重森が悲願だったラジャダムナン王座挑戦のチャンスをつかんだ。快挙達成なるか
2023年2月19日(日)東京・後楽園ホールで開催される新日本キックボクシング協会主催『MAGNUM 57』の全対戦カードが発表された。
スペシャルメインイベント(第12試合)で、WKBA世界ライト級王者・重森陽太(伊原道場稲城支部)がラジャダムナンスタジアム認定ライト級王座に挑戦することが決定。
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレック・ルークカムイから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。連勝街道を突き進んでいたが、2021年12月のシュートボクシングで笠原弘希に試合終了間際のバックドロップでシュートポイントを奪われて判定負け。2022年3月は大谷翔司に判定2-0で勝利するも、5月はテーパプットとドロー、7月には真吾 YAMATOにTKO負けと不調が続いた。しかし、10月にキヨソンセンに判定で完勝し、今回大一番を迎えることに。
ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者ジョーム・バランチャイ(タイ)は、有名選手を多く抱える名門ジム所属。身長173cmでオーソドックス。スタイルは「クロップクルアン」とタイ語で言われるオールラウンダータイプだ。一昨年まではスーパーバンタム級からフェザー級で戦っており、2022年からライト級で戦っている。
戦績は68勝16敗1分。昨年は4戦して全勝、6月26日に王者ゴントラニー・ソー・ソムマーイとラジャダムナンでライト級のタイトルマッチをして、判定3-0(48-49×3)で勝利して王座に就いた。ゴントラニーはスター選手でパランマイ系の選手。今年の3月に空位だった王座を同じく有名選手のギンサーンレックに勝って新王座に就いたが、たった3カ月での陥落となった。ゴントラニーとは11月20日に7チャンネルTVマッチで再戦し、判定で返り討ちにしている。
パランチャイジムはギアットペット系で、7チャンネルやルンピニーを主戦場にしていたが、現在はルンピニーと別れて毎週日曜に7chとラジャダムナンで興行を開催。そこでタイトルマッチを行い(契約体重は規定より1ポンド軽い134ポンド)王者となったため、パランチャイジムで初めてのラジャダムナン王者となったわけだ。
ゴントラニーに連勝、そして今年まだ20歳という年齢を考えると将来性のありそうな選手で、重森は難敵を迎えることとなる。
(写真)KNOCK OUTでもREDルールのライト級王座に就く重森
今回のタイトルマッチ決定に重森は「2.19ラジャのタイトルマッチが決まりました。決して裕福な家庭ではありませんでしたが、小学2年生から毎年タイに練習や試合の遠征費を出してくれた母に対して最大の親孝行をしたいです。そして私がラジャのチャンピオンになり新日本キックを完全に復活させます」と、自身のSNSに意気込みを綴っている。
重森が王座奪取に成功すれば、2019年11月にミドル級王座を奪取した石毛慎也以来となる、日本人10人目のラジャダムナン王者。快挙達成なるか。なお、ラジャダムナンスタジアムのライト級王座は、外国人初の王者となった藤原敏男、2016年10月にヨードレックペットを破った梅野源治の2人が奪取に成功している。
取材協力/吉澤 晃(MUAY SIAM/SIAM SPORT特約カメラマン)
ジョーム(青)がラジャダムナン王座を奪取した試合