MMA
インタビュー

【PANCRASE】暫定王座戦に臨むTSUNE「一時期は無縁で目指さなかったベルトが、見えてきた。しっかり獲りに行く」×田嶋椋「ビッグチャンスを掴む」

2022/12/09 23:12
 2022年12月25日(日) 横浜武道館で開催される「PANCRASE 330」で「PANCRASEバンタム級 暫定王者決定戦」(5分5R)に臨む、TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)と、田嶋椋(OOTA DOJO)が8日、調印式に出席、記者団との質疑応答を行った。  当初、バンタム級王座初防衛戦に臨む予定だった中島太一(ロータス世田谷)が練習中の怪我で欠場。代わりに同級6位の田嶋椋(OOTA DOJO)が、1位のTSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)と暫定王王座を争うことになった。  キャリア12年目の37歳、18勝11敗4分のTSUNEの相手に抜擢されたのは、2022年10月にネオブラ優勝とMVPを獲得した6勝1敗、23歳の田嶋椋。  会見冒頭で、田嶋は「このようなビッグチャンスをいただけて、しっかり先輩の胸を借りるつもりでベルトを獲りにいきます」と所信表明。  TSUNEは、「このタイトルマッチが決まって、正規チャンピオンが怪我をして、タイトルマッチが無くなりかけたんですけど、試合を受けてもらった田嶋選手に感謝します。やることは一緒なので、勝ちにいくだけです」と意気込みを語った。 無くならなくてホッとした(TSUNE)、こんなビッグチャンスやるしかない(田嶋)  12月の試合が、約1カ月前に対戦相手が変更され、暫定王座戦になったことについて、TSUNEは、「対戦相手が変わること自体が初めてで、だいぶ動揺したんですが、(対戦相手の怪我で)『1日待ってくれ』という連絡で、“無くなるかな”と思いながら1日過ごしていたので、そこで『(対戦相手が)見つかった』と聞いてホッとしました。試合ができること自体が嬉しく、またチャンピオンシップを待たされる、ということにならなかったので、相手どうこうではなく、チャンピオンシップをやってもらえることが嬉しいです。(対中島戦の)対策はいろいろやっていたので、また“いちから”(作戦の練り直し)でしたけど、(ベルトを)獲りに行くということでは何も変わらないです」と、モチベーションは変わらず戦えるという。  一方、急遽タイトルマッチに臨むことになった田嶋は、「1カ月前くらいのオファーで、こんなビッグチャンス、やるしかないので、すぐ『やります』と太田(純一OOTA DOJO代表)さんに返事をして、決意を決めて返事をしました」と、スクランブル参戦のオファーながら即答だったことを明かした。  TSUNEは、田嶋より10年多いキャリアを持つ。2011年にプロデビューし、DEEPを主戦場に4連勝(2分)と快進撃も、2014年から2015年にかけて3連敗で、2015年12月からPANCRASEに参戦。6勝2敗と好スタートも、WLF後に金太郎、アラン“ヒロ”ヤマニハ、春日井寒天たけし相手に3連敗と厳しいキャリアを過ごした。  しかしその後、鬼神光司を1R リアネイキドチョークで極めると、平田丈二と井村塁に判定勝ち、2022年9月の前戦では平岡将英を1R リアネイキドチョークで極めて再び4連勝をマークしている。  紆余曲折を経てタイトルマッチを戦うことについて、「一時期はちょっと連敗もあって“無縁”じゃないですけど、ベルトとかを目指さずにやっている感じだったんですけど……連勝してだんだん(ベルトが)見えてきて、もう一度、しっかり獲りに行くという気持ちが強くなりました」と、アップダウンのなかで連勝し、あらためてベルトが目標になったという。 5R戦に向けすごい数のランニングをやってきた、日本で一番いい環境のジムでやっている(TSUNE)  王座戦は5分5Rの長丁場。両者にとって初の5R戦になるが、TSUNEは「全部を毎回強化しているんですが、今回やっぱり5Rということで、いつもより5R用の練習をやってきましたし、ランニングもすごい数をやってスタミナ強化をしてきたので、そこは自信がついたと思います。しっかり動き回れるように作ってきました。いろいろ展開もあると思いますけど、全局面気を抜かずにしっかり対応していきたいと思います」と、チャンピオンシップを戦うスタミナに自信。「丁寧な試合運びをして、しっかり自分のやるべきことをやって、ミスなく5分5R、やり続けます」と語る。  一方の田嶋は、「5Rでもいつも通り、普段通りの練習で、ちょっと強度が高まるくらいで変わらないですね。初めての5分5Rなんですけど、全部全力で行きます」と、初回から「全力で行く」とした。  田嶋は、2021年5月の『格闘DREAMERS』で齋藤奨司に一本勝ちするなど、MMA6勝1敗。2021年9月に現在『Road TO UFC』を勝ち上がっている風間敏臣に唯一の黒星を喫したが、以降、サイバー遼、水永将太、鬼神光司、上田祐起を相手に4連勝でネオブラを制している。  得意の寝技に加え、打撃、ケージレスリングにも挑むなど、1戦毎に実力を付けて来た田嶋は、1年のうちにネオブラ優勝&MVP、そして暫定のベルトすらも手にするシンデレラ・クリスマスを目論む。 「ネオブラ優勝から自分もベルトとかに近づいてきているので、獲るために勝ちます」と言い、PANCRASEの王者になることの意味を、「日本のトップの団体だと思うので、そこの王者になれるというのは、日本の総合格闘技の中でもトップに立てることだと自分は思ってやります」と意気込む。  一方、悲願の戴冠に向け、TSUNEは、「日本で一番いい環境のジムでやっていると思います。バンタムも揃っていますし、下の階級もチャンピオンがいて、そのなかでもだいぶ上の方なので、引っ張っていく立場なので、ジムとして看板背負って戦っていきたいと思います」と、Me,Weのベテランとして「看板を背負って戦う」決意を示した。 どの団体よりもカッコいいベルトだな(TSUNE)、会場に笑いが起きるのも作戦のうち(田嶋)  壇上のベルトを目前にすると、「どの団体よりもカッコいいベルトだなと、昔から思っていますし、獲ってから(思いはさらに)変わるかなと思いますね。獲るまでは実感がないので、獲ってからチャンピオンとしてどう感じるかなと」と、想い入れを語り、「地元の熊本からも応援に来てくれて期待してくれているんで、頑張ります。この37歳でなかなかチャンスも来ないと思うので、“最後”くらいの気持ちでやっていますね」と、覚悟の王座戦になることを語った。  田嶋にとっては、「ビッグチャンス」に師匠・太田とのコンビで挑むことが大きな力になるという。  ときにセコンドとして、自らも務める審判団に聞こえるように、歯に衣を着せない声をかける太田の言葉に、田嶋は、「いやー、めちゃくちゃ大きいですね。会場に笑いが起きるというのも……作戦のうちということで(笑)。自分にとっては大きな存在です」と、笑顔で語る。その太田代表からは、「『このビッグチャンスでしっかりベルトを巻けるように』といろいろ言ってもらいました。ほんとう勝とうという、それだけですね」。  急遽決定の暫定王座戦。豊富なキャリアに裏打ちされたMMAで、TSUNEが悲願のベルトを巻くか。それとも新鋭・田嶋がビッグチャンスをモノにするか。
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