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【PANCRASE】王者・猿飛流「どちらの思いが上回るか」×挑戦者・鶴屋怜「歴史に名が残るような試合に」=12月25日(日)横浜・王座戦調印式

2022/12/08 22:12
 2022年12月25日(日)に横浜武道館で開催される『PANCRASE 330』でフライ級キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップに臨む、王者・猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)と、挑戦者・鶴屋怜(パラエストラ松戸)が8日、都内で調印式を行った。  9月11日の『PANCRASE 329』で、フライ級1位の上田将竜を1R 2分33秒、パウンドによるTKOで下した鶴屋は、ケージのなかで「1Rで勝てて良かったです。猿飛流選手いますか? 12月、ベルトをかけて僕と戦いましょう」とフライ級王座挑戦をアピール。ケージインした猿飛流は「お願いします」と返答。鶴屋は「12月横浜で、クリスマスなんですけど僕の試合を観に来てください」と語っていた。  10月6日にあらためて、今回のタイトルマッチが正式発表されたことで、猿飛流は、「怜くんがDEEPからPANCRASEに来たときに“うわあ、来たか、超新星が”と(笑)。でも怖さとワクワクが混じるような感じで、おそらくやるだろうなあと思っていて。やっぱ想像通り、怜くんが上がってきて、このあいだ上田さんが1Rでやられちゃって、ケージ上で対戦表明してもらって。率直に“ああ、とうとう来たな”って感じました」と、鶴屋がPANCRASE参戦当時から、いつかは対戦するだろうと考えていたという。  その上で、「今回、鶴屋怜くんと、タイトルマッチ5分5R、戦わせもらうんですけど、怜くんはこれから世界に行くような、日本を代表して戦うような選手だと思います。1回ここで王者として、怜くんに1回だけ黒星をつけて、いろいろとここで学んでもらおうと思っています。王者の強さを見せます」と、5戦無敗の新鋭に土をつけると宣言。  一方の鶴屋は、「チャンピオンが猿飛流選手じゃなかったとしても、どっちみち全員にしっかり勝てないとチャンピオンになれないと感じでいたので、相手がどうこうではなく、普通にチャンピオンベルトに挑戦したいな、という気持ちでやってきました」と、想定通り勝ち上がって挑戦権を手に入れたとし、王者について「猿飛流選手はすごいスタミナもあって、全体的にできるすごいいい選手だと思います。でもまあ、しっかり自分が何もさせないで勝ちます」と、気負うことなく、完勝を予告した。  猿飛流は、2021年5月のフライ級暫定王者決定4人トーナメントBブロックで上田将竜にスプリット判定で勝利するも負傷により小川徹との決勝戦に進めず。ベルトを巻いた小川の2度目の防衛戦で3月に王座挑戦。5R判定で勝利し、王座を奪取している。  その戦友たちを圧倒してきたのが20歳の鶴屋だ。 「本当に、秋葉(太樹)選手も上田選手も好きなんですけど、負けてしまったから、僕がその分、頑張ろう──という気持ちはそこまではなく、単純に怜くんは本当に強いなって。秋葉選手と上田選手を何もさせずに倒して、その怜くんと試合で戦えるのが、単純に楽しみだなっていう。怖くもあり楽しみでもありという感じですね」という猿飛流は、“超新星”に対して、「怜くんの強い部分でも勝負できるように準備してきた」「皆さんが見ていない部分を引っ張り出したい」と、十年選手の持ち味を出して戦うという。 「怜くんは、PANCRASE3戦目でタイトルマッチ、1戦、2戦目でそれだけの実力を、上位ランカーの秋葉さん上田さんを相手に1Rで倒して、圧倒的な組みの強さがあるなと思って。そこを怖気づかずに、その怜くんの強い部分でも勝負できるように準備してきました。そこでも上回って、全体的に自分のMMAをやろうと思います。  いつも通り、5分5Rしっかり最後まで動けるように、SASUKEや他の方たちとも練習させていただき、そして専修大学レスリング部にもレスリングの部分を強化するために行って、組み、レスリングの部分を強化するのと、自分の持ち味である、5分5Rずっと動き続ける、そのことを意識して練習してきました。前回、最後まで動ける試合ができたと思うのですけど、前回を上回るような試合をしたいと思っています。できると思っています。  今まで怜くん、1、2Rで対戦相手を仕留めてきたと思うのですけど、その先の未知の戦いをさせたいなと。自分にはそれができると思ってるので。で、そこを、怜くんの試合のなかで、皆さんが見ていない部分を引っ張り出したいなと。それで2人で、最高の試合をします」(猿飛流)。  対する鶴屋は、9月に米国修行も敢行し、ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーではフライ級ランカーのアミール・アルバジや、Bellatorバンタム級GP準決勝に臨むパッチー・ミックス、修斗王者の安藤達也とも練習を重ねてきた。今回の初の5分5Rのタイトルマッチに向けて「いつも通り」厳しい取り組みのなかでの平常心で臨むという。 「(王座戦の5分5Rは)いつもと変わらないです。普通に毎日2部練やって、試合が無いときでもしっかり仕上げているので、いつも通り普通に練習しているだけです」と語り、王者からの「初黒星つける・学ばせる」の言葉にも、「そう言われたんですけど、はっきりいっていつも通り、1Rでフィニッシュできると思うので、しっかり今までたとえば、青木(真也)選手や山本KID(徳郁)選手がやってきたように、歴史に名が残るような試合にしたいと思います」と、横浜の地での歴史的な戴冠を予告した。  横浜は、父・鶴屋浩がヴィトー・シャオリン・ヒベイロと3Rを戦い引退した場所、さらに、パラエストラ松戸の先輩の松根良太が修斗世界フェザー級(-60kg)タイトルマッチで大石真丈に判定勝ちし、史上2番目の若さで修斗世界王座獲得に成功した“聖地”だ。 「小さい頃から格闘技を見て育ってきたので、PANCRASEとか、日本国内のベルトは自分のひとつの夢でもあったので、ベルトをしっかりとって、本当、日本のというか、PANCRASEの代表と言えるようなチャンピオンになりたいです。PANCRASEの最終試合として相応しい、メインでしっかり勝って、横浜の会場を盛り上げて終わりたいな、と思います」(鶴屋) 「『超新星vs.苦労人』という形で今回は試合を見てもらえると思うので、今までお互い積み重ねてきたもの、怜くんは幼少の頃からずっと世界で戦うためにやってきて、僕はこのPANCRASEの、尊敬する仙三さんのベルトが欲しくて、一度格闘技を引退してもしがみついて格闘技をやって、やっと獲ったベルト。そのどっちの思いが上回るか、それを見てほしいです」(猿飛流)  人生のアップダウンを乗り越えてベルトを巻いた猿飛流は、かつてのジム仲間・仙三が言っていた「王座戦の5分5Rは5分3Rとは違う。勝ちたい気持ちの強い方が勝つ」の言葉を胸に「MMAに賭ける気持ち」で上回って、ベルトを守るつもりだ。対して「いまでもサンタクロースはいると思っています」という挑戦者は、父へのクリスマスプレゼントにベルトを贈るという。  クリスマスに最後に、ベルトを巻くのは猿飛流か鶴屋怜か。
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