2023年1月20日(日本時間21日)『UFC 283: Teixeira vs. Hill』(ブラジル・リオデジャネイロ/ジュネス・アリーナ)の前日公式計量が行われた。
2年10カ月ぶりのUFCブラジル大会。2020年3月の前回の『UFC Fight Night Brasilia: Lee vs. Oliveira』は無観客だったが、今回は、2019年の11月の『UFC Fight Night Sao Paulo: Blachowicz vs. Jacare』以来、3年2カ月ぶりの有観客大会となる。
全試合にブラジル人ファイターが出場する今大会のメインイベントは「UFC世界ライトヘビー級王座決定戦」(5分5R)。
前王者のイリー・プロハースカ(チェコ)が右肩の怪我により返上した空位の王座を、元ライトヘビー級王者で同級2位のグローヴァー・テイシェイラ(ブラジル)と、同級7位でUFC3連勝3KO中のジャマール・ヒル(米国)が争う。
もともと2022年12月にプロハースカとテイシェイラによるダイレクトリマッチが組まれていたが、プロハースカの負傷欠場により、テイシェイラにアンカラエフとの王座決定戦が打診されるも、「準備期間が短い」としてテイシェイラが拒否。ブラジル大会での実現を提案していたが、これはUFC側から却下され、2022年12月11日の『UFC282』で、ヤン・ブラホヴィッチとマゴメド・アンカラエフによる「ライトヘビー級王座決定戦」が行われていた。
しかし、このブラホヴィッチvs.アンカラエフが5Rまさかのドローに終わったため、2大会連続、別カードであらためて王座決定戦が行われることとなった。
▼UFC世界ライトヘビー級王座決定戦 5分5Rグローヴァー・テイシェイラ(ブラジル)33勝8敗(UFC16勝6敗)205lbs/92.99kgジャマール・ヒル(米国)11勝1敗(UFC5勝1敗)※UFC3連勝3KO 204.5lbs/92.76kg
2002年にプロMMAデビューし、現在43歳の苦労人テイシェイラは、柔術&ボクシングがバックボーン。
2021年10月の『UFC 267』で当時の王者ブラホヴィッチに挑戦し、リアネイキドチョークで2R 一本勝ち。初戴冠としては、ランディ・クートゥアーのUFC史上最年長王座獲得記録(43歳)に次ぐ42歳での王座獲得に成功した。
しかし、2022年6月にプロハースカとの初防衛戦で、年間ベストバウト級の熱闘の末に、5R残り28秒でリアネイキドチョークを極められ一本負け。王座から陥落した。今回は地元で、再び戴冠を目指す。
対する米国のヒルは、193cmの長身を活かしてバスケットボールで活躍。2017年にプロMMAデビュー。2019年7月の「Dana White's Contender Series 21」でTKO勝ちでオクタゴン入りを決めた。
UFC戦績は5勝1敗1NCで、現在3試合連続でのKO勝ち。オヴィンス・サンプルー、ジミー・クルート、ジョニー・ウォーカー、 チアゴ・サントスをいずれもKO・TKOに下している。唯一の敗戦は、2021年6月のポール・クレイグ戦で、寝技師のクレイグの引き込みから腕十字で左腕を極められ三角絞めからのエルボーでTKO負け。寝技に課題を残している。
前日計量では、205ポンド(92.99kg)のリミットちょうどでパスした元王者に対し、ヒルは204.5ポンド(92.76kg)のアンダーでパス。
フェイスオフでは、オーソドックス構えで拳を胸の前にファイティングポーズを取ったテイシェイラに対し、ややサウスポー構えのヒルは直立のままテイシェイラと視線を合わせ、最後に握手をかわした。
ヒルは「光栄だ。ケージをグローバー・テイシェイラと共有できて嬉しい。好きなだけブーイングしてもいいし、『お前は死ぬ』なんて言ってもいい。私たちは皆死ぬつもりだ。でも、明日はまだみんなのためにショーをするためにここに来る」とコメント。
テイシェイラは「100パーセントの準備ができている。明日はやるぞ」とシンプルに意気込みを語った。
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▼UFC世界フライ級王座統一戦 5分5Rデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)王者 21勝2敗(UFC10勝2敗)125lbs/56.70kgブランドン・モレノ(メキシコ)暫定王者 20勝6敗(UFC8勝3敗)125lbs/56.70kg
もうひとつの王座戦は、日本の平良達郎も参戦中のフライ級の頂上決戦。正規王者デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)と、暫定王者のブランドン・モレノ(メキシコ)が対戦する。
両者はUFCで最多の4回目の対戦。これまでの3戦全てがタイトルマッチで、1勝1敗1分けの五分。4年連続で対戦している。
1度目は2020年12月で王者フィゲイレードが1-0のドロー防衛。2度目は2021年6月に挑戦者モレノが3R リアネイキドチョークで王座奪取。2022年1月の3度目の対戦では、フィゲイレードが3度のダウンを奪っての判定勝利で王座を奪還している。
その後、フィゲイレードが右手指の負傷で長期欠場を発表すると、UFCは2022年7月にモレノと当時同級2位のカイ・カラフランスによる「暫定王座決定戦」を実施。モレノが左ミドルでダウンを奪ってのパウンドで3RTKO勝ち。暫定王座についている。
前日計量は、ともにリミットちょうどの125ポンド(56.70kg)でパス。フェイスオフでは、サウスポー構えで右前手を伸ばして軽くステップするフィゲイレードに対し、モレノは後ろで手を組み、微動だにせず。フィゲイレードが軽く右手でモレノの胸を小突いて手招きをすると、初めてモレノは小さな笑みを見せた。
その後、フィゲイレードはバナナを手にモレノを挑発。これはモレノのコーチがフィゲイレードの記者会見の写真に猿のフィルターをつけたことに対抗したと見られる。
29歳の暫定王者と、35歳の正規王者。互いに手の内は知り尽くしており、5Rの王座戦で初めて地元でモレノと戦うフィゲイレードはホームの観衆の後押しをどれだけ力に変えられるか。
フィゲイレードは、地元の観衆に「明日の夜はみんなのためのものだ。彼はここに来て、このベルトを取ろうとしているわけではない。みんなに喜びを与えるために来ている。あなたに夢があるなら、このベルトはあなたのものでもある」と呼びかけた。
対するモレノは「あまり言うことはないよ。明日の夜を楽しんでくれ」と簡潔にコメントしている。
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▼ライトヘビー級 5分3Rマウリシオ・ショーグン・フア(ブラジル)27勝13敗(UFC11勝11敗)205lbs/92.99kgイーホル・ポティエリア(ウクライナ)19勝3敗(UFC0勝1敗)205lbs/92.99kg
プレリムのメインでは、元UFC世界ライトヘビー級王者、PRIDE GP 2005 ミドル級優勝のマウリシオ・ショーグンが、引退試合に臨む。
MMAデビューから21年を数え、41歳になったショーグンは、ライトヘビー級リミットの205ポンド(92.99kg)でパス。同じく205ポンドでパスし、顔面にウクライナ国旗の青と黄色のペイントを施した26歳のポティエリアとのフェイスオフ後、先に右手を差し出し、握手をかわしている。地元で有終の美を飾りたいところだが、オッズではショーグンがアンダードッグとなっている。
なお、試合は日本時間22日(日)朝7時30分にスタートするアーリープレリム、10時からのプレリムがUFC公式サイトおよびYouTube公式チャンネルでライブ配信されるるほか、12時に始まるメインカード5試合を含む全試合がUFC FIGHT PASSでライブ配信される。また、メインカードの模様は『WOWOW』でも放送され『WOWOWオンデマンド』にて同時配信される。
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『UFC 283: Teixeira vs. Hill』全計量結果
2023年1月20日(日本時間21日)ブラジル・リオデジャネイロ/ジュネス・アリーナ
▼UFC世界ライトヘビー級王座決定戦 5分5Rグローヴァー・テイシェイラ(ブラジル)33勝8敗(UFC16勝6敗)205lbs/92.99kgジャマール・ヒル(米国)11勝1敗(UFC5勝1敗)※UFC3連勝3KO 204.5lbs/92.76kg
▼UFC世界フライ級王座統一戦 5分5Rデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)王者 21勝2敗(UFC10勝2敗)125lbs/56.70kgブランドン・モレノ(メキシコ)暫定王者 20勝6敗(UFC8勝3敗)125lbs/56.70kg
▼ウェルター級 5分3Rギルバート・バーンズ(ブラジル)20勝5敗(UFC13勝5敗)170lbs/77.11kgニール・マグニー(米国)27勝9敗(UFC20勝8敗)171lbs/77.56kg
▼女子フライ級 5分3Rローレン・マーフィー(米国)16勝5敗(UFC8勝5敗)125.5lbs/56.93kgジェシカ・アンドラージ(ブラジル)23勝9敗(UFC14勝7敗)125lbs/56.70kg
▼ライトヘビー級 5分3Rポール・クレイグ(スコットランド)16勝5敗(UFC8勝5敗)9位 205lbs/92.99kgジョニー・ウォーカー(ブラジル)18勝7敗(UFC4勝4敗)12位 205lbs/92.99kg
【プレリム】
▼ライトヘビー級 5分3Rマウリシオ・ショーグン・フア(ブラジル)27勝13敗(UFC11勝11敗)205lbs/92.99kgイーホル・ポティエリア(ウクライナ)19勝3敗(UFC0勝1敗)205lbs/92.99kg
▼ミドル級 5分3Rグレゴリー・ホドリゲス(ブラジル)13勝4敗(UFC4勝1敗)※UFC2連勝(2KO)中ブルンノ・フェヘイラ(ブラジル)9勝0敗(UFC0勝0敗)185lbs/83.91kg
▼ライト級 5分3Rティアゴ・モイゼス(ブラジル)16勝6敗(UFC5勝4敗)155.5lbs/70.53kgメルキザエル・コスタ(ブラジル)19勝5敗(UFC0勝0敗)155lbs/70.31kg
▼ウェルター級 5分3Rガブリエル・ボンフィム(ブラジル)13勝0敗(UFC0勝0敗)171lbs/77.56kgムニール・ラズィーズ(チェニジア)11勝2敗(UFC2勝1敗)170.5lbs/77.34kg
【アーリープレリム】
▼ヘビー級 5分3Rシャミル・アブドゥラヒモフ(ロシア)20勝7敗(UFC5勝5敗)263lbs/119.30kgジャイルトン・アウメイダ(ブラジル)17勝2敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝中 232lbs/105.23kg
▼バンタム級 5分3Rルアン・ラセルダ(ブラジル)12勝1敗(UFC0勝0敗)136lbs/61.69kgコーディ・スタマン(米国)20勝5敗(UFC6勝4敗)135.5lbs/61.46kg
▼ライト級 5分3Rイスマエル・ボンフィム(ブラジル)18勝3敗(UFC0勝0敗)156lbs/70.76kgテランス・マッキニー(米国)13勝4敗(UFC3勝1敗)156lbs/70.76kg
▼ウェルター級 5分3Rワーレイ・アウヴェス(ブラジル)14勝5敗(UFC8勝5敗)171lbs/77.56kgニコラス・ダルビー(デンマーク)20勝4敗(UFC4勝3敗)170lbs/77.11kg
▼女子フェザー級 5分3Rジョジアニ・ヌネス(ブラジル)9勝1敗(UFC2勝0敗)145.5lbs/66.00kgザラ・フェイリン(フランス)6勝4敗(UFC0勝2敗)146lbs/66.22kg
▼バンタム級 5分3Rサイモン・オリベイラ(ブラジル)18勝4敗(UFC0勝1敗)136lbs/61.69kgダニエル・マルコス(ペルー)13勝0敗(UFC0勝0敗)136lbs/61.69kg