ONE FRIDAY FIGHTS 32023年2月3日(金)タイ・ルンピニースタジアム※ABEMAでLIVE配信
▼第11試合 フライ級ムエタイ 3分3R×チョーファー・トー・センティアンノーイ(タイ)[判定0-3]〇ペットスクンビット・ボイ・バンナー(タイ)
チョーファーは2018年8月にラジャダムナンスタジアムでロッタン・ジットムアンノンと対戦し、判定で敗れるもこの試合は2018年同スタジアムのファイト・オブ・ザ・イヤーに輝いた。さらに2022年8月のラジャダムナンスタジアムで行ったペッダム・ペッティンディーアカデミーと引き分けた試合も2022年の同賞を受賞。現在29歳とムエタイ選手としては高齢だが、2021年にはナイカノムトム(ムエタイの父ナイカノムトムを称えるベルトで特別賞の一部)ライト級王者になっている。ONEには2022年12月に初参戦したが、タギール・カリロフに初回TKO負けを喫した。
ペットスクンビットはなんと現役のラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者。2022年3月に王座を奪取した。現役ラジャ王者としてONE参戦を果たすペットスクンビットは「私の夢は135ポンド級でナンバーワンになることです。ロッタンの足跡をたどりたい。彼は私のアイドルです。彼のファイティングスピリットと、ONEチャンピオンシップで成功して世界中に知られるようになるという決意が好きです。私は本当に彼のようになりたいです」と、ロッタンのように活躍したいとコメントしている。
1R、左ミドルの蹴り合いから、ペットスクンビットがチョーファーの左ミドルに合わせた左フックでダウンを奪う。しかも左ミドルをスネでブロックしながらの一撃だ。右ストレートから左右フック、そしてアッパーまで繰り出すペットスクンビットがチョーファーにロープを背負わせる。チョーファーがヒジを打つと負けじとペットスクンビットもヒジ。
2R、左ミドルを蹴るチョーファーにどんどん距離を詰めていくペットスクンビット。ヒジの応酬から、ペットスクンビットは右フックと左アッパー。首相撲でのヒザ蹴り合戦も交え、両者は至近距離で打ち合う。チョーファーも負けじとヒジを打ち、ペットスクンビットはワンツー。ペットスクンビットは右フックから右ヒジ、さらに左フック、右アッパー。首相撲になっても両者ヒザを蹴り合って動きが止まらない。ペットスクンビットが右ヒジを叩きつける。
3R、両者はいきなり首相撲で組み合うとヒジの交換。離れるとペットスクンビットがパンチをヒットさせていく。再び組み合うとヒジを連打するのはペットスクンビット。そして離れると左右フック。チョーファーも打ち返すがペットスクンビットはすぐにヒジで反撃。ペットスクンビットのパンチ、ヒジには力強さがある。チョーファーが左アッパーを繰り出すとヒジを叩きつけるペットスクンビット。左フックをヒットさせるチョーファーにペットスクンビットは右ヒジ。ここへ来てチョーファーが前へ出てパンチを当て始めるが時すでに遅し。
最後はチョーファーの反撃にあったペットスクンビットだが、1Rにダウンを奪ったこともあり判定勝ち。ラジャ現役王者の実力を見せた。
[nextpage]
▼第10試合 バンタム級キックボクシング 3分3R×パットサンレック・PK・センチャイ(タイ)[KO 1R 1分41秒]※後ろ蹴り〇エルブルース・アミルハノビッチ(ロシア)
この試合は両者ボクシンググローブを着用。
1R、前に出るのはパットサンレック。右の蹴りを上下に散らしていく。迎え撃つアミルハノビッチは左ボディ、左アッパーからの右ストレート、さらにヒザ。徹底的にボディを攻めていくアミルハノビッチ。
首相撲のブレイク直後、アミルハノビッチが意表を突く後ろ蹴り。これがズバリと決まって、パットサンレックは悶絶してダウン。即座にアミルハノビッチのKO勝ちが決まった。
自らを“サムライ”と名乗るアミルハノビッチは抜いた刀を鞘に収めるパフォーマンス。主催者から1万ドルのボーナスが贈られた。
[nextpage]
▼第9試合 ストロー級ムエタイ 3分3R〇ゴンナチャイ・チャナイドンムラン(タイ)[KO 1R 1分15秒]※左ボディブロー×クリットペット・PK・センチャイ(タイ)
ゴンナチャイは2020年1月にラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座に就き、同年9月にはタナコンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年9月にはジットムアンノンスタジアム認定フェザー級王座を獲得。2022年10月にはラジャダムナンスタジアムでカイト・ウォーワンチャイこと福田海斗からも勝利を収めている。
1R、サウスポーのゴンナチャイはいきなり強い左ミドル、クリットペットも右インローや右ミドルを返していく。スピードのあるワンツー・スリーから左ミドルを蹴るゴンナチャイ。左ミドルを蹴られまくるクリットペットはボディで応戦する。
左ミドルで前へ出るゴンナチャイは左ミドルが明らかにレバーに効いて下がったクリットペットをロープに詰めてとどめの左ボディ。クリットペットは腹をおさえてマットに沈んだ。ゴンナチャイには1万ドルのボーナスが贈られ、ゴンナチャイは満面の笑顔を浮かべた。
[nextpage]
▼第8試合 バンタム級ムエタイ 3分3R×パンリット・ルージョメイサイワーリ(タイ)[KO 2R 1分03秒]※右フック〇エリアス・ムサエフ(ロシア)
1R、パンリットはガードを固めながら右カーフを狙い撃ち。サウスポーのムサエフはパンリットのローとミドルをしっかりスネでブロックし、左ミドルを蹴り返す。パンリットは右フックから左ボディ。パンリットの右ミドルにはムサエフがワンツーを返す。ムサエフも強烈な左ボディ、左ヒジからワンツー。パンリットも右ボディストレートを打ち、両者ともボディで削っていく。首相撲になるとパワーで強引に振り回すのはムサエフ。
2Rが始まってすぐにムサエフの右クロスでパンリットがダウン。ムサエフは左ローから前へ出ていくとパンリットも強気に打ち返してヒジを放つ。ムサエフが左ストレートからの右フックを返すと、これがパンリットの右フックにカウンターとなってクリーンヒット。ダウンしたパンリットは誰が見ても立ち上がれないダメージで、レフェリーも即座にストップした。
ムサエフが豪快KOで勝ち名乗りを受けた。
[nextpage]
▼第7試合 アトム級ムエタイ 3分3R×ザ・スター・シッチョー(タイ)[KO 2R 1分12秒]※左ボディブロー〇ユー・ヨウ・プイ(香港)
スターは2022年6月、NJKFに来日経験があり、ルイとS1レディース世界スーパーフライ級王座決定戦を争い、判定勝ちでWPMF世界アトム級王座に続くタイトルを手にした。
1R開始と同時に打ち合う両者。プイは左右連打で押していくとスターは組み付いてのヒザ。ブレイクになるとワンツーと左ミドルで前に出ていくプイ。スターは右ミドルを蹴るがパワーのあるプイが左右の連打を当ててどんどん前へ出る。スイッチもするプイはパワフルな左右のフックをボディにも叩きつけ、スターは首相撲からのヒザで応戦するがパンチをもらって下がり続ける。スターはヒジも打つがプイの連打は止まらない。スーパーマンパンチも放つプイ。パンチで圧倒した。
2Rも攻撃の手を休めず前へ出て左右フックを繰り出すプイにスターも打ち合うが、回転力で優るプイが圧倒。左ボディを3発連続で叩き込み、スターはダウン。そのまま立ち上がることが出来ず、プイのKO勝ちとなった。プイには1万ドルのボーナスが贈られた。
[nextpage]
▼第6試合 ライト級ムエタイ 3分3R〇ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)[判定3-0]×ムスタファ・アル・タクレティ(イラク)
ルンラーウィーは150勝以上の戦績を持つベテラン。
1R、サウスポーのルンラーウィーは最初からアグレッシブに攻めていく。左ミドル、左フック、そしてヒジ。タクレティもスピニングエルボーを繰り出し、ルンラーウィーのパンチをかわして左フックを当てる。ルンラーウィーの強烈な左ミドルにタクレティは右ストレートをリターン。体格で上回るタクレティは組んでのヒザを突き上げる。
2R、開始と同時に前へ出るルンラーウィーに組み付いたタクレティはなんとルンラーウィーを首相撲で鮮やかにコカす。それでも前へ出て左の蹴りと左ストレートで攻めるルンラーウィー。強烈な左ボディストレートも。組み付くタクレティにはヒジを狙うが身長差があって届かない。タクレティが上から振り下ろす右ヒジ。ルンラーウィーは左ストレートを顔面に叩き込むと、すかさずボディへの左ストレートを突き刺す。タクレティはミドルから組み付き、ヒザに持ち込む。ルンラーウィーはそのミドルをキャッチしての左フック。互いの攻撃が激しく交錯する。
3R始まってすぐ、ルンラーウィーの左ストレートが炸裂しダウンを奪う。タクレティは組み付いていくが、ルンラーウィーのヒザ、ヒジをもらう。消耗したか戦い方が荒くなったタクレティへルンラーウィーは左ミドル、左ヒジ、首相撲からのヒザと完全にペースを握る。ルンラーウィーの左ミドルに大きくバランスを崩すタクレティはガムシャラにパンチを繰り出すが、ルンラーウィーはよく見て左ロー。タクレティはスピニングエルボーから組み付いてのヒザに行くが、ルンラーウィーもヒザを蹴り返す。
判定は3-0でダウンを奪ったルンラーウィーが激闘を制した。
[nextpage]
▼第5試合 フェザー級MMA 5分3R〇シャノン・ウィラチャイ(タイ)[TKO 1R 4分33秒]×ポリヤ・ゴルプール(イラン)
シャノンは2018年7月に青木真也と対戦した選手(1Rで青木がTKO勝ち)で、今回が2020年8月のファビオ・ピンカ以来約2年半ぶりの試合となる。
1R、サウスポーのシャノンが左ミドルを蹴るとゴルプールがシングルからダブルレッグもシャノンはロープを背に防御。ならばとゴルプールはボディロックから投げてテイクダウンを奪う。シャノンは両足でゴルプールを浮かして立ち上がるも、ゴルプールはしつこくダブルレッグ。シャノンは何度もロープをつかんでしまい、イエローカードが提示される。再開後、ゴルプールは組みに行くと同時に右フックをヒット。シャノンはコーナーを背に耐えるもゴルプールはヒザ。ゴルプールが投げようとしたところ、上になったのはシャノン。ここからシャノンがワンツー、左ミドル、ヒザと打撃で一気に攻め、右フックでダウンを奪う。すかさずヒジ&パウンド連打のシャノン。レフェリー島田裕二がストップに入り、シャノンのTKO勝ちとなった。シャノンには1万ドルのボーナスが送られた。
[nextpage]
▼第4試合 フェザー級ムエタイ 3分3R〇アレックス・ブブリア(ルーマニア)[判定3-0]×アラン・ヤウニ(アルゼンチン) ブブリアはタフでアグレッシブなファイトスタイルを持ち、ルンピニーでも試合をしている。対するヤウニは“アルゼンチンの天才”と呼ばれていると言い、タイのワールドクラスとの対戦経験も豊富だという。
両者ワイクルーを行ってから試合開始。1R、ヤウニが左ミドルと右ローで先制。ブブリアはワンツーから右ローを蹴る。ヤウニはスイッチし、フェイントも多用。右ローを狙っていくのはブブリア。左フックからの右ローで攻めるブブリアにヤウニは右ヒジを繰り出す。
2R、前に出るブブリアはヤウニの蹴りをキャッチすると左右フック。そして右ミドル。じりじりとヤウニをロープ際へ追い詰めていくブブリア。ヤウニは右ヒジと右ローを返すが、ブブリアの圧に下がる展開。ヤウニは二段蹴りを放ち、ボディへ右ストレート。ブブリアは右ローを狙い撃ち。
3R、ブブリアが左ミドルとワンツーで前へ出る。ヤウニもミドルやスピニングエルボーを繰り出すが、体格で優るブブリアを捉えることが出来ない。パンチのコンビネーションからのロー&ミドルでブブリアが優勢に試合を進め、判定3-0で勝利した。
[nextpage]
▼第3試合 ライト級MMA 5分3R×エリオット・コンプトン(オーストラリア)[肩固め 1R 2分28秒]※肩固め〇アリソン・バーボサ(ブラジル)
1R、ジャブを突くバーボサにコンプトンは右カーフ。コンプトンはジャブから右縦ヒジ、そして右カーフというコンビネーションを見せる。圧をかけていくバーボサがダブルレッグでテイクダウン成功。肩固めを仕掛けていくと、コンプトンは苦しそうにもがく。バーボサがマウントからサイドへ移行しようとしたところでレフェリーがストップした。
鮮やかな一本勝ちを収めたバーボサには1万ドルのボーナスが与えられた。
[nextpage]
▼第2試合 ストロー級ムエタイ 3分3R×バーバラ・アギア(ブラジル)[判定0-3]〇ドックマイパー・フェアテックス(タイ)
アギアはWBCムエタイ女子世界バンタム級王者。迎え撃つドックマイパーはフェアテックストレーニング センターで、スタンプ・フェアテックスと一緒にトレーニングを行っている。
1R、ドックマイパーはサウスポーから左ミドルを多用し、左ストレートにつなぐ。アギアは前蹴りからじりじりと近付くもドックマイパーのジャブ、左ミドルになかなか距離を詰められない。アギアのパンチにも左ミドルを合わせるドックマイパー。ワンツーの左ストレートでアギアがもんどりうってダウン。立ち上がったアギアに左ミドルと左ストレートで畳みかけるドックマイパー。アギアは首相撲からのヒザに持ち込む。
2Rもドックマイパーの左ストレートがヒットする。アギアは前蹴りでペースを取り戻そうとするも左ミドル、左ロー、左ミドルハイ、そして左ヒジで主導権を握られる。首相撲からのヒザで勝負をかけるアギアだが、ブレイクになって離れるとやはり左ストレートをもらってしまう。
3Rも左の攻撃で主導権を握るのはドックマイパー。アギアのミドルは空を切り、パンチも届かない。アギアは首をがっちりとロックしてのヒザ蹴り連打で勝負をかけるが、ドックマイパーも蹴り返す。
判定はダウンを奪ったドックマイパーが3-0で勝利。ドックマイパーはガッツポーズで歓声に応えた。
[nextpage]
▼第1試合 バンタム級MMA 5分3R×ドミトリー・バブキン(ロシア)[判定0-3]〇イヴァン・パルシコフ(ロシア)
ロシア人同士、24歳同士の対戦。レフェリーは島田裕二が務める。1R、両者接近してパンチを交錯させ、バブキンが左フックで先制。パルシコフはテイクダウンに行くがバブキンがロープを背負って防いでブレイクに。再びシングルからダブルレッグに行くパルシコフだが、やはりバブキンがコーナーを背にして耐え、ヒジを打つ。バックを取りに行ったバブキンにパルシコフはアームロックを仕掛けるがバブキンが上になり、パルシコフが蹴って立ち上がる。
2R、パルシコフは左ボディフックから右フック、バブキンは脇を締めたコンパクトな構えでキレのあるパンチを繰り出していき、パルシコフはテイクダウンに行くもバブキンはヒザ蹴りを入れて脱出。バブキンはシングルでパルシコフを倒すもすぐに離れる。今度はパルシコフがダブルレッグからヒザを蹴って離れる。パンチの打ち合いとなり、ヒットを奪うのはバブキン。パルシコフは左ボディを打ってテイクダウンに行き、バブキンが耐えるとヒザを突き刺して離れる。そして再びの打ち合いからまたもパルシコフがダブルレッグ。しかしバブキンはテイクダウンを許さず、逆にボディロックからテイクダウンするが自ら立ち上がる。パンチの打ち合いもヒザを突き刺すのはパルシコフ。
インターバルの間、カメラはなぜか島田レフェリーを追う。3R、ワンツーと左フックの打ち合いからパルシコフがヒザを突き刺す。パルシコフの左フックがヒットし、バブキンもワンツーを返すが力が感じられない。組みに来たパルシコフをバブキンが投げるが、パルシコフがすぐに上になる。バブキンは立ち上がろうとするが、パルシコフは逃さずリング中央へ向けてテイクダウン。サイドから顔面へヒジを落とし、ボディにはヒザ。残り20秒、マウントをとりにいったパルシコフをバブキンがリバーサルして上になり、パウンドを打ち込んで試合終了。
両者が攻めに攻めた5分3R、判定は3-0でパルシコフの勝利となった。