見事なカットとこんがり肌を披露した沙弥子。新設予定の初代アトム級女王の座に向かう。（C）ゴング格闘技
2022年12月25日（日）に神奈川・横浜武道館で開催される『PANCRASE 330』で、ONE Championshpで4勝5敗のジェニー・ファン（AACC／台湾）と対戦する沙弥子（リバーサルジム横浜グランドスラム）が24日、前日計量を47.5kgでパスした。
沙弥子は柔道で10年のキャリアを誇り東京学生選手権で3位入賞の実績を持つ。肉体派でボディビルにも挑戦、2017年6月の『第25回 東京オープンボディビル選手権』では「ミスビギナー」カテゴリーで3位に入賞している。
MMA戦績は6勝1敗。2018年の3戦目で当時キックから転向し、MMA2戦目だったパク・シウに判定勝ち。2019年から2022年のコロナ禍は試合から遠ざかっていたが、2022年9月の前戦、2年10カ月ぶりの復帰戦で原田よきにアームロックで一本勝ちを収めている。
対するファンは、テコンドー＆柔道ベースでAACC所属。2015年のプロデビュー後、ONEで4連勝も、その後、山口芽生との2戦の判定負けを含む5連敗を喫した。2016年のONEではゴゴプラッタ、肩固め、三角絞めで3試合連続一本勝ちもマークしており、下からの寝技にも注意が必要な相手だ。
沙弥子、ファンともに、狙うは2023年に新設予定のPANCRASE初代アトム級女王の座。負けられない国際戦に向かう沙弥子に聞いた。
限られた時間で頭を使って格闘技をやっている
──計量では見事なポージングとこんがり焼けた肌に、報道陣からどよめきが起こりました。
「試合に向けて、いつも以上に黒く焼けたんじゃないかなと思います。1カ月かけてちょこちょこ焼いてきました」
──復帰戦では1R 3分22秒でアメリカーナで一本勝ちでした。早めの決着といういい結果でしたが、その分、どこまで復調、あるいは進化しているのか、ご自身ではどう感じていますか。
「前回の試合で一本勝てたことがまぐれにならないように。今回の試合でもフィニッシュしなくちゃいけないというプレッシャーにもなりますし、でもそれをいい方向に持っていける力が自分もあると思うので、今回も強い相手ですけど、気負わず、自分の出せることを全部出して戦えば必ず勝てると思うので頑張りたいと思います」
──コロナの状況もあり、前回が2年10カ月ぶりの復帰戦となったことをご自身ではどうとらえていますか。
「そうですね……仕事が大変でなかなか格闘技には戻れないかなと思っていたんですけど、やっぱり最後は気持ちの問題で、やろう、と覚悟を決めたら、出来るものだったので、その期間に考えたことも無駄にせずにやろうと思っています」
──現在の所属である、グランドスラムでの練習環境はいかがでしたか。
「フィットネス関連の仕事で、エアロビクスなどの有酸素運動を教えていることもあり、その仕事の兼ね合いもあるので、毎日通えているというわけではないのですが、レスリングとボクシング、朝の選手練習などに出させてもらっています。多くはない練習時間で、自分が出来ること・出来ないことを組み立てて、頭を使って格闘技をやっている状況です」
──身体を動かす仕事の分、格闘技の練習ですべきことに優先順位を立ててやってきたと。グランドスラムからの伊藤盛一郎選手も出場（vs.上田将竜）ということで、同じ大会に向かう選手がいる状況はいかがでしたか。
「同じ柔道出身ということもあり、盛一郎くんがスパーリングで組んでくれるときはアドバイスをもらえたり、すごい練習の仕方が上手なんです。怪我なく、たとえば私が苦手なところを動いてくれるので、いい練習が出来ています」
──その成果を復帰2戦目で出したいと。
「そうですね。いいものを、毎試合、違う自分を見せられるように。進化しているところを見せられたらと思います。フルラウンドでも動けるようにやってきました」
──対戦相手のファンはテコンドー＆柔道ベースでONEにも参戦していました。MMA11戦を戦っています。
「やっぱり世界で戦ってきた経験値が自分とは違うので、このタイミングでそういった選手と戦えることは自分にとって貴重な経験になるし、アトム級で来年、勝負の年と考えたら、外せない試合になります。まずはしっかりと収穫のある勝ちを獲りに行きたいと思います」
なお、同大会は、25日の12時45分から当日券も発売。配信では、PANCRASE YouTubeチャンネルがプレリミナリーからメインカード枠の全試合を放送。ABEMAとU-NEXTにてメインカード13試合が配信される。
