キックボクシング
レポート

【RISE】中村寛が伊藤澄哉に豪快KO勝ち、緑川創とブラボは熱闘ドロー、政所仁が滉大に辛勝、女子初のOFGマッチは熱戦で小林愛理奈が勝利

2022/12/10 18:12
RISE 1632022年12月10日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第12試合)ライト級(-63kg) 3分3R延長1R○中村 寛(BK GYM/同級3位、第6代DEEP☆KICK-60kg級王者)KO 2R 2分22秒 ※左ストレート×伊藤澄哉(戦ジム/スーパーライト級6位)  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。今年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。しかし、10月のチャンヒョン・リー戦では2RにTKO負けを喫しており今回が再起戦。戦績は12勝(10KO)5敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。  伊藤は地下格闘技キックの大会『益荒男』や『飛車角』で活躍、17戦(15KO)無敗の戦績を引っ提げて2019年11月にRISEでプロデビュー。3戦3勝2KOの快進撃を続けていたが、2021年9月の4戦目で実方拓海に初黒星を喫した。2022年4月にはYA-MANと初のOFGマッチを行ってダウンの応酬の末にKO負け、8月には山口侑馬に負傷判定で敗れている。女子ムエタイで活躍する伊藤紗弥の兄。  1R、サウスポーの中村に伊藤は左回り。伊藤は右ミドルを蹴ってからの右三日月。頭を動かす中村に伊藤は右のパンチを軽くだが当てていく。入ってくるところへ右ミドル、ジャブ。中村はほとんど手を出すことなく1Rを終えた。  2R、中村は前に出ながら左ハイ、伊藤はおちついてかわすと右ロー。中村は伊藤が入ってくるところに右ストレートで前へ出る。さらに左ミドル。伊藤もワンツーで応戦する。一気に攻撃モードに入った中村が出入りを繰り返してパンチを繰り出し、右フックからの左ストレートでダウンを奪う。  立ち上がった伊藤は猛然と打ち合いを挑むが中村は左のヒザをボディへグサリ。さらなる打ち合いで中村が左をヒットさせると飛び込んでの左ストレートが決まり、伊藤は後方へ吹っ飛んでダウン。ここでレフェリーが試合をストップした。  見事2022年ナンバーシリーズの最終戦を宣言通りのKOで締めくくった中村は「後楽園じゃなくて、次は俺に挑戦権があるから、直樹が一回もタイトル懸けんと逃げてるから。俺はワールドシリーズのメインで、こんな大会のメインじゃなくて、もっとデカいところで応援してくれる人いますか? 俺がタイトル獲って本気で世界に挑戦します。  伊藤代表、来年はタイトルマッチお願いします。自分だけじゃなく伊藤選手は65kg狙える強さあります。強い人とやらせすぎです。プロデュースをしてあげてください。相手が逃げてなかなか試合が決まらない中、受けてくれて感謝します。俺の今年ラストマッチを応援してくれた皆さん、ありがとうございました。冬は休憩して怪我を治して復帰するのでよろしくお願いします。もっと強くなって帰って来るから」とワールドシリーズのメインイベント、世界への挑戦、ライト級王座への挑戦など様々なことをアピールして“冬眠”に入ると宣言した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第11試合)ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R△緑川 創(RIKIX/同級2位、元日本ウェルター級王者)ドロー 延長R判定1-1 ※10-9、9-10、10-10△リカルド・ブラボ(WSRフェアテックス/元日本ウェルター級王者)※本戦の判定は28-30、30-30、29-29。  緑川は2005年デビューのベテランで、新日本キックボクシング協会でミドル級王座とWKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得し、K-1 WORLD MAX世界王者アンディ・サワーにも勝利した実績を持ち、国内ミドル級最強の一角として長く君臨。2020年7月よりRISEに参戦し、前戦ではかねてより対戦を熱望していたミドル級王者のイ・ソンヒョンとノンタイトル戦ではあるが対戦が実現。延長までもつれ込む熱戦を演じドローとなった。2023年2月の引退を表明しており、当初この試合がRISEラストマッチだったが、本人の希望もあり今回が後楽園ホール最後のリングとなることに。  その緑川と対戦が決定したのは同じく新日本キッククシング協会出身のリカルド・ブラボ。リカルドは17歳の時にアルゼンチンから来日。長いリーチから生み出される鋭いストレートを武器にKOを量産し2018年に7戦無敗でウェルター級王座を獲得。所属していた新日本キックボクシング協会を離れ新たにWSRフェアテックス所属となりRISE初参戦を果たす。  1R、ブラボは右カーフ、緑川も右カーフを蹴る。ブラボは体格差を活かすため前蹴りとジャブ、距離をとってローを蹴る。ワンツーを打つとグローブの上に当たって大きな音が出たため場内がどよめく。蹴りからワンツーで前へ出るブラボだが、緑川は右を合わせ左ボディも打つ。飛びヒザ蹴りで入って右フックを打つブラボ。緑川は右カーフを蹴り、左右フックの打ち合いもする。緑川が攻撃をもらっても下がらず返す頑丈ぶりを見せた。  2R開始早々打ち合いになり、ブラボの右がクリーンヒット。そこから一気にブラボが前へ出ていき、前蹴りで突き放すことを混ぜながらパンチを放っていく。舌を出しての挑発も。緑川も負けじと左フックからの右フック。ブラボの強烈な左ボディ。緑川も左ボディから思い切り右フックを打つ。笑いながら前へ出る緑川に下がるブラボ。緑川のボディに動きが止まるが、表情で“効いてないよ”とアピールし、パンチを打ち返す。  3R、ガードを固めて前に出る緑川がボディから左右フック、ブラボは右ミドル、右ロー、前蹴りで対抗する。ブラボが強烈な左フックを打っても緑川は一歩も下がらず打ち返しに行く。ブラボは2度にわたって足払いで緑川を転倒させる。ブラボのパンチを被弾しても一歩も下がらず前へ出て打ち返す緑川。ブラボが前蹴りでそれを押し戻して試合終了。  本戦の判定は0-1(ブラボ)でドロー。延長戦へ突入する。ブラボはジャブ&ローで突き放しにかかるが、緑川はブラボをコーナーへ詰めて連打を放つ。下がりながらのジャブ&ロー、そしてヒザ蹴り。前へ出て左右フックを放つ緑川。攻撃を当てているのはブラボだが、前に出続けているのは緑川という展開。最後まで緑川が攻め、ブラボはフットワークでかわした。これがジャッジにどう影響するか。  判定は三者三様のドローとなった。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R○政所 仁(魁塾/同級3位、WBKF世界スーパーフライ級王者)判定3-0 ※30-29×3×滉大(及川道場/同級4位、HOOST CUP初代スーパーフライ級王者)  政所は関西の名門ジム「魁塾」所属の24歳で、バルカン砲とも評される回転の早い打撃と意表を付く飛び膝蹴りを武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。昨年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で親友の風音に判定負け。11ヶ月ぶりの参戦となった8月大会では花岡竜にTKO負けを喫している。戦績は15勝(4KO)10敗1無効試合。  対する滉大は政所と同じく関西在住のファイターで2017年にDEEP☆KICK 53kg、2019年にHOOSTCUP日本スーパーフライ王座を獲得。2021年7月よりRISEに参戦すると「RISE DEAD OR ALIVE 2021」トーナメントで1回戦と準決勝(リザーブマッチから繰り上がり)の2度にわたり志朗と対戦するがいずれも惜敗。今年6月には花岡竜にも敗れ、RISEではまだ白星をあげられていない。戦績は16勝(4KO)5敗2分。  1R、前に出るのは滉大で政所は右ローを蹴る。両者ともスイングの大きな右フックを混ぜ、滉大は入り込みながらの左右フック、政所はワンツー・左フックを繰り出す。滉大が入り込むところへ政所が強い左ローを蹴り、滉大を転倒させる。  2R、強い右ローを蹴る政所は前に出る滉大へ左右ハイキック。滉大は左のジャブ、フックで入り込み、右ストレートを打つ。手数を増やす滉大に政所は一発の強い右ボディストレート、右フック。右ストレートで滉大をコーナーまで吹っ飛ばしたのは印象がよかった。  3R、滉大がパンチからミドルへつなげて前へ出る。政所は一発の強い右。滉大が接近しての左右フックと左ミドル、政所はジャブを突いて右ストレート。滉大の左ハイが政所の顔面をかすめる。前へ出て手数を出す滉大に政所は左ボディ、左フック。ワンツーをヒットさせる滉大だがすかさず政所が右フックを返す。  最後はぐちゃぐちゃのもみ合いになることも多かったが、一発のインパクトが強い攻撃を放って行った政所が辛くも勝利を収めた。  マイクを持った政所は「滉大選手に2回負けているんですが、一番不安で怖かったんですが、皆さんのおかげで勝ててよかったです。これから上位みんなぶっ倒していこうと思います」と、サバイバルマッチで生き残った安堵の気持ちを語った。 [nextpage] ▼第9試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×大森隆之介(EX ARES/同級5位)判定0-2 ※29-30、29-29、29-28○加藤有吾(RIKIX/WMC日本スーパーバンタム級王者、岡山ZAIMAX MUAYTHAI 2021 55kg トーナメント優勝)  8月の大阪大会で京谷祐希を2R KOで下した大森がWMC日本スーパーバンタム級王者の加藤を迎え討つ。  大森は2020年1月のプロデビュー後、2021年7月に有井渚海に負け連勝がストップするもその後は田渕神太、良星、京谷祐希ら格上を次々と撃破し現在8戦7勝1敗(5KO)の戦績を持つ22歳。  対する加藤は元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・石井宏樹の愛弟子でジュニア時代から石井の指導を受け、プロデビューすると持ち前の強打で頭角を現し2019年12月にWMC日本スーパーバンタム級王座を奪取。2021年1月には元山祐希と壱・センチャイジムを破って岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント優勝を果たした。8月のRISE大阪大会で初参戦を果たしDEEP☆KICK王者の翔真を判定3-0で下している。  1R、両者軽快なステップを踏み、ジャブを出し合う。大森のジャブに加藤が右カーフ。加藤はジャブから右でボディを打ち、大森は前蹴り。リーチに優る大森がジャブを使って距離をとる戦い方で加藤のパンチがなかなか当たらない展開だが、大森の攻撃は多くはない。  2Rもジャブ、左ミドルで距離をとる大森。ローの蹴り合い、加藤は大きな右から入っていこうとするが大森は右アッパー&右フックで迎え撃つ。加藤も負けじと右を出しながら前へ出る。大森の右フックからの左がヒット。加藤はすぐに前へ出て打ち合いに行くが大森がジャブと前蹴りで距離をとる。加藤は右カーフと右フック。お互いに左ボディを打ち合う。  3Rも前に出るのは加藤。大森の右をもらった加藤だがすかさず右フックを打ち返す。同じような展開が続き、攻める加藤に大森が当て、加藤が打ち返す。クリンチが増えるのは大森。加藤の左右フックに大森はヒザを突き刺すがすぐにクリンチ。加藤の右ストレートには大森が後ろ蹴りから右ストレート。大森の左ボディから右ストレートに加藤は右を返すが大森のクリンチ。加藤は左右フック、ラッシュをかけようとするが大森のクリンチに捕まる。  判定は2-0で攻めの姿勢を見せた加藤に凱歌が上がった。加藤はマイクを持つと「ずっとヒジありとか他の団体で試合をしていてRISEの人は知らないと思いますが、今日の試合で覚えて帰ってください。RISEの王者になるために来たので、来年RISEの王者になります。今日みたいな試合ではダメなんですけれど強くなります」と、来年タイトルまでたどり着くとアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 オープンフィンガーグローブマッチ -46kg契約 3分3R○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/アトム級1位)判定3-0 ※29-28×3×平岡 琴(TRY HARD GYM/アトム級2位)  遂に女子によるオープンフィンガーグローブマッチが解禁。  小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。2021年1月の『アトム級NEXT QUEENトーナメント』1回戦で奥脇奈々を得意のパンチでKO。決勝戦では2020年10月にプロ初黒星を付けられた宮﨑小雪へのリベンジを狙うも判定負け。4月には平岡琴と観客が拍手喝采の激闘を演じ、判定2-0で勝利した。7月には百花にもダウンを奪って判定勝ちし、2022年1月には祥子JSKにKO勝ち。しかし、5月に3度目の対決となった王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。11月に宮﨑若菜から判定勝ちして連戦に臨む。戦績は6勝(2KO)3敗1分。  平岡は極真会館の『全日本女子ウェイト制空手道選手権』軽量級優勝の実績を持ち、多彩な蹴り技が持ち味の選手。2020年2月には3連勝でRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑み、ダウンの応酬の末に判定で敗れると、同年8月にerika、10月にはsasoriに判定負け。2021年4月には小林愛理奈に判定2-0で惜敗と泥沼の4連敗。しかし、9月の奥脇奈々戦で勝利をつかみ復活の狼煙をあげると2022年2月には田渕涼香、6月に百花を破り3連勝と勢いに乗る。歯に衣着せぬ発言で話題を呼ぶ“怖いお姉さん”。戦績は11勝(3KO)7敗1分。  両者は2021年4月に対戦し、小林が判定勝ちしている。両選手とも以前からOFGマッチを熱望しており、どんな試合を見せるか。  1R、小林から前に出ていきなり打ち合いを見せる両者。小林は左フックから右フックを返す、平岡はジャブを突いて右ミドル。パンチのコンビネーションを繰り出す小林に平岡は右ローと左ミドルも混ぜる。フルスイングも混ぜる小林に平岡の飛び込んでの右がクリーンヒット。小林が右を当てると平岡は前蹴り、後ろ蹴りで距離をとる。右フックを当てていく小林。  2R、左右フックで入り込む小林に平岡は左右ロー、左ミドル。小林の左右ボディが鈍い音を立てて決まる。平岡は左ミドルとヒザ、右ミドルから右ボディ。平岡が左右フックで突進し、ヒザを突き刺す。さらに後ろ廻し蹴りで魅せる。小林が左右の連打、平岡はヒザで迎え撃つ。両者とも攻撃の手を休めない。  3Rが始まってすぐの打ち合いで小林の右フックに平岡がダウン。猛然とパンチを振っていく小林に平岡も打ち返す。ボディを打ち合い、パンチのコンビネーションを回転させる小林に平岡は蹴りを織り交ぜる。小林も胴廻し回転蹴りで場内を沸かせる。小林が左右ボディ、そしてワンツー。小林も右フックで逆転を狙う。  最後まで両者攻め合って終了。判定は3-0でダウンを奪った小林の勝利となった。ただOFGで殴り合うのではなく、アームブロックや相手のパンチの軌道を上腕で変えるなど随所でディフェンスのテクニックを披露。顔面に偏らずボディ打ちや蹴りもしっかり織り交ぜるなど、高いレベルの攻防で女子初のOFGマッチにふさわしい試合であった。  最後は笑顔で健闘を称え合ったが、リングを降りる間際に平岡は悔し涙を流した。  小林はマイクを持つと「ありがとうございました。秒殺を狙っていたんですがやっぱり当て感も違って、グローブよりも当たりそうで当たらんくて苦戦しました。判定も全然ダメで、女子初のOFGなのにこの先やってくれるか分からない試合をしてしまって。YA-MAN選手が余計に凄いと思いました。  これからOFGやりたいですが、同じジムの坂口しかいないのでそこは避けてもらって、挑戦者を募集します。体重も合わせるので。女子格を盛り上げるためにもみんな挑戦して欲しいと思います。25日の健飛くんにつなげたので、師匠に勝ってもらっていい年を越したいと思います。あと、アトム級から逃げたみたいになっているんですが逃げていません。何年かかっても(宮﨑)小雪選手に勝とうと思っているのでそこも注目してください」とアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R×北井智大(チームドラゴン/ライト級4位)判定0-3 ※27-30、29-27、26-30○麻火佑太郎(PHOENIX/同級7位)  北井はチームドラゴンのニューリーダーとしてRISEで活躍。後半戦の強さを活かして勝利することが多く、パンチでの猛攻で逆転勝利を飾ってきた。RISE随一の激闘派として知られ、2019年2月に各団体で暴れまわる山口裕人を初回KO、9月にKNOCK OUTで活躍した水落洋祐を初回KO、2020年1月にはNKBライト級王者・高橋一眞を2RでKO、8月にはKNOCK OUTで活躍したマサ佐藤も判定で破るなど“RISEの門番”としての一面も持つ。2021年9月に初のオープンフィンガーグローブマッチに挑んでYA-MANにKO負けを喫し、今年4月には中村寛にもTKO負け。今回からスーパーライト級に上げて8カ月ぶりの再起戦となる。戦績は24勝(9KO)16敗2分。  麻火は元TENKAICHI Gライト級王者。K-1甲子園-60kgベスト4、KAMINARIMON×新空手最強決定戦-63kg優勝、全日本格斗打撃選手権大会優勝などの実績を持つ。KNOCK OUTとREBELSでキャリアを積み、2021年2月のREBELSでは紀州のマルちゃんを初回KOに沈めたが、5月大会では古村匡平と接戦を演じるも判定2-0で敗れた。9月のKNOCK OUTでは大谷翔司にKOで敗れるも、今年2月のRISEではチャッピー吉沼から勝利。5月には木村“ケルベロス”颯太に判定で敗れた。戦績は10勝(1KO)8敗。  1R、サウスポーの麻火に北井は左へ回り込む。麻火の左掛け蹴りに左右フックを返す北井。麻火のジャブにアゴが跳ね上がる北井だが左ローを蹴っていく。ジャブを突いて距離をとる麻火。麻火は後ろ廻し蹴りから顔面前蹴り、さらにスーパーマンパンチ。これをもらった北井が前へ出て打ち合いに出るが、逆に麻火の左をもらう。それでも怯まない北井は前へ出て右ストレートを当てに行く。  2R、序盤から突進して連打を見舞っていった北井だが、麻火にかわされてコーナーへ詰まり、左ストレートをまともにもらってダウン。鼻血が大量に噴き出す。ドクターチェックの後、突進して左右フックの打ち合いをする北井だが、麻火は冷静に左を当てる。ガムシャラに連打する北井に麻火はヒザで対抗。もらっても前へ出て右を打つ北井。麻火の右カーフに北井が大きくバランスを崩す。顏だけではなく上半身も血で真っ赤に染まる北井。突進するもかわされて麻火の連打をもらった。  3Rも突進する北井は鼻血を噴き出しながら打ち合いに行くが、麻火はジャブを突き刺して距離をとる。面白いようにジャブが入り、左ストレートも決まる。左目が大きく腫れあがった北井はガムシャラに前へ出て、麻火はジャブを突いてフットワークを使ってのアウトボクシング。空振りが続く北井に麻火は左ストレート。  最後まで逆転を狙って攻めの姿勢を貫いた北井だったが、有効打とダウンを奪った麻火の大差判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R○平野凌我(MTS/同級2位)判定3-0 ※29-28×3×澤谷大樹(HAWK GYM/同級4位、DEEP☆KICK-60kg級王者、CKC2022 -57.5kgトーナメント優勝)  平野は昨年7月にYU-YA、手塚翔太、竹内将生を下し今年3月のRISE156で工藤政英が返上した第4代フェザー級王座を懸けて梅井泰成と対戦するも判定負けを喫し王座戴冠に一歩手が届かず9カ月ぶりのリングで再起を目指す。  対する澤谷は7月に行われたCKC 2022 -57.5kgトーナメントで松井大樹、翔、松山和弘を撃破し優勝。今年入って5戦5勝(1KO)と絶好調なため2022年最後の後楽園大会も勝利で終わりたいところだ。  1R、サウスポーの澤谷は左ミドルを蹴り、前に出てきた平野へ左フック。一度下がった平野だが再び前へ出るとまたも澤谷が左フックで迎え撃つ。右アッパーを2発突いた澤谷が攻勢に出るが、至近距離での打ち合いで平野が上から被せるように右フックでダウンを奪う。  2R、前に出る澤谷は左ミドル、ワンツー。しかし、距離を詰めるところへ平野に右を合わせられる。平野はさらにヒザ蹴り。左フックを入れたい澤谷に平野はクリンチが増える。澤谷の左をかわしての右を入れる平野。  3R、飛び込む澤谷を右ミドルで迎え撃つ平野。澤谷は距離を詰めて平野をロープに押し付けてのヒザ蹴り。平野は大きくリングを左へ回り込み、澤谷がそれを追っていく。逆転を狙いたい澤谷は前へ出るが突っ込みすぎて距離がなくなり、クリンチという展開が続き、終盤はこれといった攻防がなく試合終了。  ダウンを奪った平野が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第5試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R○戸井田大輝(戸井田ジム/MA日本スーパーバンタム王者)KO 1R 2分37秒 ※3ノックダウン×松山和弘(ReBORN経堂/CKC2022 -57.5kgトーナメント準優勝)  戸井田は闘志全開のアツいファイトで会場を沸かせるファイターで戦績は10勝(4KO)5敗。前回は4月に澤谷大樹に判定負け。松山は様々な団体で試合を行い、7月のCKC2022 -57.5kgトーナメント準優勝。戸井田のセコンドには木村“フィリップ”ミノルが就いた。  1R、アグレッシブに攻める松山の左ボディに戸井田は右フック。松山は前へ出て左ミドルからパンチを当てていく。松山が左ミドルから左ボディ、さらに右ロー。圧倒的な手数で攻め続ける。しかし、戸井田が狙いすました右ストレートでダウンを奪う。  途端に足を止めての打ち合いになる両者。ショートの右ストレートで戸井田がダウンを追加する。最後も打ち合いで左フックから右ストレート、戸井田が打ち合いでの強さを見せてKO勝ちした。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R×樋口知春(極真会館/同級14位、第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会 中量級優勝)判定0-3 ※27-30、26-30×2○基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM)  樋口は極真会館全日本ウェイト制空手道選手権2018中量級優勝の実績を持つ空手家で2021年5月の「RISE149」でプロデビュー。昨年12月の細野登弘戦ではパンチでダウンを奪うと続けざまにパンチラッシュからのヒザ蹴りで1R KO勝利を飾り、今年8月の中元優成戦では2Rにパンチでスタンディングダウンを奪い3Rに強烈なローキックをヒットさせKO勝利を収めた。  対する基山は“怪物くん”こと鈴木博昭率いるBELLWOOD FIGHT TEAMの新鋭選手で2020年から2021年にかけて龍翔、大雅、小野幹晃に3連敗を喫していたが、2021年12月の井口翔太戦以来、4連勝中と絶好調。前戦では初代WBCムエタイ日本統一フェザー級王者のオーシャン・ウジハラを相手にダウンを奪い判定勝利を収めている。  12月25日の両国大会では樋口の同門・南原健太がシーザージムの坂本優起とシュートボクシングルールでの対抗戦が決定している。RISE vs.SBの前哨戦、まずここで先勝するのは樋口か基山か。  1R、異常にテンション高く叫んでコーナーを出たサウスポーの基山だが、樋口の右ハイに合わせた左ローがローブローとなってしまい試合は中断。再開後、基山は左インローを蹴り、スピードのある左ストレートで樋口を脅かす。樋口は右ミドルで応戦。基山のスピードがあり、伸びる左ストレートに苦しむ樋口。右ミドルで左腕を潰す作戦か。打ち合いになっても回転力で基山が優り、パンチを当てていく。  2Rも前に出る基山はスピードのある左右を回転、樋口の回転を上回って当てる。樋口は右ミドルで基山の左腕を蹴り、右インローも。樋口が前に出てくるとワンツー・スリーの左フックでダウンを奪う基山。正面に樋口は基山の左ストレートをまともにもらい、大きく仰け反って連打をもらう。  3R、前に出る樋口は右三日月蹴り、右ミドルを蹴るが、やはり真正面に立つため基山の左ストレートまともにもらい、返しの右フックも受ける。思い切って右を打ちに行く樋口に左を返す基山。両者足を止めてパンチの打ち合いを見せるが、基山の伸びる左をもらう樋口。気迫に優る基山がパンチで押し込み、判定勝ち。樋口に5戦目にしてプロ初黒星を付けた。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R○山元剣心(FAITH/同級9位)KO 1R 2分20秒 ※右ストレート×白石 舜(TEAM TEPPEN/同級15位)  山元は2018年KAMINARIMON全日本大会-60㎏級優勝・大会特別賞の肩書きを提げ2019年6月にプロデビューを果たし、現在10戦6勝4敗(3KO)の戦績を持つ30歳。今年3月、都筑海杜に先制ダウンを奪われながらも得意の左フックで逆転KO勝利を飾り場内を沸かせた。  対する白石はアマチュアで数々の実績を誇り今年3月のプロデビュー以来3連勝中のTEAM TEPPEN期待のホープ。11月3日のRISE EVOL.11でMMAとキックの二刀流ファイターの愛翔との試合が組まれていたが、愛翔が減量中に体調不良となり公式計量を行えず失格となり不戦勝に。試合が出来なかった鬱憤をこの後楽園ホールで爆発させたいところだ。  1R、白石はいきなり飛びヒザ蹴り。サウスポーの山元はノーガードになって挑発する。白石は右ストレートを狙い撃ち、山元の返しのフックはかわす。前に出るのは山元だが白石が先手を取って当てに行く。しかし、白石がロープに詰まったところで山元が飛び込んでの右ストレート。  これが見事に決まり、山元が一発KOを収めて白石を担架に乗せた。 [nextpage] ▼第2試合 ウェルター級(-67.5kg)3分3R○森本一陽(NEXT LEVEL渋谷/元J-NETWORKスーパーウェルター級王者、元Bigbangスーパーウェルター級王者)KO 3R 1分50秒 ※左フック×ストロング小林(契明ジム/ACFウェルター級王者)  国内2冠の森本は2018年5月以来のRISE参戦。2010年デビューのベテラン選手で、小柄ながらアメフトで培った突進力に加え、パワフルな左右フックとトリッキーな動きを武器に2012年4月にJ-NETWORK、2015年9月にBigbangの二団体でスーパーウェルター級タイトルを獲得。今年に入り2年ぶりに復帰するもイモト・ボルケーノ、髙木覚清などに連敗を喫しており4年半ぶりのRISEで勝利を掴みたいところ。  対する小林は「格闘技のおもちゃ箱」ACFを主戦場に戦い、昨年10月には20歳という若さでACF初代ウェルター級王者に認定されている実力者。現在15戦12勝のうち11KOと驚異のKO率を誇っており、初参戦のRISEのリングでも強さを見せつけるか。  1R、森本は独特なリズムで出入りし、大きくアウトから振ってくる左右フック。小林は下がりながらワンツー、左右フックを繰り出すが森本の変則的な動きに空振りが続く。ならばと右ローを蹴る小林。森本は左右フックを当てていく。  2R、森本は右ミドル、小林は右ローで蹴り合い、小林は左ボディも打つ。森本の伸びる左ロングフックをもらう小林。森本の左右フックを被弾する場面が増えてきた小林は右ストレートを打つが、すぐに返しのフックをもらってしまう。ジャブを受け続けた小林は首をひねる。  3R、飛び込んでの左フックを当てる森本。前に出て左右フックを当てて行く森本に小林は手が出ない。小林は右フックを打ち返すがコーナーで森本の左右ボディ、そして右からの左フックをもらい、前転するように頭からマットに落ちてダウン。そのまま森本のKO勝ちが宣せられ、小林は担架で運ばれた。 [nextpage] ▼第1試合 フライ級(-51.5kg) 3分3R×Novo(TARGET SHIBUYA)KO 2R 0分27秒 ※左ストレート○松本天志(HAWK GYM)  1R、両者とも慎重な出足。お互いに距離を測り合う。サウスポーの松本は強烈な左インローから左ロー。この左ローで足を上げるNovoはダウンを奪われる。足を痙攣させながらも立ち上がるNovo。松本は左ロー、左ミドル、左ハイとNovoを追い込んでいくがNovoは粘る。  2R、松本は左ボディストレート2発からの左ストレート。意表をつかれたNovoはまともにもらってダウン。レフェリーは様子を見て即座にストップをかけ、松本が鮮やかなKO勝ちを収めた。
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