2022年12月10日(土)東京・後楽園ホール『RISE 163』のメインイベントにて、中村寛(BK GYM/同級3位)と伊藤澄哉(戦ジム/スーパーライト級6位)がライト級(-63kg)3分3R延長1Rで対戦する。両者が公開練習を行い、インタビューに答えた。
中村「スリルを楽しんでやる時の自分が一番強い」
――2022年最終戦が12月10日に決まりました。対戦相手が伊藤澄哉選手と聞いてどんな心境でしたか?
「知ってたんで嬉しいですね。僕から見たら結構根性座ってるしハート強いし、一発で倒せる威力があるんで自分の課題にはちょっきし合う選手かなと思ってすごい楽しみな気持ちになりましたね」
――今の自分の課題には合うって言葉もありましたけど、自分の課題はどのように感じてるんですか?
「言葉にすると難しいけど、自分はキックボクサーじゃないと思ってて。というのも全部本能で戦う姿が一番自分も楽しいし周りも楽しませられていたつもりなんですけど、やっぱりいろんな情報が入ってくるようになって上がれば上がるほどキックボクサーに寄ってたというか、求められてるものを真っ当にクリアしていこうとしすぎてキックボクサー化してたなというところが、自分のマイナスになってた部分かなと思うんで。今年ラストかもしれないんで試合を締めくくるためにも今年中に今年の課題にしてたそういう本能的な強さっていうところを取り戻したいなと思ってた。それをきっちりできた状態で、来年可能であればタイトルも獲っていきたいなと思ってるんで、そういうところで今の課題は本能的な強さを取り戻すところですね」
――Twitterでは生物的な怖さも取り戻したいとおっしゃってますよね。
「言ったかな。覚えてないけど(笑)。でも似たような感じで、考えて『こう打ったらこう動く』とかそういうテクニック的なところももちろん大事なんですけど、やっぱり生物的な強さ、本能的な部分で相手を倒すっていうところは紙一重で。どっちかだけでも上がられへんし良いバランスが必要やろなと思うんで、それがちょっとキックボクシングに寄り過ぎてる自分を見つめ直して思った。無名の時のようなじゃないですけど良い部分は昔を取り戻した方がいいかなと思って、そういうところを楽しみに練習を今してる段階ですね」
――練習は全てvs.伊藤澄哉を想定した上での練習になってますか?
「そういう訳でもないですね。僕が解説の時に出場してた選手なんでたまたま生で見てたことがあるんでそれの印象で言うと、僕とも相性も合うんじゃないかなと思う。合わせる蹴り技とか一発で倒すパンチ力だったりはあるなと思って見てた、その印象だけって感じです。その印象を持ったまま自分の練習をしてますね」
――前回のチャンヒョン・リー戦は残念な結果となりましたが、その反省を踏まえた上で今回の一戦に臨むっていうのもあるんですか?
「そうですね。出来てない課題があったらそれを次の試合にまた出来るように努力してっていう繰り返しだと思うんで、今はチャンヒョン戦で出来てなかったところを改めて取り返してってやろうっていうところですね」
――2022年の中村選手は今まで2勝1敗じゃないですか。マッチメイク的にもかなり濃いのが続いたと思うんですけど、今回が4戦目になりますがどうですか?
「僕は弱いと思ってないんでどっちかが倒れる試合をできたらいいかなと思うし、相手も当たるし自分も当たる距離でしっかり自分の生物的な本能的な強さを見せて勝つ気ではいますけど、あんま何も考えてないですね。ネガティブとかいう意味じゃなくて試合を見て研究しないのも理由があって、当日のスリルを楽しむためでもあるんで。何してくるか分からん状態での選手とやるのってやっぱ楽しいんで、その楽しさを取り戻すためにっていうところもある。そのスリルを楽しんで普通にやれば、そういう時の自分が一番強いと思ってるから普通にやってたら相手倒れるやろなと思ってます」
――10月31日に誕生日を迎えて26歳になりましたけど、26歳になって初戦という部分ではどうですか?
「何も気にしてないです。最近歳いってももう多分嬉しないと思うんで(笑)。選手生命は短い中で1年ずつ年老いていく感覚なんで僕はもう歳は気にしてないですけど、あんま嬉しくはないですね(笑)。でも26歳で初めてっていうところは確かにあるなーって今教えてもらった感覚なんで。でもあんまり気にならないですね。全部取っ払ってとにかく当日のど突き合いを楽しもうっていうだけです。だからまた違った一面の中村寛っていうのをを見れるんじゃないかなと思いますね」
――新しい中村寛を楽しみに待っててよろしいようですね?
「無名の時から応援してくれてる人とかは『これが中村寛やなっ」て思ってもらえる一戦になるかなっていうのは確実やなって思ってるんで。入場からフェイストゥフェイスから、試合始まってゴング鳴って1秒目から、ハラハラドキドキするような試合をしてっていうのを自分も望んでるし。勝敗すら考えるのもここ最近は邪念かなと思ってるんで、素直に普通に戦うっていう殺し合うっていう気持ちを楽しむ感覚です」
――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
「当日会場に観に来られる方もABEMAで応援してくださる方も皆さん、新しいじゃないですけど僕のまた違う一面の中村寛というものを応援してもらえたら嬉しいです。っていうのと絶対観たほうがいいよって思いますね。身体もバッチシ仕上がってるんで残りの試合まで毎日楽しみにしててもらって、当日待ってて良かったって思う試合になると思うんで楽しみにしててください。俺が一番楽しみです」
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伊藤「会場をちょっと盛り上げて最後に一発で倒したい」
――かなり仕上がり具合が良いように見えましたがどうですか?
「そうですね、仕上がりはいいと思います」
――具体的に言うとどの辺が今回良いかなと考えてますか?
「最近、練習量増やしてから体の動きもすごい良いし、手札が増えたと言うか攻撃のバリエーションが増えて繋げやすくなったすね。じゃあこの攻撃しよう、この攻撃しようとか」
――リングに立つのは8月の山口侑馬戦以来ですけどRISEに出て3連勝した後、残念ながら連敗してしまいましたが、何か今回の一戦の前に練習を変えるとか工夫はありますか?
「特に深く練習内容とか環境変えたのはないですけど、ディフェンスの面はちょっと強化的にって言うか意識して、なおかつさっきも言ったようにこの攻撃をしたら次はこの攻撃とか、それをイメージしながら練習するようになりましたね」
――それは今回のvs.中村寛戦に向けてのイメージに全て繋がってるってことですね?
「それもそうですし、今までのスタイルじゃやっぱ限界があるなってのも感じたし、そこでちょっと意識自体を変えた感じですね」
――今回の対戦相手である中村寛選手ってどんな印象ですか?
「印象…人獣ですね(笑)。動物に例えるとゴリラになるんですかね(笑)」
――今までそういうタイプの相手と対峙したことってありますか?
「多分ああいうスタイルは初めてだと思いますね。(短い)リーチもそんなちっちゃい選手とも試合したことないし、そういう面ではちょっと未知ですよね」
――いざ戦ってみたら相性は良さそうですか?
「それは対戦が決まる前から『噛み合うんだろうな』とは思ってたんで意識はしてました」
――噛み合うっていうのは、気持ちと気持ちの部分が上手い具合にぶつかり合う感じだから噛み合うって感じなんですか?
「気持ちの面でもそうですし、意外と相手もテクニシャンだったりするんで、試合して試合の攻防の中で探りあったりとかも出来るのかなと思って。プラス、やっぱり相手も打ち合う時は打ち合える選手だし、自分自身も打ち合う時は打ち合うんで噛み合うと思います」
――最近の中村選手の戦いぶりはどう見てますか?
「スピードとタイミングとかパワーはあるなって思いますね」
――それ以外の部分では弱点として伊藤選手が突きやすい部分もある?
「そうですね、穴はいっぱいあると思ってます」
――穴はたくさんある?
「はい、そう思いますね、自分は」
――具体的には今それを明かすことはできないと思いますが、そこを突きながら試合当日はどんな試合になるとイメージしますか?
「理想は一発バチンと当ててスカ勝ちしたいんですけど、会場をちょっと盛り上げて最後に一発で倒したいなと思います」
――他にもかなり良いカードが組まれてますが、その中でどんな自分の色を出したいと思いますか?
「色を出したいっていうか連敗しちゃってるんで、自分の『伊藤澄哉』っていう名前を売りたいのもありますし、強さをこの試合で証明したいなって思ってます」
――最後にファンへメッセージをお願いします。
「どのくらいファンの人がいるのかちょっとわかんないですけど、今回はバチっと決めて連敗脱出と気持ちよく年を越そうと思ってるんで応援よろしくお願います。
あと、最後に一つ良いですか? 対戦相手の中村寛にひとこと言いたいんですけど、本能的に戦うって言ってるって聞いたんですけど、いつも本能的にって言ってるくせに上手く戦ってるイメージが俺からしたら強いから、今回は本当にお互いに本能的に戦って、自分は自分のことを人獣って言ってないけど、どっちが本物の人獣なのか決めようぜ」