Krush.1442022年12月18日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)Krushスーパー・フェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R○中島千博(POWER OF DREAM/王者)判定3-0 ※30-28×3×西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)※中島が初防衛に成功。 中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2勝(2KO)を飾ったが2020年2月に横山朋哉に敗れプロ初黒星。9月も山本直樹に敗れ連敗となったが、2021年5月大会で伊藤健人からダウンを奪って勝利。2022年1月「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』では笠原友希に判定負けを喫し、今回が再起戦となる。戦績は6勝(4KO)3敗。 挑戦者の西元は14勝のうち12勝がKO勝ちというK-1 JAPAN GROUPきってのハードヒッター。直近2試合は判定勝利が続くも、9月の第5代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントではリザーブファイトに出場し山本直樹を撃破し、初の王座挑戦のチャンスを引き寄せた。
1R、軽快なステップを踏む中島に西元は圧をかけていきローとジャブ。序盤は見ていた中島だが、中盤から構えを左右に変えながらのミドル、後ろ蹴りを繰り出す。顔面前蹴りもヒットさせた。
2R、中島は飛び込んでのショートフック&アッパーを見せ、出入りを繰り返す。パンチから高い蹴りを繰り出すのも忘れない。西元は圧はかけていくが、中島の蹴りを警戒しているためか手が出ない。
3R、軽快なステップを踏み、飛び込んでショートのフック&アッパーを繰り出す中島。西元もこのラウンドは勝負を懸けて右を打つ。しかし、中島が右からの左フックでダウンを奪う。ダウンを奪い返そうと前へ出る西元だったが、中島はステップで距離をとりつつ出入りを繰り返してパンチを当て、最後は右フックをヒットさせて試合終了。
中島がパンチの技術も向上したところを見せつけ、初防衛に成功。「今年の1月のトーナメントで優勝して王者になり、12月に防衛戦で締められてまたこのベルトを巻けたことでホッとしています。6月のTHE MATCHに素晴らしい方たちと一緒に出させてもらって結果は負けてしまって、ネットでなぜ中島を出したんだとか負けやがってと言われて悔しくて。そこから鼻を骨折して手術して、K-1のトーナメントも辞退して悔しいことだらけで、防衛戦が決まった時はみんなを悲しませたくない想いがあって。いろいろな人に支えられて今日を迎えました。レオナさんに、KOで勝って俺の相手にふさわしいって勝ち方をして欲しいと言われたので、しっかりKOで勝ってレオナさんに勝てるようにしてKOで勝って来年K-1に行かせていただきたいと思います」と、悔しい想いをバネにしたことを打ち明け、来年レオナに挑戦することをアピールした。
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▼セミファイナル(第8試合)Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R○山本直樹(K-1ジム五反田チームキングス)KO 3R 1分51秒 ※左ボディ×野田哲司(ARROWS GYM)
山本はK-1 WORLD MAXで活躍した山本優弥の弟で、2015年4月にプロデビュー。兄と同じくパンチ&ミドルキックのスタイル。2019年12月、レオナ・ペタスが保持するKrushスーパー・フェザー級王座に挑戦したが2R2分8秒、KOで敗れ王座獲得ならず。2020年9月には現王者の中島千博を破っているが、上位陣に阻まれ足踏み状態。2022年に優弥道場を離れ、K-1ジム五反田チームキングスに移籍した。移籍第一戦の9月は西元也史に判定負け。戦績は13勝(4KO)11敗1分。
野田は2018年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、佐野天馬、伊澤波人を破って頭角を現し、3連勝でKrushフェザー級王者・江川優生に挑戦したがKO負け。2019年11月には斗麗に敗れて連敗を喫し、7月11日のKrushではスーパー・フェザー級に階級を上げて提髪和希と西元也史に連勝。2022年は1月に斎藤祐斗にKO負けも、6月は松本涼雅に勝利した。スピードを活かしたパンチ&キックが持ち味。戦績は9勝(2KO)4敗。
1R、ワンツーの野田に右インローの山本。徐々にプレッシャーを強める野田は強い左ボディを打ち込んで山本を下がらせる。山本も右ミドルで応戦したが、野田の右ストレートがクリーンヒットし、グラつく場面も。野田はかなりパンチ力が増した印象。
2R、ジャブと右オーバーハンドの山本に野田は左ボディからの左フック。両者かなり距離が近くなり、パンチを打ち合う。山本の右ストレート、左ボディに野田は空振りを繰り返していたが、終盤は至近距離で両者ボディを打ち合った。
3R、両者は足を止めて左右ボディを打ち合い、飛びヒザ蹴りを出し合う。我慢比べのようなボディの打ち合いが続き、野田が下がっていくが野田も顔面へのワンツーで逆襲。しかし、山本の左フックからの左ボディでついに野田が耐えきれずダウン。立ち上がった野田だがダメージは深く、再び山本がボディを打つとマットに沈んでしばらく立ち上がれないほどだった。
パワフルなボディの打ち合いでKO勝利を収めた山本は「今日、同じ階級のタイトルマッチがありますが、自分はこんなもんじゃないので来年に期待していてください」と、来年タイトル挑戦を実現させると誓った。
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▼第7試合 【株式会社クレール不動産 Presents】Krushフェザー級 3分3R延長1R○森坂 陸(エスジム)判定3-0 ※30-29×3×稲垣 澪(K-1ジム大宮チームレオン/Bigbangフェザー級王者)
1R、森坂は序盤から蹴りを多用し、左右ミドル、後ろ蹴りと踊るように繰り出していく。稲垣はそのミドルに軸足蹴り。森坂がパンチを繰り出すと稲垣はコンビネーションを返そうとするが、森坂は打ち終わりにバックハンドブローを繰り出してヒヤッとさせる。
2R、稲垣は的確なジャブを着き、強い右ストレート、左三日月を蹴る。しかし、森坂の手数・脚数が圧倒的に多く、バックハンドブローがかすめる場面も。これがどう判断されるか。
3Rも手数・足数を多く出す森坂。稲垣はジャブやヒザを当てるも手数がやはり少ない。森坂は左右ボディを叩き、押し合いになっても負けない。最後は稲垣が前へ出て右を当てに行くが、森坂は頭を振ってかわす。逆に左フックを2度ヒットさせ、稲垣をグラつかせて判定勝ちした。
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▼第6試合 Krushライト級 3分3R延長1R×鈴木翔也(OGUNI-GYM/元NJKFライト級&スーパーフェザー級王者)判定0-3 ※27-28×2、29-27○伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)
1R、鈴木のワンツーに右ショートを合わせてダウンを奪う伊藤。その後も右ストレート、左フックで攻める伊藤に鈴木は左フックを合わせに行く。伊藤は右ハイ。
2Rも右ストレートを中心にパンチで攻める伊藤が優勢だったが、鈴木の右ストレートでバランスを崩すようにダウン。鈴木がダウンを奪い返した形となり、鈴木は右ストレート、左フック、左ボディと前へ出て攻め、鈴木も強気に打ち返す。
3R、伊藤の右ストレートを浴びても前へ出てローを蹴る鈴木。伊藤は焦りからか振りが大きくなり、鈴木のフックをもらうこともあるがジャブ、右ストレート、右ハイと攻撃の手数もヒット数も多く判定勝ちした。
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▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R○林 勇汰(FLYSKY GYM)延長R 判定3-0 ※10-9×3×銀次(VAINQUEUR GYM/KPKB&TENKAICHIフェザー級王者、大和KICK -57.5kg王者)※本戦の判定は29-28、29-29×2。
1R、銀次は序盤から右カーフを狙い撃ち。林は距離を詰めて得意の左右フックを回転させるが、銀次は右カーフ、右ミドル、左ボディ、ヒザ蹴りと多彩な攻撃を林を迎え撃つ。
2Rも右カーフを蹴る銀次に林は距離を詰めてジャブ、そして右オーバーハンドから左フック。徐々に林の回転がスピードを増して押し始めるが、銀次の右カーフで転倒。銀次はヒザ蹴り、林のフックにもフックで打ち合う。
3R、カーフを蹴られないように距離を詰めて左右フックを回転させる林に銀次も打ち合うが、この打ち合いは回転力とパワーに優る林が有利か。銀次は林のパンチにつかんでのヒザで対抗してしまい痛い減点1。
本戦の判定はドローとなり、延長戦へ突入。両者打ち合う中、左ボディをヒットさせる銀次だがパワーに優る林が押し気味も両者ホールディングを繰り返す。最後は足を止めての打ち合い。ここでも林が回転力で優ったか。判定3-0で林が勝利をつかんだ。
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▼第4試合 Krush女子フライ級 3分3R×真優(月心会チーム侍)判定0-3 ※28-30×3○麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード) 真優はK-1甲子園でワンマッチをするなどK-1のアマチュア部門を経験し、K-1 JAPAN GROUPのリングで実績を重ねてきた選手。KANA、壽美、☆SAHO☆らトップどころとも拳を交えている。2022年は3月に鈴木万李弥に敗れるも、6月は芳美に勝利。戦績は8勝(1KO) 6敗 2分。 対する麻央は今回がK-1 JAPAN GROUP初参戦で戦績は5勝1敗。今回が6年ぶりの復帰戦となる。
1R、互いにパンチから蹴りにつないでいき、麻央は蹴りがよく出る。真優は前蹴り。は左右のミドル、そしてローをどんどん蹴っていき、待ちの姿勢の真優はジャブを出すも麻央の蹴りが目立った。
2Rも蹴りを多用する麻央。左ミドルと左右ローがヒットする。真優が入ろうすると左ミドルを合わせる。パンチからローも決まりだし、真優は手数が少ない。麻央の蹴りが目立つ。
3R、真優も前蹴りと右ストレートを放つが麻央はその倍以上の蹴りとパンチを返す。打ち合いになっても必ずミドルを混ぜる麻央。左右フックのパンチ一辺倒にならず、必ず最後にミドルを蹴ってヒットを奪う。
最後まで手数が出なかった真優を、蹴りを多用していった麻央が判定に降した。
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▼第3試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R×芳美(OGUNI-GYM)判定0-3 ※28-30×2、27-30○櫻井梨華子(優弥道場) 芳美はNJKFの女子部門であるミネルヴァで長年活躍してきた選手で、昨年よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。Krushで3試合を戦い、1勝2敗という戦績。6月のK-1初出場では真優に敗れた。戦績は11勝(2KO) 25敗3分の大ベテラン。 櫻井はK-1・Krushでも活躍した山本優弥率いる優弥道場の選手で、K-1アマチュアの大会で優勝も飾っている。K-1 JAPAN GROUPでは4戦して1勝3敗。前回は6月に鈴木万李弥に敗れた。戦績は2勝(0KO) 5敗。ダンサーでもある。
1R、左右の大きなフックを繰り出す芳美に櫻井は左ローとワンツーで対抗。芳美は前へ出るも大きなフックが続き、終盤には櫻井の右ストレートを連続して被弾する。
2R、櫻井の右ロー&左インローをもらって苦しい展開の芳美。櫻井は前蹴りもボディへ突き刺して右ストレート。両者ホールディングが増え、芳美がフックで飛び込んではホールディングの展開が続く。
3R、櫻井はワンツー・ローで前へ出て、芳美はフックで対抗するがホールディングしてしまう。櫻井は前蹴り、組まれるとボディを打つ。離れると櫻井の連打を浴びる芳美は組み付いてしまう。
判定3-0で櫻井がベテランを破った。
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▼第2試合 Krushフライ級 3分3R延長1R×西林翔平(K-1ジム福岡チームbeginning/KPKBバンタム級王者)判定0-3 ※27-30×2、28-30○大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1甲子園2022 -55kg優勝)
1R、大鹿はパンチから蹴りのコンビネーションの回転が速い。コンビネーションで攻撃を多く出す大鹿に西林はもらいながらも前へ出続けて左右フックを狙う。大鹿の強烈な左ボディをもらっても西林は前へ出る。
2R、大鹿は前へ出る西林に強めのジャブで距離をとるが大西林はどんどん前へ詰めてくる。大鹿はワンツー・左フック、ワンツー・左ボディを強打するも西林はプレスを弱めない。ヒットを奪っているのは大鹿だが西林が徐々に追い込んでいる。
3R、西林のプレスに下がる大鹿だが、ジャブを当て、強い左ミドルを蹴り、速いコンビネーションを回転させて左ボディを命中させる。最後まで前へ出続けた西林だったが大鹿の完勝に終わった。
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▼第1試合 Krushフライ級 3分3R延長1R○大夢(WIZARDキックボクシングジム)判定2-0 ※29-29、30-29、30-28×石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning/KPKBフライ級王者)
1R、互いにジャブを突いてロー、ミドルを蹴る。サウスポーの石郷は左ミドルを蹴るが大夢はその蹴りにパンチを合わせていく。大夢は右の三日月を蹴りつつ、右ストレートをねじ込む。負けじと石郷も左ストレートをガードの隙間から打ち込んだ。
2R、大夢の右三日月に石郷も負けじと左三日月を蹴る。大夢が右ストレートをヒットさせて一気に前へ出るが、石郷も左ストレート、右フックで応戦。打ちに出る大夢だが石郷はかわしてパンチを返す。
3R、頭を振って大夢のパンチをかわしながら打ち返していく石郷に、大夢は右三日月を蹴ってからの右を当てに行く。石郷も左ストレート&右フックで打ち返し、左ミドル。大夢は時折ヒザを突き上げ、セコンドの指示通り右ストレートからの左フックをクリーンヒット。ジャブ、右ストレートで攻める大夢に石郷も右フックを打ち返すが、攻めの姿勢を見せた大夢に凱歌が上がった。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushフェザー級 3分3R×天野颯大(キング・ムエ/K-1甲子園2021 -60kg優勝)判定0-3 ※24-30×3○橋本雷汰(BFA-SEED/K-1甲子園2022 -60kg優勝)
天野は300グラムオーバーで減点1からのスタート。
1R、サウスポーの橋本は左の蹴りを出しながら左ストレートを放つ。天野は右インローを蹴りつつワンツーで飛び込む。橋本は天野のローにジャブを合わせにいく。
2R、橋本は前手のジャブと右フックを多用し、天野の攻撃へ必ずリターン。天野が打ってきたところへ右から左フックを返してダウンを奪う。
3R、橋本は待ちの姿勢で天野が入ってくるところへジャブ、ヒザ蹴り。天野は前に出て勝負をかけるが、そこへ橋本がヒザを突き上げる。左ヒザをアゴに突き上げてからの左フックでダウンを追加する橋本。徹底したリターンと待ちの姿勢で翻弄する橋本に、天野はノーガードになって雄叫びをあげるが、そこで橋本の左フックをもらってまたもダウン。
テクニックを見せつけた橋本が大差の判定で勝利を収めた。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R○光佑(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)KO 1R1分26秒 ※左フック×早田吏喜(TEAM3K/K-1甲子園2022 -60kg準優勝)
1R、サウスポーの早田が左右のカーフで攻め込みワンツーを打ったところへ光佑が左フックを浴びせてダウンを奪う。その後も光佑は左フックを狙い撃ち。最後も左ストレートに左フックを合わせて豪快なKO勝ちを飾った。