MMA
インタビュー

【RIZIN】試合10日前入り、本計量、公開計量、そして大晦日決戦──身体の違いにも注目、フアン・アーチュレッタ「誰も私を止めることはできない」

2022/12/31 10:12

「戦士」が戦場にはいる時に、盲目で挑むことは出来ない


【写真】試合4日前のアーチュレッタ。リミットまで6.3kgだった。

──大晦日31日の試合に向け、来日したのはいつでしたか。

「12月21日です」

──10日前から日本入りしていたのですね。今日の時点・試合4日前にKRAZY BEEでのティキ・ゴーセン、ポール・フェレイラとの練習を拝見しました。ミット打ちも細かく様々な動きと連動しています。いつもの練習の感じなのでしょうか?

「試合1週間前でもトレーニングは毎日行うようにしていて、毎週金曜日と土曜日は戦い(試合)を意識してスパーリングに取り組むようにしています。そうした心理状態を持って日本でのファイトウィークも普段通り、すべて同じようにトレーニングを続けることが大切だと考えています」

──KOTC時代には3階級で王者(元KOTC世界ライト級、バンタム級、フライ級王者)となったウェイトコントロールが素晴らしいですが、試合4日前でリミットまであと何kgありますか?

「いまの練習後の時点で148ポンド(67.13kg)あるので、RIZINバンタム級の134.4パウンド(60.96kg)まで落とさなくてはいけません」

──まだ14ポンド(6.3kg)ありますね。練習前には残り8kgあったと聞いています

「自分にとっては普段通りで、既に体重は出来上がっています。あとは水分を調整するのみです。妻がすべての食事制限をやってくれていて、体重は出来上がっているので、後は水分調整のみです」


【写真】12月30日朝10時から13時の本計量の時点でのアーチュレッタ。

──奥様も来日して食事を作っているのですか。

「はい、彼女や友人らが日本で肉や野菜など最良の食材を調達できるように調べてくれて、このファイトキャンプにおいても米国の普段と変わらぬ食事制限が維持できるようにサポートしてくれています。もし何かを違うものに変えてしまって、体重が調整できなくなったり、日本時間に慣れていなければ、勝つ機会を失ってしまうので、普段通りの生活ができるように努めています」

──これほど早く日本に入ったのみならず、トレーナー、食事面も含め、環境も万全のコンデション調整が出来ているようですね。

「まさしく。私にとってビックウィークであるので、早く入ることで時差・標高・乾燥・寒さなど環境に自分を慣らして、トレーニングや食事などすべてを普段通り、円滑にいくようにする為です。

“戦士”の歴史から学ぶとすれば、戦士が戦場にはいる時に環境について盲目で挑むことはありません。食事・キャンプを張る場所・司令場所など、戦場を自分が支配する為、どのような状況や環境であっても適応できるように、戦いに備えていくことが重要だと考えています」

──前日の計量時と当日の身体では、どのくらいの違いが出るでしょうか。

「日本で戦ってきた選手達を私なりに見てきた限り、リカバリーなどについてはあまり気にせず、いかにいいパフォーマスを発揮するかが一番重要だと思ってます。より多く戻して動きに支障が出ては意味が無い。

 例えば、ヤマモトKIDさんは私にとってもスポーツMMA界にとっても象徴的な存在であり、レスリング出身でもある彼はどの様な減量、どの様なトレーニング、どの様な環境であろうとパフォーマスを発揮した選手だったと思います。

 今、私はその彼のジムでトレーニングが出来ていて、彼のスピリットを背負ってケージ(リング)で戦えることを誇りに思っています。彼がこのジムを子供達や日本の格闘技界の未来の為に設立し、こうして扉を開け続けてきてくれたことで、私の様な人間が現れて刺激を受け、その知識などを次世代に繋げていくことができると思っています」

──そして前回の会見での来日時にトレーニングしたNEVER QUITから、ISAO選手や菊入正行選手とも肌を合わせたようですね。

「ISAO、マサ(菊入正行)・ユラ(内藤由良)は、非常に高いレベルで、今回の自分の試合への準備として、日本やアジア選手を理解し対応する為に力を貸してくれていて、彼らと練習できたことが役に立っています。海外で試合する際、例えばヤマモトKIDさんの様な、高いレベルの選手たちとトレーニングすることで、どこの誰であっても“同じ人間”であり、自分が世界最高峰にいるという確信につながります。日本最高峰の選手達とトレーニングすることで、彼らのレベルの高さや、いかに優れた選手達であるかを理解できるし、また自分自身の自信にも繋がります。

 こうして滞在して感じるのは、日本こそがマーシャルアーツ=格闘技が興った国であるということ。そして現在も成長し続けている日本のMMAの将来に非常に期待し、興奮しています。今後、彼らのような才能ある選手達が、また日本を最高峰の舞台となるよう引っ張っていく姿を見れることを嬉しく思っています」

──対戦相手のキム・スーチョル選手とは戦う距離が少し異なりそうです。そのあたりを対策したミット打ちのように感じました。

「ミット打ちに関しては、自分の技術向上のために普段からやってきていることに、今回の試合に向けて若干は加えているものもありますが、自分こそが世界最高峰であって、世界最高峰のコーチがついているので、自分のやってきたことを確実に行うための再確認をしている形です。“対戦相手がどうしてくるか”ではなく、“自分がどうしたいか”が重要であり、もし私が15分間戦いに臨めば、私こそが世界最高峰であることは明白であり、誰も私を止めることはできません」

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