2023年3月12日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K’FESTA.6~』の対戦カード発表会見の第2弾が、1月27日(金)都内にて行われた。
クルーザー級3分3R延長1Rで、谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs.ステファン・ラテスク(ルーマニア)が決定。
谷川は第1回&第3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝の実績を持ち、極真会館にも挑戦して2016年第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級4位、2016年第48回全日本空手道選手権大会7位入賞の成績を収めた。2017年5月にキックボクシングでプロデビューし、2020年3月よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利。戦績は10勝(4KO)6敗1分。
ラテスクはジュニア時代にISKA世界クルーザー級王座に就き、プロではまだ無冠だが12勝(6KO)2敗の戦績を誇る。2022年12月に初来日を果たすと、マハムード・サッタリを強烈な左フックでKOして初黒星を付け、大きなインパクトを残した。その端正なルックスと将来性を感じさせる戦いぶりから、現地では“GOLDEN BOY”と呼ばれているという。身長187cmでオーソドックス。20歳。
ファン待望の再来日を果たすラテスクからは「初めてのK-1でKO勝ちすることができて、最高の気分だった。谷川選手は空手の蹴り技が得意な選手だが、逆に自分がハイキックで谷川選手をKOしようと思う。日本のファンが興奮するようなKOを見せて、いつか必ずK-1のベルトを腰に巻きたい」とのメッセージが寄せられた。
迎え撃つ谷川は「昨年8月にK-Jee選手を倒して、自分が日本重量級の新しいエースという覚悟を持って7カ月間生活して、格闘技に、K-1にすべて身を置くつもりでやってきました。身体、心もそうですし、日本を代表して世界の強豪を倒していって、世界に谷川聖哉とK-1の名を売っていきたいので、応援よろしくお願いします」との意気込み。
谷川は「サッタリ選手と試合をした時、自分はオランダにいたので直接見たわけではないですが、かなり身体が大きいと思いました。この階級はテクニック、スピードもそうですが、パワー一辺倒でも全てがひっくり返ってしまいます。ただパワーはかなりあると思いますが、スタミナの面ではちょっと穴があったり、いろいろ穴は見つかってきているので、激しい打ち合いというよりは、自分の攻撃だけを当てて、相手の攻撃はかわす。そういう新しいスタイルを完成させているので、見ていただけたらと思います」と、ラテスクの“穴”を見つけたと攻略に自信あり。
ラテスクのハイキックKOの予告には「僕は蹴りでは、絶対に負けない自信はあります。もちろんKOを狙っていますが、何より僕が海外の選手と戦って、勝っていける姿を見せることが大事。もちろんK-1は倒しに行く競技なので倒しに行くのは絶対ですが、ちょっと泥臭くてもいいので、倒したいと思っています。勝手に日本vs.ルーマニアの戦いになると思うので、ぜひ応援していただければと思っています」と蹴りで負けることはないとした。
とはいえ、谷川が3連敗しているサッタリにKO勝ちしているラテスクということで、戦前の予想は明らかに不利。そのことについては「日本の重量級がスパーリングのパートナーに困る部分はどのスポーツにおいてもあること。オランダで1カ月間、Mike's Gym で修行させてもらいましたが、そこで感じたのは、向こうだといろんなスパーリングパートナーがいて、いろんなパターンが(練習)できる。意見交換できることがちょっと違うのかな。重量級の圧力慣れが足りなかった部分、自分も気持ち的にも甘えがあったというか、そういうのをすべて排除して、K-1にかける覚悟でやらないとダメなんだなと。去年は2試合しかしていないけど、そう思いました。
KRESTの先輩方を見ても思いましたし、本当に(すべてを)かけていかないと、これから先にもっとラテスク選手より強い選手もたくさんいると思いますし、そういう選手とやるときに『谷川聖哉に任せた!』と思ってもらわないといけない……で、質問なんでしたっけ(笑)?。格闘技に三段論法はなくて、この選手に勝ったから、この選手に勝てるというのはないと思いますし、そこをひっくり返すから格闘技は面白い。特に重量級は一発でひっくり返せると思います。ほとんどの人が谷川聖哉が負けると思っていると思うけど、僕を信じて、ミットを持ってくださる(渡辺)雅和さんや、KRESTの仲間やスポンサー様やファンの皆さんがいるので、僕はいずれ日本を背負っていきたい。その覚悟を見てもらえたらなと思っています」と、以前の自分とは違うとし、格闘技に三段論法は通じないとする。
そして今年の目標には「ベルトはもちろん、K-1を世に広めていくという意味も込めて、SNSとかメディアにも露出をしていきたいですし、重量級の底上げをしていけたらと思っています」ということをあげた。
今大会では同じクルーザー級の新鋭対決も決定。クルーザー級3分3R延長1RでAKIRA Jr(フィリピン/若獅子会館総本部)と星龍之介(POWER OF DREAM)が対戦する。
AKIRA Jrはフィリピンと日本のハーフで、関西を中心に活躍する重量級ファイター。これまでRKSクルーザー級と蹴拳スーパー・ミドル級の2本のベルトを獲得している。2022年8月11日、K-1九州大会でK-1初参戦。K-1クルーザー級のトップ戦線で活躍するANIMAL☆KOJIをKOし、12月には加藤久輝もKO。クルーザー級で頭角を現わしている。戦績は15勝(6KO) 8敗1分。
星は極真会館『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で第6位に入賞するなど空手で活躍してキックボクシングに転向。Krushで2連続KO勝ちし、今年1月のビッグバンでは3戦目にしてBigbangヘビー級王者・坂本英則もKOしている重量級級のホープ。
AKIRA Jrは「去年からK-1に参戦させていただくことになって、今いい結果で来ています。そして『K'FESTA』という素晴らしい舞台で試合できることをうれしく思っています。星選手は若くて勢いがある選手ですが、しっかり倒してインパクトを残そうと思っています。
僕もそうですが、(星は)K-1に上がってまだフルラウンド戦っていなくて、わからないところもあるけど、パンチが硬そうだなと。そこで打ち勝とうと思います。別に格下とは思っていないです。クルーザー級でかなり実力がある選手だと思っているので、そこは変わらず僕は挑戦する側だと思っている。変わらず挑戦します。(今年の目標は)全勝全KOです」とコメント。
星は「去年、『K'FESTA.5』でデビューさせていただいて、プレリミナリーファイトでしたが、今回は本戦で出場させていただくことになって、しっかり勝たないと先にいけないと思います。AKIRA選手はトップ選手をKOしてここまで来ている選手で、ここはしっかり勝たないと意味がないので、応援よろしくお願いします。
(相手は)2戦ともKO、パンチで倒していて、ムエタイのキックも上手くて穴がない選手。前回加藤選手に逆転KOしていて、油断できないです。しっかり冷静に戦えたらなと思っています。トップ選手2人をKOしてますし、実績というか実力が出ている選手だと思います。僕は次が4戦目ですが、誰とやっても自分は(相手が)格上だと思っているので、挑戦する気持ち。必ず超えないといけない壁だと思って、毎回挑戦しています。今回も必ず壁を超えられるように頑張ります。
(今年は)自分は、まだ今すぐベルトに挑戦したいと言えるほどの経験が足りないです。今年は去年以上に試合をして、経験を積んで最終的にはベルトが取れるように経験を積みたいですね」と、この試合にも勝って経験を積んでいきたいと話した。
また、谷川はこの2人のことを「正直K-1のリングに上がる選手で、弱い選手はいないと思っています。重量級で星選手もAKIRA Jr選手もしっかり結果を残しています。ただ僕が今トップでやっている自覚があるので、僕が全部切り開いていくイメージがあります。しっかり僕の背中を見て着いてきて貰って、いずれ2人とはやると思いますが、それはもっと上の舞台で戦っていけたらと思います。
今はラテスク選手もそうですが、外国人選手がどんどん入ってくると思うので、重量級の第一人者としてK-1を引っ張っていきたいです。まあ、いい試合をしてくださいというと上からになりますが、みんなでK-1を盛り上げて、最後は自分がベルトを巻いて、トップで走っていきたいです」と、重量級みんなで盛り上げて行きたいと語った。