ムエタイ
レポート

【ONE】メインはコントラニーが逆転KO勝ち、クンスクレックがスプリット判定で激闘を制す、吉成名高とラジャ王座を争ったハーキュリスに柴田真吾奮戦も惜敗、イリアス・エナッシが復活のKO勝ち

2023/02/24 23:02
ONE Friday Fights 62023年2月24日(金)タイ・ルンピニースタジアム※ABEMAでLIVE配信※ONE Championship公式YouTubeチャンネルでLIVE配信 ▼第11試合 フライ級ムエタイ 3分3R×ギンサンレック・トー.ラックソーン(タイ)KO 2R 1分02秒 ※左フック〇コントラニー・ソー.ソンマイ(タイ)  ギンサンレックはラジャダムナンを主戦場とするサウスポーで、クマンドーイ、サオエーク、タノンチャイらトップファイターには敗れているものの、ルンミニットやコントラニーなど王者クラスから勝利を奪っている。2022年のラジャダムナンワールドシリーズでは、ウズベキスタンとウガンダの選手に勝利。2022年12月にはヨーキッサダーにTKO勝ちしている。  コントラニーは2018年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年に同ライト級王座に就いているサウスポー。サオトーとサオエークにも勝利し、2021年4月にギンサンレックに敗れるも2022年3月の再戦ではTKO勝ちで制している。  1R、両者ジャブとローでけん制しながら、明らかに強打を狙っている様子。ギンサンレックは左ローを強く蹴り、連続して当たるとさらに左ローを蹴り込む。コントラニーは左ミドルで応戦。さらに左ローを蹴っていくギンサンレックは右アッパーから左フック、そして左ロー。右ボディから左右フック、最後は左ローとパンチの連打から左ローへつなげる。コーナーへ詰まったコントラニーへ左右連打を見舞って完全にこのラウンドをとった。  2Rも左ローを蹴りまくるギンサンレックは、左ローからの左ストレートからの右アッパーでダウンを奪う。仕留めようと襲い掛かるギンサンレックにコントラニーが右フックのカウンター、これでギンサンレックがダウン気味に倒れるがレフェリーはノーカウント。試合続行となり、ギンサンレックが左ストレートを打ちに行ったところで、ローを効かされてオーソドックスに構えていたコントラニーの左フックが強烈にヒット。  ギンサンレックが頭をマットに打つ壮絶なダウン。立ち上がれる様子はなく、コントラニーの逆転KO勝ち。場内は大声援に包まれ、コントラニーも大喜び。ルンピニースタジアムは騒然となった。当然ボーナスが贈られ、コントラニーは感動して涙を流した。 [nextpage] ▼第10試合 63.9kg契約ムエタイ 3分3R×ペットマニー・ソー.ジャルワン(タイ)判定0-3〇クンハーンレック・シンハ・マウイン(タイ)  1R、まずはクンハーンレックが左ミドルで先制。ワンツーも打つ。ペットマニーはじりじりと近付いていき右ロー、クンハーンレックをロープまで詰めると左右フックを見舞う。クンハーンレックは前に出てくるペットマニーにヒザ、前蹴り、ジャブ。ペットマニーはじりじりと距離を詰めていくが、クンハーンレックの首相撲に捕まってヒザをもらう。離れるとジャブ、前蹴り、ヒザでペットマニーを近付けさせないクンハーンレック。  2Rも前に出るペットマニーをジャブ、左ミドルで迎え撃ち、接近戦になると首相撲で捕まえてしまうクンハーンレック。組まれたペットマニーはヒジを打つもすぐブレイクに。クンハーンレックのワンツーからの右アッパーがヒット。ペットマニーは近付いて左を連打するが、クンハーンレックの右ストレートをもらう。ペットマニーは左ボディとヒザでボディを攻めていく。  3Rも前に出るペットマニーをジャブで突き放すクンハーンレック。下がりながら左ミドルを蹴り、組むとヒジ。ペットマニーは右ストレート、左フックで打ち合いに行くがクンハーンレックは組み付く。ジャブと首相撲でペットマニーにやりたいことをさせず、最後には左アッパーとヒザも当ててクンハーンレックが完勝した。 [nextpage] ▼第9試合 アトム級ムエタイ 3分3R〇クンスクレック・ブーンデクシアン(タイ)判定2-1×コーコー・ソー・ソンマイ(タイ)  1R、いきなり前蹴りでクンスクレックを転倒させるサウスポーのコーコー。前に出るコーコーを右ミドルで迎え撃つクンスクレック。パンチを狙うクンスクレックだが、コーコーの前蹴りと左ミドルに阻まれる。パンチの距離に入っても首相撲に。コーコーはクンスクレックの右ミドルをキャッチして右縦ヒジを見舞い“どうだ”とばかりにアピール。  2R、ミドルの蹴り合いからクンスクレックが右ストレートをヒット。コーコーも左フックの2連打を叩き込む。クンスクレックが組んでくるとコーコーが右ヒジを見舞う。前蹴りも上手く使うコーコーにクンスクレックは右ミドルで対抗。クンスクレックの左右ミドルが当たり始めるも、組み際にコーコーが左ヒジを直撃。チャンスと見たかコーコーが前に出て左ストレートとヒジを繰り出す。首相撲に持ち込むクンスクレック。  3R、クンスクレックは首相撲に活路を求めて組んでのヒザ蹴り。左ミドルにはコーコーが右ストレートを合わせてくる。左右ミドルを蹴るクンスクレックにコーコーはワンツー、前へ出てヒジ。コーコーの左ストレートが何度もクンスクレックの顔面を捉える。しかし、クンスクレックも負けじとヒジを打つ。何度キャッチされてもミドルを蹴るクンスクレックは、コーコーの蹴り足をキャッチして豪快にコカす。コーコーも蹴り足をキャッチしての右ストレート。  判定は2-1と割れ、クンスクレックが激闘を制した。クンスクレックは判定を聞くと力尽きたようにリングに大の字となり、勝利を喜んだ。 [nextpage] ▼第8試合 60.3kg契約ムエタイ 3分3R〇ペットサンコム・ヤイチェイシーフード(タイ)判定3-0×ヨードプラスク・ソー・ニンタイ(タイ) [nextpage] ▼第7試合 フライ級ムエタイ 3分3R×パデッスック・フェアテックス(タイ)KO 1R 0分16秒 ※右フック〇ジョハン・ガザリ(マレーシア/アメリカ) [nextpage] ▼第6試合 アトム級ムエタイ 3分3R×ヨットーイ・ゲオサムリット(タイ)判定0-3〇チョークディー・マクジャンディー(タイ) [nextpage] ▼第5試合 バンタム級キックボクシング 3分3R〇イリアス・エナッシ(オランダ/モロッコ)KO 2R 1分20秒×アリアスガー・ゴドラティサラスカン(イラン)  エナッシは11歳でキックボクシングを始め、ジュニアからプロへ。2014年11月に18歳で来日し、森井洋介と対戦するも1RでKO負け。2016年5月にEnfusion -60kg世界王者となり、同年11月の再来日では町田光から2度のダウンを奪って勝利し、BLADE 61kg世界王者となっている。2018年にはWFL -63kgトーナメント優勝。  2019年8月にONEへ初参戦を果たすと、ペッダム・ペッティンディー・アカデミーを3RでKOし、ONE Super Seriesキックボクシング世界フライ級王者となった。同年11月にはワン・ウェンフェン、2021年2月にはスーパーレックの挑戦を退けて3度の防衛に成功したが、2023年1月に王座を返上した。今回は約2年ぶりの試合でバンタム級に階級を上げた。  1R、左右に構えをスイッチしながら前へ出るエナッシは左ボディブローを2発連続命中。アリアスガーもコンビネーションを回転させるが、エナッシの右ボディストレート、前蹴りで前に出なくなる。エナッシはアリアスガーの右ストレートをかわしての左ボディ、組まれるとヒザ。左右に身体を傾けてボディを打つフェイントを見せるエナッシに、アリアスガーは組んでの投げを見舞ってしまい注意を受ける。  2R、思い切り左右フックをフルスイングするアリアスガー。エナッシはそれをダッキングでかわす。エナッシが飛び込むと同時に左フックを打ち、それをアリアスガーも同じ左フックで迎え撃つ。一瞬間をおいて、ダウンしたのはアリアスガー。立ち上がることは出来ず、エナッシが復活の勝利を飾った。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級キックボクシング 3分3R〇ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)KO 1R 1分17秒 ※右フック×マルワーン・フーリ(チュニジア) [nextpage] ▼第3試合 バンタム級MMA 3分3R〇ブローガン・スチュワート・ウン(オーストラリア)判定3-0×リカルド・カンティディグ・スタグ(イギリス) [nextpage] ▼第2試合 バンタム級ムエタイ 3分3R〇ハーキュリス・ウォー・チャクラウット(タイ)判定3-0×柴田真吾(=真吾YAMATO/大和ジム)  ハーキュリスは2018年に15歳でルンピニーとラジャダムナンの両スタジアム認定ミニフライ級同時王者になった強者。2018年12月に来日し、吉成名高の挑戦を受けてラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座の防衛戦を行ったが、吉成に判定で敗れて王座を失った。その後は階級を上げていき、クマンドーイなどと対戦。前戦は2022年11月にルンカオにKOで敗れている。186cmの長身。  真吾は2015年2月デビューの26歳で、183cmの長身を利した攻撃を得意とする。2021年11月にNJKF暫定王座に就いた。2022年7月には新日本キックに乗り込み、重森陽太を左ヒジでダウンさせ、出血でドクターストップに追い込んで番狂わせの勝利を奪っている。  1R、いきなり組みに行くハーキュリスを柴田は首相撲で投げる。さらにヒジを繰り出すとハーキュリスもヒジ。両者ともにヒジを多用する。ハーキュリスは右フック、左ストレートを繰り出して首相撲に持ち込み、ヒザを蹴る。柴田はワンツー、右フックとパンチを命中させていくがハーキュリスは下がらず組み付きに来る。  2R、柴田が右ローから左右フック、ハーキュリスも左ミドルを蹴り、右ストレートを返してくる。右ボディストレートを多用する柴田に対し、ハーキュリスは組んでのヒジとヒザ。柴田のパンチをもらっても構わず前へ出て組んでくる。右ストレートを当てる柴田にヒザを突き刺すハーキュリス。柴田のパンチやヒザにもどんどん前へ出てくるハーキュリスは、左ハイからワンツーの連打。柴田も負けじと右ストレート。  3R、右ボディストレートと左ボディを打つ柴田にハーキュリスはヒジ。前に出るハーキュリスが左右の連打から組み付きヒジとヒザ。柴田もヒジ、右ストレートをヒットさせるが、ハーキュリスはすぐに打ち返してくる。柴田の左ボディがめり込む。下がるハーキュリスは左ミドル、左ハイで逃げ切り体勢に。それを追う柴田は右ストレート、右アッパー。ハーキュリスはジャブと首相撲で時間を稼ぐ。  判定は3-0でハーキュリスの勝利。パンチでの猛攻を見せた柴田だったが、一歩及ばなかった。 [nextpage] ▼第1試合 53.52kg契約女子ムエタイ 3分3R〇セレステ・ハンセン(オーストラリア)TKO 3R 2分36分 ※レフェリーストップ×カラケッド・ポー.ムアンペット(タイ)  1R、カラケッドが前に出て左ミドルと右ストレートで出ていき、組むとヒザ蹴り。ハンセンも負けじとヒザを蹴り返す。右手でしっかりブロックしながらジャブを伸ばすカラケッド。右ローを蹴るとハンセンが前に出て左右フックを繰り出すが、カラケッドがヒジ、右ストレートで反撃。ワンツーと右ボディストレート、さらにヒジと畳み込むカラケッドの攻めの姿勢が目立つ。  2Rはハンセンが前に出て右フック、右ロー。カラケッドは右ストレートを顔面とボディに打って反撃もハンセンが右フックを当てていく。終盤には蹴り足をキャッチしてコカす。  3R、観客からの声援に笑顔を見せるハンセン。ワンツーの連打で前へ出ていくと、カラケッドも右ストレートの連打で反撃。カラケッドが右の連打でハンセンにロープを背負わせるが、すぐにハンセンが反撃して右フック、右ストレートを叩き込む。ハンセンの右の連打に下がるカラケッドはコーナーに詰まる。両者足を止めての殴り合いの中、ハンセンが左フックと左アッパーを連続ヒットさせ、カラケッドが棒立ちになったところでレフェリーがストップ。ハンセンのTKO勝ちとなった。
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