピオンが戦いたいなら──(アモソフ)
試合後、アモソフは「長い間、この時を待っていた。ハードなトレーニングを行い、多くのモチベーションと責任を感じてきたので、試合を終えたいま、リラックスして、母国に良い一日をプレゼントできたと思うので幸せだ」と安堵の表情。
続けて、「ファイトウィークは、ウクライナの状況についてすごく聞かれるから、だんだんプレッシャーになっていったけれど、いざ試合になると、ケージの中でこれほど大きなサポートを受けたのは初めて。アメリカでも応援はあったけれど、今日のようなことはなかった。(ダブリンの会場で)見渡すばかりのウクライナ国旗と声援で、多くのウクライナ人、叔父や友人、多くの人に会った。大きなサポートがあり、とても良いエネルギーをもらった」と、欧州で行われた王座戦を振り返った。
また、Bellatorミドル級世界王者ジョニー・エブレンとのトレーニングについても、「エブレン? ブッ倒してやる! って嘘、嘘(笑)。彼とはとっても仲良しなんだ。本当にいい人でいいファイターで毎日、毎日、いつも一緒に練習した。すごくハードな練習を積んできた。彼はとても良いファイターで、本物のチャンピオンだ。僕らがスパーリングをすると、多くの人が見てくれるし、美しい瞬間だと思う」と、試合復帰に向けて充実の日々を過ごせたことを笑顔で語った。
ローガン・ストーリーを「とても強いファイターだということは分かっていた」というアモソフは、「今回の大一番を「試合前に『この試合は違う』と言っていたんだ。ファイトキャンプが変わってすごく調整が良くなった。とくに前回のローガンとの試合のときは準備期間が短かいなかで、かなり体重が重い状態から落としたからコンディションが良くなくて、今回そういった調整も、練習も、まったく変わったから全然違ったんだ。ATTは最高のチーム。(終始プレッシャーをかけていたが?)それもマイク・ブラウンからの指示に従っていた」と、チームの勝利であるとしている。
会見では、戦火のなかにいるウクライナの人々へのメッセージを問われ、「私の国のために、軍隊のために、ファンのために、2つのゴールドベルトを保持するために戦いました。応援、ありがとうございました。今日は、私の国にとってもとても良い日だったと思う」と語ったアモソフ。
プレリムで試合をした同朋のドミトリー・フリツェンコについても、「今回からBellatorと契約したけれど、昔はいつもウクライナのGermesジムで一緒に練習していた弟分なんだ。今回は一緒に練習できなかったけど、彼はコンプリートファイターでとてもスマートだからもっと伸びるよ。軍人で、前線で戦っているのだけれど、Bellatorと契約して、今や“軍人であり選手である”はウクライナスタイルになりつつある」と、後輩にも期待を寄せている。
ウェルター級のもうひとつの世界の頂きには、カマル・ウスマンを5R、左ハイキックでKOに下したUFC王者レオン・エドワーズ(英国)がいる(※2023年3月18日にウスマンと再戦)。
会見で「この惑星で自身が最高のウェルター級ファイターだと思うか?」と問われたアモソフは、「あなたはどう思いましたか? どうだろうか、自分ではそれは分からないけど、とにかく誰が相手であろうと、自分自身のことを考えている」と一度は語りながらも、「ではベストパフォーマンスだったか?」の問いに、「もちろん、僕は世界最高のウェルター級選手だと思う。僕はここにいる。UFCチャンピオンが戦いたいなら、Bellatorに来ればいい。スコット・コーカー(代表)が契約を結んで、試合をするだけだ」と、Bellator統一王者が、UFC王者に勝るとも劣らない自負を見せた。
試合後、「The ship will not float by itself(船はそれ自体では動くことは出来ない)」と記し、アメリカントップチームのセコンドの面々との写真をアップしたアモソフは、統一したベルトを腰に、再び母国ウクライナに戻ることを語っている。