大島「女子アトム級のベルトを作っていただけたら」
イェリンの粘りに苦しめられた二冠王者だが、最後は判定に持ち込ませず。DEEPとしては幸先のいい一本勝ち。佐伯繁DEEP代表は笑顔で拍手も、ブラック代表は険しい表情で微動だにせず。
座り込んだままの大島にリングアナウンサーも片ヒザを着いて寄り添いインタビューを行った。
大島は、「極められると思いましたが取れませんでした。会見のときから韓国の方々が日本の選手にも優しくて、SNSでも敵が私ですが、『ホン選手と一緒に2人で頑張ってください』とメッセージが来ていたので、ほんとうに暖かくて韓国が好きになりました。私はチャンピオンですけど、格闘技(MMA)を始めてまだ3年半。ホン選手と同じくらいまだ経験が浅いので、日本でも韓国でもたくさん試合をしたいです。急に決まったので年末年始もこの試合のために家族で1人で残って練習をしてきたので子供たちとの時間がほとんど取れませんでした。1週間後に旦那が柔道を現役でやっているので、今回は呼べませんでしたが、次こそは子供たちを呼んできたいと思います」と語った。
続けて、ブラック代表に「対抗戦に呼んで読いただきありがとうございます。ひとつお願いがあります。この47.6kgは、世界的にも少ないので、女子アトム級のベルトを作っていただけたら私も参加して、ホン選手にも入ってもらって試合をしたいので、ぜひお願いします」とアトム級のベルトの新設をリクエスト。
ブラック代表は笑顔で「女子アトム級を新設するために代表選考会をしたわけで、そして今、私たちはゴースト選手の素晴らしい上達を見ました。ご存知の通り、韓国には本当に強力な女性選手がたくさんいます。アトム級でまた本物のチャンピオンを選んで、今後、リトルジャイアント選手のところに行くからまた待っててくださいね」と答えた。
大島はイェリンを向き直り、「ありがとうございます。私は結婚して5年前、MMAをしていることは想像できなくて、この世界にいることは信じられなかったですが、この3年はそれまでの倍くらいの経験をしてきました。自分次第でこの先を変えることができるので、今回の試合もこれからに活かして、準備ができたときにリヴェンジをしたいと望まれたら、私は対戦を受けるので、それまで頑張りましょう」と語り、イェリンとハグをかわし、ケージを降りた。
最後にインタビューを受けたイェリンは、「この試合が最後だと思っていました。ごめんなさい」と涙ぐみながら引退を示唆。
試合後、バックステージでイェリンの引退を聞いた大島は、涙をこらえながら、「私が引退試合でよかった、と思えるくらい……これからももっと強くなって有名になるので……どうかいい人生を送ってください」と言葉を贈っている。