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【DEEP×BLACK COMBAT】“コリアンモアイ”キム・ミンウが悪夢の『Road To UFC』から復活の選抜戦勝ち上がりで中村大介と対戦!

2023/01/26 13:01
 2023年2月上旬に韓国で「BLACK COMBAT」と「DEEP」の5対5の対抗戦が開催される。  BLACK COMBATは、ドラマチックな映像を駆使し、選手のバックボーンとキャラクターを際立たせ、YouTubeでそのストーリーを拡散させることで新たなファンの獲得に成功している韓国のMMAプロモーションだ。  対抗戦では、先にDEEPの強豪5選手が発表されているが、BLACK COMBAT側も負けず劣らずの4選手がYouTubにて続々、発表されている。  なかでも注目はフェザー級で、MMA10勝2敗のキム・ミンウ(韓国・29歳)の出場が決定したことだ。  朝倉海と1勝1敗のムン・ジェフン(現ROAD FCバンタム級王者)を相手に2勝1敗と勝ち越しているミンウ。2017年4月にキム・スーチョルに判定負けも、ジェフンに一本勝ちで再起すると、2019年11月のRoad FCバンタム級王座戦では、ジャン・イクファンを延長R判定で下して戴冠を果たしている。 夜中に急に心臓を雑巾のように絞られるような感覚を受けた直後から記憶がない  UFCを目指し、ROAD FC王座返上後の2022年6月に『Road To UFC』バンタム級参戦も、1回戦で対戦予定のシャオ・ロン(中国)の欠場により、体重を作るも不戦勝に。続く、2022年10月の準決勝・風間敏臣戦が2年11カ月ぶりの復帰戦になるはずだったが、今度はミンウが139.5ポンドとまさかの体重超過で欠場となり、UFCへの道が断たれていた。  ブランクの間も『Road To UFC』参戦のキム・ギョンピョやチャ・ジョンファン、パク・ヒョンソンらと、休むことなく練習を続けて来たという“コリアンモアイ”ミンウは、なぜ大一番で体重超過したのか。 (C)Zuffa LLC/UFC 「『Road To UFC』に参加したけど、残念ながら計量の問題で脱落しました。11年間プロ選手生活をして、12戦で1度も計量を失敗したことはなく、最終日のコンディションも良かったのに、夜中に急に心臓を雑巾のように絞られるような感覚を受けて、兄にそう言った直後から記憶がありません。  目を開けたら、兄が頬や背中を叩いて叫んでいて、2回目に目が覚めたときにはUFCのドクターに囲まれていました。“大丈夫”ではないけど、肯定的に考えました。もっといい道へ案内してくれたんだと。もっと大きなステージを望んでいたし、ほかの団体からもたくさんオファーがありました。半年前とは変わって、いまはBLACK COMBATが冷静に考えて1位だと思います。選手を育てられる団体で、私が望む認知度と目標、その高い位置まで上るのを手伝ってくれそうな団体だと思ったので出場することにしました」 (C)BLACK COMBAT  しかし、DEEPとの対抗戦の選抜戦では、Double GFCフェザー級王者のパク・チャンス(26歳)に苦しめられた。  大き目のオープンフィンガーグローブとシンガードを着用する両者。顔面ヒザなどが禁止された3分2Rの非公式試合では、前手の左フックで飛び込むミンウに、打ち合いでも退かないMMA5勝2敗のチャンスは、ミンウのダブルレッグにも首相撲で応戦。前足への左右ロー、ワンツーの右を打ち込む。その打ち終わりに左を当てるミンウ。  チャンスはシングルレッグをリフトし、ミンウに両手を着かせるが、すぐに立ち上がるミンウがボディストレートを当てている。  2R、ジャブ&ローのチャンスにガードを固めて圧力をかけるミンウは、ジャブの刺し合いも手数はチャンス。ダブルレッグで金網まで押し込むと、差し上げたミンウは離れる。あんこの大きなグローブはケージレスリングで隙間に手が回しにくく難しそうな場面。スタンドでワンツー左ミドルに繋ぐミンウに、ガードのチャンスはジャブの打ち返しからの右フック。しかし、それを誘っていたミンウは潜ってダブルレッグ&小外でクリーンテイクダウン! 立ち上がりにスタンドバックから、前に落とそうとするチャンスに後ろ三角から十字を狙う。  ブレークから残り10秒の声に再びダブルレッグはミンウ。今度は切ったチャンスに、すぐにミンウが立ち上がりホイッスルが鳴らされた。判定は3-0でミンウが勝利。 [nextpage] DEEPは昔は良かったけど──  2年前の合同練習よりチャンスが強くなっていたというミンウは、「ほんとうに上手になっていた。うまくいかないね。久しぶりの試合と考えないようにしていたけど、練習と距離も違ったし、切実さでほんのちょっとの差で勝ちました。これが事実上の決勝でした」と語り、敗れたチャンスも「今度はスパーリングではなくBLACK COMBATの正式な試合で戦いたいです」と握手をかわした。  フェザー級決勝は、4分2R。ミンウは、“韓国の範馬刃牙”チョ・ギュジュンに判定勝ちした“狂った男”クァンナムことシン・スンミン(7勝4敗)と対戦した。 「BLACK COMBAT 04」でホン・ジョンテに右ハイキックでKO勝ちしているストライカーのスンミンを相手に、ミンウはオーソから左ミドルをヒット。さらに右フック、右カーフを当てると、シンガード着用ながらスンミンはサウスポー構えにスイッチ。  オーソに戻すスンミンだが右ミドルも浅く、再び右ローを被弾する。ジャブ&ロー、スンミンの打ち終わりを狙うミンウは、右ミドルには右ミドル、後ろ廻し蹴りをかわしての右ロー、ジャブにワンツーと余裕をもって自身のターンで試合を終え、判定2-0で勝利。  対抗戦でのBLACK COMBAT代表となり「DEEP、壊すぞ」と宣戦布告した。 (C)BLACK COMBAT  試合後には、「リングラスト(※試合感覚が錆びついて以前のように動けないと感じる状態)を破った気がしてホッとしました。自信はあってもたまに心が弱くなるときに自分を疑うようになっていた。手を怪我していたこともあり、確実に勝つ戦略をほんとうに切実にやりました。もう辞めようかとたくさん考えました。これは本当に最後のチャンスでした。正直、フェザー級が一番熾烈でした。普通はチャンピオンvs.チャンピオンという戦いは作れない。この団体は一番だと思います。この空白を破ったことが最も嬉しい」と安堵の表情も浮かべたミンウ。  DEEPとの対抗戦では、フェザー級で中村大介(夕月堂本舗・34勝22敗1分)と対戦する。 「(『Road To UFC』の)悔しさをここで晴らす。DEEPは昔は良かったけど、いまは少し衰退している。DEEPとの対抗戦の後でもっと大きな団体と交渉をしたい」と、野望を抱くミンウは、ベテランの中村を撃破し、“最後のチャンス”を繋げることが出来るか。中村にとっては、アウェーで13歳年下の強敵の夢を打ち砕き、DEEPを勝利へと導けるか。
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