元RISE世界フェザー級王者・那須川天心(帝拳ジム)のボクシングプロデビュー戦が、2023年4月8日(土)東京・有明アリーナで行われることが決定。2月13日(月)都内で行われた記者会見で発表された。
那須川は対戦相手の日本バンタム級4位・与那覇勇気(真正ジム)と共に記者からの質問に答えた、全コメントは以下の通り。
なお、試合順に関して那須川の試合がメインイベントで行われるとのコメントが出席した選手からあったことに関して、アマゾンジャパン合同会社プライム・ビデオジャパンカントリーマネージャーの児玉隆志氏は「順番としてはそのような見方をされるかもしれませんが、私共は全てメインだと今回のカードは思っているくらいどれも見逃せないと思います」と答え、司会者からは試合順は最終調整中で後日正式に発表があると伝えられた。
●質疑応答
――那須川選手、大注目のプロテストがありました。一般のニュースでも大きく報道されていました。この注目のされ具合をどう感じていますか?
那須川「ニュースにも放送されましたし、全局で放送していただいて凄い嬉しいと思いました。また、6月のTHE MATCHから試合をしていなかったのでそこから那須川天心が帰って来た形を見せられたのかなと思います。ニュースで全部放送されたんですけれど、キックの時は1回も放送されなかったのでやはりそのこの悔しさだったりはありました。だけど新しい舞台、那須川天心の第二章としていいスタートを切れたことはみんなに注目されていることが分かったので、やるべきことは分かっているという感じです」
――その第二章でボクシングをやるのはどういう意味がありますか?
那須川「僕の人生は挑戦しかないので。ずっとチャンピオンでいるのは好きではないですし、そういう人生を僕はやりたくないと思ったので、だったら新しいことに挑戦して。ボクシングも昔から観ていた競技ですし。僕は格闘技が好きなので、だったらそういうところに飛び込んで注目を浴びるじゃないですけれど、自分の可能性をどこまで信じられるかってところを自分の身体を持って体現してみんなに見てもらいたい気持ちがあります」
――与那覇選手、那須川天心戦をオファーされた時の率直な気持ちは?
与那覇「もちろんめちゃくちゃ興奮しました。興奮してこれが武者震いかってくらい興奮しました。それと同時にこの試合が決まるにあたっていろいろな方が動いてくれたって感謝の気持ちもあります。那須川天心選手は格闘技でMMAでもキックでも無敗と。凄い実績をもってボクシング界に飛び込んできますけれど、一般的なイメージはボクシングは甘くないって声もちらほらあると思うんですけれど、自分はそんなこと思ってなくて。ボクシングが甘くないというより、俺は甘くないよってそういう気持ちです。自分のパンチって、空振っただけでも会場がどよめくくらいの、もちろん当たったら一撃で試合が決まるし、それくらい危険な拳なので。その自分の拳に挑戦してきてくれるっていう。その挑戦という姿勢に敬意を示して全力で殴り倒しに行こうと思います」
――与那覇選手のボクシングにはどういう印象が?
那須川「非常にアグレッシブですし、倒すという。あとはお客さんを沸かせる気持ちがある選手だと思っております」
――那須川選手はキックの世界で全てを証明してきて、今挑もうとしているボクシングの世界ではどういうことを成し遂げていきたいか、どういうことに挑戦していきたいか。
那須川「僕の中で無敗とかは別に関係なくて、勝ち負けは格闘技の中には付きものなので。それ以上に自分をどこまで表現できるか。あとは周りの見てもらっているお客さんにどれだけ伝わせられるかが大切だと思うので、そういう姿を見せたいと思いますし、ボクシングでも今回デビュー戦ですが、みんなが見て納得する形はベルトだと思うのでまずはそこを目指して絶対にチャンピオンベルトは巻きたいと思っています」
――与那覇選手はこの試合どこがポイントになると見ている?
与那覇「那須川選手の動きはキック時代から見ていて凄いスピードだしとんでもない動きをする選手というのは十分分かっているので。でも、自分もボクサーの中では特殊な動きで、野性的な動きなのでどこから飛んで来るか分からないと思うので、当たれば一発で終わるっていうボクシングをするので。客観的に見ても凄く面白い試合になると思うので、とにかくいろいろな魅力の詰まった試合になると思いますね」
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――那須川選手、今回階級がスーパーバンタム級を選んだ理由と、同じ階級に井上尚弥選手がいることについてどう思うか?
那須川「階級的にはキックでこの階級でやっていたので、まずはそこで対戦してそこから自分の適性を見つけていきたいと思います。井上選手に関しては僕はまだ新人なのでこれからじゃないかなと思っています」
――デビュー戦でいきなり強豪選手と当たることで、ボクシング界からの果たし状と受け取った?
那須川「それもありますし、僕の本気度が伝わればいいなというのが一番にありますね」
――与那覇選手が印象に残っている那須川選手の試合は?
与那覇「一番はTHE MATCHの試合ですね。凄い綺麗なカウンターでダウンをとったのが印象に残りました。ボクシング的に見てもあれは芸術だなと思いました」
――寺地選手、ご自身のタイトルマッチがある中で那須川選手のデビュー戦という世間的に注目の集まる試合が同じ大会で組まれたことをどう思う?
寺地「僕的にも嬉しいですし、注目度のある大会なのでそういうところに僕が出るのは嬉しいですし、僕もしっかり勝って皆さんにいい試合を見てもらえればと思います」
――那須川選手のキックボクシングの試合で印象に残る試合は?
寺地「僕もTHE MATCHのやつは見たので。凄く技術もあるしスピードもあるし、上手い選手だなと思います」
――那須川選手、ボクシングの会見はキックボクシングの会見とは違う想いはありますか?那須川「想いは変わることはないですが、より格闘技というものに対しての想いは強くなっていますね。格闘技というものが世の中に知れ渡っていて、いい意味でも悪い意味でも格闘技がどう思われているかと言ったらいいイメージも悪いイメージもある。格闘技は素晴らしいものだし、自分がその象徴になっていきたいと常々思っているので、そういった試合をしていきたいと思います。いろいろな人が来てくれて注目されているのは分かるし、またキックとは違った雰囲気と言うか、目が肥えた方と言うか、本物じゃないですけれどそういうのを見に来ている人たちが多いんじゃないかなと思います」
――楽しみが大きい?
那須川「格闘技は5歳からやっていますが、またデビューした気持ちを思い出す。本当にワクワクしてやってやる、かますそって気持ちしかないので。この年になってまたこの気持ちになれるのは嬉しいですし、こんな何回も挑戦することを見てもらえる人ってなかなかいないと思うので、その立場にいることに感謝しかないですし、やるべきことは分かっている。そういう感じです」
――那須川選手、世界タイトルマッチや挑戦者決定戦などいいカードを差し置いてオオトリでいきなりデビュー戦が組まれた。デビュー戦からハードルが高い、アンチを刺激するような興行の組まれ方になると思うがプレッシャーはどう感じている?
那須川「まず試合順に関してはまだ決まってないと思うので、そこはみんな勘違いしてもらわないようにしたいです。アンチの方とかもいい意味でも悪い意味でも注目されていると思うし、いろいろな声はありますけれど、そういうことを気にしていたら生きていけないですし、起きている事がリアルだと思うので。今世の中的にもそうですけれど、ネットで言われたからとか陰で言われたからとかで、そういうのでネガティブになったりとかが多いと思うんですけれど、僕はある事がリアルだと思うので、それでしかないと思う。それ以上もそれ以下もないので、任された以上はやるしかない。それが良くも悪くも僕の人生なので。その人生を見てみんながそういうマインドを持っていただければいいと思います。口で言うのは簡単ですし、やって世間を納得させて、説得力を自分の身体で出すことをしていると思うので、それに注目してもらえたら嬉しいです」※試合順に関しては現在最終調整中。後日、公式発表となる。
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――那須川選手、キック界からどうボクシングを見ていたか。
那須川「キックから見ていたボクシングは昔からの伝統があって、そこに忠実にというか。4団体ありますけれどコミッションがちゃんとあってひとつですし、ちゃんと決まりがあって凄く厳しいのかなってイメージもありました。まだ試合をしてないですけれど、ボクシング界はキック界から見ていたら凄くいいな、イケてるなって。やっぱり自分の想い、自分のバイブスだったりマインドもいい方向に向いていますし。とにかく楽しいですね。毎日楽しいですし、毎日最高。ストレスもないし、本気で好きなことをやれているのでいいなと思いますし、そういう風に思わせてくれるボクシング界を僕は好きになった」
――イケてるなっていうのは具体的には?
那須川「感覚なんですよね。いい風が吹いている気もしますし、キック界にいる時はあまり見てなかったんですよ。で、いろいろな選手を見たりとか、世界の試合を見たりとかしていくにあたって、世間には届いてないけれどそういう想いがあったりとか、俺まだ全然できるぜって選手がたくさんいるのが。今日の会見でも思いましたし、元々メジャーですけれどこれからさらにレベルは上がっていくんだろうなって感じましたね」
――以前からボクシングのトレーニングをしていると思うがキックと違う部分は?
那須川「一番最初に思ったのは距離感とラウンド数だと思いましたね。僕はキックの距離に慣れていたのでそこを調整する練習、今もまだ模索中というか完璧なんてないので、4月の試合で完璧を見せられるかって言うとそうではないので、毎日最高を目指してやっています。ラウンド数は身体の使い方とか、短距離が長距離になる、簡単に言うとそういうところがあるので。本当に全く違うスポーツ、よく蹴りがなくなっただけじゃんって言われますがそんなことはないよっていう。奥が深いなって思います」
――何年で世界の頂点に立つつもりか?
那須川「それがあまり考えてなくて。どうしたらいいですかね、逆に。自分次第なのかなと思いますし、もちろんみんな最短で…とかすぐに世界王者と思っている方も多いと思うんですけれど、僕はそこはあまり考えてないですね。ちゃんと時間をおいてじゃないですけれど、やっぱり納得できるものを出せないと。自分もチームもそうだと思うので。自分の中でいけると思ったタイミングで挑戦するのかなと思いますし、最短でとかすぐに世界というのは意識してないです。もちろんしたいというのはありますけれど、ちゃんと整えてからじゃないと難しいと思っています。でも希望はあるかなと思っています」