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インタビュー

【RIZIN-INOKI】ジョシュ・バーネットが語る、大晦日『RIZIN vs.Bellator 対抗戦』予想、「サトシならマッキーを極められる」「クレベルもピットブルもそれぞれの強みがすごく危険だから…」

2022/12/31 12:12
 2022年12月28日の「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」で、シビサイ頌真を1R2分20秒、TKOに下したジョシュ・バーネット(米国)が、自身の今後と、大晦日の『RIZIN vs.Bellator 対抗戦』について語った。日本と米国を主戦場にする両ファイターを知るジョシュの予想とは? クレベルならば、ピットブルをスイープして脅威を与えることができるけれど…… ──まずは「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」でのシビサイ頌真戦でのTKO勝利、おめでとうございます。 「秒殺。見ての通り。シビサイは基本の技がしっかりしていてパンチも蹴りもレスリングもベーシックな部分でいいコンビネーション見せていた。ただし、相手の距離に自分が入った時に本来ならパンチを出さないといけない距離なのに彼は固まった。その反応を見て、右のオーバーハンド、クリンチアッパー、そしてヒザ蹴りを入れた」 ──試合後には重量級のシビサイ選手を育てたいとも話しました。 「そう、彼は凄く才能がある。コーチもいい。でも日本にはヘビー級が少ない。彼と対戦して終わった瞬間に彼の将来のことを考えたんだ。スダリオにはエンセンというヘビー級のコーチがいる。でもマンツーマンではまだ足りない。もっとヘビー級の相手が必要だし、シビサイにはいろいろな人と練習できるようにしてあげられたらいいなと考えたよ」 ──そのシビサイ選手が主戦場とするRIZINでは、大晦日にBellatorとの対抗戦が行われます。どのように見ていますか。 「個人的に僕もビクター(ヘンリー)も堀口恭司を知ってるし、ビクターは堀口と練習もしている。それに僕はサトシのことも知っているよ」 ──QUINTETを通じて? 「そうそう。対抗戦では大将戦だよね? 今回、サトシは厳しい戦いを強いられることになるね。だが、ふむ……うん、俺は、サトシならマッキーを極められると思う。ただそれは“サトシがいかにマッキーに対して柔術ゲームを仕掛けられるか”によるよね。マッキーも非常に優れたグラップラーだけど」 ──AJマッキー選手はライト級ではスパイク・カーライル戦がありました。 「スパイク・カーライル戦は彼の前戦だよね、そこは比べるにはあまりにもタイプが違いすぎるからなあ。サトシとカーライルには何ひとつとして共通点がない。ゼンゼンチガウ。AJは強いレスリングをテイクダウンディイフェンスに使うだろう。そして遠い間合いから一気に伸びる打撃がある」 ──サトシ選手としてはいかにアプローチして柔術を発揮できるか、でチャンスがあるということですね。 「そうだ。続いて副将戦のピットブル戦だけど、これもめちゃくちゃタフな試合になる、コイケにとってね。彼が十分にウェルラウンダーかどうかというのは俺にはよく分かっていないことなんだけれど、ただ、ピットブルを相手に自分の強みを出そうとすることは、非常にデンジャラスなのは確かだ。でも、みんなが思うより接戦になる可能性もある」 ──パトリシオはクレベルのサブミッションを怖れません。 「そうだ、もちろん。作戦によるところもあるが、パトリシオが立ちにこだわるとすると、かなりプレッシャーを前に前にかけて打撃を出して、コイケを消耗させたところで、いいタイミングがきたらグラウンドで下にさせてパウンドアウトする、というようなことになるだろう。ピットブルはブラジルでリングでのヴァーリトゥードルールも経験しているだろうから、ルールの違和感も少ない」 ──「接戦」ということでしたが、多くの予想では「クレベルにはチャンスがない」というような見解です。 「うーん。それぞれに強みがあって、その強みがすごく危険な2人なんだよ。その点で、ラウンドを通しての戦術的なことになってくるんだけど。やっぱりピットブルはコイケよりもストライキングの部分で勝るから、あの踏み込みの速さに対応する必要がある。コイケとしては戦い方が難しい。柔術をやるために、という意味で。とりわけピットブルのような相手にはね。  ただ、もしもグラウンドの展開にさえなれば、コイケならば、スイープして、リバースして、脅威を与えることができると思う。それでもピットブルはオールラウンダーだから。全局面でワールドチャンピオンクラスなんだよ。あまりにもタフだ。通常ならボトム(下)になることは危険だ……それでもクレベルにはポジション柔術でではなく、極めの強さがある」 ──中堅戦は、扇久保博正vs.堀口恭司戦です。 「ああ、オオギクボサンのこともよく知っています。ホリグチサンは怪我もあってちょっとスピードが落ちてきているという声もあるけど、他の日本の選手の感覚として、ホリグチこそが日本を代表する選手、彼の階級で、日本のトップの格闘家というような意識が働いているというのもあるよね。いい試合になるんじゃないか。これまでの実績として、ホリグチ有利だとは思うけど、ただ、興味深いね。前回、試合をして、あっ、3回目なのか。毎回堀口が勝ってきた。それを聞くとこの試合は、RIZINvs.RIZIN、日本対日本の色が余計強くなるな(笑)」 [nextpage] スーチョルはアップセットを起こすかも ──次鋒戦はキム・スーチョルvs.フアン・アーチュレッタです。 「スーチョルはさ、みんなが思っているよりもずっといい選手だと思うんだよ。もちろんアーチュレッタはとても良い選手だけれど、スーチョルがアップセットを起こすと思う。彼はすごいタフなんだ。おそらく彼は己の全ての頭髪を代償にして、優れたファイターとなることができたのだ! というのは冗談だけど、とにかく彼はめちゃくちゃ強いよ。  ただ、彼の抱える問題は、ちょっとフィニッシュ力に欠けること。いつもそうじゃないとは思うんだけど、RIZINの初期に出ていた時はやり返されちゃってた。それは彼の落ち度というよりは、相手が負けないようにすると、ああいう戦い方になるんだよね、取られないだろうからって。ただまあ昔の話だ。いまはスーチョルがビッグ・アップセットできる試合だと思ってる。ただアーチュレッタもめちゃくちゃタフだけどね。打撃と組みが融合していて、決してタフなだけの選手じゃない。この試合はもう、アーチュレッタが様々なフェイントを入れてプッシュして、プッシュして、プッシュして……それでも決してスーチョルは下がらないから、アーチュレッタはイライラすることになるだろう。激闘になるね」 ──そして今回はリングでサッカーキックや3点ヒザもあります。 「そうだね、ただ、それは選手によっては決して大きな問題じゃないと思ってるけど」 ──最後に、先鋒戦の武田光司選手と、ガジ・ラバダノフ選手の試合はいかがでしょうか。種類の異なるレスラー対決と言えます。 「ダゲスタンのガジに勝機が多いね。いや、べつに“ダゲスタン人だから”という訳じゃないんだけれど、より、ソウゴウカクトウギができるんだよ、もともと。彼らの通常のトレーニングというものが完全にMMAに向いているんだ。若い頃からコンバットサンボをやっているし、フリースタイルレスリングも入っている。それに彼の右カーフキック、左フックは注意だ。  対して武田はグレコローマンレスリングだ。つまり相手の足よりも上で組むことが多い。もちろんダブルレッグにも行くけど、カーライルにギロチンチョークで敗れているよね。グレコの人にとって、打撃とタックルをうまく組み合わせるのと、打撃と投げ技を組み合わせるのは全く違うことだし、もちろん関節技もそう。しかし、この試合では、リングが武田に生きる場面もあるだろう。よりクラッチが組みやすく、ロープであることは相手にとってケージを使って立ちにくいからね。もちろんそれは武田にとっても、そうだ。慣れたコーナーポストの使い方も重要になる。身体が大きい武田が組みで上回ることが出来れば……初戦から興味深い試合になると思うよ」 ──なるほど。さて、あなた自身の今後は? 「とにかく試合がしたい。自分の選手生命は長くないので。年齢は45歳で、脳みそは12歳(笑)、身体はあちこちにガタが来ていて200歳くらいのダメージがあるので、早く残りの選手生命で試合をしたいと思う。DEEPにはスーパーヘビー級タイトルがあるのでそれを獲りたいし、RIZINにもチャレンジしたい。そして、大晦日はRIZINに行く予定だよ!」
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