「何が何でも勝ちに行きます」と勝利に貪欲なところを見せる大沢(C)K-1
2023年1月21日(土)東京・後楽園ホール『Krush.145』にて、里見柚己(team NOVA)の挑戦を受けて初防衛戦を行うKrushライト級王者・大沢文也(ザウルスプロモーション)が公開練習を行った。
昨年4月に大沢は瓦田脩二からハイキックでダウンを奪い、判定勝利で第7代Krushライト級王座を戴冠。8月のK-1福岡大会でデンサヤーム・アユタヤファイトジムに判定勝利し、今大会でタイトル初防衛戦を迎えた。
今回から所属がザウルスプロモーションとなり、練習メニュー・内容に合わせて複数のジムで練習する形をとっている大沢。この日はONE LINKキックボクシング&フィットネスでの公開練習となり「去年の5月後半くらいから練習環境がガラリと変わったんですけど、毎日毎日めっちゃきついですよ、このジムの会長にもやりたくないことをやらされて(笑)。僕は昔から格闘技にはお金をかけているんですけど、今が一番かけていると思います。(仕上がりもいい?)僕は試合前だから、次の試合がタイトルマッチだから追い込むということはしない。試合があってもなくてもめちゃくちゃ練習しています」と充実した日々を過ごしている。
減点絡みでの判定勝利となったデンサヤーム戦について、大沢は「あの試合のことは考えたくもない」と苦笑い。「デンサヤーム戦を払拭する試合をしたいか?」という質問には「僕は試合内容にはこだわってない。内容はどうでもよくて勝つことがすべて。結果についてくるのが内容だと思っています」と持論を展開。
「前回は結果として勝ちましたけど減点で勝ったようなもんなんで、こないだの試合は勝ったと思っていません。今回は明確に勝ったと分かる試合をしたいです」と完全勝利を目指す。
大沢は挑戦者・里見のことを「めちゃくちゃ上手い。みなさんの評価は高くないかもしれませんが、僕の評価は高い。初めて試合を見た時から『才能があるなぁ』や『センスがあるなぁ』と思って見ていました。まだ試合で実力を出しきれてない、俺が(里見の)トレーナーだったら、もっと強くなると思います」と高評価。
その一方「客観的に見たら、格闘技センスは里見選手の方が上だけど、テクニックは僕の方が上。僕の方がキャリアもあるし、ずるがしこさもあるし、色んな面で僕のテクニックの方が上です」と断言し「今の里見選手は幸せでしょ。連勝もして、結婚もして、お腹いっぱいだと思うんですよ。逆に僕はお腹がすいてるんですよ。お腹いっぱいの格闘家は戦えないと思うんで。そういうことです」とハングリーさにも差があるとした。
里見は常にKO決着にこだわり、今回の事前インタビューでも「勝つならKOで勝ちたいですし、負けるなら派手に負けたい」とコメントしていた。
これに対して大沢は「いつも言うんですけど、100人選手がいたら、100人全員KOする選手なんですか? と。つまらない試合で勝つ選手がいるから、KOする試合をする選手が目立つ。アウトボクサーがいるからファイターが目立つ。ファイターがいるからアウトボクサーが目立つわけですよ。僕は色んな選手がいていいと思う」と反論する。
また里見が煽り映像内で「会場を昔のKrushのように盛り上げたい」と発言していたことにも言及し「今のKrushもすごいから」と言い放った。「里見選手が『昔のKrushのように盛り上げたい』と言ってましたけど、いやいやいや、ちょっと待てと。じゃあ今のKrushは昔のKrushより下なの?って。申し訳ないけど、どのスポーツも昔より今の方がレベルは上がるんですよ。で、レベルが高いもの同士がやれば拮抗した試合になるし、全部が全部KOになるわけじゃない。もちろん昔のKrushは盛り上がっていたし、僕も見ていて心躍る試合はいっぱいありました。でも今のKrushも昔に負けないぐらい熱いし、心躍る試合はある。だから勘違いすんなよと思いますね。今のKrushもすごいから」
大沢にとって今回はプロキャリア初の防衛戦になる。「里見選手のベルトにかける想いは強いだろうけど、間違いなく僕の方が強い。雑草魂じゃないけど、僕は上り坂も下り坂も経験して、色々あった格闘技人生で、本当に苦労してきたんで簡単にベルトは渡さないですよ」とベルトへの想いを熱く語りつつ「ベルトがかかった試合は大事ですが、じゃあベルトがかかっていない試合は大事じゃないの?となる。僕のことを応援してくれる人たちはベルトがかかっていようがかかってなかろうが心の底から応援してくれている。だったら僕もその応援に応えるだけで、すべての試合を全力で戦います」と普段と変わらず全力で取り組むと話した。
最後に大沢は「僕は見ている人の心を動かす試合ができるチャンピオンじゃないけど、勝ちには貪欲なんで、何が何でも勝ちに行きます。僕と里見選手の技術対決を楽しみにしていてください。ただパワー以外すべての局面で圧倒します」とファンにメッセージ。王者・大沢は勝利へのこだわりと共にベルトを死守できるか?