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【UFC】元世界王者フランク・ミアの娘ベラ・ミアが、UFC史上初の契約を締結、学生アスリートを起用する「NIL権」とは?

2023/01/28 16:01
 2023年1月28日、UFCは元UFC世界ヘビー級王者フランク・ミアの実娘で、米国アイオワ大学女子レスリングチームに所属する20歳のベラ・ミア(イサベラ・ミア)と、UFC初の「NILアンバサダー」として契約したことを発表した。  ダナ・ホワイトUFC代表は、公式リリースで「ベラは生涯を通じてUFCファミリーの一員となることを運命づけられていた。彼女は州の高校でレスリングのチャンピオンに4回なり、柔術のトーナメントで優勝し、19歳になる前にプロのMMAで3戦しています。ベラは、スポーツに打ち込むだけでなく、自分の夢を追い求める若い女性にとって、信じられないようなロールモデルとなる。彼女は別次元の存在で、次に何をするのか楽しみでなりません」とのコメントを発表している。  父フランク・ミアは、ティム・シルビアを腕十字で極めた2004年と、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラをTKOした2008年の2度、UFC世界ヘビー級王座を獲得。またブロック・レスナーと2度戦ったことでも名を馳せた。  その娘“レディ”ベラは、ネバダ州の高校でレスリングの4連覇を達成した後、ホーキーズ女子レスリングチーム入り。高校時代には、144ポンドで全米6位、2021年USAレスリング・ジュニア・フォークスタイル・ナショナル・チャンピオンにも輝いている。また、柔術でも2022年アメリカン・ナショナル柔術と2021年インターナショナル柔術コン選手権で優勝している。  また、2020年10月にプロMMAデビューも果たしており、「iKon Fighting Federation2」で2勝すると、2022年6月の前戦「Xtreme Fight Night 381」では、プロデビュー戦のジェシカ・リンクに腕十字で一本勝ち、MMA3連勝を飾っている。  ベラは、UFC初のNILアンバサダーとなったことについて、SNSに「このような機会に恵まれたことに、これ以上ないほど感謝しています。私の旅路を支えてくれた母、父、兄弟、そしてすべての家族に感謝します。アイオワのコーチや故郷のコーチが今の私を形作ってくれたので、本当に感謝しています。アンクル・ダナ、あなたが与えてくれるすべてに感謝します。そして、アイオワ大学でUFC初のアスリートNILアンバサダーになれたことをとても誇りに思います! ゴー・ホークス(※アイオワ州の鳥である鷹が大学のモチーフ)」と記し、UFC公式には、「UFCを代表して、その魅力を世界に伝えるためにベストを尽くすつもりです」と意気込みも語っている。 [nextpage] 従来型インフルエンサーより波及効果があるか  アイオワ大1年生のベラ・ミアは、今回の契約により、ソーシャルメディア活動、公の場への出演をベースに収入を得る機会を持ったことになる。  この「NIL(names, images and likenesses)」によって、米国の学生アスリートが自分の名前、画像、肖像から利益を得ることが認められたのは最近のこと。  これまで個別の選手が企業とスポンサー契約を交わしたり、商品の広告塔となって報酬を得ることについては、原則として禁止されてきたが、NCAA(全米大学体育協会)は、学生アスリートが自分の名前、画像、肖像などから利益を得ることを認める規約変更を、2021年6月に発表。そのポリシーを2022年7月に更新し、NCAAデヴィジョン1~3のすべての学生アスリートがNILに対して補償を受けることができるようになっていた。  大学側が企業とブランド契約を結んでいる場合、競合する商品やブランドと、アスリートがNIL契約を締結することが禁止されるケースもあるが、今回のUFCとベラの契約は抵触せず、アイオワ大初、UFCのNILアンバサダーとなった。  このNIL権は、学生スポーツチームの監督やコーチだけが高収入を得るのではなく、主役の選手たち自身が活動資金などを得られるように認められたもので、インフルエンサーとしてフォロアーを増やして広告収入を得たり、企業案件のスポーツ用品などを紹介して収入を得ることも可能だ。  10代や20代に商品やサービスを展開したい企業にとっては、優秀で影響力のある学生アスリートを他社よりも早く発掘して、ブランドのイメージキャラクターやアンバサダーとして起用することは、従来型のインフルエンサーを起用するよりも効果的なマーケティング手段になっている。  そんななかでのUFCのベラ・ミアとのNILアンバサダー契約の締結は、UFCが若年層へのインフルエンサーとして、そしてファイターとして、ベラを青田買いしたということになる。果たして、ベラは今後、どのようにUFCを広めていくか。そのMMAの活動とともに、注目だ。
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